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あっという間に半月が経ち、八月も後半に突入していた。
付き合って変わった事といえば、人目を盗んで手を握り合ったり、触れるだけのキスをする。
それくらいだったけれど、毎日が幸福感に包まれていた。
ずっとこのまま二人で笑い合っていられると、そう思っていたのに。
「…っ、ぅ…」
「え、朔…?」
「…はぁ、は…」
「先生、呼ばなきゃ…!」
いつものように俺の病室で喋っている最中、朔の身体が不意にゆらりと揺れ、そのまま椅子から崩れ落ちた。
驚いて顔を覗き込むと、蒼白な顔色をして辛そうに眉根を寄せている。
思わず手を伸ばしたけれど、ベッドからでは届くはずもなくて。
どうすることも出来ない俺は、ただ何度もナースコールを押すことしか出来なかった。
「朔を助けて…っ」
医者が来た時には、既にぐったりと床に横たわって意識を失っていた。
せめて脚があれば、すぐにベッドを降りて背中をさすってあげることくらい出来たかもしれないのに。
バタバタと病室に運ばれていく姿を、役立たずな俺は呆然と眺めているしかなかった。
「…大丈夫?」
「うん。驚かせちゃったよね」
「いや…平気なら良いよ」
「…ありがとう」
暫くして朔の担当医が目を覚ましたことを知らせてくれ、病室まで連れてきてもらった。
そっと近付いて声を掛けると、此方を見て小さく苦笑いを浮かべた。
まだ完全に回復したとは言えないものの、僅かに顔色が良くなったように思う。
平静を装ったフリをして微笑んでみせたけれど内心は、このまま消えてしまうのではないか、という不安を隠すのに精一杯だった。
「…僕ね、心臓が悪いんだ」
「し、んぞう…」
「黙っててごめんね…」
「…っあ…」
ゆっくり休んで、そう言おうとしたのとほぼ同時に朔が口を開いた。
突然の衝撃的な告白を信じられず、ゆっくりと言の葉を反復させる。
嘘だと思い込もうとしたけれど、追い討ちをかけるように、か細い謝罪が返ってきた。
そして情けなく声を震えせて口ごもる俺から、申し訳なさそうに目を逸らしたのだった。
この日を境に、朔の容態は急激に悪化し始めた。
いつだって元気そうに振る舞っていたから、身体が悲鳴を上げているなんてことは考えもしなかったのだ。
本当はずっと、無理をさせていたのかもしれない。
あんなに近くに居たのに、気付けなかった。
「脚…大丈、夫…?無理、しない…で…?」
「俺は大丈夫だよ」
どんなに脚が痛む日でも、様子を伺いに朔の病室へ向かった。
安静にしていても息を切らしている日があれば、発作を起こして胸の痛みにもがいている日もある。
ほとんど会話が出来なくても、それでも傍に居たかった。
自分が辛かった時に、朔がそうしてくれたように。
「ヒマワリ…見たい、な…」
一週間が経ったある日、うわ言のように朔がポツリと呟いた。
ぼんやりと窓を眺める瞳からは、すっかり輝きが失われてしまっている。
少しでもまた笑ってもらえるなら、どうにかして向日葵を見せてあげたい。
その為に俺が出来る事といえば、絵を描くことくらいだった。
「分かった。明日、持ってくるから。」
「え…?」
「だから、待ってて」
するりと髪を梳かすように頭を撫でて、急いでその場を後にした。
前に見せた絵では、何か足りたいような気がして。
自分の病室に戻ってから、スマートフォンの電源を入れた。
家でも描けるように、写真を撮り溜めていたことを思い出したのだ。
資料になりそうなものはないかと、画像フォルダーを開いてみる。
スクロールしていけばいく程、忘れていた懐かしい風景が画面に表示されていく。
「あ、これ…」
花弁を伝って今にも雫が滴り落ちそうな、そんな瞬間を捉えた写真にふと目が留まった。
あの日は確か途中で雨に降られて、偶然キラキラと光る景色が見られたんだっけ。
ずぶ濡れになっていくのも気にならないくらい、綺麗だったんだよな。
これを上手く描き上げることが出来れば、少しはまた笑ってくれるかもしれない。
さっそく画材を準備し、作業に取り掛かった。
