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第15話 玄武組と白虎組
しおりを挟む高層ビルに着き中に入る。私は西園寺さんの肩に乗る。
「お疲れ様です。勝手に通せと言伝てがございますのでどうぞ。」
カウンターにいる女性に見送られエレベーターに乗る。そして西園寺さんが最上階のボタンを押そうとした時、私が静止させる。
「(すみません、暗証番号のようなものがあるので、後ろを向いてもらえますか。)」
「・・・わかった。」
西園寺さんが後ろを振り向く。そして素早く階のボタンを暗証番号順に押していく。8桁押したのちウィィィーンとエレベーターが動き出す。「(もう大丈夫です)」と言い前を向かせる。ボタンは最上階に押されている。
そして最上階に着きチンと音が鳴りドアが開く。するといつもの付き人がいた。
「夜分にお疲れ様です。宇賀神様、そして西園寺様。」
「!」
「(いつもお迎え有難うございます。長は目覚めてますか?)」
「はい。頭麟様は先程までいらっしゃいましたが今は外出中です。」
「(あ~・・・すみません後始末を任せてしまって・・・)」
「・・・いえ。大丈夫です。さぁ中へどうぞ。」
付き人が中へと進めてくれたので西園寺さんは少し緊張した面影で靴を脱ぎ中へと入っていく。
「おっ来たか!・・・ん?お前は誰だ?」
「・・・俺は西園寺武寅といいます。この度は我が組がお世話になったとの事を聞いたので無礼を承知で拝謁させていただきました。」
「あぁ、西園寺組の組長か。まぁうちのマリーちゃんの頼みだったならな。気にするな。」
「まっマリーちゃん?」
「で、肝心のマリーちゃんは何処に?」
「えっ、あのここ、にぃ!!?」
キランと目を光らせて西園寺さんの肩から飛び宙を舞い中頭郡さんの胸元へ研ぎ澄まされた爪を出し引っ掻いた。
シャン!!・・・・・・パラパラパラ・・・
「あ~何て事するんだよ子猫ちゃんは~・・・このバスローブ高いんだぞ!?」
「(人前でマリーちゃんなんか呼ぶからですよ。今度は本気で胸元に傷を付けますからね。)」
「おおぅ!怖いね~子猫ちゃんは。それにしても今日は猫ちゃん姿かぁ~可愛いね~!膝の上に来いよ。」
そう言って自分の膝をパンパンと叩く。それを見て尻尾でパシパシ叩き、また西園寺さんの肩に戻る。
「(お断りします。さあ、話が進みませんよ。・・・そういえば頭麟はどこへ?)」
「あぁ、あいつは不貞腐れて帰ったぞ?」
「(そうですか。まぁ煩いのがいーーー)」
バーーーン!
「マリーちゃ~ん‼来た~?」
「おいおい、もう少し静かにこれないのか?」
「あれ~マリーちゃんは~?それにこいつは・・・あっ!西園寺組組長かな!」
「はい。武寅といいます。」
「そっかそっか~。ん~・・・あっ!マリーちゃんはっけ~ん!」
そういって西園寺さんの肩に乗ってた私は逃げる間もなく捕獲された。うん、捕獲されたね。
チリンと鈴の音が聞こえ首に冷たいものを感じだ。・・・そう、首輪を付けられたのだ。
「(なんですかコレは?元に戻る時絞め殺されてしまいますよ・・・)」
「ええぇぇ!!!!!じゃあ腕輪買ってくればよかった。」
「(腕輪だと今度は腕が絞められます。着けるなら収縮自在の物でな・・・あっ。)」
言葉を途中で止めた。なぜなら頭麟は目を輝かせて「買ってくるー」と言って出ていってしまったからだ。
「・・・あの人は?」
「(お恥ずかしながら、あれも一応幹部です。ハンネは頭麟。・・・なぜこうも子供っぽい人ばかりが集まったんでしょうか・・・)」
「ははは!まぁ皆自分に素直なんだよ。実力はあるんだから諦めな。」
「(はぁ・・・何を諦めろと?・・・もう話を進めましょうか。)」
さっきの首輪は西園寺さんに外してもらい私は長の前にある机の上に飛び乗る。そこには猫用のクッションが置かれていた。・・・昔から使っていたクッションだ。
「(・・・まだ残ってたんですね。私のお気に入り・・・)」
「当たり前だろ。・・・たく、急にいなくなって何度か捨てようとしたぞ?」
「(ふふっ・・・捨てずに残してくれて有難うございました。)」
2人の空間にたじろぐ西園寺さん。それに気付いてソファに座るよう促す。そして恐縮しながらも深く座り込んだ。
