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終章
シナリオのない世界で
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それから世界は激動の時代を迎えた。
ミツメへと帰還した勇者パーティーから王女エリスへと告げられた世界の真実はミツメ国からフォークロアー中へと発信され、人々に衝撃を与えることとなる。
天界と精霊の存在。そして人間とモンスターの争いがゼウスによって起こされたものであること。余談だが、あまりにくだらなさ過ぎる為に、最高神を突き動かしたものが勇者のお尻であることは伏せられた。
そしてこれらの情報と同時に、女神ソフィアのお告げとして一つの声明が発表される。それは端的に言えば「モンスターと共存をしよう」というものだ。
モンスターたちは魔王の意志によって人間と戦っていただけであり、その魔王もゼウスによって操られていた(厳密に言えば少し事実とは異なるが)のであって、あくまで彼らも人間と変わらない下界の生命であるのだから、と。
しかし、女神の打ち出した理想を実現するのはそう容易いことではなかった。つい先日まで、時には命を賭してまで戦っていたような相手と暮らそうなどという方策は、人々は仮に頭が理解したところで感情が理解してくれなかったのだ。
そこで、勇者パーティーと魔王軍幹部たちは率先して人間とモンスターが暮らす新しい街、リシュタットをミツメ近辺に設立した。
最初こそ互いに物好きな者が集まる街になっていたが、主にムガルや魔王などの活躍によって住民は徐々に増えつつある。人間とモンスターの完全な共生は、そう遠くないうちに実現出来るのかもしれない。
神界の方はと言えば、ソフィアがゼウスを連行したことによりすぐに悪行そのものは発覚したが「みんなのドンドコ大運動会」が開催されていたので、それが終了してすぐにゼウスは「次元の狭間」に幽閉される運びとなる。
最高神としての仕事は「幹部会」の面々で分割してこなすこととなり、フォークロアーに関してはソフィアが代理で統治をすることに。とはいえ、これらの事情は英雄たちと精霊を除く下界の面々には知らされていない。
ソフィアが代理で統治を始めた時期と同じくして、ミツメやリシュタットではかの女神と瓜二つな容姿をしたフィオーレという名の美少女が目撃されるようになったのだが、それとこれとの関連性は不明だ。
精霊に関しては下界に移り住む者もいたが大半は天界に住み続けている。主な理由としては、そうしなければ新しくフォークロアーを担当することになったソフィアに仕える者がいなくなってしまうからだ。
生身では天界に入れない人間やモンスターでは代わりに仕事をこなすことは出来ないし、そもそもとして元来、精霊の存在意義は神に仕えることなのである。たまにジン一家などの例外もいるが。
そして、ティナのお尻を巡る戦いから十年が経過した。
ミツメ王城の大広間を溢れんばかりの人が埋め尽くしている。以前は最低限なものしか用意されていなかった調度品や照明器具は一新され、床を走る鮮明な紅の絨毯や、壁に掲げられた絵画や旗が風景を彩っていた。
天井からは豪奢なシャンデリアが人々を照らしていて、中にはわずかに精霊やモンスターの姿も混じっている。そして現在ここに居合わせた誰もが口を一文字に引き結び、その視線は前方の舞台上に立つ一人の女性に向けられていた。
紫がかった赤の髪が美しく煌めき、流れるように腰の辺りまで伸びている。身に纏うドレスは雪のように白く、その合間から見える透き通るような肌の艶やかさをより一層引き立てていた。
女性は皆を引きつけるような間を置いてから呼吸をすると、人々を見渡しながらゆっくりと口を開く。
「御来場の皆様、本日はリシュタット設立十周年の記念式典にお集まりいただきまして、誠にありがとうございます」
丁寧に腰を折って女性が一礼をすると、観衆もそれに倣った。
「人間とモンスターの共存が始まって十年が経ちました。ですがそれは完全なものとは言えず、以前は敵として戦った種族との生活というものを未だに疑問視する方も双方にいらっしゃると思います。それは無理もないことです」
賛同の意を示さんとばかりに一部の者たちがうなずく。
