今日もBL営業カフェで働いています!?

卵丸

文字の大きさ
7 / 21
ノンケの僕がBL営業!?

モブプレイ? ※やらしい表現注意

しおりを挟む
二日目、僕はキッチンの方で切り盛り働いているけれど、相変わらずホールの方から見える男性スタッフ達が抱きしめるようにくっつく光景にまだ戸惑っていた。

(皆、凄いなぁ~。そのお陰でお客様も喜んでいるもんなぁ。)

女性のお客様が涙を流し、口元を押えながら親指を立てていたり、頬を赤らめてスマホで写真を撮っていたり、リクエストに応えて細長いチョコ菓子をお互いに端っこから、食べて、ゲームを始めたり・・・・・・キス駄目じゃなかったけ?
その心配はご無用でキスしそうな数センチの所で一人がパキッとチョコ菓子を折って、お互い離れていった。
それでも、お客様は嬉しそうに黄色い悲鳴をあげていた。

(多分、プロの技なんだろうなぁ~。)

僕は食洗機のボタンを押したその時、急に視界が暗くなり後ろからずっしりとした野太い声が聞こえた。

「あのーすみませーん。」
「のわあぁ!?」

驚いて後ろを振り向くと、ご立派なふくよかなお腹に目がいってしまったが上を見上げると丸い眼鏡をかけたぽっちゃり顔の男性が真顔で僕を見つめていた。

「ホールのお手伝いお願いしていいですか?」
「えっあっはっはい分かりました!!」

僕は軍人のようにビシッと敬礼のポーズで言ったからか彼はぷっと吹き出して、ぷるぷると身体を震わせて笑った。

「くっくぷぷっ笹原殿が言ってた通り、面白い方ですなぁ。」
「はっはぁ、ありがとうございます?」
(色んな人に揶揄われるなぁ。)

僕は了解したものの名を知らなくて、二人でホールに向かう時に彼の名前を聞き出した。

「自己紹介まだでしたよね?僕は沢良宜 篤と言います。」
「ご丁寧にありがとうございます。ぼくは大林 勤おおばやし つとむと申します。」
「大林さんですね。・・・・・あのー僕、昨日来たばっかりですので、ご迷惑かけたら、すみません。」
「えーっ沢良宜殿っまだ迷惑かけてないのに謝るのは違いますぞ!?」

大林さんは両手で両頬を押し潰して、変や顔をオーバーにするから、たらこ唇が縦長になって、笑ったらいけないけど、吹き出してしまった。

「ふっ・・・ごっごめんなさい!笑わないようにはしましたが・・・・・」
「やっと、沢良宜殿笑いましたね!」
「えっ?」
「いやはや、緊張した顔でしたので、ぼくの変顔で緊張がほぐれたのではないでしょうか?」

丸い眼鏡で瞳が見えないけれど、にかっと眩しい歯並びの良い剥き出しの笑顔に僕も釣られて微笑み返していた。

(大林さんもいい笑顔だなぁ。)

***

僕たちはお客様のいるテーブルに向かうと、歴が長いのか大林さんは眉をキリっと立てると真面目な顔で茶髪ロングヘアーの凛々しい美人系の女性に説明をしていた。

「これから、モブプレイを行いますが不快になったり、気分が悪くなったら、遠慮なく申し付けください。」
「はい、よろしくお願いします。」

女性のお客様から見た目通りの凛々しい声で頭を下げたのを確認してから、大林さんは「始めさせて頂きます。」と丁寧に伝えると、チョコレートケーキに大林さんはミルクピッチャーを片手で持つと何故か息苦しそうにケーキの上にミルクを垂れ流した。

