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神様になろう!編
神々の京都タワー
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太陽ができたから、次は惑星だな。
さっき持ち物に大気の素なんてのがあったし、大気を作ったりして生命を誕生させる、なんてのもあるはずだ。そういうゲームだろ、たしか。
でも大気の素は0でストックがないんだよな……。
多分基本的な持ち物だろうし、ステータスにはゲーム内通貨っぽい神Mなんてのがあったから、ショップ的な場所で買うのかもしれない。
人差し指で時計回りに正方形を描き、メニューウインドウを表示させる。
じっと観察してみると、タブの中に「ホーム」ってのがあった。これをクリックしてみる。
すると、ウインドウの一番上に「現在のホームは『次元の狭間都市』神々の京都タワーです」とある。京都タワー?
その下には『次元の狭間都市』神々の京都タワー、惑星1と並ぶ。
これは多分、最初の拠点がその京都タワーとやらで、惑星を創ると、その惑星をゲーム開始の出現地点に設定できるということなんだろう。
ウインドウの右下には「ホームに行く」というタブがあった。クリック。
「ホームに飛びますか? YES/YES」
イエ……イエスしかねえじゃん。じゃあ確認すんなよ。
イエスを選ぶと、視界がホワイトアウトした。
気が付くと、俺は何かの建物の中にいる。どうやらその神々の京都タワーとかいう都市に移動したらしい。
恐らくその京都タワーとかいうのをイメージしているんだろう。
ここは展望室か。円形の建物の外周部を進むように通路があり、外周は全てがガラス張りになっている。でも、外はどんよりとしたいかにも次元の狭間っぽい色の空間になっていて何もない。
一方で内側、建物の中心部には延々と何らかの受付らしきカウンターと店員が並んでいる。ショップやらもここにありそうだ。
通路は広く、数メートルおきにテーブルが設置してあって、そこでは他のプレイヤーが談笑している姿が見受けられる。もっとも、クソゲーだからゴールデンタイムにも関わらず人口密度は低いんだけど。
テーブルで談笑してるプレイヤーたちを見て気づいたことがある……アバターがごつい。みんなごつい。
シンプルに言えば、古代ギリシャ人。キトンを身に纏って髭モジャで髪モジャ。
そんなやつばっかり。古代ギリシャ人のみなさんすいません。ていうかこのゲームを作ったメーカーの神のイメージどうなってんだよ。
そんなプレイヤーたちの中で一際目を引くのがリアルアバター。どうやらどこかで現実世界の画像データか何かを取り込んでアバターにできるらしい。
俺の目の前にも古代ギリシャ人たちに混じってサラリーマン風っぽい、スーツを着たリアルアバターの男が座っている。すげーシュール。
リアルアバターの場合、他のプレイヤーと違ってアバターの周辺の空間が切り取られて少し白くなったりしているのでわかりやすい。画像を読み込んでるっぽいから、その辺はしょうがないんだろう。
で、明らかにリアルアバターなのに、古代ギリシャ人が仮面被ったみたいなアバターのやつがいる……。それリアルアバターにする意味ないだろ……キャラネームは……「ガイア」。
おいおい、ガイアって八人目の神で『創世神』とか天界で呼ばれてるやつだろ。
わざわざコスプレまでして、変わったやつもいるもんだな。
てかガイアがそんな変な格好してるわけないじゃん。会ったことないからわかんないけどさ。
とにかくああいうのとはあんまり関わりたくないな……。
とりあえず大気の素やらが売ってあるショップを探そう。
どれも似たようなNPCが受付に並んでいてわかりづらい。
案内所みたいなのねえかな……。と探すとすぐに見つかった。
というのも、「案内所」というボードがある上に、そこの受付NPCだけどう見てもボクサーで目立つからだ。
何でこんなとこにボクサーがいるんだよ。まあいいや。
「ここはインフォメーションカウンターです。利用しますか? YES/NO」
何でもいちいち確認してくるゲームだな。イエス。
するとめちゃめちゃ鋭いカウンターパンチが飛んできて吹き飛ばされた。何で?
