諦めてください!

なーな

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仲間集め!

リンとの立場逆転!?

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「リン。
作戦開始よ!まずは彼女を
ここに呼んできて!」


興奮気味に叫んだ私にリンは呆れたように言った。


「杏里様。
今彼女を呼んできて、何をされるおつもりですか?」


「何って…きまってるじゃない!
公爵に会うように説得するのよ!」


あらかさまに「はぁ」と

溜め息をつかれる。

え、おかしくない?

前までのリンはどこに行ったのよ。

威張るつもりは無いんだけど、

一応『神子』なんですけど!?


「杏里様、恐れながらいわせてもらいます」


全然恐れて無いでしょう!

そんな私の心の声を無視して

(心の声なのだから聞こえてないのが当たり前)

リンは話を続ける。


「そもそもの目的は、
杏里様が女官の方々と打ち解けることです」


最後に

覚えていらっしゃいますよね?

と言って首をかしげる仕草が
何となくわざとらしい。


もちろん、その位覚えている。

ただ、
頭の隅っこにいっていただけである。


そう、断じて忘れてなどいない!


「そのための手段として、
まずは、公爵令嬢の彼女を味方につけるための作戦を練っているのです」


ウッ…

忘れこそいなかったけど、

マリアンヌが家族と早く仲直りして

ほしいということが頭の殆どをしめて

いて頭の中にはなかった。



「じゃあ、どうすればいいのよ」


「そうですね。
まずは、彼女が父親との関係についてどう思っているのかを確認する必要があります」


??

頭の上にたくさんの?マークがうかんでいる。


「なんで?」


また呆れたような顔をしながらリンは説明をしてくれた。


「先程杏里様がおっしゃられたように今すぐ彼女に、父親に会いたくはないか?などと聞いても首を横に振ると思われます」

?????

前よりもたくさんの?マークが浮かぶ。



「まって、まって!
なんで?もっと分かんないだけど!」


「もしもそれで、彼女が素直に頷くならば、こんなに長い間喧嘩し続けるはずがありません」


あぁぁぁ!

そう言われればそうか。

リンに何回も説明してもらってやっと分かった。



「…で?
どうすればいいの?」


結局話が振り出しに戻る。


「…」


リンが物凄い顔でこっちを見てくるのだけど、どうかしたのかな?



「…杏里様
私の話をしっかりと聞いていらっしゃいましたか!?しっかりと!」


しっかりと、って2回言った?

酷っ!



「聞いてたわよ!」


「それならば、何故そのような質問をされるのですか。
聞いていなかったでしょう!」


真っ向から否定されてしまった。


リンは本当にあの優しかったリンなのだろうか…

最近、私に対しての態度が…

いや、丁寧にされると他人行儀みたいで、それもそれでイヤなんだけどさ。


「一番はじめに言いましたよね!?
『彼女が父親との関係についてどう思っているのかを確認する必要がある』と!」


それは、聞いてた。
だから、どうやって確認するの?


思わずそう呟いてしまった。


リンの顔をちらっと見ると…

ぎゃぁぁぁぁぁ!

もっのすごい形相でこっちを見ている。否、睨んでいる。


「そんなの杏里様が聞くに決まっているでしょう!?」



それ以外にどうするのですか!
とまで、言ってきた。


え、イヤ。普通にあなた達が聞いたらいいんじゃないの?

と思ったのだが、リンの顔を見ると
そんな事言い出せない。


えぇーーーー。

どうやって聞くのよ~?



「お父さんのことどう思ってる?」


とか、聞いちゃいけないんだろうしな

ほんとにどーしよ~
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