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藤宮学園編

明日の天気は?

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「俺がさ、お前らを助ける必要はない 」


「カオス殿ッ お許しを私のかわいい娘に
慈悲をくださいませ!! 」


「慈悲?なにそれ? 」

泣きながら、頼む 真里のお父様、それを
俺は笑う、そして俺はグラウンドの方を
見る、彼女は最後まで「勇敢」だった
俺も見習わないとな……。

そして、数十分後、警察が来て、クラスメートに事情聴取をして、自殺と言うという事で
片付けた、そして遺族は背負ってきた何かを
忘れ、そして時間が止まったようにもう……
喋らなくなった、そしてその時間の針はもう
二度と動くことはない。


「自分のさ娘だからってね~筋ぐらいは
通せよ……副団長さん!! 」

愚かだ、何故人は人を殺し、その罪を否定
するのだろうか……そして次郎は口を開き

「アンタまで死にたいの?副団長さん? 」

そう、カオスが言うと、真里のお父様は
小さな子供の様に泣きながら逃げて行った

「え……パパ? 」

そして、後ろに居る暦会の連中らを次郎は
睨み話しかける


「で?ヤクザさん達はどうすんの? 」

そして、暦会のリーダーらしき男がそこに
居る……構成員達に伝える

「いま、坂下さんに聞いたら、口を震わせ
ながら、逃げろとだけ言われた……そう言えば……昔よ龍王組って言うデカイ組織があったらしいんだけど、すぐ消えたよな……それ
あのカオス一人で全員殺したらしい…… 」

「え? 」

「うそだろ 」

「怪物だよ、人間の身体を被った 」


そして、それを聞いた「暦会」の若い衆は
何も言わずただ、逃げ去った

「逃すわけないけどな…… 」

まあ、後ででいいか。

そして、次郎は「真里 」を見つめ、そして
真里の周りにいた女は立ち尽くしたまんま
だった……。

「次郎……ごめん 悪気あった訳じゃないの
遊びで、つい…… 」

「遊び?なにそれ?人の命なんだと思ってん
の?」

そして、「真里 」はもう気づいた、確実に
次郎は私を殺すと……。

「死にたくない…… 死にたくない…… 」

「んー 」

そして、次郎は口を開き、真里を睨み

「やっぱり…… お前らに更生の余地はねぇーよ…… 未成年にはさ更生する価値があるとか
法の連中らは言う、まだ若いから生きる資格
がある……そんなのはただの正義を装った
馬鹿が言ってるだけ……じゃあよ若さを法が
主張するならその若さで自殺をするしか選択
出来なかった子達はどうすんだよ……。自殺
しました……いじめたのは私達です本当に
すみませんでした……それで終わり、は?
何言ってんの?平謝り済む問題かよ、違う
んだよ全ての未成年の事件は法が守った……
そんなゴミ共をな……でもそんなゴミの排除
をするのが、俺たちの仕事だ!! 」

仕事、そう、若い芽はまだ咲かないと
いけない……。

太陽がそこに在り続けるように……。


「でも……私達には未来があるの!! 」

「ねぇーよ …… 」

まだ主張するとはな。雨は降るが、ずっと
ではない太陽が雨を隠しにくる……そう
隠すだけなんだ……太陽と雨は決して交わる
事はない…… ただ隠し合いをする毎日

「お前らは俺が全力で潰す 」

それが ”彼女”の報いとなるのなら……
俺はただその一心で頑張れる。

「何言ってんの?」

「執行は許可されてる 」

「意味わかんない…… なに執行って…… 」

そして、真里に近づく次郎、真里は怖気付き
尻餅をつく、そして真里は余りにも醜く、
哀れで、悲しい姿だった

「逃げるな…… 逆らうな 」

そして、その瞬間、後ろに居た二人の女子が
俺を蹴った、だがそれと同時にその二人の足を掴み、屋上のコンクリートに叩きつけた

「あっああああ 」

そして、その姿を見た真里は泣き叫んだ

「いやあああああああ 」

真実が残酷と言うなら、その残酷を俺は
残酷以上の景色を見せてやる

圧倒的な力でお前らを排除してやる……。


「何で…… 」

ふと、空を見上げた、まだ彼女の亡骸は
いま葬式会社に運ばれている、でもお前は
まだこの光景を見ているんだよな……
光もない、何もないただの雨の中の景色を
お前はそこで黙って見てるんだよな……。

そして、次郎は真里の顔を殴り続けた
最後に次郎は真里の腹にナイフをおもいっきり刺し、真里は死んだ。

その仲間、少し前にもう息はして居なかった

「カオス お疲れ様 」

そして、後ろを向くとそこには、イーグル
が居た

「イーグルか……  」

「まあ、そんな感じだな…… 」

「後悔先に立たず」

カオスはそう言った、そしてまだ見ぬ未来を
思い、息を吸う、そうするとそこには確かな
「物」があった……。

でも、何故か「心 」はずっと闇の中だ。

 「なぁ?イーグル 明日の天気は? 」

「晴れだよ。気温は20℃ぐらいあるらしい」

そして、カオスは空を見た、そこには雨は
降っていなく、晴れだった

彼女は俺の太陽だった、彼女が運んだ
心地よい程の光は俺の心を優しく温かく
ただ真っ直ぐに差してくれた。


彼女は太陽、俺は雨。



「彼女の名前聞いとけば良かったな…… 」
















藤宮学園編 完
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