悪役令嬢は妹ヒロインを溺愛したい!

かべうち右近

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悪役令嬢は妹ヒロインを溺愛したい!

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 小説『エミリアの幸せな結婚』は、とある姉妹が婚約者探しを開始するところから物語が開始する。ガードナー家の姉妹は二人とも美しいことで有名だった。長女ハンナは、美しい金髪に整った顔と見た目だけは良かったが、性格に難ありだった。というのも、妹のエミリアの事をハンナは虐めぬいていたからだ。

 エミリアは妾の子であり、ハンナの異母妹である。半分しか繋がっていない血がどう作用したのか、エミリアはハンナ以上に容姿に恵まれており、誰もが振り返るような光り輝く美貌だった。どんなにハンナが美しく飾り立てても、エミリアの隣に立てばかすんでしまう。容姿は悪くないのに、エミリアのせいでハンナはいつだって劣等感にまみれていた。

 妾の子であるエミリアは、母とハンナからは冷遇されており、激しい虐めを受けていたが、周囲には常に助けてくれる人が居た。家庭内でどんなに虐げられていても、エミリアは影さすことなく明るく朗らかだった。そんな彼女の態度が、自分の醜さをより際立たせるようで、ハンナはより惨めだったのだ。そうして劣等感からますます激しくなる壮絶な嫌がらせを、エミリアは耐え抜いた末に、ヒーローから愛されて幸せな結婚をする。ちなみにハンナはそれまでの行為に相応しいみすぼらしい男の元に嫁いで因果応報となるのである。

 ――それが『エミリアの幸せな結婚』のストーリーだ。ごくありきたりで工夫もないこの物語は、数ある小説の中でたった一度だけ読んだ作品の一つでしかなかったが、この物語に彼女が転生したのは、きっと彼女の願いが切実なものだったからだろう。前世の記憶は生まれた時からしっかりと残っていた。しかし、転生した彼女は遠い過去に一度だけ読んだこの小説の内容を、ほとんど覚えていない。それどころか、登場人物の名前さえ朧気だった。

 結果として、彼女――ハンナは、何の世界に転生したのかも判らないまま、彼女らしく、第二の人生を気ままに過ごしたのである。

 小説通りの時間軸で言えば、時は既に小説のクライマックス近くだ。

 この日のガードナー家は、浮かれた気分に包まれていた。邸宅内のどこもかしこも綺麗に磨き上げられ、メイドたちは一様に忙しく動き回っている。その誰もが頬を上気させて、嬉しそうにしている。それもそのはずで、今日はとてもめでたい日なのである。

『ガードナー家のご令嬢が、婚約することになった』

 今日はその婚約式がガードナー家で執り行われる予定だ。急遽決まった婚約だったため、婚約式も急な日取りだ。婚約式に招く人たちへの連絡も充分でなかったが、ガードナー家はほうぼうに尽くして連絡を行った。

 その速報は、『エミリアの幸せな結婚』に登場する脇役メイナード・ヘイズにも届いた。原作での彼は年少時代からエミリアを支え続け、彼女に片思いしていたものの、結局は優しい幼馴染のポジションから脱却できずに失恋して、クライマックスで彼女の幸せを祈って去る男役である。

 慌てて馬車でガードナー家に乗りつけたメイナードは、玄関ホールで彼を出迎えたハンナに目をみはった。いつもおろしている金の髪をきっちりと結い上げ、ドレスもいつもよりも上品なものに身を包んだ彼女は、いつもより増してとても美しい。化粧も髪飾りも地味にしているが、それはかえって彼女の麗しさを引き立てているようだった。

「どうしたの、メイナード、そんなに慌てて」

 ハンナが疑問に思ったのもおかしな話ではない。婚約式の祝福のために駆け付けたにしては、メイナードの服装は礼服ではなく、着の身着のままかけつけた体だった。

「……ハンナ、婚約をするって、聞いたが……」
「! ええ、そうなの!」

 メイナードが問いかけると、ハンナはぱあっと顔を輝かせて手を打った。

「お祝いしにきてくれたのね? 嬉しいわ! ずっと好きだったんだもの、この時を迎えられて私とても嬉しいの! 今日は庭で式をするの、場所は知ってると思うけど案内するわ」