吹き飛ばされた俺は後ろのテーブルに激突。幸い周りにプレイヤーはいなかったものの、周りの人たちの視線を集めてしまう。
ぼそぼそと「おーやってるやってる」「このゲームに初心者か?珍しいな」「初心者のときは俺もあれ食らったわ」とか聞こえてくる。
意味わかんねえ……。よく考えたらカウンターじゃねえし。
「大丈夫かい?」
優しく声をかけられた。親切な人もいるもんだ。
手を差し伸べてくれている。
「すいません……ありがとうございます」
差し伸べてもらった手を取って起き上がり、顔を確認する。リアルアバターだ。
あれ……どこかで見たことあるな。
ていうか近所のコンビニのおっさんじゃねえか。店長なにやってんすか。
キャラクターネームは「破壊神・紅」になっている。やべえ……。
ミリーにおすすめされて始めたんじゃなかったのか。
もしミリーと相談した上でこのアバターとキャラ名なら、俺は明日にでもミリーを倒しにいかないといけない。
相談なしでこれなら黙ってやり過ごそう。もしそうなら、店長が家庭の破壊神となり、ミリーの家が紅に染まってしまからな。
「もしかして君、このゲームは始めたばかりだったりするのかな?」
うわっ、あんまり会話続けたくないんだけど……。
「そうなんですよ、大気の素とか買いたいんですけど、ショップの場所とか全然わかんなくて」
「それなら私が教えてあげよう。ついてきて」
結構です、とは言えない。
どのゲームでもいるよな……初心者に構いたがって親切を押し売りするやつ。
本人に善意しかないのはわかるんだけど……困ったもんだ。
「ここだ」
「やっぱり他のNPCと区別つきませんよね……どうやって場所を覚えたんですか」
「全く同じというわけではないよ。ホクロの位置や数が違うんだ」
そう言われてNPCをよく観察してみるとたしかにその通りだった。
目の下にホクロがあるNPCもいれば、口元にホクロのあるNPCもいる。
ショップ用NPCは、頬にホクロがあった。
「なるほど……本当に変なゲームですよね」
「ああ、本当にね……でも、私にはもう、これしかないんだ……」
えっ。何か思いがけず地雷を踏んだ予感。
「最近、妻も娘も冷たくてね……。話をするきっかけもなかったところに、娘がこのゲームとヘッドギアをくれたんだ。クソゲーだからあげるってね」
ミリー何やってんだよ。もうちょっとおっさんに優しくしてやれや。突然こんな話を聞かされる俺の身にもなってくれ。
「娘が気にしてる近所のミルって男の子もよくクソゲーをやってるらしくてね。もしこのゲームで見かけたら何としてでも声をかけてフレンド登録して、インしてる限りずっと一緒にいて、その話を娘に聞かせることで家庭における私の居場所を取り戻そうと思っているんだ」
俺を餌にすんな。ミリーも余計なこと言いやがって。
ていうかオンラインで人の名前だすなよ……。
とにかく、こりゃ俺の正体は何としても隠し通す必要があるな。
「そういえば君のリアルはどんな感じなの?ゲームでこういうことを聞くのはマナー違反なのかな」
「ははは、いえー大丈夫ですよ。俺は35歳の無職です」
「そ、そうだったか……ごめんね」
謝られた。何とかうまくやり過ごせたな。
とにかくこれ以上この人と関わるのはまずい。何とかきっかけを作って一度ログアウトしよう。
とりあえず大気の素と生命の素を買い込んだ。
いちいちここに来て変なのに絡まれるのは勘弁だからな。
「ああ、リム君。最初は一気に大気の素や生命の素を買い込まない方がいいよ」
そういうのを早く教えてくれよ。家庭の事情とか教えなくていいから。
「まあ、神Mはすぐに稼げるから大丈夫だよ。何だったら私のを分けてあげよう」
そう言ってトレードの仕方を教えてもらいながら、神Mを遠慮なくいただく。
30583579502402485858Mわけてもらった。いやこれもらいすぎだから。
「ええっ……ちょっと、こんなにもらっていいんですか?」
「ああ。私はリアルマネーも使ってるからね。これは内緒ね」
やったぜ。後で運営に報告してBANしてもらお。
このゲームはたしかRMT、リアルマネーでゲームマネーを買うことを公的には禁止されていたはずだ。
しかし、それでもこの額は多いだろ。絶対に何か裏があるな。
