転生魔女は悠々自適に世界を旅する

黛 ちまた

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貿易都市って凄い!

天幕と本枯節

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 バステさんのお店に行って昆布と鰹節を購入せねばなりませんが、その前に天幕を張ります。
 マジックバッグから深縹こきはなだの天幕を取り出し、魔女馬車キャンピングカーを送還する。
 おぉ、という声が周囲からするけど気にしてはならぬのだ。
 むくつけき男に変身しているファゴットに手伝ってもらって、天幕を張る。何とか張れた。四角いのを三人で立てるのはちょっと大変だった。慣れが必要だね。何事も慣れですよ!(意味不明)
 勝手に撤去されないように魔導石を天幕内に置き、天幕を守るための防御魔法をかける。
 ヨシ、ばっちり!

 天狼に乗ってバステさんのお店に向かう。
 バステさんはファゴットを見るなり、「おや、エインセルか」と言った。
 うーん……魔族が凄いのかバステさんが凄いのかどっちだろう。
 言い当てられてしまったファゴットは私達の後ろに逃げた。

「取って食ったりしないよ」

 気になるので質問する。

「バステさんが魔族だから分かったんですか? それとも魔力差?」

 お母さんに私達は魔力が多いほうだと言われてる。魔族が魔女を上回るとなると、今後気を付けたほうがいいかも。種族によって傾向はあるとしても、色んな人がいる。
 バステさんがレアキャラで、魔族全般が攻撃的なら話は変わる。

「オレだからだね。二人の魔力は上位魔族に匹敵するから、普通の魔族になら看破されないだろう」
「じゃあ賢者にも見破られるってことですかね?」

 なるほど、バステさんは上位魔族、と。
 賢者は魔女より魔力があるって聞いてる。

「いや、普通の賢者よりも多いと思うよ」

 そうなんだ、それなら良かった。これから色んな魔女や賢者、魔族にも出会うことがあると思う。ファゴットを守れる力があるかどうかはとても大事なことだ。

「バステさんって凄いんですね」

 何故ここで食料品店をやってるのかとか聞いたりしないよ。フラグ立っちゃうからね!

「そうそう、実はオレ凄いのよ」

 ゆっるーいキャラして色んな情報持ってそうだからこれ以上は踏み込まないことにし、本日の目的、鰹節と昆布の有無を尋ねる。

「鰹節と昆布って扱ってますか?」
「あるよ。荒節あらぶし枯節かれぶし本枯節ほんかれぶしがあるけどどれにする?」
「本枯節で!」

 シルルさんなら間違いなく本枯節を入手しなかったら怒る。

「削り器は台屋だいや赤香あかこうがオススメだよ」

 そう言ってバステさんが持ってきたのは一本の木材をくり抜いて作った削り器だった。材質は桐っぽい? そして高そう。

「防虫効果のある桐で、刃は白紙しろがみだ」

 ……マニアックというか、本格的になってきたな。だいぶ分からない世界になってきたけど、シルルさん頑張って!

「それから昆布だね。昆布は一種類しかないんだ、すまんね」
「大丈夫です」

 なんか沼にハマりそうだから、ほどほどでいいです。どうせいつかシルルさんが沼る。

 本枯節を二本と、昆布を五枚、削り器を購入してふと思った。

「桐の米櫃と、カンナありますか?」
「とことん追求するのは君達転生者のさがなのかい?」
「どうせやるなら、って感じですかね」

 っていうかこの口ぶりからしてあるんだな。

 桐の米櫃とカンナも追加購入してお店を出た。
 今は買ったお米は熟成室に置いて保存してる。あそこなら一定温度が保たれてるしめちゃくちゃ寒いから。でも毎回そこからお米を取ってくるのも手間だろうから、米櫃を買ってみた。要らないっていわれたらなんか別の物でも入れるのに使う。パッと思い浮かばないけど。

「何でもあるんだね、バステさんのお店」
「うん。転生者の追求も凄いけどね」
「そうだよね。食料品店でカンナまで置いてるとは思わなかった」

 普通ならね。でもあの店ならある気がした。
 だってなんかおかしいもの、色々と。店長からして。
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