「おう、組長らしく堂々としてるな。肝が据わってるな。なかなか良い奴拾ったなマリー。」
「(いい加減マリーと呼ばないで下さい。貴方に呼ばれると不愉快です。)」
「ククッ・・・まあいい。とりあえず西園寺組の坊っちゃん、あー小虎だっけ?月1の晩酌に付き合うのは承知か?」
「・・・はい、小虎も大丈夫と言っていたようですので問題ないかと。」
「そうかそうか。じゃあ今週ー」
「(来月の満月の日からお願い致します。)」
「・・・だそうだ。」
「はい。構いません。本人にそう伝えておきます。」
「(すみませんね、長の我が儘に付き合わせてしまって。まぁ16歳と言うことですので多少遅くなっても大丈夫ですよね。)」
「はい。大丈夫です。」
「よしよし。で、送迎はこのマリーこと尾麟が毎月迎えに行くから。空の旅が堪能できるから楽しみにしてるといいぞ。」
「・・・は?空の、旅ですか?」
「(私は車や電車が苦手なんです。だから私が小虎くんを担いで飛んで行きます。)」
そういうと、西園寺さんは今日私に捕まって飛んだ事を思い出したようで、うんうんと納得していた。
「よし、話は終わりだ。帰って良いぞ!」
「はい。失礼しーーー」
「(まだ終わってないでしょう。話を切らないでください。)」
「・・・チッ」
西園寺さんは不思議そうに私を見る。
「(西園寺武寅さん。貴方は今、「北御座」組に狙われてます。何が目的なのか、まだ突き止めてませんが、おそらく白虎組の総長が下りるという話と関係してます。貴方が狙われてるというのは鎮西組に聞いた事ですので確かです。)」
「・・・話から、鎮西組と玄武組の傘下の北御座組が手を組んでる・・・という事のようにきこえるのですが・・・」
「・・・その通りだ。だがこれは俺たちが出て行くから別に武寅には話さなくても良いと判断したんだがな・・・」
「(武寅さんが狙われるのに本人に話さず今回みたく怪我を負われてはどうしようもないんですよ?それにコソコソ護衛してもしょうがないでしょ?皆下手くそなんですから。)」
「ははっ!言ってくれるね~。・・・まぁ性に合わない事をするとストレス溜まるしな。まぁ今、玄武の様子と白虎の様子を伺って、まぁ話が落ち着くまでうちの幹部がお前を護衛するって事になってるから。」
「・・・そんな麒麟組に恩ばかり受けてしまうのは・・・」
「(大丈夫ですよ。これも何かの縁ですし、後ろ楯になったからにはそれなりの仕事をしませんと、ね。)」
「そうだぞ~。それに小虎は将来有望だぞ。俺の勘は当たるんだ。」
「・・・そうですか。・・・感謝いたします。」
そう言って深くお辞儀をしていた。それでやっと話す事がすべて終わり、また西園寺さんの肩に乗って退散しようとした時、
「(ふぎゃっ!?)」
「痛っ!?」
尻尾を思いっきり掴まれ間抜けな声をだしてしまった。それと同時に西園寺さんの肩に爪を立ててしまったので西園寺さんが悲鳴をあげた。
「おっと、お前は返さないぞマリーちゃん。もう少し俺に付き合え。」
「(なっ、なっ、何をするんですか~‼はっ離してください~!!)」
尻尾は敏感な部分なので凄く不愉快になる。それを知っての事か掴まえる部分がなかったのか尻尾を掴まれた。シャーと牙を向け威嚇したが効果がなかった・・・
「・・・お前、この40年間、何してた?探したが見つからず誰もお前の事知らないと言うし、どっかで野垂れ死んだとも言われてたんだぞ。」
「(・・・・・・すみません)」
少し気まずくなり、とりあえず尻尾を離してもらい床に着地する。床は大理石で作られておりそこに高級絨毯を敷かれている状態であるので、猫の姿であまり歩きたくなかったのだが・・・致し方ない。
西園寺さんは長の護衛の人に西園寺組まで送ってもらう事になり、私はというと・・・
「(猫を可愛がるように頭を撫でるのは止めてください。)」
「無理だな。毛艶や最高だし。あとお前の肌もーーー」
「引っ掻きますよ?」
「ははは。別に構わんぞ。お前に傷を付けられるなら。」
「(・・・・・・)」
肩から下りるとすかさず中頭郡さんに抱っこされ今は膝の上で撫でられてる状態だ。
すると丁度西園寺さんと入れ替わりに犬神くんが入ってきた。
まぁ丁度良いと思い昔話を話し始める。
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