 にこにこと笑いながら、ハンナは婚約式の会場に案内しようと背を向けた。しかし、その腕をメイナードが取って、引き留める。

「……俺は」

「どうしたの?」

「俺は、祝福なんてできない」

 苦々しくメイナードが告げるのに驚いて、ハンナは振り返る。そして息を飲んだ。

 この頃のハンナは、なんとなくではあるがこの世界が何の作品だったのかを思い出していた。そして、原作でメイナードが誰を好きだったのかについても。

「……そうね、メイナード。辛いことだと思うわ。でも判って欲しいの」

「判ってやれる訳がないだろう! 俺は……っ俺だって、好きなのに……!」

 腕を握りこむ力を強くして、メイナードは言う。彼が想いを直接口にするのはこれが初めてだった。その姿をハンナは痛ましく思うが、どうしようもないことである。婚約は、既に決まってしまっている。

「メイナード……」

 その苦しみを労わるように、ハンナは彼の手を撫でる。それに弾かれるようにして、顔をあげたメイナードは困ったような表情のハンナを見てとると、くしゃりと顔を歪めた。

「ハンナ、俺は」
「メイナードが私を好きだったなんて、知らなかったわ」

 真剣な顔でメイナードが言い募ろうとしたのを遮ったのは、玄関ホールに続く階段に現れた令嬢だった。結い上げたハニーブロンドには贅を凝らした宝石の髪飾りをさしており、身体にまとったドレスは豪奢にも関わらずそれが嫌味にならない着こなしである。そんな令嬢が、メイナードを見て呆れた顔をしている。ハンナと比べると、月と太陽ほども印象に差があった。

「エミリア!」

 暗い顔をしていたハンナが、令嬢――エミリアの姿を見止めて再びぱあっと顔を輝かせる。

「もう準備終わったの? もっと時間がかかると思っていたわ。やっぱり私の見立ては完璧だったわね。凄く似合ってる! 最高よ! これでエミリアの婚約式もばっちりね!」

「ん?」

 ハンナの腕を掴んだままだったメイナードの顔が、苦しみを耐えるものから疑問を浮かべたものに変わった。ハンナはハっとしてメイナードを振り返ると、しっかりと彼の手を握りこんで、真剣な顔で彼に懇願する。