「まだ世界には人間とモンスターが共に暮らす街よりも、どちらかの種族のみが住む街の方が圧倒的に多く、両種族の完全な共生という女神様のお告げを実現するための道のりは、まだまだ遠いと言わざるをえないでしょう。そんなものは綺麗ごとに過ぎない、という意見を耳にすることもあります」
気付けば、聴衆の中にはフィオーレが静かに佇んでいて、真剣な眼差しで舞台上の女性を射抜いている。
女性は厳しい現実を口にしているにも関わらず、まるで理想の成った未来が見えているかのように、凛と輝く瞳を全ての者に向けていた。
「私もこの十年、どうしたらいいのかと途方に暮れることも多々ありました。ですから、そんな時はリシュタットを訪れることにしています」
どういうことだ、と人々は首を傾げたり、隣の者と顔を見合わせたりしている。
「最初こそ元勇者パーティーや元魔王軍の方々しかお住まいになっていなかったかの街ですが、現在そこには人間、モンスター、精霊と種族や老若男女を問わない様々な方が暮らしています。そして何よりも、リシュタットは常に笑顔に包まれているのです」
大広間がわずかにざわめき、動揺の波が静かに広がっていく。
リシュタットはミツメ近辺にあるとはいえ、完全な共生の成っていない現在では自ら近付こうという者はあまり多くはない。だからリシュタットにたしかに住民がいて、その者たちが幸せに暮らしている風景など想像出来ないのである。
「みなさん、今一度お考えください。どうしてソフィア様があのようなお告げを私たちに下賜なさったのかを」
女性はここであえて間を置いた。腹部の辺りで手を組み、皆がそれぞれの答えを出すのを静かに見守っている。
やがて頃合いと見たのか、口を勢いよく開いた。
「共存が始まったのは、英雄ティナ=ランバートがアカシックレコードというおぞましい装置を破壊してくださったからです。それまで私たちは、ご乱心なさったゼウス様の描いたシナリオによって、盲目的に罪のない魔王さんやモンスターの皆さんを標的と定めて戦っていました」
全員が私語を慎み、答え合わせをしようと必死に女性の声に耳を傾けている。
「ですがもうシナリオはありません。私たちを導く神も今はなく、未来は私たち自らの手で掴み取るしかないのです」
数名が何かに気付いたように瞳を見開いた。それを確認した女性は、語気により一層力を込めて言葉を紡ぎ出していく。
「私は、互いに傷つけ合い悲しみ合う未来よりも、争いのない互いに笑顔で幸せに暮らしていくような、そんな未来を目指したいと思っています。そしてその実現には、人間とモンスターが互いに手を取り合うことが必要不可欠なのです。もちろんこれはただのわがままであり、今までと変わらずに綺麗ごとであり理想論だとこぼす方もいらっしゃるでしょう」
聴衆は女性の一言一句に引き込まれ、次の言葉を急かすように聞き入っている。
「ですから、そんなわがままにお付き合いくださる方は力をお貸しください。あるがままの世界で、平凡な、けれど崇高で幸せな未来を掴み取るために! リシュタットと私ミツメ国女王エリスを、これからも何卒よろしくお願いいたします!」
女性の一礼と共に大広間は拍手と歓声に包まれ、人々は互いに顔を見合わせて笑い合う。フィオーレなる少女も微笑みと共に惜しみない拍手を送っていた。
女性が堂々と舞台を降りていく中、ミツメ王城には十年前とはまた一味違う「エリスコール」が盛大に響き渡るのであった。
自室に戻ったエリスは、テーブルに手をついておもむろにため息をもらす。その傍らでは一人の女性が笑顔で彼女を見守っていた。
「お疲れ様、エリスちゃん」
その言葉に、エリスは先程とはまるで打って変わった、ざっくばらんな言葉遣いで肩をすくめながら応じる。
「本当よ。まったく、何で私がこんなことしなきゃいけないのよ」
「いつもそれ言ってるね。でも、何だかんだでちゃんとお仕事してるじゃない」
わがままな娘をなだめるような、優しい笑顔で女性はそう言った。
「まあね。お父さんが死んじゃったんだからしょうがないわ」
先代の王はある日、エリスがサイズ変更で新調したドレスを試着した際に、成長した彼女のあまりの可憐さに死亡してしまったらしい。これを知った民衆の反応は一様に「わかる」だったそうだ。
あはは……と苦笑を漏らす女性に、エリスは言った。
「それよりもティナ、あんた今日は一人なの?」
