4 / 40
営業のエースは・・・・・。
セイメイジャー
しおりを挟む
カランと地下にあるbarのドアを開けると、お手入れされている長い桃色髪をなびかせた紫色のスパンコールのマーメイドドレスを着た女性(男性)が絢斗に気づくと手を振って笑顔で挨拶した。
「いらっしゃい~ 絢ちゃん♪」
「よぉ、静雄。」
すると彼女?は腰に手を当ててプクーと頬を膨らませて絢斗に怒った。
「もう!!本名じゃなくて、しずちゃんって呼んでって言ってるでしょう!!!」
「ごめん、ごめん」と適当に謝っている絢斗にジト目でお冷を出してくれたが腕を組んでまだ怒っていた。
「アンタ、彼女が出来たらこんな適当じゃ駄目だからね?」
「悪かった、悪かった。・・・ギムレット頼める?」
しずちゃんははため息をついてシェイカーを振ってグラスにカクテルを注いだ。
「ギムレットよ。」
「・・・ありがとう」
するとしずちゃんは絢斗の顔をじっくり見て、両手に顎を置いて気になる事を聞いた。
「なんか、あったの?」
「えっ!?」
まさかの言葉に驚いているとしずちゃんは自信満々の表情で絢斗に言った。
「顔に悲しいって書いてあるわ!」
「なんでわかるんだ?」
「ふふふ、オ・ン・ナ・の感よ♡」
「・・・いや、お前オカマだろ。」
「お姉さんって言えよ、ごるぅらあぁぁぁ!!」
完全に男の声で怒ったしずちゃんが両手でテーブルをバンッと叩いてギムレットがタカタカ動くし、絢斗も恐怖のあまり両肩をビクッと震えてしまった。
「・・・・ごめん、しず姉さん」
「・・・ったく、っで何があったの?お姉さんに聞かせて♡」
しずちゃんがぶりっ子ポーズでウインクすると絢斗は渋々、要のこと話した。
「・・・営業部にΩのエースの話しただろ?」
「うん、うん。」
「アイツの項に噛み跡があるんだけど、番が要るのか聞いたら居ないみたいで襲われた時に噛まれたみたいでさ・・・しかもアイツ、小さいお子さんがいるんだよね・・・。」
「それを思って、絢ちゃんはどうしたいの?」
「・・・・・・同じエースとして仲良くなりたいよ。」
「・・・・・それだけ?」
「・・・・・それだけ」
「・・・番になりたくないの?」
「・・・・多分、アイツαの事が嫌いだよ。」
「あらま~・・・だから、失恋に私の所に来てアルコールで忘れる作戦ね。」
「べっ別に好きとかじゃなくてっ笑顔は可愛いと思うし、仕事関係で仲良くなりたいし、仕事の愚痴を語りたいし、あっでも、アイツ飲みすぎるとぶっ倒れるしな・・・しかもあの会社αが多いから危ないし・・・・。」
その話をしずちゃんはジト目で見つめながらニヨニヨしていた。
「アンタ、早口になってるわよ?」
「えっ!?」
「気付いてなかったのね・・・取り敢えず、仲良くなってから番になっても良いんじゃないかしら?」
「でも、噛み跡有るし・・・・」
「はぁ~?ンなもん項以外を噛んで「これで俺のもんだぜ!」って発言したら良いのよ!」
しずちゃんのイケボに少し戸惑っていたが、彼女?はビシッと人差し指で指して絢斗に向かって叫んだ。
「じゃないと、アンタ一生孤独よ!!」
「うぐぅぅ・・・・・!!」
しずちゃんの的確な言葉にグサッとダメージをくらい絢斗はギムレットを一口飲んでため息をついた。
「・・・分かってるんだけどさ・・・・・どうしたらいいのか分からなくて・・・・。」
「じゃあ、共通の趣味を探すとか?なんか無いの?」
「・・・・・・確か、セイメイジャーって言ってたな。」
「なにそれ?」
「わかんねー」
「取り敢えず、調べてみたら?」
絢斗は鞄からスマホを取り出して「セイメイジャー」と検索してみた。
「やっぱり、戦隊モノか・・・・ん?」
絢斗は敵幹部のキャラの画像に苦笑するしかなかった。
「あはは・・・何かわかるわ・・・・。」
「何が?・・・・ってこの狐の奴、絢ちゃんにソックリじゃない!あはははははは!」
