悪役令嬢の番犬~かつて悪役令嬢の取り巻きだった私は敵になってでも彼女を救ってみせる~

うにたん

文字の大きさ
31 / 40
3章 6歳

第二十九話:グランドホーン戦、決着!

しおりを挟む
 ルーシィはチェスカの様子がおかしい事に気付いた様だ。
 
「チェスカ、どうしたの? もしかして、マルミーヌちゃんの今の状態の事に驚いてる感じ? 私、魔法とかに詳しくないからよく解ってないんだけどあれってすごい事なの?」

 チェスカはマルグリットの状態に見入っていたのか呆けており、ルーシィの問いかけに遅れて反応したようだった。
 
「え、あ、ごめん。マルミーヌちゃんの事だっけ? 私も色々魔法は勉強したけど、あんなの見たの生まれて初めてだよ。だからこれは推測でしか話が出来ないんだけど、多分身体強化の派生の類だと思う」

 チェスカがいつになく真面目に話をしているのを見てルーシィはその事に驚愕していた。
 
「え? 本当にチェスカ? 普段の無気力で適当なチェスカじゃない事に驚愕しているんだけど…… どうしちゃったの?」

 冗談ではなく本気で普段と様子の違うチェスカに心配しているようだったが、チェスカは意に介さず話を進める。
 
「私、魔法に関してだけはガチだから。話を戻すけど、さっきも言った通り身体強化の派生って言ったけど、もしかしたら武器に付与する魔法なのかもしれない」

 ルーシィはどうやらイメージが湧いていないみたいで頭を抱えている。
 
「ん?ちょっとまって、身体強化を武器に付与? それって武器が強化されるって理解であってる?」

「端的に言うとそんな感じ。マルミーヌちゃんって武器は持っていないから格闘術で戦ってるでしょ? だから両腕に付与しているんだと思う。仮に武器を別に持っていたとして両腕が燃え盛っているなんて可笑しな話でしょ?」

「確かに」

(それに身体強化に攻撃魔法の特性を持たせるなんて発想どこから来たんだろう…… 六歳の女の子が? 普通じゃないにも程がある。恩人だから余計な深入りはしない方がいいかと思ったけど、今後の事を考えるとやっぱり必要はありそう。あまり気が進まないけど、もしかしたら今後はもっと大事に巻き込まれるかもしれない。為にも)