「この婚約を悪く思わないで。エミリアが選んだんだもの、エミリアはきっと幸せになるわ。だからエミリアのことは諦めて。お願い、メイナード」

 ごくごく真剣な顔でハンナが言うのに、メイナードは更に眉間の皺を深くした。階段の上にいるエミリアは笑いをこらえるような顔をしている。

「ちょっと、待ってくれ……今日は、エミリアが婚約するのか?」

「そうよ。当たり前じゃない」

「ハンナが婚約するんじゃなくて、か……?」

「そんな相手がいないの、あなた知ってるでしょう? 嫌味なの?」

 むう、っと頬を膨らませてハンナが言うのに、メイナードは脱力して深い深い溜め息を吐いた。

「お姉様、メイナードはお姉様が婚約すると思って、慌ててうちに来たのよ」

 くすくすと笑いながら、エミリアは階段を降りてくると、未だハンナの腕を掴んだままだったメイナードの手をやんわりと離させる。

「私が婚約すると思って? なんで?」

 訳がわからないことを言わないで、とハンナは顔をしかめたが、エミリアはますます笑いを深める。

「それはメイナードに聞いた方がいいんじゃないの? ねえ、メイナード?」

 笑い交じりに言われた言葉に、メイナードはかっと頬に朱を登らせた。

「うん、赤くなってないわね。良かった」

 メイナードに掴まれていたハンナの腕を検分して、エミリアは安心したようにハンナの腕を離す。

「じゃあ、私はまだ準備があるから。お姉様、メイナードの相手をお願いできる?」

「やだ、まだ終わってなかったのね。大丈夫?」

「大丈夫よ、あと少しだもの。メイナードが急に来たっていうから様子を見に来ただけよ」

 ふふ、と笑ってハンナに言ってから、エミリアはメイナードに目を向ける。

「メイナード、私の婚約式に出て祝福してくれるんでしょう?」

「あ、ああ……」

 呆然と答えたメイナードに、エミリアはまた笑って踵を返した。そうして、背中越しに手を振りながらメイナードに声をかける。

「想いはちゃんと口にしないと伝わらないわよ、メイナード」

「な……!」

 顔を赤くしたメイナードが叫びそうになったが、ハンナが目に入って彼は口をつぐんだ。

「……メイナード、本当にお祝いしてくれるの? エミリアのこと」

「あ、ああ。もちろんだ」

「よかった……!」

 またぱあっと顔を輝かせて、ハンナは全開の笑顔をメイナードに向ける。それに対して、彼は更に顔を赤くした。

「あなたも辛いとは思うけれど、祝福する意思を決めてくれて嬉しい! エミリアをあなたのお嫁にあげる訳にはいかないけれど、メイナードにもきっと幸せがくるわ。大丈夫よ! 私も応援するわ!」

 ハンナは大事な友人の幸せを心をから祈る。その彼女に対して、メイナードは深々と溜め息を吐いた。その溜め息をハンナはどう受け取ったのか、急に慌てたようにメイナードの手を両手で包んで励ますように顔を覗き込んだ。

「……ショックよね、そうよね。好きな人が婚約するのだもの、そんなすぐに次のことなんて考えられないわよね。ごめん……」

 労わるように声をかけるハンナだが、しかし、彼女の懸念は見当はずれである。

「そうじゃない、ハンナ……俺は」

 どう説明すべきか迷って、メイナードは先ほどはすんなりと出た言葉が、急に喉につっかえた。

 『エミリアの幸せな結婚』に転生したハンナは、前世で家族の愛に餓えていた。天涯孤独の身で育った彼女は、愛を注ぐことのこできる家族を切望していたのだ。転生したばかりの彼女には、両親はいたが妹がいなかった。七歳の頃になって妾の子として現れたエミリアのことを、ハンナは虐めるどころか、可愛い妹ができたと言って歓迎したのである。つまり、ハンナはそれはもう溺愛した。妾の子だと言ってエミリアのことを母が目の敵にするのを全力で守った上、ハンナは二人を和解させたため、今のガードナー家は仲良し家族である。自分らしく気ままに暮らしてきたハンナは、可愛い可愛い妹の幸せを願ってやまない姉として暮らしてきたというわけだ。

 原作では、エミリアの美しさもさることながら、彼女が虐められているからこそ、庇護欲をかきたてられた男たちがこぞってエミリアを守る盾となった。原作のメイナードもまた、エミリアを虐めるハンナから守る過程で、彼女を愛するようになっていった。しかし、この世界でハンナはエミリアを虐めるどころか溺愛している。ハンナはエミリアの一挙手一投足全てを可愛がり、全ての害意から全力で彼女を守った。

 必然的にメイナードがエミリアを庇うようなことはなく、庇護対象ではないエミリアを好きになることはなかったのである。

 むしろ、メイナードはいつも明るく、腹違いの妹にまで愛を注ぐハンナにこそ惹かれていた。

 彼は、ハンナたち姉妹が婚約者探しを始めたと聞くよりも随分と前から、判りやすいほどに好意を示していたはずだ。しかしながら、メイナードが原作でも『良い幼馴染』のポジションを脱却できず、エミリアの婚約を知って身を引いたのには理由がある。はっきりと気持ちを言葉にできないという決定的弱点があったのだ。

