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3章 6歳
第二十話:まるぐりっとさんのデビュタント②
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どうも、ごきげんよう。豚の屠殺ならお任せください。こんな事をしていると本当に貴族令嬢だったっけ?などと自信を無くそうな幼女マルグリットです。
豚さんがキッカケで出会った現役冒険者であるお姉さま方にこの土地ならではの話を聞こうと思い、只今ヒアリングをするところなのです。
「話? そんなものでいいなら私たちから答えられるものがあれば何でも答えるよ」
「そうね、オークも貰っちゃったし、解体しながら話してもいいかしら?」
「ええ、もちろんです」
「そういえば自己紹介がまだだったわね。私はルーシィ、こっちのローブを着た子がチェスカよ」
ふむふむ、戦士のお姉さんがルーシィさん、魔法使いのお姉さんがチェスカさんね。
「申し遅れました、私はマル……」
本能的に嫌な予感がした私は名前を発する途中で脳みそをフル回転させていた。
マルグリットって普通に言ったら色々まずくない?
年齢までは言ってないけど、幼女でそれなりの恰好をしたマルグリットなんて街で噂になったりでもしたら、遠くないうちに領主の娘って特定されてしまうのでは?
というか万が一にでも家族の耳でも入ってしまったら私に行きついてしまうかもしれない。
まだ私は身体の弱いご令嬢で通ってるの。何れはバレるかもしれないけど、さすがに今はまだその段階じゃないの。
せめて…… うーん、十三歳から十五歳くらいならまあしょうがないかなとは思うけど、今の時点はさすがにマズイ。
だってまだ六歳よ? 麗しき六歳の幼女がオークをワンパンよ? さっきはパンチではなくキックだったからワンキク? 我ながらダサいネーミングね。
ともかく六歳がオークを倒すこと自体、噂にならないわけがない。
それに六歳の時点でオークを一撃ってお父さまの耳にでも入ったらどうなるのかしら?
お父さまは元々冒険者だったし、大喜びで『さすが私の娘』とか言うくらいで私にとって大きな影響にはならなそうだけど…… あくまでお父さまでの話の場合よ。
大問題なのはお母さまの耳に入った時だわ。お父さまの耳に入ったら当然嬉しそうに当然家族にも娘の大活躍(?)を語るでしょうね。
そうなった場合、お母さまからしたら淑女としてあるまじき行為として冒険者活動禁止どころの話では済まなくなってしまう。
顔面に青筋立てて本気の淑女教育が開始されてしまうでしょうね。身体が実は弱くなかったという虚偽についても問い詰められそう。
そして私の苦手なお茶会だの連れまわした挙句、成人前にマジのガチで社交界でデビューさせられてしまうかもしれない。
私だって貴族令嬢だから嫌でもそれをいつかはやらなきゃいけないことはわかってるの。でもそれは今じゃない。フィルミーヌ様とイザベラを今度こそ守りきるまでは……
それまでは本気で勘弁してほしい。あの空気って本当に苦手なの…… あそこに参加している人たちって何が楽しくてキャッキャウフフしてるのかしら?
当時の私は身体が弱いだけじゃなくて引っ込み思案で人見知りが激しかったから、それを見かねたお母さまが他人との接し方を覚えさせるためにお兄さまと一緒にお茶会への強制参加させられたことがあったけど、あの周りの品定めしてやろうという目線がもうダメ。見られてるだけでも苦痛なのにあれはないわ。しかもよくわからない絡まれ方されたし、二度と行くまいと誓ったんだったわ。
ハッ、いけないいけない。どんどん脱線して来てる。
名前よ! 名前をどうするのか考えないと。兎に角、マルグリットのままじゃダメ。
一旦仮の名前にしましょう。偽名ってやつね。なんかカッコいいわ。
『マル』まで発言しちゃったからマルなんたらにしないとダメね。
まる…… マル…… MARU……
うーん、思いつかないいいいいいいいいい。
私に良い知恵を! 助けて、イザベラ、フィルミーヌ様
マルグリット……
イザベラ……
フィルミーヌ……
ハッ! その時、私に神が舞い降りた。
「……ミーヌ」
「え?」
「ごめん、なんか聞き取れなかったんだけど」
「マルミーヌです……」
二人ともポカーンと口を開いていらっしゃる。わかる、わかります。言いたいことはわかります。
ごめんなさい、フィルミーヌ様。自分で言うのもなんですが、めちゃくちゃダッサ。
何このセンスの欠片もない名前。少しでもフィルミーヌ様にあやかりたいなぁなんて欲を出した罰だわ。
穴があったらはいりたーい。書籍とかだと主人公とライバルが合体したら強くなるとかあるでしょう?