見返りに何か要求されたりするんだろうか。
「その代わり……フレンド登録、いいかな」
いやいや……フレンド登録に全力出し過ぎだろ。そんなに友達いねーのかこのおっさん。それに、フレンド登録したからって何があるわけでもないだろ。
まあ、大体のオンラインゲームだとログインしてるかどうかはわかるな……。
でもこのゲーム内通貨は捨てがたい。
何より、この寂しすぎるおっさんのお願いを断れない。
「俺でよければ、全然構いませんよ」
「ありがとう。本当に……!!」
めっちゃ感謝されてる。
右手を両手で包むように握られる。気持ち悪い。
「それで、もしよかったらこれから私の宇宙に……」
「あっ、やばいもうこんな時間だ!すいません、今日のところはこれで!!」
俺は慌ててメニューウインドウを開き、ホームボタンから自分の宇宙の惑星1をクリック。
「あ、待って!まだフレンド登録が……!!」
そんなおっさんの声を聞きながら、視界がホワイトアウトした。
フレンド登録さえしなければ、ログインしててもばれないのだ。
気づくと、俺は何もない殺風景な場所に立っている。
俺の『アステロイド銀河第二星系』にある、惑星1だ。
はっはっは。見事に金だけ取ってフレンド登録せずに逃げてきたぜ。
さすがにそれは最低だわ。
次会った時にフレンド登録してやろう。もう会いたくないけど……。
さて、生命の素と大気の素は買って来たから、早速使ってみるか。
メニューウインドウを開いて「持ち物」タブをクリック。
その中から、「大気の素」をドラッグしてフィールドに放る。
放ったときに数を指定できる。ひとまず1個でいいだろ。
大気圏が形成された。よしよし。
続いて生命の素をドラッグしてフィールドに放る。
放ったときに数を指定できる。これもひとまず1だ。
すると一人の人間が誕生した。いや何でだよ。
えっ、ちょっと待って、これって宇宙から創ってるんだから、惑星も空気から創って海で誕生した生命を進化させていくとかそういうのじゃないの?逆に人間以外の生命を誕生させたいときはどうやってやるんだ?
う~ん……。わからん。
そろそろ時間も遅くなってきたし、一旦ログアウトするかね……。
さっき持ち物に大気の素なんてのがあったし、大気を作ったりして生命を誕生させる、なんてのもあるはずだ。そういうゲームだろ、たしか。
でも大気の素は0でストックがないんだよな……。
多分基本的な持ち物だろうし、ステータスにはゲーム内通貨っぽい神Mなんてのがあったから、ショップ的な場所で買うのかもしれない。
人差し指で時計回りに正方形を描き、メニューウインドウを表示させる。
じっと観察してみると、タブの中に「ホーム」ってのがあった。これをクリックしてみる。
すると、ウインドウの一番上に「現在のホームは『次元の狭間都市』神々の京都タワーです」とある。京都タワー?
その下には『次元の狭間都市』神々の京都タワー、惑星1と並ぶ。
これは多分、最初の拠点がその京都タワーとやらで、惑星を創ると、その惑星をゲーム開始の出現地点に設定できるということなんだろう。
ウインドウの右下には「ホームに行く」というタブがあった。クリック。
「ホームに飛びますか? YES/YES」
イエ……イエスしかねえじゃん。じゃあ確認すんなよ。
イエスを選ぶと、視界がホワイトアウトした。
気が付くと、俺は何かの建物の中にいる。どうやらその神々の京都タワーとかいう都市に移動したらしい。
恐らくその京都タワーとかいうのをイメージしているんだろう。
ここは展望室か。円形の建物の外周部を進むように通路があり、外周は全てがガラス張りになっている。でも、外はどんよりとしたいかにも次元の狭間っぽい色の空間になっていて何もない。
一方で内側、建物の中心部には延々と何らかの受付らしきカウンターと店員が並んでいる。ショップやらもここにありそうだ。
通路は広く、数メートルおきにテーブルが設置してあって、そこでは他のプレイヤーが談笑している姿が見受けられる。もっとも、クソゲーだからゴールデンタイムにも関わらず人口密度は低いんだけど。
テーブルで談笑してるプレイヤーたちを見て気づいたことがある……アバターがごつい。みんなごつい。