「いや、笑いすぎでしょ!」
敵幹部の妖怪のキュビビーンは九本の銀色の尻尾に銀色の尖った耳にオールバックの髪に瞳の色は絢斗は青色で奴は黄色で違うがそれ以外は完全に瓜二つだった。
「アンタが和服着たら完全に分からないでしょうね!」
「そっそんな事は無いだろ!!」
それでも、笑い続けるしずちゃんを横目で睨んで注文を頼んだ。
「笑ってないで次はカンパリオレンジ頼む。」
その注文にしずちゃんはニヤニヤしながら呟いた。
「絢ちゃん、カンパリオレンジの言葉知ってる?」
「えっ知らないけど?」
「ふふふ、カンパリオレンジの言葉は「初恋 」よん♡」
「なっ!」
ついに絢斗は顔を赤くしてわなわなさせると、トドメと言わんばかりにしずちゃんは言葉を続けた。
「因みにギムレットの言葉は「遠い人を思う」なの。今はまだ遠い存在でも、絢ちゃんの真面目な優しさでエースちゃんを射止めなさい!」
しずちゃんはバチコンとウインクをするとカクテルを作りに行った。
「・・・・・射止めるか・・・・・。」
その呟きはシェイカーのシャカシャカの音によって消されてしまった。
***
日曜日の朝、いつもは五時ぐらい起床している要だが弱いのにお酒を飲んでしまい二日酔いになっていた。
「うぅ~・・・ううぅ~・・・・・・」
「かなちゃん、今日は行けなさそう?」
ペットボトルの水を持ってきてくれた隆志の言葉に要は頭を抱えながらペットボトルを持って立ち上がった。
「結衣が・・・楽しみ・・に・・・してた・・・・んだ・・・・・行く・・・うぐぅぅぅ。」
凄く痛むのか青白い顔で水を飲んでパジャマから私服に着替えようとした所でパジャマ姿の結衣がひょっこりと二人の前に現れた。 結衣に気づいた要は成る可く微笑み挨拶した。
「・・・・おはよう、結衣・・・・今日セイメイジャーショー楽しみだな・・・・・うぐ。」
しんどそうな要を見て結衣は真面目な顔で二人に言った。
「結衣、別にセイメイジャーショー見に行きたくない!」
その言葉に二人は驚いて結衣を見ていたが、頭を抱えている要が理由を聞いた。
「どうして?楽しみにしてたじゃないか。」
結衣は俯いて、身体を左右に揺らしながら小さい声で答えた。
「・・・ママのともだちが明日はゆっくりしてほしいって言ってたから今日はママをゆっくりさせたいの・・・。」
その言葉に頭の痛みが一瞬、消えて要は感動して泣きかけた。
「結衣・・・・ママの為に・・・・・・ってママの友達って誰?」
その言葉に隆志は思い出し、一旦向こうに行き財布から名刺を取り出した。
「この人がかなちゃんが酔ってるの教えてくれたんだよ。」
隆志から名刺を貰うと、そこには大嫌いな人種の「氷室 絢斗」と書かれていた。
『あ~全部思い出した。こいつが飲みに誘わなかったら今頃、結衣とセイメイジャーショーに行けたのに・・・氷室絢斗め~余計なことしやがって 後、友達じゃねえ!!』
名刺を強く握ってしわくちゃになりかけてると結衣が要のパジャマの袖を弱々しく握ってきた。
「・・・・・もうすぐ、セイメイジャー始まるから一緒に観よ?」
『陰陽師戦隊 セイメイジャー!!』
『キュビビビビ!!今日こそお前達を倒してやる!!』
「頑張れ~セイメイジャー!」
要は結衣を膝の上に座らせて「セイメイジャー」のテレビを見て応援していた。しかし、キュビビーンの尻尾攻撃で五人ともやられてしまった。
「ママ、セイメイジャーがやられちゃうよ。」
「そうだね、大ピンチだ!」
『キュビビビビ、なんだよ今日は一番弱いなぁ!!』
「あわわ、どうしよう。」
『・・・氷室絢斗もこんな表情で笑うのだろうか・・・・。』
キュビビーンが大笑いをしているとつい思ってしまって要自信が驚いてしまった。
『何考えているんだ僕は!!』
要は顔を左右にブンブン振って記憶から消そうとしたが中々消えてくれなかったが結衣の声で消えてくれた。
「みんな、無事!!」