◇ ◇ ◇ ◇ ◇ 


 グランドホーンは驚愕している。ただ、虫の息だったはずの獲物が立ち上がっただけじゃない。
 
 何かが違う。変わった? いや、そもそも先程まで倒れていた生物となのか? 今はそれ程に違いがある。
 
 今近寄るのは危険だ。本能的にそう判断したが、最早マルグリットはグランドホーンが戸惑っているのを意に介さない。
 
「どうしました? 先程と違って勢いが無くなったように見えますけど? 来ないならこちらから行きますよ」

 小細工は不要と判断したのか、真正面からグランドホーンに向かっていくマルグリット。
 
 グランドホーンは向かってくるマルグリットに対して頭を振り回して自慢の枝角で引き裂いてやろうとしたが、マルグリットは向かってくる角に燃え盛る拳で迎え撃つ。
 
 両者が激突し、グランドホーンは弾き飛ばされる。グランドホーンは今の状況を理解できていない。
 
 ありえない…… なんだ? 今の衝撃は? 相対しているのは自分から見て踏めば潰れてしまうような小さな存在のはずだ。

 グランドホーンの獣の本能でもマルグリットという存在を理解できていない。ただ、恐ろしい生物が目の前にいる。それだけだ。
 
「まさかとは思いますが、獣が考え事でも? スキだらけですよ」

 グランドホーンがマルグリットの存在に改めて気付いた時には既に目の前に、文字通り目の前にいたのだ。それと同時に衝撃が顔面に走る。
 
 頭がクラクラする。足がガクガクする。自分が今どういう体勢になっているのか頭が回っていない。
 
 あの生物がどこにいるのかわからない。ならば……
 
 グランドホーンはマルグリットが恐らくいるであろう方向に向かって一度怯ませた咆哮で迎え撃つ事にした。
 
「ヴオ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛」

 咆哮がマルグリットに直撃した。
 
 ……しかし、マルグリットは平然としている。
 
「あの時の私には『覚悟』が足りていなかった。しかし、今の私は守るべきものを必ず守る『覚悟』がある。そんなもの、私には通用しない」

 その様子をようやく目の当たりにしたグランドホーンは完全にマルグリットに怯えていた。
 
 怖い、怖い、怖い、怖い、怖い、怖い、怖い、怖い、怖い、怖い、怖い、怖い、怖い、怖い、怖い、怖い、怖い、怖い
 
 グランドホーンはマルグリットに背を向けて走り出した。
 
 森の奥に、少しでも遠くに、あの怪物から遠ざからないと……
 
 どれだけ走ったのかわかっていない。足を震わせながら必死に走った。
 
 震えた足に限界が来たのか、グランドホーンは躓いてしまった。
 
 足を痛めたのか、立ち上がる事ができない。
 
 その時、背後から声が聞こえた。
 
「すみませんが、逃がすつもりはないんです。まあ、あなたも獣の本能で必死に生きていただけなんでしょうけど…… 私ね、決めたんです。私の『守る』べきものに対して牙を向けたものに一切の容赦はしないと。慈悲の心は持たないと。だから、これで終わりにします。ハァッ!」

 マルグリットは限界まで跳躍した。立っていた時のグランドホーンよりも高く飛び狙いを見据えていた。
 
『魔力変質錬成』

『纒・紅焔』マトイ・コウエン

『流星落!!!』

 マルグリットの両脚が腕と同様に燃え盛り、まるで燃え盛り落ちてくる隕石の様な勢いでグランドホーンの後頭部の首筋に直撃した。
 
 首の骨が折れ、グランドホーンは絶命した。
 
「ハァ…… ハァ…… やっと終わった。……あたっ! いたたたた…… 身体に相当負荷掛かっちゃたかー。いったー」

 『纒』を使った影響か両腕と両脚を震わせて立っていられない状態になったのか、地べたに座り込んでしまった。
 
 マルグリットがどうしたもんかと悩んでいると、遠くからルーシィとチェスカが走って迎えに来てくれた。
 
「なんかすっごい音が聞こえたから、居ても立っても居られなくて追いかけて来たんだけど、やっぱりマルミーヌちゃんだったんだ。グランドホーンがピクリともしてないって事は倒したって事でいいんだよね。」

「はい、なんとか倒せました。 ……あの、申し訳ないのですが、回復薬なんてあったら分けてもらえませんか?身体に負荷が掛かり過ぎてダメージが大きくて立てなくて」

 マルグリットは座りながらも腕と脚を震わせている。その痛ましい光景を見たチェスカがバッグを漁っている。

「いいのあるよ。『中級回復薬』ミドルポーションを念の為に持っておいたんだよ。前に助けてもらった時みたいに万が一死にかける可能性を考慮してね」

 チェスカが『えへん』と胸を張っているが、マルグリットは『どうせなら死なない様な立ち回りをして欲しいです』と言わんばかりに苦笑している。
 
「いいんですか? これ、高くなかったですか?」

 マルグリットは申し訳なさそうにしてるが、ルーシィは首を横に振っている。
 
「何の問題もないよ。これって元々マルミーヌちゃんに譲ってもらったハイオークの素材を売ったお金で購入したものだもん。本人に返すだけの話だよ」

「ハイオーク……? もしかして、初めて会った時のオークがそれですか? ただのオークだと思ってました」

 二人もただのオークだと勘違いしていたのだ。何しろ、六歳の女の子があっさりとぶちのめしてしまったのだから。その結果、エミリアに根掘り葉掘り聞かれていたことを思い出していた。
 
「ああああああああああ、エミリアさんで思い出した。ごめん、マルミーヌちゃん。あの後、ハイオークを倒した話の過程でマルミーヌちゃんの事で口を滑らせてしまいました…… でも、名前は出してないから!」

 怒られる子供の言い訳かと思ったが、何れは冒険者ギルドに行くんだし、いいかと考えていた。本名さえバレない様にすれば本人的には問題なかったのだ。
 
「大丈夫です。想定内ですから。でもどうしましょう。それ以上にグランドホーンについては隠すの難しくないですか? お二人は元々ギルドの監視員として来てたはずなのに……」