シンプルに言えば、古代ギリシャ人。キトンを身に纏って髭モジャで髪モジャ。
そんなやつばっかり。古代ギリシャ人のみなさんすいません。ていうかこのゲームを作ったメーカーの神のイメージどうなってんだよ。
そんなプレイヤーたちの中で一際目を引くのがリアルアバター。どうやらどこかで現実世界の画像データか何かを取り込んでアバターにできるらしい。
俺の目の前にも古代ギリシャ人たちに混じってサラリーマン風っぽい、スーツを着たリアルアバターの男が座っている。すげーシュール。
リアルアバターの場合、他のプレイヤーと違ってアバターの周辺の空間が切り取られて少し白くなったりしているのでわかりやすい。画像を読み込んでるっぽいから、その辺はしょうがないんだろう。
で、明らかにリアルアバターなのに、古代ギリシャ人が仮面被ったみたいなアバターのやつがいる……。それリアルアバターにする意味ないだろ……キャラネームは……「ガイア」。
おいおい、ガイアって八人目の神で『創世神』とか天界で呼ばれてるやつだろ。
わざわざコスプレまでして、変わったやつもいるもんだな。
てかガイアがそんな変な格好してるわけないじゃん。会ったことないからわかんないけどさ。
とにかくああいうのとはあんまり関わりたくないな……。
とりあえず大気の素やらが売ってあるショップを探そう。
どれも似たようなNPCが受付に並んでいてわかりづらい。
案内所みたいなのねえかな……。と探すとすぐに見つかった。
というのも、「案内所」というボードがある上に、そこの受付NPCだけどう見てもボクサーで目立つからだ。
何でこんなとこにボクサーがいるんだよ。まあいいや。
「ここはインフォメーションカウンターです。利用しますか? YES/NO」
何でもいちいち確認してくるゲームだな。イエス。
するとめちゃめちゃ鋭いカウンターパンチが飛んできて吹き飛ばされた。何で?
吹き飛ばされた俺は後ろのテーブルに激突。幸い周りにプレイヤーはいなかったものの、周りの人たちの視線を集めてしまう。
ぼそぼそと「おーやってるやってる」「このゲームに初心者か?珍しいな」「初心者のときは俺もあれ食らったわ」とか聞こえてくる。
意味わかんねえ……。よく考えたらカウンターじゃねえし。
「大丈夫かい?」
優しく声をかけられた。親切な人もいるもんだ。
手を差し伸べてくれている。
「すいません……ありがとうございます」
差し伸べてもらった手を取って起き上がり、顔を確認する。リアルアバターだ。
あれ……どこかで見たことあるな。
ていうか近所のコンビニのおっさんじゃねえか。店長なにやってんすか。
キャラクターネームは「破壊神・紅」になっている。やべえ……。
ミリーにおすすめされて始めたんじゃなかったのか。
もしミリーと相談した上でこのアバターとキャラ名なら、俺は明日にでもミリーを倒しにいかないといけない。
相談なしでこれなら黙ってやり過ごそう。もしそうなら、店長が家庭の破壊神となり、ミリーの家が紅に染まってしまからな。
「もしかして君、このゲームは始めたばかりだったりするのかな?」
うわっ、あんまり会話続けたくないんだけど……。
「そうなんですよ、大気の素とか買いたいんですけど、ショップの場所とか全然わかんなくて」
「それなら私が教えてあげよう。ついてきて」
結構です、とは言えない。
どのゲームでもいるよな……初心者に構いたがって親切を押し売りするやつ。
本人に善意しかないのはわかるんだけど……困ったもんだ。
「ここだ」
「やっぱり他のNPCと区別つきませんよね……どうやって場所を覚えたんですか」
「全く同じというわけではないよ。ホクロの位置や数が違うんだ」
そう言われてNPCをよく観察してみるとたしかにその通りだった。
目の下にホクロがあるNPCもいれば、口元にホクロのあるNPCもいる。
ショップ用NPCは、頬にホクロがあった。
「なるほど……本当に変なゲームですよね」
「ああ、本当にね……でも、私にはもう、これしかないんだ……」
えっ。何か思いがけず地雷を踏んだ予感。
「最近、妻も娘も冷たくてね……。話をするきっかけもなかったところに、娘がこのゲームとヘッドギアをくれたんだ。クソゲーだからあげるってね」