 つまり彼は、これまで一度も、ハンナに対して「好き」だと言葉にして伝えたことがなかったのである。

 ハンナはエミリアの幸せしか眼中になかった上、メイナードは原作でエミリアを好きだったのだから、自分に想いを寄せているのなどとは想いもよらない。

 そんなわけで、メイナードの想いに気づかぬまま、ハンナは今日までやってきたのである。これはメイナードがきちんと告白をしなかったのも悪い。

「メイナード、大丈夫……?」

 黙り込んでしまったメイナードの顔を、ハンナが心配そうに覗き込む。近すぎると思えるほどのその距離に、反射的にメイナードは彼女の身体を抱きしめていた。

「メ、メイナード?」

 戸惑いの声をあげた彼女の声で、メイナードは我にかえったがそのまま抱きしめる力を強くした。

『言葉にしないと伝わらない』

 エミリアの言葉はもっともだった。そもそもハンナの周りには彼女に好意を寄せている男は何人もいる。それにも関わらず良い仲に発展しないのは、ハンナがエミリアの幸せしか眼中にないから、自分に向けられた好意に対して鈍感なのだ。

 ずっと喉につっかえさせていた言葉を、今こそ言うべきなのだ。ぐるぐると迷ったあげくに、メイナードはやっと口を開く。

「……ハンナ。俺と結婚してくれ」

 焦りすぎて、言葉が何段階も飛んでしまったのに、メイナードは自分でぎょっとする。しかし終着点は同じなのだから、訂正する気にもなれなかった。そんなメイナードの言葉に、彼の腕の中でハンナは息を飲んだ。途端にメイナードの胸を押して身体を離し、真剣な顔をする。

「メイナード。だめよ」

「どうしてだ」

「好きな人が別の人と結婚するからって、その姉にすぐに乗り換えるなんて、さすがに最低よ」

「……俺の話を、聞いていたか?」

 ごく真剣なハンナの顔に対して、メイナードは脱力して溜め息を吐く。とことん噛み合わない。しかし、ここまでくればさすがのメイナードも言葉を惜しんでいる場合ではない。

「俺が好きなのはエミリアじゃない」

「どういうこと?」

「俺は、お前が好きなんだ、ハンナ」

「え?」

 小さな声を上げたハンナは、そのまま固まる。

「お前のことがずっと、好きだった。だから、俺を選んでくれ」

 真摯な声音で告げられて、ハンナの顔にすぅーっと朱がのぼる。その瞬間に、彼の胸を押したままだった手に気づいて、ハンナは真っ赤な顔のまま、ぱっと両手をあげた。

「ハンナ?」

 彼女の顔に触れようとしたメイナードの手を、ハンナはさっと避けて一歩後退りした。ゆでだこのようになった自身が恥ずかしくて、彼女は両頬をおさえて震える。

「あ、ああ、あの、私、ええと……私、まだ、手伝いがあるから……!」

「ハンナ!?」

 目を泳がせたハンナは、また一歩後退りしたかと思えば、そのままくるりと身体を反転させて、淑女らしからぬスピードで階段を駆け上がり始めた。メイナードがとっさに腕を伸ばしたが、捕まえる隙もない。

 階段を登りきった彼女は、未だ赤い顔のまま、泣きそうな顔で玄関ホールにいるメイナードを振り返った。

「俺の話はまだ」

「エミリアのための日に、そんなこと言うなんて……メイナードのばか!」

 捨て台詞のように叫んで、ハンナは奥の扉へと消えてしまった。置き去りにされてしまった状況に、メイナードはぽかんとしたが、やがてくつくつと笑い始めた。

「先は長そうだな」

 ぼやくような台詞だったが、メイナードの声音はこの邸宅へやってきた時よりも随分と明るい。今朝までのハンナは妹を溺愛していて自分の恋愛など眼中になかったようだが、メイナードの告白でようやく意識をしてくれそうだ。メイナードの言う通り先は長そうではあったが、原作では悪役令嬢だった彼女の未来は、希望に満ちていることだろう。
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