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第弐譚
0002:いきなり魔女裁判⁉︎
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「ルシエル公爵令嬢! 今日こそは、貴女の悪事を暴いてやる‼︎(ビシッと)」
「どうぞ、ご勝手に。(ギロリ)」
皆様こんにちは! ルシエル公爵令嬢ナラ・ルシエル様の侍女であるアデリア・リッツと申します。ナラ様の侍女に任命されて、約七か月が経ちました。
現在は、とある昼下がりの午後。ナラ様の婚約者である第二皇太子リカルド殿下とナラ様とのお茶会に付き添っているところです! 場所は、宮殿屋外のちょっとしたテラスで、私は、ナラ様の後方左の簡易椅子で待機することになりました。(ナラ様お優し過ぎますわ!)テラスには、白いテーブルと椅子が置かれており、テーブルの上には、飲みかけのティーカップと手が付けられていないサンドイッチが二セット待機中です。そして、リカルド殿下の右横のお席には、最近リカルド殿下がご執心されているレニヤード男爵令嬢ソラ・レニヤード様が座られており、リカルド殿下にべったりとくっついていらっしゃるではありませんか!
正統な婚約者であるナラ様を差し置いて、その態度の大きさ…………万死に値しますわ‼︎(怒)
対してナラ様は、リカルド殿下の対面の席に優雅に腰を下ろし、涼しげな瞳を扇の裏に隠して、まったりとされていらっしゃいます! ……ああ、なんて美しいのでしょう。本当の性別は男性なのに、引けを取らない美しさ、美を追求し続ける陰ながらの努力、勤勉に厚く、リカルド殿下がサボって放置されている執務一般を全てこなすタフさと健気さ、……全てがパーフェクトすぎて眩しすぎますわ‼︎ (恍惚)
「…………澄ました顔をしやがって! 皆、出てきてくれ‼︎(なんかキレてる)」
「「はっ、殿下‼︎」」
あらら、どうしたことでしょう? リカルド殿下後方の木々の茂みから、リカルド殿下の取り巻き達がぞくぞくと登場されました。
「リカルド殿下、これを。(リカルド殿下に紙の束を渡す)」
「よくやった、ジン。」
ジン様とは、マテリア帝国直属の近衛師団団長ウェリアル侯爵の御子息ジン・ウェリアル様のことになります。一説によりますと、ウェリアル家の家格は、歴史の古さ、功績の数々により、ルシエル公爵家とほぼ同等と言っても過言ではないとか。
「……ルシエル公爵令嬢、昨日の午後何処にいた?」
「……執務室で殿下がサボっている事務作業を片付けておりました。(涼し顔)」
「とぼけるのもいい加減にしろ‼︎ 私のソラを宮殿玄関大広間の階段から突き落としたであろうが‼︎(激怒)」
「いえ、私はやっておりません。(キッパリ)」
「しらばっくれても此方には証言できる者が沢山いるのだ‼︎(激怒) ……ソラ、苦しかったであろう?(猫撫で声)」
「……はい、リカルド殿下。昨日の午後、ルシエル公爵令嬢様に階段から突き落とされまして、少々足を痛めてしまいました。……とても悲しかったです。(ウルウル)」
「大丈夫だ、ソラ。私がついておるぞ。あの女狐を私の手で討ち取ってみせるわ‼︎」
……わー、リカルド殿下とソラ様は、お二人の世界の中で、とても楽しそうですねー。(困惑)
「…………。(冷たい視線)」
「(ルシエル公爵令嬢を指差して)とにかく、ルシエル公爵令嬢! ……貴女は、大変な罪を犯してしまった! よって、貴女は、然るべき裁きを受けて、罪を償わなければならない‼︎(ビシッと)」
「荒唐無稽ですわ。(キッと睨みつける)」
「その高飛車な態度がいつまで続くかな。今までソラにしてきた幾度の仕打ちの証拠は、もう裁判所に提出してある。魔女裁判で確実に、貴女は有罪判決を受けるだろう。(笑)」
「…………。(鷹の目を扇で隠す)」
ま、魔女裁判ですって⁉︎
い、古より行われてきた所謂死刑宣告裁判を、この平和な時代に再びお開きになるおつもりなのですか⁉︎ ナラ様は本当に、ソラ様に対して危害を加えられることは無かったのに……。
そんなのは、あんまりなのです‼︎(怒)
「明日の夜明けから六刻後(約午前十時頃)、旧宮殿裁判所にて、開廷する。…………逃げるなよ。(ニヤリ)」
「…………それが、リカルド殿下のご意志であるならば、致し方ありませんね。(扇をピシャリ)」
「ああ、開廷時間に遅れた時点で、貴女の死刑は決定だ。せいぜい、最後の時間を楽しむがいい。ソラ、皆、行こう。」
「リカルドでんか、足が痛くて力が入りませんわ。(涙)」
「ソラは甘えん坊さんだな。私が抱っこしてあげよう。……ほら、おいで。(微笑んでソラ嬢をお姫様抱っこする)」
「リカルドでんかー、だいすきですー。(きゅるるん)」
「皆、皇帝陛下へ謁見だ‼︎」
「「はっ‼︎」」
こうして、リカルド殿下御一行様達は、宮殿の中へと消えていったのでした。
取り残されたナラ様と私は、ポカーンとしていたのですが、……いや、魔女裁判って明らかにおかしいでしょう⁉︎
ーー魔女裁判まであと一晩‼︎ーー
「どうぞ、ご勝手に。(ギロリ)」
皆様こんにちは! ルシエル公爵令嬢ナラ・ルシエル様の侍女であるアデリア・リッツと申します。ナラ様の侍女に任命されて、約七か月が経ちました。
現在は、とある昼下がりの午後。ナラ様の婚約者である第二皇太子リカルド殿下とナラ様とのお茶会に付き添っているところです! 場所は、宮殿屋外のちょっとしたテラスで、私は、ナラ様の後方左の簡易椅子で待機することになりました。(ナラ様お優し過ぎますわ!)テラスには、白いテーブルと椅子が置かれており、テーブルの上には、飲みかけのティーカップと手が付けられていないサンドイッチが二セット待機中です。そして、リカルド殿下の右横のお席には、最近リカルド殿下がご執心されているレニヤード男爵令嬢ソラ・レニヤード様が座られており、リカルド殿下にべったりとくっついていらっしゃるではありませんか!
