癒し手は異世界の救世主

やの有麻

文字の大きさ
29 / 55
第2章 四葉の役割

2ー3 テールの町が大変な事になりました。

しおりを挟む
「えっクロウくん・・・?」
「・・・・・・・」


クロウは手首を後ろ回しに縛られ目と口を布で縛られて身動きできない状態で、人族の男に連れられてきた。


『なんだか様子がおかしいぞ・・・?』
『・・・きっとあの魔術師のせいだな・・・外道なマネを!』
「『地図マップ』!『危険探知リスクディダクション』!・・・なにこれ?みんな赤い・・・」
『やはりそうか。どんな魔法を使ったのか、この町にいる者たちは正気を失い我らを敵とみて攻撃しようとしている。ただの操り人形だ。』
「それは困りましたね・・・原因はその魔術師でしょうか。」
『近くにいるだろうが・・・うん?いた!こいつだ。』


大魔鳥は四葉が出した地図のある部分を嘴で突つき出した。残像の様なものなので突ついても透き通るだけだ。


「あの木陰にいる赤い点のやつですね。・・・自分は高みの見物ですか。良い度胸です。では私が行きましょう。大魔鳥さんはもう大丈夫ですか。」
『大魔鳥ではなくマルスと呼ぶ事を許可する。今度からそう呼んでくれ。・・・ほんの数分肩に止まってただけで、だいぶ魔力を回復した。とりあえず町人を傷付けては意味がない。無力化できるよう努めよう。』
『我はクロウの解放に努力しよう。』


皆の役割が決まり行動を開始する。大魔鳥マルファスは元の大きさに戻り詠唱し始める。



『お前らに罪はない。少し眠れ!安らぎの眠りを与えよう!『睡眠スリープ』!』


耐性のない町人たちば目を閉じパタパタと倒れていく。・・・2人を覗いて。


『おいクロウよ!これ以上我らの足手まといになるでない!』


膝立ちになっているクロウを応龍は器用に牙で目元と口元に縛ってある布をほどく。するとクロウは虚ろな目をしていた。


『このど阿呆うが。邪気を払い元の姿を取り戻せ。『解呪ディスペル』!』


クロウの体が魔法で光りだした。が、すぐにパンッと弾かれた音がして元の虚ろな目に戻った。


『ぐぬぬ・・・まだ習得できてないか・・・。だが数をこなせば奇跡は起こる!もう一度・・・『解呪ディスペル』!』









2匹が奮闘している頃・・・



「・・・どっどういう事だ?あのマルファスを結界で閉じ込めたのに解除されている!?俺より魔力が高い奴がこの中にいるのか?いやーーー・・・」

結界が砕け散る音が響いて、それが自分が張った結界が解除された事に気付いた。だが自分は騎士団の中でも最上位の大魔術師で、魔法は結界や補助魔法など攻撃には不向きな魔法を得意としている。腕には自信があった。絶対に破られる事がないと自負していたところに、先ほど結界が砕ける音がした。


「有り得ない・・・そもそも、ここにいる町人には呪縛をかけた。解除する奴なんて・・・」
「あぁ町人たちに呪縛をかけたのですね。なんと卑劣な事をする人なのでしょうか。」
「仕方がないだろう・・・これは王じ・・・ん?今俺は誰とーーー」
「とりあえず、貴方も眠ってください。私の合図がないと起きれない程の強烈な睡眠をあなたに・・・」
「えっなっ・・・・・・ーーー」



四葉は背後をとり大魔鳥マルファスの使った『睡眠スリープ』を唱える。全身真っ黒のローブを来た男性にむけて・・・


「いま、おうじ・・・って言った!?これ不味いんじゃ・・・とにかく応龍さんの所へ戻りましょう。」



四葉はその男性の腕を自分の肩に載せおんぶする。端からみれば小さな小柄な少女が大の大人をおぶっている異様な光景が思い浮かぶ。











『『解呪ディスペル』!ぐぬぬ・・・魔力が足りん』
『弱いのぅ。修行不足だな。』
『それは我でも自覚してるわ!マルファス爺なんとかならんか?』
『俺は先ほどの『睡眠スリープ』を町全体にかけたせいで魔力切れだ。』
『やはり爺さんだな・・・』
『ん~?ナニカイッタカ?』
『ぐぬぬ~ヨツバはまだか!?』
「はい、お待たせ・・・しま、した?」


応龍は四葉の姿を見てパァ~っと明るい顔になった。それを見て四葉は一歩下がってしまう。


『早ぅ来い!クロウが未だに呪われたままだ。』


クロウの虚ろな目を見て四葉はおぶってた男性をその場に落とし急かさずクロウの近くへ行って思わず両肩を鷲掴み揺さぶる。


「えっと、呪いって言いましたか?解呪できないんですか?」
『そうだ。だが我もマルファス爺も魔力切れだ・・・ヨツバ頼む。』
「そうでしたか・・・え~では。『解呪ディスペル』!」