「んっ・・はぁ・・・・んぐぅ・・・んんン・・・・んはぁっ。」
「おっ大林さん?」
「・・・・・・。」

お客様は目を見開いて両手を繋いで祈るように眺めているし、大林さんは息苦しいと言うか頬を赤らめながら、荒々しい息を吐く光景に困惑するしか無かった。

「んっン...///…ほぉっ!!」

残りわずかミルクを前後に強く振ると、ケーキにかからずにテーブルにかかり汚しているのに気にせずに何故か所々歪に真っ白になっているチョコレートケーキを僕の方に向けて、大林さんは目を細めてニチャァと効果音が付きそうな笑顔で口を開いた。

「はぁ、はぁ、はぁ・・・・ぼくのがぶっかけてあるチョコレートケーキを食べてほしいなァ・・・・・。」

何故か顔を赤らめて怪しい微笑みで言うもんだから、僕は目を白黒させて口をあんぐり開けて困惑していた。

「・・・・・・はぇ?」
「ほらぁ、温かいうちに食べてよォ。三日間シていない、ぼくの濃厚なミルクチョコレートケーキだよォ。」
(三日間?シてなかった?)

僕はシてなかったの意味は分かるけれど、いきなりの下ネタに戸惑いながら、仕事なので仕方なくフォークに一口サイズのケーキを乗せて、パクリと口に入れると想像以上の美味しさに大きな声で感想を叫んだ。

「おっ美味しい!!ほろ苦いチョコのコーティングに中にあるラズベリージャムの甘酸っぱさに程よい甘さのミルクを加えることで飽きさせない仕上げになってる!もう一口・・・んっ~・・・改めて、ストレートティーで飲むのがいいかもしれない。あっ大林さんも食べてみます?あぁっフォークがない!すみませんフォークを取りに行っていまーす!!」

僕は今までにないチョコレートケーキの美味しさを二人にも知って欲しくてフォークを取りに急いで行った。

***
篤の行動に二人は開いた口が塞がらず、呆然としていたが大林の意識が戻り、汗を沢山垂らし、目をギョロギョロ泳がせながら慌てた口調で彼女に話しかけた。
「・・・・・・ミヤ殿、彼はまだ新人でして、その・・・・・」
「見た感じ、全然知らなさそうだもんね。大林君、説明不足だぞ。」

ミヤの呆れ笑いに大林は救われて安堵の息を零していると、ご機嫌な篤が丸いアルミ製のトレーに新しいチョコレートケーキとミルクピッチャーと二本のフォークを乗せて二人がいるテーブルまでやってきた。

「お待たせしました!お客様、こちら手に着けてない品物でございます。」

篤はミヤの方に新しいチョコレートケーキとフォークを置くと、ミルクピッチャーを持ってミルクをチョコレートケーキの上に丁寧に斜め掛けにかけた。

「ごゆっくりどうぞ!!」

篤の太陽のような笑顔にミヤはクスクス笑いながら、チョコレートケーキを丁寧に綺麗な仕草で食べるもんだから篤は頬を赤らめて見とれていると、大林に肩を掴まれたから振り向くと、またニチャァと口角を上げて笑っていた。

「ぼくがいるのに、女を見るなんて酷いなァ・・・・・。」
「・・・・・ごほんっ大林さん、お客様に失礼な言い方したらいけないですよ!」

篤が面倒臭い真面目な先生みたいに言うから大林は苦笑を零し、ミヤは口を手で抑えて軽く吹き出していた。

***

「沢良宜殿、説明不足で申し訳ございませんでした。もし、宜しければこれを読んでモブについて学んでください。」

休憩室で真剣な表情をしている、大林さんに薄い本を渡された。下着一枚しか履いていない涙を流している綺麗な黒髪の中性的な美少年をゲスい笑みを向けている汚いおじさん達が囲んでいる表紙に少し抵抗あったけど、仕事の為にその本を手に取った。
しかも、成人向けと書かれていて僕は嫌な予感を感じながら大林さんに見られている中、唾をゴクリと飲み込んだのと同時に薄い本の一ページ目を捲った。

菜月side

「前回は女装したけれど、次は何にしようかな?」

僕は一ヶ月に二回行われる。イベントを考えてながら廊下を歩いていると、休憩室から強烈な奇声と野太い悲鳴が聞こえてきた。

「ぎょえぇぇぇぇぇェェェェェ!?」
「沢良宜殿ぉぉぉ!!」
「ッ!?」
(篤君と勤君!?)

