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第3章 悪者退治
3ー6 プリアラの町(四葉ルート②)
しおりを挟む「私はヨツバ・アマミヤと申します。あなたたちがこの町で暴れていると聞いてやってきました。何故町を壊すのですか?」
「ガウゥ(我が息子を取り戻しにきた。)」
「その息子というのはこの町にいましたか?」
「グウ・・・(見つからなかった。あとはその建物だけだ)」
「この建物には人族や獣族しかいません。あなたの息子はここにはいません。」
「グルルル(ではどこにいるのだ!この町に我が子の匂いがする。絶対にここにいる!)」
「それはこれのせいでしょう。」
そう言って毛束を取りキングベアーの前に差し出す。するとキングベアーの1頭がその毛束に鼻を擦り寄せた。スンスンと匂いを嗅ぎ毛束を口に含んだ。そして手に取りペロペロ舐め始めた。
「クゥン(我が息子の毛だ・・・一体何処へ)」
「すみません・・・我が同族が罪を犯しました。」
『ヨツバ!!・・・同族、確かにキングベアーの子を拐ったのは人間だが!お前と奴とは同族であって同族ではない!あいつらは悪魔に魂を売った魔物だ!』
「いいえマルファス様。同じ人間、同族です。私だって欲はあります。ただ・・・考え方が違っただけで私だって間違えば・・・」
『ヨツバよ!やめろ・・・』
「グアっ(そうだ。・・・そんな清んだ目をしている人間が悪に染まるはずはない。・・・早く我が息子を探さねば)」
「・・・私が見付けましょう。怪我をしていたら癒します。同族の尻拭いは私が・・・あいたっ!?」
『まだ言うか!石頭め!』
四葉の頭に鉄槌が下る。四葉の肩に乗ってたマルファスが嘴で四葉の頭を突ついた。かなり痛かったのか頭を抱えて座り込んだ。フンッとマルファスは威張りキングベアー2頭は心配そうに顔を覗き込んできた。
「『捜索』!・・・ああ、そう遠くはありませんね。・・・でも紫色・・・怪我をしていますね。早く助けに行きましょう。」
イリースに後の事を任せキングベアーの背に乗らせてもらい移動する。ここから少し離れた森の真ん中辺りを示していた。負担をかけないよう乗せてもらっているキングベアーに『軽量』を掛ける。するとグンッと走る早さが速くなった。それはもう・・・もう一頭を置いてきぼりにする程速度が上がり四葉は少し落ちかけてしまった。
そして近付くにつれ我が子の匂いに気付きキングベアーの走り方が荒くなった。そして・・・
「グァー!」
「・・・クォウ。」
親子で互いに鳴き合い自分はここにいると主張する。・・・そして辿り着くと鉄製の檻に閉じ込められてる一頭の子熊がいた。キングベアーは四葉を乗せてるのにも関わらず鉄の檻に体当たりする。ガギィンと鉄同士が擦れる鈍い音を立てたが傷1つついてない。檻の中にいる子熊は体を丸めて反動に耐えていた。
四葉はキングベアーから下り周りを警戒する。マルファスは木の枝に止まりキングベアーの様子を伺う。その間に2頭で体当たりしたり檻にのし掛かったり柵に噛みついたりして檻を壊そうとあの手この手と手を尽くす。
『無理のようだな。では俺がやろう。』
「お願いします。・・・いまの所、敵はいないみたいですので、なるべく早く救出させたいのですが・・・」
『あいわかった。キングベアーよ、少し離れろ。我に纏いし風よ、鋭い刃と為し目前の檻を破壊せよ。『風刃』!』
マルファスが翼を大きく仰ぎ鎌鼬が発生する。そしてシュリンという刃と刃が擦れ合うような耳に障るような音が鳴り、檻に直撃する。そして天井から斜めに切れ上半分がずり落ちる。少し警戒しながらも檻から小熊がでてきてキングベアーの下へ走って抱き着く。キングベアーは我が子を懸命に舐めて毛繕いをしていた。
「有難うございましたマルスさん。・・・もう安心ですね。」
『そうだな。おい、キングベアーよ。もう町を襲うような事はするなよ。』
「グアー(ああ。我が子が帰ってきたのだ。もう襲う理由がない。)」
「回復させますのでお子さん、すこし預からせてください。」
そう言ってゆっくり近付く。小熊は警戒して唸ったが、キングベアーが咎めて大人しくなった。そして小熊に『回復』を唱え傷を癒す。・・・すると警戒心が解かれ四葉にすり寄ってきた。四葉は優しく微笑み頭を撫でてあげる。
「グゥ(我々は人間と関わらない、もっと深い森へと移住する。・・・もう我が子を危険な目に合わせたくないからな。)」
「そうですか・・・その方が良いでしょう。・・・悪い人間ばかりではないのですが・・・キングベアーにとっては人間は敵・・・ですよね。」
『・・・仕方のない事だ。』
「クォーン(人間のお姉ちゃん、ありがとう。痛いの治してくれて。)」
「いいえー。生きててくれて良かったです。よく頑張りましたね。」
「グァ(私達はそろそろ移動します。我が子を助けてくださり感謝いたします。)」
「いえ・・・どうか気をつけて。」
端的に話を切り上げキングベアーの親子は森の中へと消えていった。四葉は暗い気持ちになったがマルスにまた頭を突っつかれ渇をいれられた。マルスなりの励ましかたなのだろう。四葉は肩に停まってるマルスの頭を撫でてお礼を言いプリアラの町へと歩き出した・・・。
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