癒し手は異世界の救世主

やの有麻

文字の大きさ
35 / 55
第2章 四葉の役割

2ー9 巨大なナニかはアレでした。

しおりを挟む


巨大なナニかは月の光で姿がハッキリ見えてくる。


「・・・山男?」
『ん?いや、あれはトロールだな。何故こんな所に?』
「おっきいですね~。トロールはまさに巨人って意味の魔物ですよね。確か日光を浴びると石になってしまうとか・・・?」
『その認識で合ってるぞ。・・・トロールはこんな所にいるはずはないのだが・・・』


応龍は驚愕しつつ疑問を抱いた。それを察知して四葉は説明を求めた。


「えっ?どういう事ですか応龍さん?」
『・・・我の守護するこの土地には存在しない魔物なのだ。トロールは森や山に住む静かな魔物だ。・・・トロールは霊亀の守護する土地にのみ存在する魔物だ。』
「・・・もしかして、あの魔法陣って・・・召喚魔法陣!?」
『むっ!?何だそれは?』
「簡単に言えばその魔法陣に魔力を注ぐ事で、どんな場所に居ようが魔物をこの魔法陣に呼ぶことができる代物です。」
『ん・・・なんとなく理解した。とりあえずトロールを説得してみよう。』
「ぅ・・・ごめんなさい説明が下手で。私はあの黒いローブの・・・四天王の人を探します。あっその前に町人たちを避難させなくては。」


応龍はすぐさまトロールへと飛んで行った。すれ違い様にクロウが何か応龍に話しかける。


「すみません。仲間らしき人物3人は倒したのですが肝心の奴を取り逃がしました。」
『うむ。上出来だぞ。ヨツバたちと町人を頼むぞ。』
「承知しました。」


クロウは一層気を引き締めた。応龍に頼まれたという責任感。緊張感に騎士団に居たときの緊迫状態に似ているからだ。


「クロウくん!あのローブの人は!?」
「すみません。取り逃がしました。でも近くにいるのは確かです。」
「わかったわ。ディモルとマルスさんは鳥目ですので無理せず出来る範囲でお願いします。」
「ギュルル~(夜は役に立たず申し訳ない~。)」
『俺は大丈夫だ。上空で奴を探してみる。ディモルはピスパロウの元へ行け。何かあったら俺に従え。』
「ギュイ!(はい。待機してます!)」


こうして役割分担をして各自行動に移す。





~四葉・クロウside~

「えーどんな障害にも守れるような鉄壁の結界を~~・・・『結界バリアー』!!」


四葉は応龍が使ってた結界を家一つを覆うように張る。祈るように願いを込めて張った結界は誰が見ても結界が張ってるようにキラキラと光ってて、まるで防弾ガラスでできてるような丈夫な結界ができた。

それを、町にある家一つ一つに結界を張る。


「あ~解呪の時以上に疲れた・・・。でも前回の時よりは耐性ついたかな?前回はクロウくんに魔力を与えたのが悪かったのかな。」


考えを巡らせたが、それくらい余裕があるのだと気付き、とりあえずお馴染みの『地図マップ』と『危険探知リスクディダクション』を展開する。

すると壊れた倉庫の、あの魔法陣のあたりに黄色い点を見つけた。何だろうと不意に指で突ついてみると。機械音でポンと音がなる。すると・・・


「・・・は?アルバド・ルーヴィン?誰?・・・あっローブの人か!!へぇ~目標人物というかボス的な者は黄色で示されるのね。・・・てか今更だけどタップできたのね。でもマルスさんが触れた時は反応なかったから自分だけかな。」


トホホな状態になったが、気持ちを切り替えて半壊状態の倉庫へ行く。するとクロウと合流できた。


「クロウくん、奴はあの魔法陣の近くにいるわ。また何かしでかそうよ!急ぎましょう!」
「えっ中にいたのか!?わかっ・・・りました。」


ん?なんか変な反応。今更敬語じゃない事に気づいたのかな?応龍には敬語だったのに。


「ふふふ。敬語じゃなくて良いのよ。まだまだ一緒に付いてくるつもりなのでしょう?」
「・・・そのつもり・・・だ。流石に応龍様には敬語を使わないと怒られそうだが。」
「ふふっ、そのうちハブられたと勘違いして『我に敬語を使うなー』って言いそう。」
「はぶられた?・・・あぁ、少しずつヨツバ殿の国の言葉も教えてもらいたい。」
「いいわよ。では、この状態に終止符を打たねばなりませんよ~!」
「承知した!」