クロウの体が光りだした。だが応龍同様パンッと弾かれた音がして元の虚ろな目に戻る。


「あら~失敗しました・・・」
『ぬぅ・・・ヨツバでもダメか。全くこ奴は足を引っ張ってばかりだな。』
『他に解く方法はないか?』
「では、同類語を言ってみましょうか。『解約キャンセレイション』!」


シーン・・・


『えっと、『解放リリース』!『解禁ベアン』!えー・・・『破約ブリーチオブコントラクト』!んー・・・『破棄リヴォケイション』!』


解放するとか、同類語を英語に訳して思い付く限り口ずさむ。


「ん~これでどうだ!『無効インヴァレッド』!」


そう言った瞬間クロウが眩しいくらい発光する。四葉たちは思わず目を瞑る。


少し経つと光が落ち着いていき、四葉たちは目を開ける。するといつもと変わらないクロウが膝立ちでキョトンとしていた。


「えっあっ・・・俺は一体?」
「クロウくん・・・!!」
「わっ!ヨツバ殿!?」


四葉はクロウに思いっきり抱き付きクロウが尻餅をついた。


『全く・・・世話のやける奴だ。あれ程足を引っ張るなと言った傍からもう足を引っ張っておるわ。』
「応龍様・・・えっ一体何があったのですか?」
『原因はこいつだ。』


大魔鳥マルファスは四葉が無造作に倒した黒いローブを着た男性を嘴で突っついていた。頭の帽子の部分を取り顔を晒せた。


「えっ!!!こっこの方は・・・ーーー」



クロウが顔を見て驚いた。





しおりを挟む
感想 31

あなたにおすすめの小説

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました

桜あずみ
恋愛
異世界に転移して2年。 言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。 しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。 ──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。 その一行が、彼の目に留まった。 「この文字を書いたのは、あなたですか?」 美しく、完璧で、どこか現実離れした男。 日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。 最初はただの好奇心だと思っていた。 けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。 彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。 毎日19時に更新予定です。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

兄様達の愛が止まりません!

恋愛
五歳の時、私と兄は父の兄である叔父に助けられた。 そう、私達の両親がニ歳の時事故で亡くなった途端、親類に屋敷を乗っ取られて、離れに閉じ込められた。 屋敷に勤めてくれていた者達はほぼ全員解雇され、一部残された者が密かに私達を庇ってくれていたのだ。 やがて、領内や屋敷周辺に魔物や魔獣被害が出だし、私と兄、そして唯一の保護をしてくれた侍女のみとなり、死の危険性があると心配した者が叔父に助けを求めてくれた。 無事に保護された私達は、叔父が全力で守るからと連れ出し、養子にしてくれたのだ。 叔父の家には二人の兄がいた。 そこで、私は思い出したんだ。双子の兄が時折話していた不思議な話と、何故か自分に映像に流れて来た不思議な世界を、そして、私は…

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

夫と息子に邪険にされたので王太子妃の座を譲ります~死に戻ってから溺愛されても今更遅い

青の雀
恋愛
夫婦喧嘩の末に置き去りにされた妻は、旦那が若い愛人とイチャついている間に盗賊に襲われ、命を落とした。 神様の温情により、10日間だけこの世に戻った妻と護衛の騎士は、その10日間の間に心残りを処分する。それは、娘の行く末と……もし、来世があるならば、今度は政略といえども夫以外の人の妻になるということ。 もう二度と夫と出会いたくない彼女は、彼女を蔑ろにしてきた息子とも縁を切ることを決意する。 生まれかわった妻は、新しい人生を強く生きることを決意。 過去世と同じ轍を踏みたくない……

滅せよ! ジリ貧クエスト~悪鬼羅刹と恐れられた僧兵のおれが、ハラペコ女神の料理番(金髪幼女)に!?~

スサノワ
ファンタジー
「ここわぁ、地獄かぁ――!?」  悪鬼羅刹と恐れられた僧兵のおれが、気がつきゃ金糸のような髪の小娘に!? 「えっ、ファンタジーかと思ったぁ? 残っ念っ、ハイ坊主ハラペコSFファンタジーでしたぁ――ウケケケッケッ♪」  やかましぃやぁ。  ※小説家になろうさんにも投稿しています。投稿時は初稿そのまま。順次整えます。よろしくお願いします。

断罪後のモブ令息、誰にも気づかれずに出奔する

まる
ファンタジー
断罪後のモブ令息が誰にも気づかれないよう出奔して幸せを探す話

処理中です...