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序章
おじいさんとおばあさん
しおりを挟むその町一年中雪が降っていた、しかし不思議なことにいつも、地面に積もってる雪は5センチ程だった、だから人々は雪に慣れた生活を送っていた。
町の中心部に大きなもみの木がある。その横に小さめな一軒家がたっていた。
そこに住んでいたのは老夫婦だ。
おばあさんの名前はキャサリン、おじいさんの名前はジャッキーという。
2人は年金暮らして、密かに暮らしていた。
おじいさんは木の椅子に座りパイプを吸いながら横にあるサイドデーブルに赤いマグカップがおいてある、湯気を立てて、窓の外を眺めていた。
おばあさんは暖炉の前で好きな編み物をして、たまにバザーに出したりしていた。
毎日毎日雪が降る町、シュレムという町。
2人は他愛ない会話を時々していた。
「今日は夕飯なににしましょうかね?」とおばあさん、決まって。
「なんでも構わん」というおじいさん。
「今日は冷え込むからシチューにでもしましょうかね」とおばあさん。決まっておじいさんはいう。
「なんでも構わん」
おばあさんはにっこり微笑んだ。おじいさんの
「なんでも構わん」は声のトーンで、大体何が言いたいかわかる。
「それでいいよ」とか「そうじゃない」とか。
変わらないように見えて理解していたのだ。
おばあさんがやり掛けの編み物を椅子に引っかけ。
どっこいしょと立ち上がり台所へ向かうと、おじいさんもゆっくり立ち上がり、窓に近づいた。
変わらない毎日、変わらない町、それも季節感がなくなって、クリスマスが廃止になった。
そんな小さな町。
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