「えっ!?」
『どうしてお前達が二人いるんだ!?』
キュビビーンが二人ずついるセイメイジャーに驚いていると倒れている方がポンッと消えて人型の紙切れに変身した。
『なっ何、式神だとぉー!?』
『そうさ、まんまと騙されたね、キュビビーン』
セイメイレッドがパチンと指を鳴らすとメラメラと燃える五芒星を出して攻撃をした。
『セイメイ五芒星ファイヤー!!』
その攻撃が見事にクリーンヒットしてキュビビーンの一本の尻尾を燃やした。
『熱い、熱いクッソー覚えてろよ!!』
キュビビーンは燃やされて涙目でセイメイジャー達を睨んで捨て台詞を吐いてドロンと消えてしまった。
『今日も平和は守られたな。』
そしてセイメイジャー達は「あははは」と笑いあっていた。
「勝って良かったね結衣。」
要が聞くと結衣は不満そうな表情で文句を言っていた。
「ブルーの活躍少なかった。」
「・・・そうだね、結衣はブルーが一番好きだったね。」
結衣はセイメイブルーこと涼宮 時雨の爽やかな顔が大好きでイケメンで強いことでお姉様方からの人気も凄かった。時雨の俳優は今最も売れている瀬田川 聡と言う人が演じている。
「結衣ちゃんって面食いだよね。」
「そうだよね。」
隆志の言葉に頷くしかなかったが、要は別に面食いではないので考えたくも無いが多分どれか分からないパパ似だと思うと違う意味で頭が痛くなった。
「ママ、大丈夫?」
心配そうに結衣が要の方を向いて言うと要は笑顔で頭を撫でてあげた。
「心配してくれてありがとう。ママは元気だよ。」
「・・・・・。」
それでも、悲しそうな顔をしていたので要は結衣に明るく囁いた。
「今日、ホットケーキ作る人?」
その言葉に結衣は目を輝かせて手をブンブン挙げた。
「はい、はい、ホットケーキ作りたい!!」
「じゃあ、今から朝ごはんのホットケーキ作るよー!」
「わぁーい!!」
要は結衣を降ろして立ち上がると、ふと気になる言葉を思い出した。
『結衣が氷室絢斗を知ってるって事は・・・姪っ子じゃないってバレてるんじゃ!?』
要は恐る恐る、隆志の耳元で呟いた。
「たか兄さ、氷室さんに結衣を紹介した時なんて答えたの?」
すると隆志は不思議そうな顔をして言った。
「えっ何って娘とは言って無いけど、結衣ちゃんのママって言ったけど?」
その言葉に更に頭を抱えてしまった。いきなり頭を抱えた弟に隆志はあわあわしていた。
「かなちゃん!?」
『氷室絢斗に質問攻めされたらどうしよう・・・・。』
「ママーまだ~。」
結衣の声に「今、行くからねー」と叫んでトボトボ歩いてホットケーキを作りに行った。
「いらっしゃい~ 絢ちゃん♪」
「よぉ、静雄。」
すると彼女?は腰に手を当ててプクーと頬を膨らませて絢斗に怒った。
「もう!!本名じゃなくて、しずちゃんって呼んでって言ってるでしょう!!!」
「ごめん、ごめん」と適当に謝っている絢斗にジト目でお冷を出してくれたが腕を組んでまだ怒っていた。
「アンタ、彼女が出来たらこんな適当じゃ駄目だからね?」
「悪かった、悪かった。・・・ギムレット頼める?」
しずちゃんははため息をついてシェイカーを振ってグラスにカクテルを注いだ。
「ギムレットよ。」
「・・・ありがとう」
するとしずちゃんは絢斗の顔をじっくり見て、両手に顎を置いて気になる事を聞いた。
「なんか、あったの?」
「えっ!?」
まさかの言葉に驚いているとしずちゃんは自信満々の表情で絢斗に言った。
「顔に悲しいって書いてあるわ!」
「なんでわかるんだ?」
「ふふふ、オ・ン・ナ・の感よ♡」
「・・・いや、お前オカマだろ。」
「お姉さんって言えよ、ごるぅらあぁぁぁ!!」
完全に男の声で怒ったしずちゃんが両手でテーブルをバンッと叩いてギムレットがタカタカ動くし、絢斗も恐怖のあまり両肩をビクッと震えてしまった。
「・・・・ごめん、しず姉さん」
「・・・ったく、っで何があったの?お姉さんに聞かせて♡」
