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本編 第零章
0000:勇者パーティ追放⁉︎
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「ルカ王女、悪いけど実力不足だからこのパーティから出て行ってくれ!(笑)」
――ここは、月国最果ての辺境エリア。――
人も生き物も、植物さえも生えていないこの地で、とある勇者パーティが仲間の内の一人を今追放しようとしている。
――彼らのことを人々は月国希望の星という意味を込めて『ステラ』と呼んだ。――
「勇者様、納得がいきませんわ! 何故、私がパーティから出ないといけないのです⁉(困惑)」
「ケッ。…………話の通じない王女様だこった。お前は、魔王討伐においていらない存在なんだよ!」
「――――っ‼(ショック)」
「これから魔王エリアに入るのに、だだの飯炊き要員なんか足手纏いになるだけじゃねえか。……なあ、リリス?」
「ええ、そうですわね、勇者様。(にっこり)……ルカ様、申し訳ないのですが、戦闘中にルカ様の護衛よりも、勇者様への援護に力を注ぎたいのです。今から行く道には、箱入り娘でお嬢様育ちのルカ様にはとても危険すぎます。何もできない役立たずは、さっさと帰ってくださいな。……そうでしょ、ドナルド?(笑)」
「…………。(黙って頷くドナルド)」
「――――っ‼ …………でも、それでも、みんなが万全の体制で戦闘ができる様に、今まで食事を用意してきました。誰よりも、みんなのことを考えて行動してきたつもりです! 自分の身は自分で守るから、最後まで一緒にいさせてください!(土下座して頼み込む)」
「…………王女ともあろう者が、土下座なんてそこまで落ちぶれたか。(軽蔑)みんな、コイツ置いて先を急ぐぞ。」
「「了解。」」
「ま、待ってください、話はまだ終わっていませんよ⁉」
「うるさい馬鹿王女が! お前のような役立たずがパーティの中にいるだけで、イライラするんだよ‼ …………ああ、そういえば言うの忘れてたわ。……お前との婚約は今日をもって破棄として、俺は、この愛おしいリリスと結婚する‼ 実はリリスのお腹の中には、俺との子が宿っているのだ‼」
「――――――っ⁉(衝撃の嵐)」
「まあ、勇者様、まだ仰っていなかったのですか? 旅を始めた頃から、私たちの関係は始まっていたのに。(笑)」
『ステラ』の魔術要員リリスは、隣にいた勇者の腕に自身の腕を絡めて、二人の普通ではない男女な仲をルカ王女へありありと見せつけた。そして勇者は、鼻の下を伸ばしてリリスのややふっくらしたお腹を、スリスリといやらしい手つきで触り、ルカ王女に対しては依然として塩対応を決めつける。
「ルカ様かわいそう。でもごめんなさいね。勇者様が選んだのは、この私なのです。せっかく勇者様が私を選んでくださったのだから、いろいろ尽くしたいと思ってしまうのも致し方ないでしょう?」
リリスは申し訳なさそうな表情を浮かべつつその一方で、内心、ルカ王女のことを馬鹿にしているのであった。
「月国王は、このことをご存知なのでしょうか?(憔悴)」
「まだ言ってはいないぞ! 魔王を倒して凱旋帰国してから電撃結婚するつもりだ‼」
「…………もう、私たちの見ている方向は違うのですね。(はらりはらりと涙がこぼれ落ちる)」
「方向性が違うのは、お前だけだ! じゃあな、能無し足手纏い役立たず王女よ!」
こうして、『ステラ』のリーダーである勇者と魔術要員のリリス、騎士のドナルドお三方一行は、ルカ王女を一人置き去りにして、魔王が住む月裏国へと、一歩踏み出すのであった。(ひどすぎる‼)
――一人残されたルカ王女の涙は、次から次へと止めどなく流れ出て、一つの水溜まりができるほどに…………。――
――ここは、月国最果ての辺境エリア。――
人も生き物も、植物さえも生えていないこの地で、とある勇者パーティが仲間の内の一人を今追放しようとしている。
――彼らのことを人々は月国希望の星という意味を込めて『ステラ』と呼んだ。――
「勇者様、納得がいきませんわ! 何故、私がパーティから出ないといけないのです⁉(困惑)」
「ケッ。…………話の通じない王女様だこった。お前は、魔王討伐においていらない存在なんだよ!」
「――――っ‼(ショック)」
「これから魔王エリアに入るのに、だだの飯炊き要員なんか足手纏いになるだけじゃねえか。……なあ、リリス?」
「ええ、そうですわね、勇者様。(にっこり)……ルカ様、申し訳ないのですが、戦闘中にルカ様の護衛よりも、勇者様への援護に力を注ぎたいのです。今から行く道には、箱入り娘でお嬢様育ちのルカ様にはとても危険すぎます。何もできない役立たずは、さっさと帰ってくださいな。……そうでしょ、ドナルド?(笑)」
「…………。(黙って頷くドナルド)」
「――――っ‼ …………でも、それでも、みんなが万全の体制で戦闘ができる様に、今まで食事を用意してきました。誰よりも、みんなのことを考えて行動してきたつもりです! 自分の身は自分で守るから、最後まで一緒にいさせてください!(土下座して頼み込む)」
「…………王女ともあろう者が、土下座なんてそこまで落ちぶれたか。(軽蔑)みんな、コイツ置いて先を急ぐぞ。」
「「了解。」」
「ま、待ってください、話はまだ終わっていませんよ⁉」
「うるさい馬鹿王女が! お前のような役立たずがパーティの中にいるだけで、イライラするんだよ‼ …………ああ、そういえば言うの忘れてたわ。……お前との婚約は今日をもって破棄として、俺は、この愛おしいリリスと結婚する‼ 実はリリスのお腹の中には、俺との子が宿っているのだ‼」
「――――――っ⁉(衝撃の嵐)」
「まあ、勇者様、まだ仰っていなかったのですか? 旅を始めた頃から、私たちの関係は始まっていたのに。(笑)」
『ステラ』の魔術要員リリスは、隣にいた勇者の腕に自身の腕を絡めて、二人の普通ではない男女な仲をルカ王女へありありと見せつけた。そして勇者は、鼻の下を伸ばしてリリスのややふっくらしたお腹を、スリスリといやらしい手つきで触り、ルカ王女に対しては依然として塩対応を決めつける。
「ルカ様かわいそう。でもごめんなさいね。勇者様が選んだのは、この私なのです。せっかく勇者様が私を選んでくださったのだから、いろいろ尽くしたいと思ってしまうのも致し方ないでしょう?」
リリスは申し訳なさそうな表情を浮かべつつその一方で、内心、ルカ王女のことを馬鹿にしているのであった。
「月国王は、このことをご存知なのでしょうか?(憔悴)」
「まだ言ってはいないぞ! 魔王を倒して凱旋帰国してから電撃結婚するつもりだ‼」
「…………もう、私たちの見ている方向は違うのですね。(はらりはらりと涙がこぼれ落ちる)」
「方向性が違うのは、お前だけだ! じゃあな、能無し足手纏い役立たず王女よ!」
こうして、『ステラ』のリーダーである勇者と魔術要員のリリス、騎士のドナルドお三方一行は、ルカ王女を一人置き去りにして、魔王が住む月裏国へと、一歩踏み出すのであった。(ひどすぎる‼)
――一人残されたルカ王女の涙は、次から次へと止めどなく流れ出て、一つの水溜まりができるほどに…………。――
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