勇者らしからぬ朗らかな表情と穏やかな雰囲気は現在も変わりがない。違いがあるといえば髪を結っていない点くらいで、その容姿からは十年の歳月をまるで感じることが出来なかった。
ティナは顎に人差し指を当て、視線を宙に躍らせて少しだけ考え込む。
「もうすぐフィオーレさんがいらっしゃると思うけど」
「げっ」
それを聞いたエリスが顔を引きつらせるのとほぼ同時に、部屋の扉が壊れんばかりの勢いで押し開かれる。そこから両手を広げた金髪碧眼の女性が不気味なほどに満面の笑みを浮かべて突進してきた。
「出た!」
「エリスちゃ~ん! お会いしたかったです!」
「この前会ったばっか……ちょ、離れなさいよっ!」
「ぬふふぅ、すっかり大人の女性になりましたねえ」
出た! 呼ばわりされた女性はエリスの胸に顔を埋めて頬ずりをしながら匂いをかいでいる。エリスは何とか身体を離そうとするも、使用用途を完全に間違えている神の尋常ならざる力にどうすることも出来ない。
あまりにひどい光景だが、見慣れているティナは苦笑をしながら優しく注意をする程度の反応だ。
「フィオーレさん、それくらいにしておいてあげてくださいね」
フィオーレはがばっと顔だけを離すとティナの方を振り返った。
「誰もいないのですから、そんな他人行儀な呼び方はやめてください! ちゃんとソフィアと呼んでくれないと寂しいです!」
「まあお城の中ですし、念のため……」
この間、エリスは懸命に腕に力を込め続けているが、ソフィアの身体は微動だにしない。そうこうしているうちに、女王の部屋には次の来客があった。
開きっぱなしになっている扉から一組の男女が姿を現すと、男の方が片手をあげながら口を開く。
「やあ。お揃い……でもないね」
「まあ、フィオーレ様までいらっしゃっているのですね。ごきげんよう」
「ラッド君にロザリアちゃん、来てくれてありがとう」
前髪の長いどこかキザったらしかった容貌が鳴りを潜めたラッドは、円熟した男性としての魅力を帯びつつある。ロザリアはティナよりも更に見た目が変わっておらず、元より母親然としていた柔和な笑みの似合う雰囲気もそのままだ。
ラッドは、現在は額のところで両分けになっている髪を無駄にかきあげながら言った。動作はあまり変わっていないらしい。
「ふっ、かつての戦友のためだ。当然じゃないか」
「まあいけませんわラッド様。これを口実に仕事をお休みしつつ小旅行が楽しめて最高だということをきちんと申し出なければ」
「これを口実に仕事を休みつつロザリアと小旅行が楽しめて最高だ」
ラッドはクリスティン家の当主となった。ロザリアは相も変わらずな彼を側で支え続け、二児の母として忙しくも幸せな家庭を築いている。
気を取り直したラッドは、周囲を見渡しながらティナに尋ねた。
「ムガルや魔王は来ていないのかい?」
「街の代表とソフィア教の司祭様だしね。十周年の挨拶とかはであっちで別にやるみたいだよ」
「ふむ」
ムガルは勇者パーティーの強い推薦もあってリシュタットの町長に就任した。
最初こそ辞退を申し出ていた彼だが、人間とモンスターがそう簡単には仲良く出来ない現実を見て、自分が何か力になれればと承諾した形だ。
魔王はリシュタットにあるソフィア教会の司祭を勝手にやっている。非公式の司祭で礼拝の仕方なども正式なものではなく、ただひたすらに三日三晩寝ずに祭壇の前で跪いて祈りを捧げるというものだった。
だがそれが逆に別の街から見学に来た司祭をして「魂でソフィア様に敬意を表している」と言わしめる程の迫力を醸し出し、堅苦しい教義などは嫌いだがとにかくソフィア様が大好きだという者たちを中心に好評を博している。
この二人はリシュタットの住民増加の功労者と言えるだろう。
ようやくエリスから身体を離したソフィアは、胸の前で両手を重ねて女神らしい優しい笑顔で感謝の言葉を述べる。
「少しずつではありますが、皆さんのおかげで平和な世界が実現できているように思います。本当にありがとうございます」
「まったく、こんなのが女神だなんて世の中どうにかしてるわ」
エリスのあまりな物言いだが、これも全員にとっては慣れたものらしい。ティナたちが苦笑していると、更に次の客がやってきた。
「やっほ~」
「よう」
「セイラちゃんにノエル君、やっほ~」
セイラとノエルがまだ開いたまま――――というかよく見てみると破壊されている――――の扉から入ってくると、ティナが手をぱたぱと振って応じる。