ミリー何やってんだよ。もうちょっとおっさんに優しくしてやれや。突然こんな話を聞かされる俺の身にもなってくれ。
「娘が気にしてる近所のミルって男の子もよくクソゲーをやってるらしくてね。もしこのゲームで見かけたら何としてでも声をかけてフレンド登録して、インしてる限りずっと一緒にいて、その話を娘に聞かせることで家庭における私の居場所を取り戻そうと思っているんだ」
俺を餌にすんな。ミリーも余計なこと言いやがって。
ていうかオンラインで人の名前だすなよ……。
とにかく、こりゃ俺の正体は何としても隠し通す必要があるな。
「そういえば君のリアルはどんな感じなの?ゲームでこういうことを聞くのはマナー違反なのかな」
「ははは、いえー大丈夫ですよ。俺は35歳の無職です」
「そ、そうだったか……ごめんね」
謝られた。何とかうまくやり過ごせたな。
とにかくこれ以上この人と関わるのはまずい。何とかきっかけを作って一度ログアウトしよう。
とりあえず大気の素と生命の素を買い込んだ。
いちいちここに来て変なのに絡まれるのは勘弁だからな。
「ああ、リム君。最初は一気に大気の素や生命の素を買い込まない方がいいよ」
そういうのを早く教えてくれよ。家庭の事情とか教えなくていいから。
「まあ、神Mはすぐに稼げるから大丈夫だよ。何だったら私のを分けてあげよう」
そう言ってトレードの仕方を教えてもらいながら、神Mを遠慮なくいただく。
30583579502402485858Mわけてもらった。いやこれもらいすぎだから。
「ええっ……ちょっと、こんなにもらっていいんですか?」
「ああ。私はリアルマネーも使ってるからね。これは内緒ね」
やったぜ。後で運営に報告してBANしてもらお。
このゲームはたしかRMT、リアルマネーでゲームマネーを買うことを公的には禁止されていたはずだ。
しかし、それでもこの額は多いだろ。絶対に何か裏があるな。
見返りに何か要求されたりするんだろうか。
「その代わり……フレンド登録、いいかな」
いやいや……フレンド登録に全力出し過ぎだろ。そんなに友達いねーのかこのおっさん。それに、フレンド登録したからって何があるわけでもないだろ。
まあ、大体のオンラインゲームだとログインしてるかどうかはわかるな……。
でもこのゲーム内通貨は捨てがたい。
何より、この寂しすぎるおっさんのお願いを断れない。
「俺でよければ、全然構いませんよ」
「ありがとう。本当に……!!」
めっちゃ感謝されてる。
右手を両手で包むように握られる。気持ち悪い。
「それで、もしよかったらこれから私の宇宙に……」
「あっ、やばいもうこんな時間だ!すいません、今日のところはこれで!!」
俺は慌ててメニューウインドウを開き、ホームボタンから自分の宇宙の惑星1をクリック。
「あ、待って!まだフレンド登録が……!!」
そんなおっさんの声を聞きながら、視界がホワイトアウトした。
フレンド登録さえしなければ、ログインしててもばれないのだ。
気づくと、俺は何もない殺風景な場所に立っている。
俺の『アステロイド銀河第二星系』にある、惑星1だ。
はっはっは。見事に金だけ取ってフレンド登録せずに逃げてきたぜ。
さすがにそれは最低だわ。
次会った時にフレンド登録してやろう。もう会いたくないけど……。
さて、生命の素と大気の素は買って来たから、早速使ってみるか。
メニューウインドウを開いて「持ち物」タブをクリック。
その中から、「大気の素」をドラッグしてフィールドに放る。
放ったときに数を指定できる。ひとまず1個でいいだろ。
大気圏が形成された。よしよし。
続いて生命の素をドラッグしてフィールドに放る。
放ったときに数を指定できる。これもひとまず1だ。
すると一人の人間が誕生した。いや何でだよ。
えっ、ちょっと待って、これって宇宙から創ってるんだから、惑星も空気から創って海で誕生した生命を進化させていくとかそういうのじゃないの?逆に人間以外の生命を誕生させたいときはどうやってやるんだ?
う~ん……。わからん。
そろそろ時間も遅くなってきたし、一旦ログアウトするかね……。
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