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第2章 四葉の役割
2ー9 巨大なナニかはアレでした。
しおりを挟む巨大なナニかは月の光で姿がハッキリ見えてくる。
「・・・山男?」
『ん?いや、あれはトロールだな。何故こんな所に?』
「おっきいですね~。トロールはまさに巨人って意味の魔物ですよね。確か日光を浴びると石になってしまうとか・・・?」
『その認識で合ってるぞ。・・・トロールはこんな所にいるはずはないのだが・・・』
応龍は驚愕しつつ疑問を抱いた。それを察知して四葉は説明を求めた。
「えっ?どういう事ですか応龍さん?」
『・・・我の守護するこの土地には存在しない魔物なのだ。トロールは森や山に住む静かな魔物だ。・・・トロールは霊亀の守護する土地にのみ存在する魔物だ。』
「・・・もしかして、あの魔法陣って・・・召喚魔法陣!?」
『むっ!?何だそれは?』
「簡単に言えばその魔法陣に魔力を注ぐ事で、どんな場所に居ようが魔物をこの魔法陣に呼ぶことができる代物です。」
『ん・・・なんとなく理解した。とりあえずトロールを説得してみよう。』
「ぅ・・・ごめんなさい説明が下手で。私はあの黒いローブの・・・四天王の人を探します。あっその前に町人たちを避難させなくては。」
応龍はすぐさまトロールへと飛んで行った。すれ違い様にクロウが何か応龍に話しかける。
「すみません。仲間らしき人物3人は倒したのですが肝心の奴を取り逃がしました。」
『うむ。上出来だぞ。ヨツバたちと町人を頼むぞ。』
「承知しました。」
クロウは一層気を引き締めた。応龍に頼まれたという責任感。緊張感に騎士団に居たときの緊迫状態に似ているからだ。
「クロウくん!あのローブの人は!?」
「すみません。取り逃がしました。でも近くにいるのは確かです。」
「わかったわ。ディモルとマルスさんは鳥目ですので無理せず出来る範囲でお願いします。」
「ギュルル~(夜は役に立たず申し訳ない~。)」
『俺は大丈夫だ。上空で奴を探してみる。ディモルはピスパロウの元へ行け。何かあったら俺に従え。』
「ギュイ!(はい。待機してます!)」
こうして役割分担をして各自行動に移す。
~四葉・クロウside~
「えーどんな障害にも守れるような鉄壁の結界を~~・・・『結界』!!」
四葉は応龍が使ってた結界を家一つを覆うように張る。祈るように願いを込めて張った結界は誰が見ても結界が張ってるようにキラキラと光ってて、まるで防弾ガラスでできてるような丈夫な結界ができた。
それを、町にある家一つ一つに結界を張る。
「あ~解呪の時以上に疲れた・・・。でも前回の時よりは耐性ついたかな?前回はクロウくんに魔力を与えたのが悪かったのかな。」
考えを巡らせたが、それくらい余裕があるのだと気付き、とりあえずお馴染みの『地図』と『危険探知』を展開する。
すると壊れた倉庫の、あの魔法陣のあたりに黄色い点を見つけた。何だろうと不意に指で突ついてみると。機械音でポンと音がなる。すると・・・
「・・・は?アルバド・ルーヴィン?誰?・・・あっローブの人か!!へぇ~目標人物というかボス的な者は黄色で示されるのね。・・・てか今更だけどタップできたのね。でもマルスさんが触れた時は反応なかったから自分だけかな。」
トホホな状態になったが、気持ちを切り替えて半壊状態の倉庫へ行く。するとクロウと合流できた。
「クロウくん、奴はあの魔法陣の近くにいるわ。また何かしでかそうよ!急ぎましょう!」
「えっ中にいたのか!?わかっ・・・りました。」
ん?なんか変な反応。今更敬語じゃない事に気づいたのかな?応龍には敬語だったのに。
「ふふふ。敬語じゃなくて良いのよ。まだまだ一緒に付いてくるつもりなのでしょう?」
「・・・そのつもり・・・だ。流石に応龍様には敬語を使わないと怒られそうだが。」
「ふふっ、そのうちハブられたと勘違いして『我に敬語を使うなー』って言いそう。」
「はぶられた?・・・あぁ、少しずつヨツバ殿の国の言葉も教えてもらいたい。」
「いいわよ。では、この状態に終止符を打たねばなりませんよ~!」
「承知した!」
そして2人は倉庫の中へ走っていく。
~応龍・マルファスside~
『おいトロールよ。聞こえるか。』
ウォォォーーーン・・・
『こいつも呪われてるのか・・・』
トロールはただただ前へと歩いていた。
応龍はトロールを哀れに思えた。勝手に他の土地へ飛ばされた挙げ句、無意識に操られてしまって・・・哀れにしか思えなかった。
『今度こそ成功してみせる『解呪』!!』
トロールに向けて詠唱する。だがパンッと一瞬で魔法が弾かれてしまいた。
『・・・我の願いを叶えたまえ、苦しむ友を忌まわしき呪いから解放したまえ・・・『解呪』!』
魔力を込めてトロールに向けて詠唱する。すると一時、トロールが発光する。
『ウゥ・・・カエリタイ・・・カエリタイ・・・』
トロールが体を丸めて踞りうわ言のように独り言を言い始める。
『ソコニ・・・オウリュ・・・サマ・・・タスケテ・・・ウォォォーーー』
次第に体の光が消え、また目的も無く歩きだす。応龍は悔しがる。成功とばかり思ってたのに元に戻ってしまったからだ。
すると上空からマルファスが応龍に近付いてくる。
『俺の魔力を分けてやろう。次は成功するさ。』
『・・・マルファス爺ぃ・・・あぁ、今度こそ成功してみせる。』
そしてマルファスは応龍の2本の角の間に止まり魔力を応龍へと注ぎだした。
『今度こそ成功してみせる!呪われてる友を。苦しみから解放せよ。『解呪』!』
すると今度は淡く、でも力強く光だし、その光は弾かれず泡となり空へ消えていく。
次第に苦しそうだった顔が穏やかになってゆく。
『トロールよ。我がわかるか?』
『はい。・・・とんだご迷惑をかけましたザス。』
『いや・・・元に戻ったようで何よりだ。体を小さくできるか?』
『はい。大丈夫ザス。』
トロールはゆっくりと小さくなり、50センチくらいの大きさになって宙に浮いた。
『とりあえず我とこい。其方をここへ連れてきた元凶が近くにいる。』
『ザス。』
トロールは語尾や返事には「ザス」が付くらしい(笑)
応龍は倉庫の方へ飛ぶと、丁度四葉たちと合流した。
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