ところがどっこい、私の場合は完全に弱体化してるわ、マジで! むしろマイナス要素まで感じられるわ。
『混ぜたらキケン』とかラベルの薬品とかあったけど、まさにこの事ね!
『それを混ぜるなんてとんでもない』とかこんな場所では誰も注意してくれないし、しょうがないわね…… 諦めましょう。
いつかまたフィルミーヌ様にお会いするときが来たら、やってはいけない『悪魔合体』してしまったことをお詫びしないといけないわね。
結果としてフィルミーヌ様に『ワタシオマエマルカジリ』と言われても素直に受け入れるしかないわね。
あの人はそんなこと絶対言わないでしょうけど。
「えっと、個性的で素敵な名前ね?」
「『マル』の時点で大分長考していたみたいだけど、もしかして今考えた感じ?」
ストレートにぶっこんで来たチェスカさんにルーシィさんは『察しろ』と言わんばかりに肘打ちをチェスカさんの脇腹に食らわしていた。
「あんたね、こんな幼くて可愛らしい子供のケリでオークの首をへし折りました所を見ましたなんてギルド内で言ってみなさい。街中で一気に噂が広がるわよ」
「その前に誰も信じなくない? エミリアさんとかギルドマスターに言ったら将来有望な人材って喜んでくれそうだけど……」
「大多数はね、一部でも信じる奴が出てきて、その中にマルミーヌちゃんを利用しようとする奴がいたらどうするのよ?
こんな幼い子供がこんな所で魔獣狩りしてるなんて余程の訳アリだわ。そりゃ偽名も使いたくなるわよ。
それ以上に命を助けてもらった恩があるのに仇で返そうとするなんて私が許さないわよ」
あんな頭の悪そうな悲鳴を上げておいて、思ったより思考はまともな方だわ。
「わ、わかってるわよ。別に酒の肴にしようだなんて考えてないから」
いや、絶対考えてたでしょ、貴方。
豚さんがキッカケで出会った現役冒険者であるお姉さま方にこの土地ならではの話を聞こうと思い、只今ヒアリングをするところなのです。
「話? そんなものでいいなら私たちから答えられるものがあれば何でも答えるよ」
「そうね、オークも貰っちゃったし、解体しながら話してもいいかしら?」
「ええ、もちろんです」
「そういえば自己紹介がまだだったわね。私はルーシィ、こっちのローブを着た子がチェスカよ」
ふむふむ、戦士のお姉さんがルーシィさん、魔法使いのお姉さんがチェスカさんね。
「申し遅れました、私はマル……」
本能的に嫌な予感がした私は名前を発する途中で脳みそをフル回転させていた。
マルグリットって普通に言ったら色々まずくない?
年齢までは言ってないけど、幼女でそれなりの恰好をしたマルグリットなんて街で噂になったりでもしたら、遠くないうちに領主の娘って特定されてしまうのでは?
というか万が一にでも家族の耳でも入ってしまったら私に行きついてしまうかもしれない。
まだ私は身体の弱いご令嬢で通ってるの。何れはバレるかもしれないけど、さすがに今はまだその段階じゃないの。
せめて…… うーん、十三歳から十五歳くらいならまあしょうがないかなとは思うけど、今の時点はさすがにマズイ。
だってまだ六歳よ? 麗しき六歳の幼女がオークをワンパンよ? さっきはパンチではなくキックだったからワンキク? 我ながらダサいネーミングね。
ともかく六歳がオークを倒すこと自体、噂にならないわけがない。
それに六歳の時点でオークを一撃ってお父さまの耳にでも入ったらどうなるのかしら?