しずちゃんがぶりっ子ポーズでウインクすると絢斗は渋々、要のこと話した。
「・・・営業部にΩのエースの話しただろ?」
「うん、うん。」
「アイツの項に噛み跡があるんだけど、番が要るのか聞いたら居ないみたいで襲われた時に噛まれたみたいでさ・・・しかもアイツ、小さいお子さんがいるんだよね・・・。」
「それを思って、絢ちゃんはどうしたいの?」
「・・・・・・同じエースとして仲良くなりたいよ。」
「・・・・・それだけ?」
「・・・・・それだけ」
「・・・番になりたくないの?」
「・・・・多分、アイツαの事が嫌いだよ。」
「あらま~・・・だから、失恋に私の所に来てアルコールで忘れる作戦ね。」
「べっ別に好きとかじゃなくてっ笑顔は可愛いと思うし、仕事関係で仲良くなりたいし、仕事の愚痴を語りたいし、あっでも、アイツ飲みすぎるとぶっ倒れるしな・・・しかもあの会社αが多いから危ないし・・・・。」
その話をしずちゃんはジト目で見つめながらニヨニヨしていた。
「アンタ、早口になってるわよ?」
「えっ!?」
「気付いてなかったのね・・・取り敢えず、仲良くなってから番になっても良いんじゃないかしら?」
「でも、噛み跡有るし・・・・」
「はぁ~?ンなもん項以外を噛んで「これで俺のもんだぜ!」って発言したら良いのよ!」
しずちゃんのイケボに少し戸惑っていたが、彼女?はビシッと人差し指で指して絢斗に向かって叫んだ。
「じゃないと、アンタ一生孤独よ!!」
「うぐぅぅ・・・・・!!」
しずちゃんの的確な言葉にグサッとダメージをくらい絢斗はギムレットを一口飲んでため息をついた。
「・・・分かってるんだけどさ・・・・・どうしたらいいのか分からなくて・・・・。」
「じゃあ、共通の趣味を探すとか?なんか無いの?」
「・・・・・・確か、セイメイジャーって言ってたな。」
「なにそれ?」
「わかんねー」
「取り敢えず、調べてみたら?」
絢斗は鞄からスマホを取り出して「セイメイジャー」と検索してみた。
「やっぱり、戦隊モノか・・・・ん?」
絢斗は敵幹部のキャラの画像に苦笑するしかなかった。
「あはは・・・何かわかるわ・・・・。」
「何が?・・・・ってこの狐の奴、絢ちゃんにソックリじゃない!あはははははは!」
「いや、笑いすぎでしょ!」
敵幹部の妖怪のキュビビーンは九本の銀色の尻尾に銀色の尖った耳にオールバックの髪に瞳の色は絢斗は青色で奴は黄色で違うがそれ以外は完全に瓜二つだった。
「アンタが和服着たら完全に分からないでしょうね!」
「そっそんな事は無いだろ!!」
それでも、笑い続けるしずちゃんを横目で睨んで注文を頼んだ。
「笑ってないで次はカンパリオレンジ頼む。」
その注文にしずちゃんはニヤニヤしながら呟いた。
「絢ちゃん、カンパリオレンジの言葉知ってる?」
「えっ知らないけど?」
「ふふふ、カンパリオレンジの言葉は「初恋 」よん♡」
「なっ!」
ついに絢斗は顔を赤くしてわなわなさせると、トドメと言わんばかりにしずちゃんは言葉を続けた。
「因みにギムレットの言葉は「遠い人を思う」なの。今はまだ遠い存在でも、絢ちゃんの真面目な優しさでエースちゃんを射止めなさい!」
しずちゃんはバチコンとウインクをするとカクテルを作りに行った。
「・・・・・射止めるか・・・・・。」
その呟きはシェイカーのシャカシャカの音によって消されてしまった。
***
日曜日の朝、いつもは五時ぐらい起床している要だが弱いのにお酒を飲んでしまい二日酔いになっていた。
「うぅ~・・・ううぅ~・・・・・・」
「かなちゃん、今日は行けなさそう?」
ペットボトルの水を持ってきてくれた隆志の言葉に要は頭を抱えながらペットボトルを持って立ち上がった。
「結衣が・・・楽しみ・・に・・・してた・・・・んだ・・・・・行く・・・うぐぅぅぅ。」
