万物争覇のコンバート 〜回帰後の人生をシステムでやり直す〜

黒城白爵

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第一章

第三十話 不浄墓地の戦果

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 ◆◇◆◇◆◇


 エリアボス〈無骨殻百足スケルトン・センチピード〉を討伐したことにより出現した宝箱を開く。
 宝箱の中には1メートルほどの白いロープのようなアイテムが入っていた。
 

○千鞭無骨
 等級:遺物レリック級。
 とあるダンジョンで産出された鞭型マジックアイテム。
・【錬骨具現】……一時的に追加の骨を具現化して、形状や長さを変化させる。
・【思念操骨】……思念を補助に、当アイテムを自由自在に操ることができる。


 倒したエリアボスを彷彿とさせる、ある意味シンプルな能力を持つマジックアイテムだった。


「しなり方は鞭、だけど硬度はスケルトン系の骨に匹敵するか」


 近くに散らばっていたスケルトン・センチピードの骨殻へと軽く振るってみたところ、弾かれてしまったが骨殻も千鞭無骨も欠けることはなかった。
 次は千鞭無骨に神聖属性魔力を纏わせてからスケルトン・センチピードの骨殻を叩きつけると、今度は骨殻を容易く破壊できた。
 特殊魔力と伸縮自在な骨鞭の組み合わせは中々使えそうだ。

 千鞭無骨を腕に巻き付けるようにして袖の中に納めると、隠しアイテムの場所へと向かう。
 そこにも多数の墓標が規則正しく並んでいたが、1ヶ所だけ墓標が置かれていないスペースがあった。


「えっと、年齢順だったよな?」


 〈不浄墓地〉の墓標には生年と没年が刻まれている。
 その2つの年月から算出した年齢の若い順に、この一帯の墓標を左上から右下へと順番通りに並べ替えていく。
 並べ替えていくと、1歳ずつ年齢が上がっていくのが分かるのだが、途中で該当する墓標が無い年齢があり、そこだけは墓標を置かずに並べ替えを続けていった。
 やがて、一帯全ての墓標を並べ替えると、墓標が置かれてないスペースの地中から、小さな棺桶のような箱が姿を現した。
 箱を開けると、中には一振りの白銀色の長剣が入っていた。


○白霊剣オルトレール
 等級:叙事エピック級。
 とあるダンジョンで産出された長剣型マジックアイテム。
 英雄の遺物たるこの剣に認められれば、大きな力を得られるだろう。
・【白聖霊起】……聖気を送り込むことで、使用者の身体能力が超強化される。
・【破魔剣気】……魔性特効を持つオーラを剣身より発する。聖気と相乗効果を持つ。
・【英雄遺念】……使用者次第では、当アイテムに宿る英雄の残留思念を読み取り、その技を扱うことができる。


 この隠しアイテムがあれば、〈不浄墓地〉のダンジョンボスも楽に倒すことができるだろう。
 能力欄の説明にある聖気とは、神聖属性魔力のことなので条件はクリアされている。
 ただ、【英雄遺念】に関しては実際に暫く使ってみないことには、残留思念を読み取れるか分からないため何とも言えない。
 使えたらラッキー程度に思っておくのがいいだろう。


「さて、手に入れる予定の物は手に入ったし、今日は帰るか」


 隠しアイテムを回収した後、来た道を戻ってゲートへと向かう。
 途中、撲殺美女と遭遇した広場を通ったが、エリアボスの死体が転がっているだけで彼女の姿は見当たらなかった。
 おそらく帰ったのだろうと思いながら、〈宝納の指環〉から〈吸血皇杖カーメリア〉を取り出した。


「せっかくだから、いただいておこうか」


 このダンジョンで手に入れた隠しアイテムの1つであるカーメリアをエリアボスの死体へと向けると、【吸血領域】を発動させてその血液を吸収していく。
 目の前のエリアボスは腐死体ゾンビ系のアンデッドであるため、肉の身体があり、血液も宿していた。
 カーメリアは能力の行使に血を必要とするため、回収できる血は回収しておいた方がいい。

 回収する血液に人間やモンスターの制限はないが、人間の普通の血液よりも特殊な力を宿していることがあるモンスターの血液の方が有益だ。
 消化して体力と魔力を回復に充てるならまだしも、その血を攻撃に転用するならば、モンスターの血が持つ有害な効果がそのまま武器になる。
 今回だと、ゾンビ系アンデッドの腐った血液による毒や病といった効果だろう。
 非常に極悪な攻撃になりそうだな。

 巨体なエリアボスの死体から血を根刮ぎ吸収したことにより、死体が一回りも二回りも小さく萎んでいた。
 後でこの死体を誰か見て不審に思われないよいに、【火炎魔法】の『火球ファイアボール』を放って火葬しておく。
 水分が殆ど無くなっているため、程なくして死体は灰になった。


「うん。完璧な後始末だな……ん?」


 懐に仕舞っているスマホに振動があったので取り出してみると、コミュニケーションアプリの通知だった。
 相手は久坂マモルで、どうやら製作を依頼した装備が完成したため連絡したようだ。


「思ったよりも早かったな。夕暮れ前だし、帰りに寄っていくか」


 返信で『ちょうど外にいるから、今から取りに行っても構いませんか』と尋ねたところ、『了解です。待っています』と返ってきた。


「そういうことなら、さっさとダンジョンを出るか」


 上級覚醒者にランクアップした際に異能【万物変換コンバート】の第6層能力と第7層能力が解放されている。
 そのうちの第7層能力【座標変換】を発動させ、俺の現在の座標をゲート近くの座標へと変換した。
 次の瞬間、俺はダンジョンの出入り口であるゲートの目の前へと移動していた。
 非常に便利な転移能力がもう使えるようになったのは嬉しいが、その希少性から人目があるところでは使い難いのが難点だな。
 そんなことを考えながらゲートを潜ってダンジョンの外に出ると、久坂マモルの工房へと向かった。


 
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