翌日、完成したばかりの絵を持って朔の病室を訪ねた。
今日は調子が良いのか、身体を起こしている。
けれど相変わらず虚ろな瞳をして、ぼんやりと一点を見つめていた。
込み上げる切なさを押し殺すように唇を噛み締めながら、ベッドに近付いていく。
すると車椅子の微かな音に気付いたのか、声を掛ける前に視線が此方に向いた。
「あげる。描いたんだ」
「っ、すごい…」
「雨の日のヒマワリは見たことないかなって」
「…ありがとう。大切にする」
差し出した絵を受け取った朔は、目を丸くして驚きに満ちた声を発した。
想像していたよりも、ずっと良い反応だった。
暗く沈んでいた表情が緩み、心做しか晴れやかなったような気がする。
それだけでも上出来だと思っていたのに、朔が嬉しそうに口元を綻ばせるから、ホッとして自然と笑みが溢れた。
「いつかちゃんと約束通り、丘の上のヒマワリ見せるから」
「…うん。その為にも頑張らなきゃ」
腕を引き寄せて抱きしめた朔の身体は、前にも増して痩せ細っていた。
それから数日が経った、八月の最終日。
今日は俺の誕生日で、昼間は両親が祝いに来てくれた。
プレゼントに新しい画材を持ってきてくれたのに上手く喜べなかったのは、その前に少しだけ逢いに行った朔の体調が悪そうだったからだ。
消灯時間になっても気掛かりで眠れずにいると、看護師が慌てた様子で俺の所へやって来て、朔の容態が急変し危ない状態だと告げる。
ずっと貴方の名前を呼んでいるの、そう早口で言い添えて。
用件を聞き終えた俺は血の気が引いていくのを感じながら、無我夢中で車椅子に手を伸ばしていた。
看護師と共に病室へ駆け付けると、朔の両親は祈るように俯いていた。
そんな姿に声を掛けることも出来ず、はくはくと唇を震わせる。
此処まで来たのに、指先が硬直して思うように動かない。
ふと入り口の前で佇む俺に気付いた二人は、隣に行ってあげてと力ない笑みを浮かべた。
その言葉にコクリとひとつ頷き、ゆっくりと近寄っていく。
「…ゆ、うま…っゆ、ま…」
「ここにいるよ…!」
酸素マスク越しに聞こえる微かな声は、確かに俺を呼んでいた。
ひどく苦しそうな呼吸の合間に、何度も何度も。
まるで、魘されているかのように。
堪らずシーツの上に投げ出された手を強く握り締めると、閉じきっていた瞼が僅かに開いた。
「朔…?」
「逢、い…た…かっ、た…」
此方に目線を向けた朔が、へらりと幸せそうに笑う。
それとは裏腹に、俺は口元を歪ませた。
いつもなら顔を赤らめたりしながら、笑い返していただろう。
だけど今は、これで最期だと言われているようで苦しかった。
「約、束…守…れ、そう…に…ない、や…」
「そんなことない!一緒に見ようって言ったじゃん…!」
「僕…も、う…ダメ…み、たい…なん、だ…」
「いやっ、嫌だ…!」
視界の端で向日葵の絵を捉えると、それに気付いた朔が哀しげに呟く。
絶対に大丈夫だと信じたい一心で必死に否定したけれど、困ったように睫毛を伏せるだけ。
それでも俺は、イヤイヤと駄々を捏ね続けた。
「笑っ、て…?」
「…ひっ、く…」
いつの間にか離してしまっていた手を此方に伸ばし、泣きじゃくる俺の頬を弱々しく摘まんだ。
どんなに口角を上げようとしても望み通りには笑ってあげられず、流れる涙をそのままに嗚咽を漏らす。
そんな俺を真っ直ぐと見つめ、朔は穏やかな表情で僅かに口を開いた。
「…好、き…だよ…」
「さ、く…?」
掠れた声に耳を傾けた瞬間、頬に触れていた手がするりと落ち、室内にピーっと心臓が停止したことを知らせる機械の音が鳴り響く。
突然のことに何が起こっているのか分からず、ぽそりと名前を呼んでみる。
けれど反応はなく、背後からは朔の両親の泣き声が聞こえてきた。
「…ねえ、どうしたの?寝ちゃったの…?」
ゆらゆらと身体を揺すると、優しく肩を叩かれた。
振り返ると看護師は小さく首を振り、医者は朔の酸素マスクを外そうとしている。
そこでやっと、死んでしまったのだと理解した。
ついさっきまで笑っていたのに、どうしてーーー。
「ひとりにしないでよ…っ」
まだ微かに体温の残る手を両手で握り締め、俺はひたすら泣き続けたのだった。