そして2人は倉庫の中へ走っていく。







~応龍・マルファスside~


『おいトロールよ。聞こえるか。』


ウォォォーーーン・・・


『こいつも呪われてるのか・・・』


トロールはただただ前へと歩いていた。

応龍はトロールを哀れに思えた。勝手に他の土地へ飛ばされた挙げ句、無意識に操られてしまって・・・哀れにしか思えなかった。


『今度こそ成功してみせる『解呪ディスペル』!!』


トロールに向けて詠唱する。だがパンッと一瞬で魔法が弾かれてしまいた。


『・・・我の願いを叶えたまえ、苦しむ友を忌まわしき呪いから解放したまえ・・・『解呪ディスペル』!』


魔力を込めてトロールに向けて詠唱する。すると一時、トロールが発光する。


『ウゥ・・・カエリタイ・・・カエリタイ・・・』


トロールが体を丸めて踞りうわ言のように独り言を言い始める。


『ソコニ・・・オウリュ・・・サマ・・・タスケテ・・・ウォォォーーー』


次第に体の光が消え、また目的も無く歩きだす。応龍は悔しがる。成功とばかり思ってたのに元に戻ってしまったからだ。
すると上空からマルファスが応龍に近付いてくる。


『俺の魔力を分けてやろう。次は成功するさ。』
『・・・マルファス爺ぃ・・・あぁ、今度こそ成功してみせる。』


そしてマルファスは応龍の2本の角の間に止まり魔力を応龍へと注ぎだした。


『今度こそ成功してみせる!呪われてる友を。苦しみから解放せよ。『解呪ディスペル』!』


すると今度は淡く、でも力強く光だし、その光は弾かれず泡となり空へ消えていく。
次第に苦しそうだった顔が穏やかになってゆく。


『トロールよ。我がわかるか?』
『はい。・・・とんだご迷惑をかけましたザス。』
『いや・・・元に戻ったようで何よりだ。体を小さくできるか?』
『はい。大丈夫ザス。』


トロールはゆっくりと小さくなり、50センチくらいの大きさになって宙に浮いた。


『とりあえず我とこい。其方をここへ連れてきた元凶が近くにいる。』
『ザス。』


トロールは語尾や返事には「ザス」が付くらしい(笑)
応龍は倉庫の方へ飛ぶと、丁度四葉たちと合流した。
しおりを挟む
感想 31

あなたにおすすめの小説

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました

桜あずみ
恋愛
異世界に転移して2年。 言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。 しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。 ──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。 その一行が、彼の目に留まった。 「この文字を書いたのは、あなたですか?」 美しく、完璧で、どこか現実離れした男。 日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。 最初はただの好奇心だと思っていた。 けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。 彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。 毎日19時に更新予定です。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

兄様達の愛が止まりません!

恋愛
五歳の時、私と兄は父の兄である叔父に助けられた。 そう、私達の両親がニ歳の時事故で亡くなった途端、親類に屋敷を乗っ取られて、離れに閉じ込められた。 屋敷に勤めてくれていた者達はほぼ全員解雇され、一部残された者が密かに私達を庇ってくれていたのだ。 やがて、領内や屋敷周辺に魔物や魔獣被害が出だし、私と兄、そして唯一の保護をしてくれた侍女のみとなり、死の危険性があると心配した者が叔父に助けを求めてくれた。 無事に保護された私達は、叔父が全力で守るからと連れ出し、養子にしてくれたのだ。 叔父の家には二人の兄がいた。 そこで、私は思い出したんだ。双子の兄が時折話していた不思議な話と、何故か自分に映像に流れて来た不思議な世界を、そして、私は…

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

夫と息子に邪険にされたので王太子妃の座を譲ります~死に戻ってから溺愛されても今更遅い

青の雀
恋愛
夫婦喧嘩の末に置き去りにされた妻は、旦那が若い愛人とイチャついている間に盗賊に襲われ、命を落とした。 神様の温情により、10日間だけこの世に戻った妻と護衛の騎士は、その10日間の間に心残りを処分する。それは、娘の行く末と……もし、来世があるならば、今度は政略といえども夫以外の人の妻になるということ。 もう二度と夫と出会いたくない彼女は、彼女を蔑ろにしてきた息子とも縁を切ることを決意する。 生まれかわった妻は、新しい人生を強く生きることを決意。 過去世と同じ轍を踏みたくない……

滅せよ! ジリ貧クエスト~悪鬼羅刹と恐れられた僧兵のおれが、ハラペコ女神の料理番(金髪幼女)に!?~

スサノワ
ファンタジー
「ここわぁ、地獄かぁ――!?」  悪鬼羅刹と恐れられた僧兵のおれが、気がつきゃ金糸のような髪の小娘に!? 「えっ、ファンタジーかと思ったぁ? 残っ念っ、ハイ坊主ハラペコSFファンタジーでしたぁ――ウケケケッケッ♪」  やかましぃやぁ。  ※小説家になろうさんにも投稿しています。投稿時は初稿そのまま。順次整えます。よろしくお願いします。

断罪後のモブ令息、誰にも気づかれずに出奔する

まる
ファンタジー
断罪後のモブ令息が誰にも気づかれないよう出奔して幸せを探す話

処理中です...