転生魔女は悠々自適に世界を旅する

黛 ちまた

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貿易都市って凄い!

異世界TKG!!

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 ホクホク顔で帰った私をシルルとファゴットは不思議そうに見つめ、私達が買い込んだ食材を眺めて怪訝な顔になった。まぁそうなるよね。

「ここに並んだ食材や調味料はね、私達が前世で慣れ親しんだものなんだー」
「酒、味噌、醤油は欠かせない」

 エレンが欠かせないなどと言うものだからシルルの目が光った。探究心というか、負けず嫌いに火がつくと思ってたよ。

 生卵の鮮度が落ちないうちにTKGを堪能したい!
 シルルにお米のとぎかたをレクチャーせねばとなって、慌てて黄色エリアの雑貨屋に駆け込んだ。
 米粒が落ちない程度の金属製のザルを購入。丁度いいのが売っていてよかった。魔女馬車にあるザルは野菜などの食材を洗うのに適した目の粗いもの。あれではコメはとげぬ。炊く鍋は煮込みなんかに使ってる厚手のホーロー鍋でいいと思う。

 馬車に戻るなり、そわそわしているシルルにお米のとぎ方をレクチャー。あんまりないと思うけど私とエレンでやり方が違うとシルルが混乱しちゃうので、エレンの調理方法を基準にして昇華していっていただければ。

 お米はおいといて、醤油などの他の食材の話をすることにした。
 この真っ黒い液体が、大豆からできていると知ってシルルもファゴットも驚いていた。

〈呪いでもかけているのか!?〉

 呪われたものは食べないよ、ファゴット。

「大豆は加工次第で様々なものになるんだけど、味噌や醤油って大豆と塩だけで作れたっけ?」
「麹がないから無理かなぁ」

 麹が必要なんだ。知らなかった。バステさんの店に麹あるかなぁ。にがりとかも。抹茶があるくらいだからきっとある。あるって信じてる。
 醤油、米、大豆、卵、味噌、みりん、酒を買って帰って来てしまったけど、他にも私達の心をくすぐる食材があるかもしれない!
 いやー、コヴァルシャに来て良かった! 貿易都市万歳!
 若干お高め値段だろうけどさ、いいのよ、たまには。あるんだってことが知れたのが大きいし、旅の目的にできるし!(お金が貯まらないタイプの言い訳)

 お米を入れた鍋を火にかける。エレン先生監修の元、異世界での初炊飯が行われております! 時間が経つにつれて香るお米の香り。あぁ、異世界なのに米! しかもTKG! 記憶を取り戻して何度目だか分からないけど、歴代の魔女様や賢者様、本当にありがとう!!
 なお、お米がジャポニカ米であることはエレン様により確認済みですよ!
 ああぁ、香りだけでごはんが食べられそう。



 器によそられたお米が光ってます! さすがですエレン! さすがですシルル!
 箸がないのでスプーンなのはご愛嬌。
 別の器に卵を割り入れ、醤油を入れてスプーンでかき混ぜる。うん、まぜづらい! でも苦にならない。だって卵かけご飯が食べられるから!!
 混ぜ終えた生卵をごはんにかける。白いご飯に黄色い卵が映えるったら!
 笑顔の私を、恐ろしいものを見るような目でシルルとファゴットが見てきます。まぁね、前世でも生卵が食べられるのは日本だけだったから気持ちは分かりますよ。
 でも生卵は駄目なのに半熟は食べてて、半熟にすれば大丈夫なの……? と不思議に思ってた。
 菌の問題じゃないってこと??

「いただきます!」
「いただきます」

 卵かけご飯を口にする。
 あぁ……卵かけご飯美味しい……美味しいよ……!

「美味しい。何杯でもいけそうな気がするくらい美味しい」
「分かる。沁みるね」

 ただお米に醤油で味付けした生卵をかけているだけなのに、感動している私達を見てシルルが真顔になってる。
 シルルさんの普段の食事も美味しいんだよ!? でもさぁ、やっぱり和食が好きなんだよね、私達。

 ペロリと食べてしまって、なくなった器をじっと見る。
 バステさんの店にはどのくらいの頻度でこの衛生状態抜群の卵が入荷するんだろうか。
 冬の間ウィシュカに滞在するから、もう一回食べたいなー。
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