恋愛ゲームはAVじゃありません!!

サブストーリー

先進的な技術の無駄遣い

サブストーリー1話の続きです。







3大欲求を満たしたすと言ったが決して性欲ではない。エロゲ風味だから性欲だろうと思われてるだろうけど、もう既にそちらはメインストーリーでお腹いっぱいになることは確実である。

私が満たしたいのは食欲である。

子供の頃から食卓や外食と無縁のインスタント生活をしていた私は、初めて行ったファミレスで衝撃を受けてから以降食に一気に天秤が傾いたのだ。こんな美味しいものが世の中にあるんだなとハンバーグランチを食べながら歓喜し涙して自分の楽しみの為にお金を稼ぐと決めた。


「バーチャル内といっても味覚嗅覚はあるし実際に食事もできるこのゲーム凄い!!」


数時間前にわかった事だがこのゲームは飲食店とも提携しておりこの世界から実際に注文もできるし、アバターに作ってもらう時も当然お金は仮想通貨で支払われている為リアルでも食事が取れる方式が採用されている。


私の男性アバターは身長177cmガッチリした筋肉を携えた40前半のダディである。均等に鍛えられた筋肉と繊細な指先が私の性癖に刺さる。

「仁奈、ご飯できたぞ。おいで」
「はぁい、パパ。今日のご飯はなぁに?」
「仁奈の大好きなふわふわのオムライスだ」
「ありがとう!パパ」

バーチャルだからこそ現実では手に入れることの出来なかった理想をみんな別の形で実現している。私の理想がちゃんと出来た時に褒めてくれて、間違っている時に叱ってくれる家族だっただけ。

「仁奈はいつも頑張りすぎるんだから偶には休んでもいいんだよ」
「本当にありがとうね。パパ」
「仁奈の事はパパ愛しているからな」

ポンポンと撫でる優しい掌に色々許された気がして想いが込み上げ、涙腺が決壊し止まらなくなる。私の背をトントンと優しく宥めてくれるパパに縋りながらこの時だけは子供の様に泣けた。