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第67話
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杏の発情期は1週間近く続いた。
杏の理性が働く時間はほぼなく、情緒は不安定な日々が続いていた。
αが怖くて怯える日、思いっきり甘えてくる日、熱を求める日。
一日中同じような情緒の日もあれば、さっきまで抱かれたがってたのに急に怯え始めたこともあった。
「ごめんなざい。俺ェ、おれ、蓮になるからぁ…許して下さい。」
「僕、抱っこがいい。」
「抱いてくれないの?俺のこと嫌いになったの?」
αの俺が好むようなΩになるために必要だったのだと思う。Ωにとってαが全てだから。
杏はそうして愛を求めるしかなかったんだろう。
「…ん。しお…ん。しおん。」
眠っていた杏に起こされた。
時刻を見ると早朝だった。
昨日も夜遅くまで体を重ねていたのでまだ少し気怠いが、その気怠さでさえ幸せを感じる。
「杏、どうした?」
「しおん。ここ痛いし、熱い。」
「喉元が痛い?熱い?」
噛んだせいで少量だが血は出たし、軽く瘡蓋にもなるが…。
「貴弘呼ぶから待ってろ。」
「渡辺先生待つ…。」
数分後、下で待機していた貴弘が部屋に訪れた。
「氷とかで冷やして見ても熱くて痛かったの?」
「うん。」
「そっかぁ。うーーん。普通のΩでこの症状が出ていたらそれは相手のα人に対してストレスを感じている時とかに出る症状なんだよね。」
「つまり、杏は俺にストレスを?」
「杏君、番になれて嬉しい?」
「うん。すごく。」
俺の目の前でノータイムで貴弘に答える杏に嘘をついている感じはしなかったので、本当に喜んでくれているんだなとわかる。
「多分としかいえないけど、αを体が拒否しているんだと思う。」
「どうすれば体と心が一致する?俺、紫苑のことちゃんと好きだよ?」
「そうだよね。別の先生に聞いとくね。」
なるべくΩから離れないように、存分に甘やかしておいてといい、貴弘は帰った。
斉藤先生と話すらしい。
「なぁ、杏。」
「ん?なぁに?」
「俺と結婚する気はあるか?」
「どしたの?急に。」
「急にじゃない。今日計画していたんだ。ほらリビングに行こうか。」
杏を抱き抱え、リビングに向かう。
昨日の夜杏が寝てから用意したリビング。
机の上に花とリングと婚姻届、番届を用意しておいた。
一旦、椅子に座らせ、その間に跪きリングを杏に見せる。
ブラックダイヤモンドがついたリングは仮のリングとして買ったもの。
また、杏が元気になったらリングを買いに行きたいと思う。
「俺と、結婚してくれますか?」
「ずるっ。」
ボロボロ泣いている杏は手を出してリングをつけてやると光に翳して更に泣き出す。
「杏、おいで。」
ハグのポーズで待つと勢いよく抱きつかれる。
あぁ、杏の温もりだ。
あったかくて、手放したら俺の命は消えるぐらい大切なもの。
杏の理性が働く時間はほぼなく、情緒は不安定な日々が続いていた。
αが怖くて怯える日、思いっきり甘えてくる日、熱を求める日。
一日中同じような情緒の日もあれば、さっきまで抱かれたがってたのに急に怯え始めたこともあった。
「ごめんなざい。俺ェ、おれ、蓮になるからぁ…許して下さい。」
「僕、抱っこがいい。」
「抱いてくれないの?俺のこと嫌いになったの?」
αの俺が好むようなΩになるために必要だったのだと思う。Ωにとってαが全てだから。
杏はそうして愛を求めるしかなかったんだろう。
「…ん。しお…ん。しおん。」
眠っていた杏に起こされた。
時刻を見ると早朝だった。
昨日も夜遅くまで体を重ねていたのでまだ少し気怠いが、その気怠さでさえ幸せを感じる。
「杏、どうした?」
「しおん。ここ痛いし、熱い。」
「喉元が痛い?熱い?」
噛んだせいで少量だが血は出たし、軽く瘡蓋にもなるが…。
「貴弘呼ぶから待ってろ。」
「渡辺先生待つ…。」
数分後、下で待機していた貴弘が部屋に訪れた。
「氷とかで冷やして見ても熱くて痛かったの?」
「うん。」
「そっかぁ。うーーん。普通のΩでこの症状が出ていたらそれは相手のα人に対してストレスを感じている時とかに出る症状なんだよね。」
「つまり、杏は俺にストレスを?」
「杏君、番になれて嬉しい?」
「うん。すごく。」
俺の目の前でノータイムで貴弘に答える杏に嘘をついている感じはしなかったので、本当に喜んでくれているんだなとわかる。
「多分としかいえないけど、αを体が拒否しているんだと思う。」
「どうすれば体と心が一致する?俺、紫苑のことちゃんと好きだよ?」
「そうだよね。別の先生に聞いとくね。」
なるべくΩから離れないように、存分に甘やかしておいてといい、貴弘は帰った。
斉藤先生と話すらしい。
「なぁ、杏。」
「ん?なぁに?」
「俺と結婚する気はあるか?」
「どしたの?急に。」
「急にじゃない。今日計画していたんだ。ほらリビングに行こうか。」
杏を抱き抱え、リビングに向かう。
昨日の夜杏が寝てから用意したリビング。
机の上に花とリングと婚姻届、番届を用意しておいた。
一旦、椅子に座らせ、その間に跪きリングを杏に見せる。
ブラックダイヤモンドがついたリングは仮のリングとして買ったもの。
また、杏が元気になったらリングを買いに行きたいと思う。
「俺と、結婚してくれますか?」
「ずるっ。」
ボロボロ泣いている杏は手を出してリングをつけてやると光に翳して更に泣き出す。
「杏、おいで。」
ハグのポーズで待つと勢いよく抱きつかれる。
あぁ、杏の温もりだ。
あったかくて、手放したら俺の命は消えるぐらい大切なもの。
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