正統な婚約者であるナラ様を差し置いて、その態度の大きさ…………万死に値しますわ‼︎(怒)
対してナラ様は、リカルド殿下の対面の席に優雅に腰を下ろし、涼しげな瞳を扇の裏に隠して、まったりとされていらっしゃいます! ……ああ、なんて美しいのでしょう。本当の性別は男性なのに、引けを取らない美しさ、美を追求し続ける陰ながらの努力、勤勉に厚く、リカルド殿下がサボって放置されている執務一般を全てこなすタフさと健気さ、……全てがパーフェクトすぎて眩しすぎますわ‼︎ (恍惚)
「…………澄ました顔をしやがって! 皆、出てきてくれ‼︎(なんかキレてる)」
「「はっ、殿下‼︎」」
あらら、どうしたことでしょう? リカルド殿下後方の木々の茂みから、リカルド殿下の取り巻き達がぞくぞくと登場されました。
「リカルド殿下、これを。(リカルド殿下に紙の束を渡す)」
「よくやった、ジン。」
ジン様とは、マテリア帝国直属の近衛師団団長ウェリアル侯爵の御子息ジン・ウェリアル様のことになります。一説によりますと、ウェリアル家の家格は、歴史の古さ、功績の数々により、ルシエル公爵家とほぼ同等と言っても過言ではないとか。
「……ルシエル公爵令嬢、昨日の午後何処にいた?」
「……執務室で殿下がサボっている事務作業を片付けておりました。(涼し顔)」
「とぼけるのもいい加減にしろ‼︎ 私のソラを宮殿玄関大広間の階段から突き落としたであろうが‼︎(激怒)」
「いえ、私はやっておりません。(キッパリ)」
「しらばっくれても此方には証言できる者が沢山いるのだ‼︎(激怒) ……ソラ、苦しかったであろう?(猫撫で声)」
「……はい、リカルド殿下。昨日の午後、ルシエル公爵令嬢様に階段から突き落とされまして、少々足を痛めてしまいました。……とても悲しかったです。(ウルウル)」
「大丈夫だ、ソラ。私がついておるぞ。あの女狐を私の手で討ち取ってみせるわ‼︎」
……わー、リカルド殿下とソラ様は、お二人の世界の中で、とても楽しそうですねー。(困惑)
「…………。(冷たい視線)」
「(ルシエル公爵令嬢を指差して)とにかく、ルシエル公爵令嬢! ……貴女は、大変な罪を犯してしまった! よって、貴女は、然るべき裁きを受けて、罪を償わなければならない‼︎(ビシッと)」
「荒唐無稽ですわ。(キッと睨みつける)」
「その高飛車な態度がいつまで続くかな。今までソラにしてきた幾度の仕打ちの証拠は、もう裁判所に提出してある。魔女裁判で確実に、貴女は有罪判決を受けるだろう。(笑)」
「…………。(鷹の目を扇で隠す)」
ま、魔女裁判ですって⁉︎
い、古より行われてきた所謂死刑宣告裁判を、この平和な時代に再びお開きになるおつもりなのですか⁉︎ ナラ様は本当に、ソラ様に対して危害を加えられることは無かったのに……。
そんなのは、あんまりなのです‼︎(怒)
「明日の夜明けから六刻後(約午前十時頃)、旧宮殿裁判所にて、開廷する。…………逃げるなよ。(ニヤリ)」
「…………それが、リカルド殿下のご意志であるならば、致し方ありませんね。(扇をピシャリ)」
「ああ、開廷時間に遅れた時点で、貴女の死刑は決定だ。せいぜい、最後の時間を楽しむがいい。ソラ、皆、行こう。」
「リカルドでんか、足が痛くて力が入りませんわ。(涙)」
「ソラは甘えん坊さんだな。私が抱っこしてあげよう。……ほら、おいで。(微笑んでソラ嬢をお姫様抱っこする)」
「リカルドでんかー、だいすきですー。(きゅるるん)」
「皆、皇帝陛下へ謁見だ‼︎」
「「はっ‼︎」」
こうして、リカルド殿下御一行様達は、宮殿の中へと消えていったのでした。
取り残されたナラ様と私は、ポカーンとしていたのですが、……いや、魔女裁判って明らかにおかしいでしょう⁉︎
ーー魔女裁判まであと一晩‼︎ーー
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