二人は精霊の中で数少ない下界への移住者だ。リシュタットに住み、モンスターをよく知る元モンスターテイマーズの部隊員として、人間との橋渡し役の一員として活躍している。
なお、二人は一児を授かっているがやんちゃで教育に苦心しているようだ。
部屋を見渡したセイラがティナを見て何かに気付いたらしい。
「あら、あのバカとフェニックスがいないってことは」
「うん。リーシュちゃんを迎えに行ってくれてるの」
「あのバカ、今度は親バカになっちゃったわね」
意地の悪そうな笑みを浮かべてそう言うエリスに、ティナは微笑んだ。
「あの人があまり構ってくれなくなっちゃって寂しい?」
「別に?」
急に窓の方を向いたエリスは、心なしか頬がほんのりと赤く染まっている。
にこにこにやにやと皆が素直ではない女王を見守る中、ソフィアだけは口の端からよだれを垂らしつつあった。
「本当に、あのバカだけはいつまで経っても変わらないんだから」
目を細めて窓の外に広がる青空を眺めながらそう口にしたエリスは、いつの間にか穏やかに笑っていた。
「いた! どらごん!」
どこかの山の中。不自然なほどに背の丈に合わない大剣を担いだ少女が、「イベントモンスター」であるドラゴンを指差しながら元気に言った。
「イベントモンスター」は人間やモンスターに害を及ぼすものもいる上に意思疎通が図れないので、基本は「共存」しようとはされていない。よって、物好きが戦闘訓練がてらに狩ろうとしたりするのが問題となっている。
もっともこの邪気のない少女からはそのような意図は感じ取れないが。
『リーシュよ、さすがにまだドラゴンは早いだろう』
「だいじょーぶ! リーシュは『さいきょー』だからっ!」
亜麻色の髪を左右で二つに結っていて、大きな宝石のような瞳はどこかの誰かを連想させる。山の中だというのに黄色いワンピースを着ているが、歩いて来たとは思えないほどにそれには汚れがほとんど見当たらない。
えっへん、と胸を張るリーシュと呼ばれた少女。何故かその傍らではかの勇者が連れていた不死鳥が飛び交っている。
『しかしお前に何かあると我があの二人に怒られ……』
「どらごんさん! あそぼーっ!」
フェニックスの制止も聞かず、リーシュはドラゴンに声をかけたが応答はない。熟睡中なのかもしれない。
「むむっ」
『ほら、ドラゴンも寝ているのだから今日は帰っ』
「『せーれーけんぎ』、『ばくれつけん』っ!」
リーシュがそう叫びながら大剣を横なぎに振ると、寝ているドラゴンの胴体で小規模な爆発が起きる。
それを受けたドラゴンはグアオ!? と鳴き声をあげて目を覚まし、爆発の起きた部分を見やった。「とっ、突然なんじゃい」と言ったところだろうか。そして目の前の少女の存在に気付く。
リーシュは不敵な笑みを浮かべて大剣を構える。
「おきた!」
そしてちょっとお仕置きしてやるかと言わんばかりにドラゴンが大きく腕を振り上げると、リーシュはフェニックスに向かって叫んだ。
「ぴーちゃん! 『ふしちょーのつばさ』っ!」
『いいぞ……』
かつての勇者のように、背中から勇気に彩られた炎の翼が顕現する。どうやら、リーシュは「精霊剣技」と勇者専用スキルを両方扱えるらしい。
しかしドラゴンの腕がリーシュの元に到達することはなかった。
何者かが横からドラゴンに凄まじい勢いで跳び蹴りを入れると、ドラゴンの身体はまるで石ころか何かのように吹き飛び、樹々をなぎ倒しながら森の中へと吸い込まれていく。
ドラゴンが消えていった方角を見ながら、蹴りを放った男が叫んだ。
「俺たちの娘に何してんだばかやろー!」
「あーっ! おとうさんなにしてるの!?」
助けられたようにも見えるリーシュは、「おとうさん」を指差して非難する。
「ん? いやリーシュが危なかったから……」
「あぶなくない! リーシュは『さいきょー』なんだからっ!」
「そうかそうか。悪いな、お父さん心配性でな」
「むー」
にしし、と歯を見せて笑いながら男はリーシュの頭を撫でる。だが、リーシュは頬を膨らませながらもされるがままになっていた。
しばらくして少女の頭から手を離すと、男は踵を返して歩き出す。
「それじゃ帰るか、皆待ってるぞ」
「うんっ」
リーシュも「ふしちょうのつばさ」を解除してフェニックスを元に戻してから、男を追いかけるように小走りで動き出した。
この少女が両親のように壮大な物語の主人公となるのは、少し先の話である。