二人の声に慌てて、ドアを勢いよく開けた瞬間に目を真っ白にさせて口から魂を出して床の上で横にぶっ倒れている篤君と涙を流しながら、しゃがんで彼の身体を強く揺さぶっている勤君が噎せながら泣き叫んでいた。

「ごほっ、がふっ沢良宜殿ぉー生き返ってくだされぇー!!」
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

俺は夜、社長の猫になる

衣草 薫
BL
冤罪で職を追われた葵は、若き社長・鷹宮に拾われる。 ただし条件は――夜は“猫”として過ごすこと。 言葉を話さず、ただ撫でられるだけの奇妙な同居生活。 タワマン高層階の部屋で、葵は距離を崩さない鷹宮に少しずつ惹かれていく。 けれど葵はまだ知らない。自分が拾われた本当の理由を。

イケメンダブルセンターとアンチ>ファンな平凡な俺

スノウマン(ユッキー)
BL
アイドルグループ【オーバーウェルミング】は圧倒的な歌唱力の深山影月、圧倒的なパフォーマンス力の漣陽太、そして圧倒的な平凡力な俺間桐真緒の3人で結成されている。  大人気の二人と違いアンチしかいない俺だが、メンバーからもファンからも愛される日が果たしてくるのか!?

和を以て貴しと為す

雨宿り
BL
"山奥に閉ざされた男子校"に入学した平凡な高校生の蓮水和は、周囲の異質さと距離を保ちながらもそれなりの日々を送っていた。 しかし、ひとつの事件に巻き込まれたことを境にその環境は一変する。 問題児の"転校生"と同室になり、クラスの"学級委員"に世話を焼かれ、"生徒会役員"と関わりができ、挙句"風紀委員"に目をつけられてしまう。 乗り越えたい過去と、目まぐるしい今に向き合いながら、和は様々な愛情を向けられるようになり...? ・ 非王道学園を目指しながらも、数多の美形たちに振り回されたり振り回したりするひとりの平凡によってお送りするぐちゃぐちゃとした群像劇をお楽しみいただけたらな、という感じのお話。 長くなる予定ですがのんびり更新して行きますので、気に入って頂けたら嬉しいです。 初投稿の為、なにか不備がありましたら申し訳ございません。 2026.03.12▶12話を更新。ふ、ふ、ふ。ようやっと出せました。このキャラを。という気持ちですが、まだ名前しか出ていないではないかと気が付きました。次回はガッツリ出す予定ですので。あと、書いていて三廻部先輩が思ったより元気になってしまって個人的にウケています。貴重なミステリアスお耽美枠が…。

ハイスペックストーカーに追われています

たかつきよしき
BL
祐樹は美少女顔負けの美貌で、朝の通勤ラッシュアワーを、女性専用車両に乗ることで回避していた。しかし、そんなことをしたバチなのか、ハイスペック男子の昌磨に一目惚れされて求愛をうける。男に告白されるなんて、冗談じゃねぇ!!と思ったが、この昌磨という男なかなかのハイスペック。利用できる!と、判断して、近づいたのが失敗の始まり。とある切っ掛けで、男だとバラしても昌磨の愛は諦めることを知らず、ハイスペックぶりをフルに活用して迫ってくる!! と言うタイトル通りの内容。前半は笑ってもらえたらなぁと言う気持ちで、後半はシリアスにBLらしく萌えると感じて頂けるように書きました。 完結しました。