 二人の顔面から血の気が引いていく。どうやらその事をすっかり忘れていたようで、二人でアワアワしている。少なくとも説明責任はあるようだった。
 
「ど、ど、ど、どうする? チェスカ、流石に今回は誤魔化せる気がしないんだけども?」

「うーん、何とかなるかもしれない」

 まさかのチェスカからの回答にルーシィが驚愕している。
 
「ア、アンタ何考えてるの? 本当に大丈夫なの?」

 ルーシィは滅茶苦茶不安そうにしているが、チェスカは自身満々そうに胸を張っている。
 
「うん、少なくともグランドホーンにマルミーヌちゃんが関わった事は隠し通せると思うよ」

 ルーシィがその時のチェスカの様子に何か言いたげだったが、口を閉ざした。

「では、チェスカさんにお願いしますね。あと、少年のお姉さんが心配していたので早めに送って上げたいんですよ」

 マルグリットの言葉にルーシィとチェスカが反応した。どうやら、少年の事をすっかり忘れていたようだった。
 
「ヤッバ! 眠っている少年をほったらかしにしてここに来ちゃったよ。」

 マルグリットも回復薬を飲んだおかげで立てるようになっていた。腕と脚の状態を確認して、問題なく走れそうなくらいまで回復していることを確認した。
 
「よし、私ももう動けそうなので、少年を迎えに行きましょう。あと、少年がグランドホーンの角を欲しがっていたので少し持っていきたいのですけど」

「さっきマルミーヌちゃんとグランドホーンが激突した時に角の破片が足元に飛んできたから確保しておいたんだよ。それを少年に渡そう」

「では行きましょう」

 三人はグランドホーンに背を向けて少年の元へ走っていった。その光景を目撃していた一人の人物がいた。
 
 その人物はギリギリ目視で確認できるかという遠いところから一部始終を目撃していた。
 
 姿がバレない様にグリーンとブラウンの擬態するようなマントを羽織っており、三人が遠ざかっていくのを確認すると、ため息をついていた。
 
「はぁ…… あの少女は僕の見立て以上の化物だったか…… 報告するの嫌だなあ。見たこともない魔法を使うし、これ信じてくれるのかな。やっぱりシェリーに担当変わってほしい…… それにしてもまさか化物少女とが知り合いとはね。今度接触してみるか」

 マントを羽織った人物は肩を落としながらトボトボと森を出て行った。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。

主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します

白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。 あなたは【真実の愛】を信じますか? そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。 だって・・・そうでしょ? ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!? それだけではない。 何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!! 私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。 それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。 しかも! ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!! マジかーーーっ!!! 前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!! 思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。 世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。

【完結】政略婚約された令嬢ですが、記録と魔法で頑張って、現世と違って人生好転させます

なみゆき
ファンタジー
典子、アラフィフ独身女性。 結婚も恋愛も経験せず、気づけば父の介護と職場の理不尽に追われる日々。 兄姉からは、都合よく扱われ、父からは暴言を浴びせられ、職場では責任を押しつけられる。 人生のほとんどを“搾取される側”として生きてきた。 過労で倒れた彼女が目を覚ますと、そこは異世界。 7歳の伯爵令嬢セレナとして転生していた。 前世の記憶を持つ彼女は、今度こそ“誰かの犠牲”ではなく、“誰かの支え”として生きることを決意する。 魔法と貴族社会が息づくこの世界で、セレナは前世の知識を活かし、友人達と交流を深める。 そこに割り込む怪しい聖女ー語彙力もなく、ワンパターンの行動なのに攻略対象ぽい人たちは次々と籠絡されていく。 これはシナリオなのかバグなのか? その原因を突き止めるため、全ての証拠を記録し始めた。 【☆応援やブクマありがとうございます☆大変励みになりますm(_ _)m】