女勇者が可愛すぎて、それだけで世界を救える気がしてきた。~完~
ミツメへと帰還した勇者パーティーから王女エリスへと告げられた世界の真実はミツメ国からフォークロアー中へと発信され、人々に衝撃を与えることとなる。
天界と精霊の存在。そして人間とモンスターの争いがゼウスによって起こされたものであること。余談だが、あまりにくだらなさ過ぎる為に、最高神を突き動かしたものが勇者のお尻であることは伏せられた。
そしてこれらの情報と同時に、女神ソフィアのお告げとして一つの声明が発表される。それは端的に言えば「モンスターと共存をしよう」というものだ。
モンスターたちは魔王の意志によって人間と戦っていただけであり、その魔王もゼウスによって操られていた(厳密に言えば少し事実とは異なるが)のであって、あくまで彼らも人間と変わらない下界の生命であるのだから、と。
しかし、女神の打ち出した理想を実現するのはそう容易いことではなかった。つい先日まで、時には命を賭してまで戦っていたような相手と暮らそうなどという方策は、人々は仮に頭が理解したところで感情が理解してくれなかったのだ。
そこで、勇者パーティーと魔王軍幹部たちは率先して人間とモンスターが暮らす新しい街、リシュタットをミツメ近辺に設立した。
最初こそ互いに物好きな者が集まる街になっていたが、主にムガルや魔王などの活躍によって住民は徐々に増えつつある。人間とモンスターの完全な共生は、そう遠くないうちに実現出来るのかもしれない。
神界の方はと言えば、ソフィアがゼウスを連行したことによりすぐに悪行そのものは発覚したが「みんなのドンドコ大運動会」が開催されていたので、それが終了してすぐにゼウスは「次元の狭間」に幽閉される運びとなる。
最高神としての仕事は「幹部会」の面々で分割してこなすこととなり、フォークロアーに関してはソフィアが代理で統治をすることに。とはいえ、これらの事情は英雄たちと精霊を除く下界の面々には知らされていない。
ソフィアが代理で統治を始めた時期と同じくして、ミツメやリシュタットではかの女神と瓜二つな容姿をしたフィオーレという名の美少女が目撃されるようになったのだが、それとこれとの関連性は不明だ。
精霊に関しては下界に移り住む者もいたが大半は天界に住み続けている。主な理由としては、そうしなければ新しくフォークロアーを担当することになったソフィアに仕える者がいなくなってしまうからだ。
生身では天界に入れない人間やモンスターでは代わりに仕事をこなすことは出来ないし、そもそもとして元来、精霊の存在意義は神に仕えることなのである。たまにジン一家などの例外もいるが。
そして、ティナのお尻を巡る戦いから十年が経過した。
ミツメ王城の大広間を溢れんばかりの人が埋め尽くしている。以前は最低限なものしか用意されていなかった調度品や照明器具は一新され、床を走る鮮明な紅の絨毯や、壁に掲げられた絵画や旗が風景を彩っていた。
天井からは豪奢なシャンデリアが人々を照らしていて、中にはわずかに精霊やモンスターの姿も混じっている。そして現在ここに居合わせた誰もが口を一文字に引き結び、その視線は前方の舞台上に立つ一人の女性に向けられていた。
紫がかった赤の髪が美しく煌めき、流れるように腰の辺りまで伸びている。身に纏うドレスは雪のように白く、その合間から見える透き通るような肌の艶やかさをより一層引き立てていた。
女性は皆を引きつけるような間を置いてから呼吸をすると、人々を見渡しながらゆっくりと口を開く。
「御来場の皆様、本日はリシュタット設立十周年の記念式典にお集まりいただきまして、誠にありがとうございます」
丁寧に腰を折って女性が一礼をすると、観衆もそれに倣った。
「人間とモンスターの共存が始まって十年が経ちました。ですがそれは完全なものとは言えず、以前は敵として戦った種族との生活というものを未だに疑問視する方も双方にいらっしゃると思います。それは無理もないことです」
賛同の意を示さんとばかりに一部の者たちがうなずく。
「まだ世界には人間とモンスターが共に暮らす街よりも、どちらかの種族のみが住む街の方が圧倒的に多く、両種族の完全な共生という女神様のお告げを実現するための道のりは、まだまだ遠いと言わざるをえないでしょう。そんなものは綺麗ごとに過ぎない、という意見を耳にすることもあります」