付き合って変わった事といえば、人目を盗んで手を握り合ったり、触れるだけのキスをする。
それくらいだったけれど、毎日が幸福感に包まれていた。
ずっとこのまま二人で笑い合っていられると、そう思っていたのに。
「…っ、ぅ…」
「え、朔…?」
「…はぁ、は…」
「先生、呼ばなきゃ…!」
いつものように俺の病室で喋っている最中、朔の身体が不意にゆらりと揺れ、そのまま椅子から崩れ落ちた。
驚いて顔を覗き込むと、蒼白な顔色をして辛そうに眉根を寄せている。
思わず手を伸ばしたけれど、ベッドからでは届くはずもなくて。
どうすることも出来ない俺は、ただ何度もナースコールを押すことしか出来なかった。
「朔を助けて…っ」
医者が来た時には、既にぐったりと床に横たわって意識を失っていた。
せめて脚があれば、すぐにベッドを降りて背中をさすってあげることくらい出来たかもしれないのに。
バタバタと病室に運ばれていく姿を、役立たずな俺は呆然と眺めているしかなかった。
「…大丈夫?」
「うん。驚かせちゃったよね」
「いや…平気なら良いよ」
「…ありがとう」
暫くして朔の担当医が目を覚ましたことを知らせてくれ、病室まで連れてきてもらった。
そっと近付いて声を掛けると、此方を見て小さく苦笑いを浮かべた。
まだ完全に回復したとは言えないものの、僅かに顔色が良くなったように思う。
平静を装ったフリをして微笑んでみせたけれど内心は、このまま消えてしまうのではないか、という不安を隠すのに精一杯だった。
「…僕ね、心臓が悪いんだ」
「し、んぞう…」
「黙っててごめんね…」
「…っあ…」
ゆっくり休んで、そう言おうとしたのとほぼ同時に朔が口を開いた。
突然の衝撃的な告白を信じられず、ゆっくりと言の葉を反復させる。
嘘だと思い込もうとしたけれど、追い討ちをかけるように、か細い謝罪が返ってきた。
そして情けなく声を震えせて口ごもる俺から、申し訳なさそうに目を逸らしたのだった。
この日を境に、朔の容態は急激に悪化し始めた。
いつだって元気そうに振る舞っていたから、身体が悲鳴を上げているなんてことは考えもしなかったのだ。
本当はずっと、無理をさせていたのかもしれない。
あんなに近くに居たのに、気付けなかった。
「脚…大丈、夫…?無理、しない…で…?」
「俺は大丈夫だよ」
どんなに脚が痛む日でも、様子を伺いに朔の病室へ向かった。
安静にしていても息を切らしている日があれば、発作を起こして胸の痛みにもがいている日もある。
ほとんど会話が出来なくても、それでも傍に居たかった。
自分が辛かった時に、朔がそうしてくれたように。
「ヒマワリ…見たい、な…」
一週間が経ったある日、うわ言のように朔がポツリと呟いた。
ぼんやりと窓を眺める瞳からは、すっかり輝きが失われてしまっている。
少しでもまた笑ってもらえるなら、どうにかして向日葵を見せてあげたい。
その為に俺が出来る事といえば、絵を描くことくらいだった。
「分かった。明日、持ってくるから。」
「え…?」
「だから、待ってて」
するりと髪を梳かすように頭を撫でて、急いでその場を後にした。
前に見せた絵では、何か足りたいような気がして。
自分の病室に戻ってから、スマートフォンの電源を入れた。
家でも描けるように、写真を撮り溜めていたことを思い出したのだ。
資料になりそうなものはないかと、画像フォルダーを開いてみる。
スクロールしていけばいく程、忘れていた懐かしい風景が画面に表示されていく。
「あ、これ…」
花弁を伝って今にも雫が滴り落ちそうな、そんな瞬間を捉えた写真にふと目が留まった。
あの日は確か途中で雨に降られて、偶然キラキラと光る景色が見られたんだっけ。
ずぶ濡れになっていくのも気にならないくらい、綺麗だったんだよな。
これを上手く描き上げることが出来れば、少しはまた笑ってくれるかもしれない。
さっそく画材を準備し、作業に取り掛かった。
翌日、完成したばかりの絵を持って朔の病室を訪ねた。
今日は調子が良いのか、身体を起こしている。
けれど相変わらず虚ろな瞳をして、ぼんやりと一点を見つめていた。