お父さまは元々冒険者だったし、大喜びで『さすが私の娘』とか言うくらいで私にとって大きな影響にはならなそうだけど…… あくまでお父さまでの話の場合よ。
大問題なのはお母さまの耳に入った時だわ。お父さまの耳に入ったら当然嬉しそうに当然家族にも娘の大活躍(?)を語るでしょうね。
そうなった場合、お母さまからしたら淑女としてあるまじき行為として冒険者活動禁止どころの話では済まなくなってしまう。
顔面に青筋立てて本気の淑女教育が開始されてしまうでしょうね。身体が実は弱くなかったという虚偽についても問い詰められそう。
そして私の苦手なお茶会だの連れまわした挙句、成人前にマジのガチで社交界でデビューさせられてしまうかもしれない。
私だって貴族令嬢だから嫌でもそれをいつかはやらなきゃいけないことはわかってるの。でもそれは今じゃない。フィルミーヌ様とイザベラを今度こそ守りきるまでは……
それまでは本気で勘弁してほしい。あの空気って本当に苦手なの…… あそこに参加している人たちって何が楽しくてキャッキャウフフしてるのかしら?
当時の私は身体が弱いだけじゃなくて引っ込み思案で人見知りが激しかったから、それを見かねたお母さまが他人との接し方を覚えさせるためにお兄さまと一緒にお茶会への強制参加させられたことがあったけど、あの周りの品定めしてやろうという目線がもうダメ。見られてるだけでも苦痛なのにあれはないわ。しかもよくわからない絡まれ方されたし、二度と行くまいと誓ったんだったわ。
ハッ、いけないいけない。どんどん脱線して来てる。
名前よ! 名前をどうするのか考えないと。兎に角、マルグリットのままじゃダメ。
一旦仮の名前にしましょう。偽名ってやつね。なんかカッコいいわ。
『マル』まで発言しちゃったからマルなんたらにしないとダメね。
まる…… マル…… MARU……
うーん、思いつかないいいいいいいいいい。
私に良い知恵を! 助けて、イザベラ、フィルミーヌ様
マルグリット……
イザベラ……
フィルミーヌ……
ハッ! その時、私に神が舞い降りた。
「……ミーヌ」
「え?」
「ごめん、なんか聞き取れなかったんだけど」
「マルミーヌです……」
二人ともポカーンと口を開いていらっしゃる。わかる、わかります。言いたいことはわかります。
ごめんなさい、フィルミーヌ様。自分で言うのもなんですが、めちゃくちゃダッサ。
何このセンスの欠片もない名前。少しでもフィルミーヌ様にあやかりたいなぁなんて欲を出した罰だわ。
穴があったらはいりたーい。書籍とかだと主人公とライバルが合体したら強くなるとかあるでしょう?
ところがどっこい、私の場合は完全に弱体化してるわ、マジで! むしろマイナス要素まで感じられるわ。
『混ぜたらキケン』とかラベルの薬品とかあったけど、まさにこの事ね!
『それを混ぜるなんてとんでもない』とかこんな場所では誰も注意してくれないし、しょうがないわね…… 諦めましょう。
いつかまたフィルミーヌ様にお会いするときが来たら、やってはいけない『悪魔合体』してしまったことをお詫びしないといけないわね。
結果としてフィルミーヌ様に『ワタシオマエマルカジリ』と言われても素直に受け入れるしかないわね。
あの人はそんなこと絶対言わないでしょうけど。
「えっと、個性的で素敵な名前ね?」
「『マル』の時点で大分長考していたみたいだけど、もしかして今考えた感じ?」
ストレートにぶっこんで来たチェスカさんにルーシィさんは『察しろ』と言わんばかりに肘打ちをチェスカさんの脇腹に食らわしていた。
「あんたね、こんな幼くて可愛らしい子供のケリでオークの首をへし折りました所を見ましたなんてギルド内で言ってみなさい。街中で一気に噂が広がるわよ」
「その前に誰も信じなくない? エミリアさんとかギルドマスターに言ったら将来有望な人材って喜んでくれそうだけど……」
「大多数はね、一部でも信じる奴が出てきて、その中にマルミーヌちゃんを利用しようとする奴がいたらどうするのよ?
こんな幼い子供がこんな所で魔獣狩りしてるなんて余程の訳アリだわ。そりゃ偽名も使いたくなるわよ。
それ以上に命を助けてもらった恩があるのに仇で返そうとするなんて私が許さないわよ」
あんな頭の悪そうな悲鳴を上げておいて、思ったより思考はまともな方だわ。
「わ、わかってるわよ。別に酒の肴にしようだなんて考えてないから」
いや、絶対考えてたでしょ、貴方。
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