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しおりを挟むなんでここにいるの……?
「リュカ!」
「あっ、りぃくん待って……!」
リュカさんを見つけるや否やりぃくんがとととっとリュカさんの足にしがみついた。
「普段、陽や理人によくしてくださっている方々ですか?」
りぃくんを抱っこして先ほどまで僕のことを言っていた人たちの集まりに声をかけた。
「え、ええ……。」
なんだか奥様方もいきなり現れた容姿端麗なリュカさんにたじたじになっているように見える。
「そうですか、陽はとても頑張り屋さんなので、中々私を頼ってくれなくて困っているんです。
ですからどうか、よろしくお願いしますね?」
「え、えっと……貴方は?」
「西園寺と申します。
そろそろ時間ですので失礼しますね。
りぃくん、行こうか。」
「うん、はるもいこ!」
「ちょっとりぃくん……!」
僕はリュカさんの車に乗りたくない。
けれどりぃくんがぐいぐいと僕を引っ張って車に入っていってしまった。
りぃくんがここまで人に心を許すのは珍しいことだし、きっといい人なんだろう。
でも僕はこの人に近づいてはいけないと思う。
何故かはわからないけれど。
りぃくんとリュカさんは和やかに話していてあっという間に保育園に着いた。
「さぁ、りぃくん、いってらっしゃい。」
「うん!いってきます!」
りぃくんとリュカさんは本当に自然に挨拶をしていた。
「はるも!いってきます!」
「あ……い、いってらっしゃい!
りぃくん今日もたくさん遊んでおいで!」
いつものようにぎゅーっと抱きしめて送り出した。
「-shiki-まで送りますよ。」
「い、いえ、大丈夫です。
送っていただきありがとうございました。」
「少し話があるんです。
車なので少し話す時間があるでしょう?」
さぁどうぞ、と車のドアを開けてエスコートされてしまい、保育園の先生もなんだか興味津々に見ているのがわかったから乗らざるを得なかった。
「昨日は結構飲まれていましたが二日酔いは大丈夫でしたか?」
「はい……大丈夫でした。
あの、なんで家を知っていたんですか?」
その質問にリュカさんは目を丸くしてふっと微笑んだ。
「昨日、酔いつぶれた陽さんたちを家まで送り届けたんですよ。
荷物も多かったので……。
りぃくんが泊まれば朝に陽が迷惑かけたと自己嫌悪するだろうから帰りたい。と言っていたので丁度帰るところだった私が。」
嘘……。てっきり琥太郎さんが送ってくれたんだと……。
「そ、れは……貴方にまでご迷惑をおかけしてしまって……。」
「いえ、それくらいなんともありませんよ。
それより、貴方、よりリュカと呼んでほしいですね。」
「え、えっと……?」
この人の名前を口に出してしまうとなんか距離が近くなってしまう気がするし、初対面に近いし……。
「……陽さんが私を警戒しているのはわかっていますよ。
でもね、私は陽さんやりぃくんとお近づきになりたいんです。
貴方にはまわりくどいのは混乱させるようなので先に言っておきます。」
窓に片肘をのせて左手だけで運転するリュカさんはさらっとそうのたまった。
お近づき、って多分僕の想像した意味で合っている、んだよね?
「……僕、僕は、りぃくんがいればそれでいいんです。
今にこの生活が十分幸せで、この生活に余計なものはいらな「貴方には」」
僕に言葉を被せてきたリュカさんは路肩に車を止めた。
「貴方にはもっと幸せになる権利があります。
確かにりぃくんの幸せを望む貴方は とても素晴らしいし、実際あそこまで素直に育ったりぃくんですから陽さんが愛情込めて育てたのでしょう。
愛情込めて育てているりぃくんが成長してくれるのは確かに幸せです。
でも今の貴方の幸せには自己犠牲が含まれているんですよ。」
穏やかに、諭すように語りかけてくるリュカさんに僕は怖くなった。
リュカさんは僕の心の鍵をかけたところまで見透かされているような気がして。
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