【完結】辺境に飛ばされた子爵令嬢、前世の経営知識で大商会を作ったら王都がひれ伏したし、隣国のハイスペ王子とも結婚できました

いっぺいちゃん
ファンタジー
婚約破棄、そして辺境送り――。 子爵令嬢マリエールの運命は、結婚式直前に無惨にも断ち切られた。 「辺境の館で余生を送れ。もうお前は必要ない」 冷酷に告げた婚約者により、社交界から追放された彼女。 しかし、マリエールには秘密があった。 ――前世の彼女は、一流企業で辣腕を振るった経営コンサルタント。 未開拓の農産物、眠る鉱山資源、誠実で働き者の人々。 「必要ない」と切り捨てられた辺境には、未来を切り拓く力があった。 物流網を整え、作物をブランド化し、やがて「大商会」を設立! 数年で辺境は“商業帝国”と呼ばれるまでに発展していく。 さらに隣国の完璧王子から熱烈な求婚を受け、愛も手に入れるマリエール。 一方で、税収激減に苦しむ王都は彼女に救いを求めて―― 「必要ないとおっしゃったのは、そちらでしょう?」 これは、追放令嬢が“経営知識”で国を動かし、 ざまぁと恋と繁栄を手に入れる逆転サクセスストーリー! ※表紙のイラストは画像生成AIによって作られたものです。

一家処刑?!まっぴらごめんですわ!!~悪役令嬢(予定)の娘といじわる(予定)な継母と馬鹿(現在進行形)な夫

むぎてん
ファンタジー
夫が隠し子のチェルシーを引き取った日。「お花畑のチェルシー」という前世で読んだ小説の中に転生していると気付いた妻マーサ。 この物語、主人公のチェルシーは悪役令嬢だ。 最後は華麗な「ざまあ」の末に一家全員の処刑で幕を閉じるバッドエンド‥‥‥なんて、まっぴら御免ですわ!絶対に阻止して幸せになって見せましょう!! 悪役令嬢(予定)の娘と、意地悪(予定)な継母と、馬鹿(現在進行形)な夫。3人の登場人物がそれぞれの愛の形、家族の形を確認し幸せになるお話です。

転生したら悪役令嬢になりかけてました!〜まだ5歳だからやり直せる!〜

具なっしー
恋愛
5歳のベアトリーチェは、苦いピーマンを食べて気絶した拍子に、 前世の記憶を取り戻す。 前世は日本の女子学生。 家でも学校でも「空気を読む」ことばかりで、誰にも本音を言えず、 息苦しい毎日を過ごしていた。 ただ、本を読んでいるときだけは心が自由になれた――。 転生したこの世界は、女性が希少で、男性しか魔法を使えない世界。 女性は「守られるだけの存在」とされ、社会の中で特別に甘やかされている。 だがそのせいで、女性たちはみな我儘で傲慢になり、 横暴さを誇るのが「普通」だった。 けれどベアトリーチェは違う。 前世で身につけた「空気を読む力」と、 本を愛する静かな心を持っていた。 そんな彼女には二人の婚約者がいる。 ――父違いの、血を分けた兄たち。 彼らは溺愛どころではなく、 「彼女のためなら国を滅ぼしても構わない」とまで思っている危険な兄たちだった。 ベアトリーチェは戸惑いながらも、 この異世界で「ただ愛されるだけの人生」を歩んでいくことになる。 ※表紙はAI画像です

【完結】追放された子爵令嬢は実力で這い上がる〜家に帰ってこい?いえ、そんなのお断りです〜

Nekoyama
ファンタジー
魔法が優れた強い者が家督を継ぐ。そんな実力主義の子爵家の養女に入って4年、マリーナは魔法もマナーも勉学も頑張り、貴族令嬢にふさわしい教養を身に付けた。来年に魔法学園への入学をひかえ、期待に胸を膨らませていた矢先、家を追放されてしまう。放り出されたマリーナは怒りを胸に立ち上がり、幸せを掴んでいく。

修道女エンドの悪役令嬢が実は聖女だったわけですが今更助けてなんて言わないですよね

星井ゆの花(星里有乃)
恋愛
『お久しぶりですわ、バッカス王太子。ルイーゼの名は捨てて今は洗礼名のセシリアで暮らしております。そちらには聖女ミカエラさんがいるのだから、私がいなくても安心ね。ご機嫌よう……』 悪役令嬢ルイーゼは聖女ミカエラへの嫌がらせという濡れ衣を着せられて、辺境の修道院へ追放されてしまう。2年後、魔族の襲撃により王都はピンチに陥り、真の聖女はミカエラではなくルイーゼだったことが判明する。 地母神との誓いにより祖国の土地だけは踏めないルイーゼに、今更助けを求めることは不可能。さらに、ルイーゼには別の国の王子から求婚話が来ていて……? * この作品は、アルファポリスさんと小説家になろうさんに投稿しています。 * 2025年12月06日、番外編の投稿開始しました。

処理中です...