気付けば、聴衆の中にはフィオーレが静かに佇んでいて、真剣な眼差しで舞台上の女性を射抜いている。
女性は厳しい現実を口にしているにも関わらず、まるで理想の成った未来が見えているかのように、凛と輝く瞳を全ての者に向けていた。
「私もこの十年、どうしたらいいのかと途方に暮れることも多々ありました。ですから、そんな時はリシュタットを訪れることにしています」
どういうことだ、と人々は首を傾げたり、隣の者と顔を見合わせたりしている。
「最初こそ元勇者パーティーや元魔王軍の方々しかお住まいになっていなかったかの街ですが、現在そこには人間、モンスター、精霊と種族や老若男女を問わない様々な方が暮らしています。そして何よりも、リシュタットは常に笑顔に包まれているのです」
大広間がわずかにざわめき、動揺の波が静かに広がっていく。
リシュタットはミツメ近辺にあるとはいえ、完全な共生の成っていない現在では自ら近付こうという者はあまり多くはない。だからリシュタットにたしかに住民がいて、その者たちが幸せに暮らしている風景など想像出来ないのである。
「みなさん、今一度お考えください。どうしてソフィア様があのようなお告げを私たちに下賜なさったのかを」
女性はここであえて間を置いた。腹部の辺りで手を組み、皆がそれぞれの答えを出すのを静かに見守っている。
やがて頃合いと見たのか、口を勢いよく開いた。
「共存が始まったのは、英雄ティナ=ランバートがアカシックレコードというおぞましい装置を破壊してくださったからです。それまで私たちは、ご乱心なさったゼウス様の描いたシナリオによって、盲目的に罪のない魔王さんやモンスターの皆さんを標的と定めて戦っていました」
全員が私語を慎み、答え合わせをしようと必死に女性の声に耳を傾けている。
「ですがもうシナリオはありません。私たちを導く神も今はなく、未来は私たち自らの手で掴み取るしかないのです」
数名が何かに気付いたように瞳を見開いた。それを確認した女性は、語気により一層力を込めて言葉を紡ぎ出していく。
「私は、互いに傷つけ合い悲しみ合う未来よりも、争いのない互いに笑顔で幸せに暮らしていくような、そんな未来を目指したいと思っています。そしてその実現には、人間とモンスターが互いに手を取り合うことが必要不可欠なのです。もちろんこれはただのわがままであり、今までと変わらずに綺麗ごとであり理想論だとこぼす方もいらっしゃるでしょう」
聴衆は女性の一言一句に引き込まれ、次の言葉を急かすように聞き入っている。
「ですから、そんなわがままにお付き合いくださる方は力をお貸しください。あるがままの世界で、平凡な、けれど崇高で幸せな未来を掴み取るために! リシュタットと私ミツメ国女王エリスを、これからも何卒よろしくお願いいたします!」
女性の一礼と共に大広間は拍手と歓声に包まれ、人々は互いに顔を見合わせて笑い合う。フィオーレなる少女も微笑みと共に惜しみない拍手を送っていた。
女性が堂々と舞台を降りていく中、ミツメ王城には十年前とはまた一味違う「エリスコール」が盛大に響き渡るのであった。
自室に戻ったエリスは、テーブルに手をついておもむろにため息をもらす。その傍らでは一人の女性が笑顔で彼女を見守っていた。
「お疲れ様、エリスちゃん」
その言葉に、エリスは先程とはまるで打って変わった、ざっくばらんな言葉遣いで肩をすくめながら応じる。
「本当よ。まったく、何で私がこんなことしなきゃいけないのよ」
「いつもそれ言ってるね。でも、何だかんだでちゃんとお仕事してるじゃない」
わがままな娘をなだめるような、優しい笑顔で女性はそう言った。
「まあね。お父さんが死んじゃったんだからしょうがないわ」
先代の王はある日、エリスがサイズ変更で新調したドレスを試着した際に、成長した彼女のあまりの可憐さに死亡してしまったらしい。これを知った民衆の反応は一様に「わかる」だったそうだ。
あはは……と苦笑を漏らす女性に、エリスは言った。
「それよりもティナ、あんた今日は一人なの?」
勇者らしからぬ朗らかな表情と穏やかな雰囲気は現在も変わりがない。違いがあるといえば髪を結っていない点くらいで、その容姿からは十年の歳月をまるで感じることが出来なかった。
ティナは顎に人差し指を当て、視線を宙に躍らせて少しだけ考え込む。