凄く痛むのか青白い顔で水を飲んでパジャマから私服に着替えようとした所でパジャマ姿の結衣がひょっこりと二人の前に現れた。 結衣に気づいた要は成る可く微笑み挨拶した。
「・・・・おはよう、結衣・・・・今日セイメイジャーショー楽しみだな・・・・・うぐ。」
しんどそうな要を見て結衣は真面目な顔で二人に言った。
「結衣、別にセイメイジャーショー見に行きたくない!」
その言葉に二人は驚いて結衣を見ていたが、頭を抱えている要が理由を聞いた。
「どうして?楽しみにしてたじゃないか。」
結衣は俯いて、身体を左右に揺らしながら小さい声で答えた。
「・・・ママのともだちが明日はゆっくりしてほしいって言ってたから今日はママをゆっくりさせたいの・・・。」
その言葉に頭の痛みが一瞬、消えて要は感動して泣きかけた。
「結衣・・・・ママの為に・・・・・・ってママの友達って誰?」
その言葉に隆志は思い出し、一旦向こうに行き財布から名刺を取り出した。
「この人がかなちゃんが酔ってるの教えてくれたんだよ。」
隆志から名刺を貰うと、そこには大嫌いな人種の「氷室 絢斗」と書かれていた。
『あ~全部思い出した。こいつが飲みに誘わなかったら今頃、結衣とセイメイジャーショーに行けたのに・・・氷室絢斗め~余計なことしやがって 後、友達じゃねえ!!』
名刺を強く握ってしわくちゃになりかけてると結衣が要のパジャマの袖を弱々しく握ってきた。
「・・・・・もうすぐ、セイメイジャー始まるから一緒に観よ?」
『陰陽師戦隊 セイメイジャー!!』
『キュビビビビ!!今日こそお前達を倒してやる!!』
「頑張れ~セイメイジャー!」
要は結衣を膝の上に座らせて「セイメイジャー」のテレビを見て応援していた。しかし、キュビビーンの尻尾攻撃で五人ともやられてしまった。
「ママ、セイメイジャーがやられちゃうよ。」
「そうだね、大ピンチだ!」
『キュビビビビ、なんだよ今日は一番弱いなぁ!!』
「あわわ、どうしよう。」
『・・・氷室絢斗もこんな表情で笑うのだろうか・・・・。』
キュビビーンが大笑いをしているとつい思ってしまって要自信が驚いてしまった。
『何考えているんだ僕は!!』
要は顔を左右にブンブン振って記憶から消そうとしたが中々消えてくれなかったが結衣の声で消えてくれた。
「みんな、無事!!」
「えっ!?」
『どうしてお前達が二人いるんだ!?』
キュビビーンが二人ずついるセイメイジャーに驚いていると倒れている方がポンッと消えて人型の紙切れに変身した。
『なっ何、式神だとぉー!?』
『そうさ、まんまと騙されたね、キュビビーン』
セイメイレッドがパチンと指を鳴らすとメラメラと燃える五芒星を出して攻撃をした。
『セイメイ五芒星ファイヤー!!』
その攻撃が見事にクリーンヒットしてキュビビーンの一本の尻尾を燃やした。
『熱い、熱いクッソー覚えてろよ!!』
キュビビーンは燃やされて涙目でセイメイジャー達を睨んで捨て台詞を吐いてドロンと消えてしまった。
『今日も平和は守られたな。』
そしてセイメイジャー達は「あははは」と笑いあっていた。
「勝って良かったね結衣。」
要が聞くと結衣は不満そうな表情で文句を言っていた。
「ブルーの活躍少なかった。」
「・・・そうだね、結衣はブルーが一番好きだったね。」
結衣はセイメイブルーこと涼宮 時雨の爽やかな顔が大好きでイケメンで強いことでお姉様方からの人気も凄かった。時雨の俳優は今最も売れている瀬田川 聡と言う人が演じている。
「結衣ちゃんって面食いだよね。」
「そうだよね。」
隆志の言葉に頷くしかなかったが、要は別に面食いではないので考えたくも無いが多分どれか分からないパパ似だと思うと違う意味で頭が痛くなった。
「ママ、大丈夫?」
心配そうに結衣が要の方を向いて言うと要は笑顔で頭を撫でてあげた。
「心配してくれてありがとう。ママは元気だよ。」
「・・・・・。」