【完結】ハーレムラブコメの主人公が最後に選んだのは友人キャラのオレだった。

或波夏
BL
ハーレムラブコメが大好きな男子高校生、有真 瑛。 自分は、主人公の背中を押す友人キャラになって、特等席で恋模様を見たい! そんな瑛には、様々なラブコメテンプレ展開に巻き込まれている酒神 昴という友人がいる。 瑛は昴に《友人》として、自分を取り巻く恋愛事情について相談を持ちかけられる。 圧倒的主人公感を持つ昴からの提案に、『友人キャラになれるチャンス』を見出した瑛は、二つ返事で承諾するが、昴には別の思惑があって…… ̶ラ̶ブ̶コ̶メ̶の̶主̶人̶公̶×̶友̶人̶キ̶ャ̶ラ̶ 【一途な不器用オタク×ラブコメ大好き陽キャ】が織り成す勘違いすれ違いラブ 番外編、牛歩更新です🙇‍♀️ ※物語の特性上、女性キャラクターが数人出てきますが、主CPに挟まることはありません。 少しですが百合要素があります。 ☆第1回 青春BLカップ30位、応援ありがとうございました! 第13回BL大賞にエントリーさせていただいています!もし良ければ投票していただけると大変嬉しいです!

主人公のライバルポジにいるようなので、主人公のカッコ可愛さを特等席で愛でたいと思います。

小鷹けい
BL
以前、なろうサイトさまに途中まであげて、結局書きかけのまま放置していたものになります(アカウントごと削除済み)タイトルさえもうろ覚え。 そのうち続きを書くぞ、の意気込みついでに数話分投稿させていただきます。 先輩×後輩 攻略キャラ×当て馬キャラ 総受けではありません。 嫌われ→からの溺愛。こちらも面倒くさい拗らせ攻めです。 ある日、目が覚めたら大好きだったBLゲームの当て馬キャラになっていた。死んだ覚えはないが、そのキャラクターとして生きてきた期間の記憶もある。 だけど、ここでひとつ問題が……。『おれ』の推し、『僕』が今まで嫌がらせし続けてきた、このゲームの主人公キャラなんだよね……。 え、イジめなきゃダメなの??死ぬほど嫌なんだけど。絶対嫌でしょ……。 でも、主人公が攻略キャラとBLしてるところはなんとしても見たい!!ひっそりと。なんなら近くで見たい!! ……って、なったライバルポジとして生きることになった『おれ(僕)』が、主人公と仲良くしつつ、攻略キャラを巻き込んでひっそり推し活する……みたいな話です。 本来なら当て馬キャラとして冷たくあしらわれ、手酷くフラれるはずの『ハルカ先輩』から、バグなのかなんなのか徐々に距離を詰めてこられて戸惑いまくる当て馬の話。 こちらは、ゆるゆる不定期更新になります。

異世界転移をした俺は文通相手の家にお世話になることになりました

陽花紫
BL
異世界転移をしたハルトには、週に一度の楽しみがあった。 それは、文通であった。ハルトの身を受け入れてくれた老人ハンスが、文字の練習のためにと勧めたのだ。 文通相手は、年上のセラ。 手紙の上では”ハル”と名乗り、多くのやりとりを重ねていた。 ある日、ハンスが亡くなってしまう。見知らぬ世界で一人となったハルトの唯一の心の支えは、セラだけであった。 シリアスほのぼの、最終的にはハッピーエンドになる予定です。 ハルトとセラ、視点が交互に変わって話が進んでいきます。 小説家になろうにも掲載中です。

美形令息の犬はご主人様を救いたい

BL
シエノークは美しき侯爵令息ルスランの忠実なしもべであり、犬だった。ルスランを盲信し、王家に叛逆するルスランを支え、ルスランが王家の騎士に斬られて命を落とすまで傍にいた。その後、シエノークもまた命を落とし、──ベッドの上で目を覚ました。9歳に戻ったシエノークはご主人様であるルスランの破滅を防ぐことを決意する。/美形令息×美形令息の犬

処理中です...