「もうすぐフィオーレさんがいらっしゃると思うけど」
「げっ」
それを聞いたエリスが顔を引きつらせるのとほぼ同時に、部屋の扉が壊れんばかりの勢いで押し開かれる。そこから両手を広げた金髪碧眼の女性が不気味なほどに満面の笑みを浮かべて突進してきた。
「出た!」
「エリスちゃ~ん! お会いしたかったです!」
「この前会ったばっか……ちょ、離れなさいよっ!」
「ぬふふぅ、すっかり大人の女性になりましたねえ」
出た! 呼ばわりされた女性はエリスの胸に顔を埋めて頬ずりをしながら匂いをかいでいる。エリスは何とか身体を離そうとするも、使用用途を完全に間違えている神の尋常ならざる力にどうすることも出来ない。
あまりにひどい光景だが、見慣れているティナは苦笑をしながら優しく注意をする程度の反応だ。
「フィオーレさん、それくらいにしておいてあげてくださいね」
フィオーレはがばっと顔だけを離すとティナの方を振り返った。
「誰もいないのですから、そんな他人行儀な呼び方はやめてください! ちゃんとソフィアと呼んでくれないと寂しいです!」
「まあお城の中ですし、念のため……」
この間、エリスは懸命に腕に力を込め続けているが、ソフィアの身体は微動だにしない。そうこうしているうちに、女王の部屋には次の来客があった。
開きっぱなしになっている扉から一組の男女が姿を現すと、男の方が片手をあげながら口を開く。
「やあ。お揃い……でもないね」
「まあ、フィオーレ様までいらっしゃっているのですね。ごきげんよう」
「ラッド君にロザリアちゃん、来てくれてありがとう」
前髪の長いどこかキザったらしかった容貌が鳴りを潜めたラッドは、円熟した男性としての魅力を帯びつつある。ロザリアはティナよりも更に見た目が変わっておらず、元より母親然としていた柔和な笑みの似合う雰囲気もそのままだ。
ラッドは、現在は額のところで両分けになっている髪を無駄にかきあげながら言った。動作はあまり変わっていないらしい。
「ふっ、かつての戦友のためだ。当然じゃないか」
「まあいけませんわラッド様。これを口実に仕事をお休みしつつ小旅行が楽しめて最高だということをきちんと申し出なければ」
「これを口実に仕事を休みつつロザリアと小旅行が楽しめて最高だ」
ラッドはクリスティン家の当主となった。ロザリアは相も変わらずな彼を側で支え続け、二児の母として忙しくも幸せな家庭を築いている。
気を取り直したラッドは、周囲を見渡しながらティナに尋ねた。
「ムガルや魔王は来ていないのかい?」
「街の代表とソフィア教の司祭様だしね。十周年の挨拶とかはであっちで別にやるみたいだよ」
「ふむ」
ムガルは勇者パーティーの強い推薦もあってリシュタットの町長に就任した。
最初こそ辞退を申し出ていた彼だが、人間とモンスターがそう簡単には仲良く出来ない現実を見て、自分が何か力になれればと承諾した形だ。
魔王はリシュタットにあるソフィア教会の司祭を勝手にやっている。非公式の司祭で礼拝の仕方なども正式なものではなく、ただひたすらに三日三晩寝ずに祭壇の前で跪いて祈りを捧げるというものだった。
だがそれが逆に別の街から見学に来た司祭をして「魂でソフィア様に敬意を表している」と言わしめる程の迫力を醸し出し、堅苦しい教義などは嫌いだがとにかくソフィア様が大好きだという者たちを中心に好評を博している。
この二人はリシュタットの住民増加の功労者と言えるだろう。
ようやくエリスから身体を離したソフィアは、胸の前で両手を重ねて女神らしい優しい笑顔で感謝の言葉を述べる。
「少しずつではありますが、皆さんのおかげで平和な世界が実現できているように思います。本当にありがとうございます」
「まったく、こんなのが女神だなんて世の中どうにかしてるわ」
エリスのあまりな物言いだが、これも全員にとっては慣れたものらしい。ティナたちが苦笑していると、更に次の客がやってきた。
「やっほ~」
「よう」
「セイラちゃんにノエル君、やっほ~」
セイラとノエルがまだ開いたまま――――というかよく見てみると破壊されている――――の扉から入ってくると、ティナが手をぱたぱと振って応じる。
二人は精霊の中で数少ない下界への移住者だ。リシュタットに住み、モンスターをよく知る元モンスターテイマーズの部隊員として、人間との橋渡し役の一員として活躍している。