それでも、悲しそうな顔をしていたので要は結衣に明るく囁いた。
「今日、ホットケーキ作る人?」
その言葉に結衣は目を輝かせて手をブンブン挙げた。
「はい、はい、ホットケーキ作りたい!!」
「じゃあ、今から朝ごはんのホットケーキ作るよー!」
「わぁーい!!」
要は結衣を降ろして立ち上がると、ふと気になる言葉を思い出した。
『結衣が氷室絢斗を知ってるって事は・・・姪っ子じゃないってバレてるんじゃ!?』
要は恐る恐る、隆志の耳元で呟いた。
「たか兄さ、氷室さんに結衣を紹介した時なんて答えたの?」
すると隆志は不思議そうな顔をして言った。
「えっ何って娘とは言って無いけど、結衣ちゃんのママって言ったけど?」
その言葉に更に頭を抱えてしまった。いきなり頭を抱えた弟に隆志はあわあわしていた。
「かなちゃん!?」
『氷室絢斗に質問攻めされたらどうしよう・・・・。』
「ママーまだ~。」
結衣の声に「今、行くからねー」と叫んでトボトボ歩いてホットケーキを作りに行った。
1
あなたにおすすめの小説
【完結】愛されたかった僕の人生
Kanade
BL
✯オメガバース
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
お見合いから一年半の交際を経て、結婚(番婚)をして3年。
今日も《夫》は帰らない。
《夫》には僕以外の『番』がいる。
ねぇ、どうしてなの?
一目惚れだって言ったじゃない。
愛してるって言ってくれたじゃないか。
ねぇ、僕はもう要らないの…?
独りで過ごす『発情期』は辛いよ…。
やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。
毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。
そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。
彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。
「これでやっと安心して退場できる」
これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。
目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。
「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」
その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。
「あなた……Ωになっていますよ」
「へ?」
そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て――
オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。
番解除した僕等の末路【完結済・短編】
藍生らぱん
BL
都市伝説だと思っていた「運命の番」に出逢った。
番になって数日後、「番解除」された事を悟った。
「番解除」されたΩは、二度と他のαと番になることができない。
けれど余命宣告を受けていた僕にとっては都合が良かった。
アプリで都合のいい男になろうとした結果、彼氏がバグりました
あと
BL
「目指せ!都合のいい男!」
穏やか完璧モテ男(理性で執着を押さえつけてる)×親しみやすい人たらし可愛い系イケメン
攻めの両親からの別れろと圧力をかけられた受け。関係は秘密なので、友達に相談もできない。悩んでいる中、どうしても別れたくないため、愛人として、「都合のいい男」になることを決意。人生相談アプリを手に入れ、努力することにする。しかし、攻めに約束を破ったと言われ……?
