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しおりを挟む旅館に着いて、夕食までまだ時間があるからそれまでお土産を整理しながらひとやすみ。
「陽さん、りぃくん、なにか飲みますか?」
「あ、僕が煎れますよ。」
「陽さん疲れているでしょう?
一通りの飲み物があるみたいですけれど、どれにしますか?」
「あ、ありがとうございます……麦茶で……。」
おずおずと言うとにっこりと笑ってグラスに注いでくれた。
「はい、りぃくんは何にしますか?」
「おみず!」
「はい、どうぞ。」
「ありがとう!」
飲みもの片手にまったりしていると離れのチャイムが鳴った。
「……?なにかあったんでしょうか?」
「私が行きます。」
返事する間もなくリュカさんが出ていき、戻ってきたと思ったら両腕にたくさんの袋をぶら下げ、箱を何個か抱えていた。
「買ったものを持って歩いたら荷物になるので、配送サービスがあるお店で買ったお土産はここに送ってもらったんです。」
「そうなんですね。
会社の人に配るのに結構な量必要になりますもんね。」
「……?これ全部陽さんとりぃくんのですよ?
会社の者に渡すとしても、これじゃ量は足りませんしここではなく会社に送っていますよ。」
「ほわぁ!!リュカこれいいの!?」
「ええ、りぃくん美味しいって言って食べてましたもんね。」
お土産の中にお気に入りのものをいくつか見つけたりぃくんがそのふにふにのほっぺに両手をあてて、大興奮!!っといった様子だった。
テーブルに並べきれなくて、床にも並べられた、抹茶味のバウムクーヘンやラングドシャ、カステラ、もみじ饅頭、ういろう…。
千枚漬け、佃煮、ちりめん山椒や鯖寿司まであった。
「食べきれなければ琥太郎さんたちにあげてください。」
「琥太郎さんたちの分のお土産は買いましたよ…?」
「では私からと言えば受け取ってくれます。
陽さんが受け取ってくれないのならこれ、どうしましょうか?」
「う……ありがとうございます……。
こんなに色々してもらって……。」
「私がしたくてしたことなので気にする必要はないですよ。
それよりまだ夕飯まで時間がありますから露天風呂を堪能してきたらどうです?
先程クローゼットを覗いたら色々な浴衣がありましたよ。
りぃくんのサイズのものも。」
「え!見てきてもいいですか?」
「ふふっもちろん。」
浴衣姿のりぃくん……絶対かわいい。
いそいそとクローゼットを覗くとかわいらしい色の浴衣がたくさん入っていた。
「りぃくーん!こっち来てー!」
「はーぁーいー!
はる、どうしたの?」
「お風呂入った後の浴衣、りぃくんどれ似合うかなぁって。
いや、どれでも似合うからなぁ……。」
りぃくんに浴衣を合わせて悩む。
だってどれ着てもかわいい。
「ぼくこれー!」
りぃくんが選んだのは天色の生地に白の大小の波紋が広がり、小さな黒の金魚が揺蕩う少し大人っぽい浴衣だった。
でも青空のような明るい青はりぃくんらしい。
写真は絶対撮らないと!
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