なお、二人は一児を授かっているがやんちゃで教育に苦心しているようだ。
部屋を見渡したセイラがティナを見て何かに気付いたらしい。
「あら、あのバカとフェニックスがいないってことは」
「うん。リーシュちゃんを迎えに行ってくれてるの」
「あのバカ、今度は親バカになっちゃったわね」
意地の悪そうな笑みを浮かべてそう言うエリスに、ティナは微笑んだ。
「あの人があまり構ってくれなくなっちゃって寂しい?」
「別に?」
急に窓の方を向いたエリスは、心なしか頬がほんのりと赤く染まっている。
にこにこにやにやと皆が素直ではない女王を見守る中、ソフィアだけは口の端からよだれを垂らしつつあった。
「本当に、あのバカだけはいつまで経っても変わらないんだから」
目を細めて窓の外に広がる青空を眺めながらそう口にしたエリスは、いつの間にか穏やかに笑っていた。
「いた! どらごん!」
どこかの山の中。不自然なほどに背の丈に合わない大剣を担いだ少女が、「イベントモンスター」であるドラゴンを指差しながら元気に言った。
「イベントモンスター」は人間やモンスターに害を及ぼすものもいる上に意思疎通が図れないので、基本は「共存」しようとはされていない。よって、物好きが戦闘訓練がてらに狩ろうとしたりするのが問題となっている。
もっともこの邪気のない少女からはそのような意図は感じ取れないが。
『リーシュよ、さすがにまだドラゴンは早いだろう』
「だいじょーぶ! リーシュは『さいきょー』だからっ!」
亜麻色の髪を左右で二つに結っていて、大きな宝石のような瞳はどこかの誰かを連想させる。山の中だというのに黄色いワンピースを着ているが、歩いて来たとは思えないほどにそれには汚れがほとんど見当たらない。
えっへん、と胸を張るリーシュと呼ばれた少女。何故かその傍らではかの勇者が連れていた不死鳥が飛び交っている。
『しかしお前に何かあると我があの二人に怒られ……』
「どらごんさん! あそぼーっ!」
フェニックスの制止も聞かず、リーシュはドラゴンに声をかけたが応答はない。熟睡中なのかもしれない。
「むむっ」
『ほら、ドラゴンも寝ているのだから今日は帰っ』
「『せーれーけんぎ』、『ばくれつけん』っ!」
リーシュがそう叫びながら大剣を横なぎに振ると、寝ているドラゴンの胴体で小規模な爆発が起きる。
それを受けたドラゴンはグアオ!? と鳴き声をあげて目を覚まし、爆発の起きた部分を見やった。「とっ、突然なんじゃい」と言ったところだろうか。そして目の前の少女の存在に気付く。
リーシュは不敵な笑みを浮かべて大剣を構える。
「おきた!」
そしてちょっとお仕置きしてやるかと言わんばかりにドラゴンが大きく腕を振り上げると、リーシュはフェニックスに向かって叫んだ。
「ぴーちゃん! 『ふしちょーのつばさ』っ!」
『いいぞ……』
かつての勇者のように、背中から勇気に彩られた炎の翼が顕現する。どうやら、リーシュは「精霊剣技」と勇者専用スキルを両方扱えるらしい。
しかしドラゴンの腕がリーシュの元に到達することはなかった。
何者かが横からドラゴンに凄まじい勢いで跳び蹴りを入れると、ドラゴンの身体はまるで石ころか何かのように吹き飛び、樹々をなぎ倒しながら森の中へと吸い込まれていく。
ドラゴンが消えていった方角を見ながら、蹴りを放った男が叫んだ。
「俺たちの娘に何してんだばかやろー!」
「あーっ! おとうさんなにしてるの!?」
助けられたようにも見えるリーシュは、「おとうさん」を指差して非難する。
「ん? いやリーシュが危なかったから……」
「あぶなくない! リーシュは『さいきょー』なんだからっ!」
「そうかそうか。悪いな、お父さん心配性でな」
「むー」
にしし、と歯を見せて笑いながら男はリーシュの頭を撫でる。だが、リーシュは頬を膨らませながらもされるがままになっていた。
しばらくして少女の頭から手を離すと、男は踵を返して歩き出す。
「それじゃ帰るか、皆待ってるぞ」
「うんっ」
リーシュも「ふしちょうのつばさ」を解除してフェニックスを元に戻してから、男を追いかけるように小走りで動き出した。
この少女が両親のように壮大な物語の主人公となるのは、少し先の話である。
女勇者が可愛すぎて、それだけで世界を救える気がしてきた。~完~
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