込み上げる切なさを押し殺すように唇を噛み締めながら、ベッドに近付いていく。
すると車椅子の微かな音に気付いたのか、声を掛ける前に視線が此方に向いた。
「あげる。描いたんだ」
「っ、すごい…」
「雨の日のヒマワリは見たことないかなって」
「…ありがとう。大切にする」
差し出した絵を受け取った朔は、目を丸くして驚きに満ちた声を発した。
想像していたよりも、ずっと良い反応だった。
暗く沈んでいた表情が緩み、心做しか晴れやかなったような気がする。
それだけでも上出来だと思っていたのに、朔が嬉しそうに口元を綻ばせるから、ホッとして自然と笑みが溢れた。
「いつかちゃんと約束通り、丘の上のヒマワリ見せるから」
「…うん。その為にも頑張らなきゃ」
腕を引き寄せて抱きしめた朔の身体は、前にも増して痩せ細っていた。
それから数日が経った、八月の最終日。
今日は俺の誕生日で、昼間は両親が祝いに来てくれた。
プレゼントに新しい画材を持ってきてくれたのに上手く喜べなかったのは、その前に少しだけ逢いに行った朔の体調が悪そうだったからだ。
消灯時間になっても気掛かりで眠れずにいると、看護師が慌てた様子で俺の所へやって来て、朔の容態が急変し危ない状態だと告げる。
ずっと貴方の名前を呼んでいるの、そう早口で言い添えて。
用件を聞き終えた俺は血の気が引いていくのを感じながら、無我夢中で車椅子に手を伸ばしていた。
看護師と共に病室へ駆け付けると、朔の両親は祈るように俯いていた。
そんな姿に声を掛けることも出来ず、はくはくと唇を震わせる。
此処まで来たのに、指先が硬直して思うように動かない。
ふと入り口の前で佇む俺に気付いた二人は、隣に行ってあげてと力ない笑みを浮かべた。
その言葉にコクリとひとつ頷き、ゆっくりと近寄っていく。
「…ゆ、うま…っゆ、ま…」
「ここにいるよ…!」
酸素マスク越しに聞こえる微かな声は、確かに俺を呼んでいた。
ひどく苦しそうな呼吸の合間に、何度も何度も。
まるで、魘されているかのように。
堪らずシーツの上に投げ出された手を強く握り締めると、閉じきっていた瞼が僅かに開いた。
「朔…?」
「逢、い…た…かっ、た…」
此方に目線を向けた朔が、へらりと幸せそうに笑う。
それとは裏腹に、俺は口元を歪ませた。
いつもなら顔を赤らめたりしながら、笑い返していただろう。
だけど今は、これで最期だと言われているようで苦しかった。
「約、束…守…れ、そう…に…ない、や…」
「そんなことない!一緒に見ようって言ったじゃん…!」
「僕…も、う…ダメ…み、たい…なん、だ…」
「いやっ、嫌だ…!」
視界の端で向日葵の絵を捉えると、それに気付いた朔が哀しげに呟く。
絶対に大丈夫だと信じたい一心で必死に否定したけれど、困ったように睫毛を伏せるだけ。
それでも俺は、イヤイヤと駄々を捏ね続けた。
「笑っ、て…?」
「…ひっ、く…」
いつの間にか離してしまっていた手を此方に伸ばし、泣きじゃくる俺の頬を弱々しく摘まんだ。
どんなに口角を上げようとしても望み通りには笑ってあげられず、流れる涙をそのままに嗚咽を漏らす。
そんな俺を真っ直ぐと見つめ、朔は穏やかな表情で僅かに口を開いた。
「…好、き…だよ…」
「さ、く…?」
掠れた声に耳を傾けた瞬間、頬に触れていた手がするりと落ち、室内にピーっと心臓が停止したことを知らせる機械の音が鳴り響く。
突然のことに何が起こっているのか分からず、ぽそりと名前を呼んでみる。
けれど反応はなく、背後からは朔の両親の泣き声が聞こえてきた。
「…ねえ、どうしたの?寝ちゃったの…?」
ゆらゆらと身体を揺すると、優しく肩を叩かれた。
振り返ると看護師は小さく首を振り、医者は朔の酸素マスクを外そうとしている。
そこでやっと、死んでしまったのだと理解した。
ついさっきまで笑っていたのに、どうしてーーー。
「ひとりにしないでよ…っ」
まだ微かに体温の残る手を両手で握り締め、俺はひたすら泣き続けたのだった。
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