攻め:深海霧矢
受け:清水奏
前にアンケート取ったら、すれ違い・勘違いものが1位だったのでそれ系です。
ハピエンです。
ひよったら消します。
誤字脱字はサイレント修正します。
また、内容もサイレント修正する時もあります。
定期的にタグも整理します。
批判・中傷コメントはお控えください。
見つけ次第削除いたします。
自己判断で消しますので、悪しからず。
【完結済】極上アルファを嵌めた俺の話
降魔 鬼灯
BL
ピアニスト志望の悠理は子供の頃、仲の良かったアルファの東郷司にコンクールで敗北した。
両親を早くに亡くしその借金の返済が迫っている悠理にとって未成年最後のこのコンクールの賞金を得る事がラストチャンスだった。
しかし、司に敗北した悠理ははオメガ専用の娼館にいくより他なくなってしまう。
コンサート入賞者を招いたパーティーで司に想い人がいることを知った悠理は地味な自分がオメガだとバレていない事を利用して司を嵌めて慰謝料を奪おうと計画するが……。
断られるのが確定してるのに、ずっと好きだった相手と見合いすることになったΩの話。
叶崎みお
BL
ΩらしくないΩは、Ωが苦手なハイスペックαに恋をした。初めて恋をした相手と見合いをすることになり浮かれるΩだったが、αは見合いを断りたい様子で──。
オメガバース設定の話ですが、作中ではヒートしてません。両片想いのハピエンです。
他サイト様にも投稿しております。
悪役令息(Ω)に転生したので、破滅を避けてスローライフを目指します。だけどなぜか最強騎士団長(α)の運命の番に認定され、溺愛ルートに突入!
水凪しおん
BL
貧乏男爵家の三男リヒトには秘密があった。
それは、自分が乙女ゲームの「悪役令息」であり、現代日本から転生してきたという記憶だ。
家は没落寸前、自身の立場は断罪エンドへまっしぐら。
そんな破滅フラグを回避するため、前世の知識を活かして領地改革に奮闘するリヒトだったが、彼が生まれ持った「Ω」という性は、否応なく運命の渦へと彼を巻き込んでいく。
ある夜会で出会ったのは、氷のように冷徹で、王国最強と謳われる騎士団長のカイ。
誰もが恐れるαの彼に、なぜかリヒトは興味を持たれてしまう。
「関わってはいけない」――そう思えば思うほど、抗いがたいフェロモンと、カイの不器用な優しさがリヒトの心を揺さぶる。
これは、運命に翻弄される悪役令息が、最強騎士団長の激重な愛に包まれ、やがて国をも動かす存在へと成り上がっていく、甘くて刺激的な溺愛ラブストーリー。
ウサギ獣人を毛嫌いしているオオカミ獣人後輩に、嘘をついたウサギ獣人オレ。大学で逃げ出して後悔したのに、大人になって再会するなんて!?
灯璃
BL
ごく普通に大学に通う、宇佐木 寧(ねい)には、ひょんな事から懐いてくれる後輩がいた。
オオカミ獣人でアルファの、狼谷 凛旺(りおう)だ。
ーここは、普通に獣人が現代社会で暮らす世界ー
獣人の中でも、肉食と草食で格差があり、さらに男女以外の第二の性別、アルファ、ベータ、オメガがあった。オメガは男でもアルファの子が産めるのだが、そこそこ差別されていたのでベータだと言った方が楽だった。
そんな中で、肉食のオオカミ獣人の狼谷が、草食オメガのオレに懐いているのは、単にオレたちのオタク趣味が合ったからだった。
だが、こいつは、ウサギ獣人を毛嫌いしていて、よりにもよって、オレはウサギ獣人のオメガだった。
話が合うこいつと話をするのは楽しい。だから、学生生活の間だけ、なんとか隠しとおせば大丈夫だろう。
そんな風に簡単に思っていたからか、突然に発情期を迎えたオレは、自業自得の後悔をする羽目になるーー。
みたいな、大学篇と、その後の社会人編。
BL大賞ポイントいれて頂いた方々!ありがとうございました!!
※本編完結しました!お読みいただきありがとうございました!
※短編1本追加しました。これにて完結です!ありがとうございました!
旧題「ウサギ獣人が嫌いな、オオカミ獣人後輩を騙してしまった。ついでにオメガなのにベータと言ってしまったオレの、後悔」
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる