13 / 14
裏切り者の末路と、隣国での幸せ
聖アデール貴族学園の卒業式が行われる頃、かつてその中にいた二人の男女の姿は、社交界の名簿から跡形もなく消え去っていた。
ランバート伯爵家への詐欺未遂、そしてステファン・ローウェル伯爵への不貞。重なる不祥事の末、ローウェル子爵家とダルトン男爵家は、家名を存続させる代償として、問題を起こした当事者たちを「公式に死亡した」ものとして籍から抜き、爵位の返上、あるいは莫大な罰金の支払いに追われることとなった。
港町の片隅、潮風に錆びついた安宿の一室。
マーガレット・ダルトン――いや、今はただの「マーガレット」となった女は、鏡の前で自分の顔を忌々しげに睨んでいた。
彼女を買い取ったのは、六十を過ぎた強欲な老商人だった。ステファンへの慰謝料を肩代わりする条件で、彼女はその老人の「囲い者」となったのだ。
「……なんで私が、こんな脂ぎった老いぼれの相手をしなきゃいけないのよ。あんなに私を欲しがっていたステファン様やジャスティンはどこへ行ったの?」
絹のドレスは安物の綿に変わり、輝いていた瞳は不満と猜疑心で濁りきっている。彼女は毎日のように老商人に文句を並べ立て、贅沢を強請ったが、返ってくるのは冷たい嘲笑と、逃げ出さないための監視の目だけだった。
そんな彼女が目をつけたのは、商人の屋敷に出入りする、うら若き庭師見習いの青年だった。
「ねえ、貴方。私をここから連れ出して。貴方のような逞しい人なら、私を幸せにできるはずだわ」
マーガレットは、かつてジャスティンを誘惑した時と同じ、甘ったるい声で純朴そうな青年に縋り付いた。
数日後、彼女は商人の金目の物をいくつか持ち出し、その青年と共に夜逃げ同然に出奔した。だが、彼女は気づいていなかった。その青年が愛したのは彼女自身ではなく、彼女が抱えていた小袋の中の金貨だけだったということに。
数ヶ月後、隣領の宿場町で一文無しになり、青年に逃げられたマーガレットが、泥にまみれた足でどこへ向かったのかを知る者は、もう誰もいなかった。
一方、ジャスティン・ローウェルの末路は、ある意味でさらに過酷なものだった。
彼は実家を放逐され、一介の平民として、王都から遠く離れた開拓地の農村へと送られた。かつてマーガレットを抱きとめたその白い手は、今や土に汚れ、豆が潰れ、硬い皮に覆われている。
「……っ、はあ、はあ……」
重い鍬を振り下ろすたびに、全身の筋肉が悲鳴を上げる。
かつての自分なら、こんな屈辱には耐えられず、すぐに投げ出していただろう。だが、彼には逃げる場所も、縋る相手もいなかった。
ある夜、ジャスティンは月明かりの下で、ボロボロになった自分の手を見つめながら、涙を流した。
(……僕は、何をしていたんだ)
脳裏に浮かぶのは、マーガレットと密会していた淫らな時間ではない。
図書塔で、純粋に知識を追い求めていたティファニーの、あの凛とした横顔。自分を信じ、異国の地から愛を綴ってくれた、あの一途な手紙。
「……申し訳ありませんでした。父上、母上、兄上。そして、ティファニー」
彼は、実家の家族へ宛てて、届くはずのない謝罪の手紙を書いた。
自分の野心が、自分たちの恋を、そして家格すらも壊してしまったことへの、遅すぎる後悔。
彼はそれから、何かに取り憑かれたように真面目に働き始めた。
贅沢を知っていた身体には、質素なパンと水が喉を焼くほどに苦かったが、それが自分の犯した罪への、せめてもの贖罪であると自分に言い聞かせ続けた。
彼が、かつて見下していた平民と同じ泥にまみれて生きることで、ようやく「人間」としての実感を掴み始めたのは、それから数年後のことだった。
そして、隣国ルミナリア。パトリオ公爵領の王立アカデミーに隣接する、美しい庭園を望む邸宅。
「――ティファニー。あまり根を詰めすぎないで。今日は、陛下を招いての晩餐会があるのからね」
背後から声をかけ、ティファニーの肩に薄手のショールをかけたのは、エリオットだった。
パトリオ公爵家次男としてではなく、今やルミナリアの政財界を支える「リッチモ伯爵」として、彼はかつてないほどの輝きを放っている。
「ええ、わかっているわ、エリオット様。ただ、この魔導政治の論文を、どうしても今日中にまとめておきたくて。ジュリエットにも、参考に送ってあげたいの」
ティファニーは筆を置き、夫となったエリオットに最高の微笑みを向けた。
彼女の瞳には、かつての「世間知らずな伯爵令嬢」の影はない。
隣国の文化を吸収し、エリオットの良きパートナーとして、そして一人の優れた学者として、彼女はルミナリアの社交界で「東方の至宝」と謳われる存在になっていた。
「ジュリエット嬢か。……ピーター殿と共に、ランバート伯爵領を立派に運営しているようだよ。先日の報告では、ジャスティンの実家が手放した利権も、すべて彼女が吸収して、領民の雇用に充てたそうだ」
「まあ。あの子なら、そうすると思っていたわ。私の自慢の妹よ」
ティファニーは、窓の外に広がるルミナリアの街並みを見つめた。
ここには、自分を陥れようとする者も、地位を狙って擦り寄る卑屈な男もいない。ただ、互いの才能を認め合い、高め合える真実の伴侶と、誇り高い生活がある。
「ティファニー。君をこの国に連れてきて、本当に良かった。君が隣にいてくれるだけで、私の世界はこれほどまでに色鮮やかになったのだから」
エリオットが彼女の額に優しく口づける。
ティファニーは、その温もりに身を委ねながら、静かに目を閉じた。
かつて、学食で「お弁当を忘れた」という些細な出来事から始まった、友情と裏切りの物語。
その泥濘をくぐり抜けた先にあったのは、偽りのない、真実の幸福だった。
「私も、エリオット様に出会えて幸せよ。……あの日、図書塔で恋に落ちた『あの人』ではなく、私の真実の姿を見てくれた貴方に」
晩餐会の幕が開く。
煌びやかなシャンデリアの下、エリオットに手を取られ、ティファニーは女王のような気品を持って歩き出した。
彼女の未来は、もう二度と、何者にも汚されることはない。
ハッピーエンド
__________
エール📣いいね❤️お気に入り⭐️応援よろしくお願いします🙇♀️
📢新連載🌹【夜の庭園で出会った毒舌暴君は、昼下がりの隠れ家カフェの店主でした】
ランバート伯爵家への詐欺未遂、そしてステファン・ローウェル伯爵への不貞。重なる不祥事の末、ローウェル子爵家とダルトン男爵家は、家名を存続させる代償として、問題を起こした当事者たちを「公式に死亡した」ものとして籍から抜き、爵位の返上、あるいは莫大な罰金の支払いに追われることとなった。
港町の片隅、潮風に錆びついた安宿の一室。
マーガレット・ダルトン――いや、今はただの「マーガレット」となった女は、鏡の前で自分の顔を忌々しげに睨んでいた。
彼女を買い取ったのは、六十を過ぎた強欲な老商人だった。ステファンへの慰謝料を肩代わりする条件で、彼女はその老人の「囲い者」となったのだ。
「……なんで私が、こんな脂ぎった老いぼれの相手をしなきゃいけないのよ。あんなに私を欲しがっていたステファン様やジャスティンはどこへ行ったの?」
絹のドレスは安物の綿に変わり、輝いていた瞳は不満と猜疑心で濁りきっている。彼女は毎日のように老商人に文句を並べ立て、贅沢を強請ったが、返ってくるのは冷たい嘲笑と、逃げ出さないための監視の目だけだった。
そんな彼女が目をつけたのは、商人の屋敷に出入りする、うら若き庭師見習いの青年だった。
「ねえ、貴方。私をここから連れ出して。貴方のような逞しい人なら、私を幸せにできるはずだわ」
マーガレットは、かつてジャスティンを誘惑した時と同じ、甘ったるい声で純朴そうな青年に縋り付いた。
数日後、彼女は商人の金目の物をいくつか持ち出し、その青年と共に夜逃げ同然に出奔した。だが、彼女は気づいていなかった。その青年が愛したのは彼女自身ではなく、彼女が抱えていた小袋の中の金貨だけだったということに。
数ヶ月後、隣領の宿場町で一文無しになり、青年に逃げられたマーガレットが、泥にまみれた足でどこへ向かったのかを知る者は、もう誰もいなかった。
一方、ジャスティン・ローウェルの末路は、ある意味でさらに過酷なものだった。
彼は実家を放逐され、一介の平民として、王都から遠く離れた開拓地の農村へと送られた。かつてマーガレットを抱きとめたその白い手は、今や土に汚れ、豆が潰れ、硬い皮に覆われている。
「……っ、はあ、はあ……」
重い鍬を振り下ろすたびに、全身の筋肉が悲鳴を上げる。
かつての自分なら、こんな屈辱には耐えられず、すぐに投げ出していただろう。だが、彼には逃げる場所も、縋る相手もいなかった。
ある夜、ジャスティンは月明かりの下で、ボロボロになった自分の手を見つめながら、涙を流した。
(……僕は、何をしていたんだ)
脳裏に浮かぶのは、マーガレットと密会していた淫らな時間ではない。
図書塔で、純粋に知識を追い求めていたティファニーの、あの凛とした横顔。自分を信じ、異国の地から愛を綴ってくれた、あの一途な手紙。
「……申し訳ありませんでした。父上、母上、兄上。そして、ティファニー」
彼は、実家の家族へ宛てて、届くはずのない謝罪の手紙を書いた。
自分の野心が、自分たちの恋を、そして家格すらも壊してしまったことへの、遅すぎる後悔。
彼はそれから、何かに取り憑かれたように真面目に働き始めた。
贅沢を知っていた身体には、質素なパンと水が喉を焼くほどに苦かったが、それが自分の犯した罪への、せめてもの贖罪であると自分に言い聞かせ続けた。
彼が、かつて見下していた平民と同じ泥にまみれて生きることで、ようやく「人間」としての実感を掴み始めたのは、それから数年後のことだった。
そして、隣国ルミナリア。パトリオ公爵領の王立アカデミーに隣接する、美しい庭園を望む邸宅。
「――ティファニー。あまり根を詰めすぎないで。今日は、陛下を招いての晩餐会があるのからね」
背後から声をかけ、ティファニーの肩に薄手のショールをかけたのは、エリオットだった。
パトリオ公爵家次男としてではなく、今やルミナリアの政財界を支える「リッチモ伯爵」として、彼はかつてないほどの輝きを放っている。
「ええ、わかっているわ、エリオット様。ただ、この魔導政治の論文を、どうしても今日中にまとめておきたくて。ジュリエットにも、参考に送ってあげたいの」
ティファニーは筆を置き、夫となったエリオットに最高の微笑みを向けた。
彼女の瞳には、かつての「世間知らずな伯爵令嬢」の影はない。
隣国の文化を吸収し、エリオットの良きパートナーとして、そして一人の優れた学者として、彼女はルミナリアの社交界で「東方の至宝」と謳われる存在になっていた。
「ジュリエット嬢か。……ピーター殿と共に、ランバート伯爵領を立派に運営しているようだよ。先日の報告では、ジャスティンの実家が手放した利権も、すべて彼女が吸収して、領民の雇用に充てたそうだ」
「まあ。あの子なら、そうすると思っていたわ。私の自慢の妹よ」
ティファニーは、窓の外に広がるルミナリアの街並みを見つめた。
ここには、自分を陥れようとする者も、地位を狙って擦り寄る卑屈な男もいない。ただ、互いの才能を認め合い、高め合える真実の伴侶と、誇り高い生活がある。
「ティファニー。君をこの国に連れてきて、本当に良かった。君が隣にいてくれるだけで、私の世界はこれほどまでに色鮮やかになったのだから」
エリオットが彼女の額に優しく口づける。
ティファニーは、その温もりに身を委ねながら、静かに目を閉じた。
かつて、学食で「お弁当を忘れた」という些細な出来事から始まった、友情と裏切りの物語。
その泥濘をくぐり抜けた先にあったのは、偽りのない、真実の幸福だった。
「私も、エリオット様に出会えて幸せよ。……あの日、図書塔で恋に落ちた『あの人』ではなく、私の真実の姿を見てくれた貴方に」
晩餐会の幕が開く。
煌びやかなシャンデリアの下、エリオットに手を取られ、ティファニーは女王のような気品を持って歩き出した。
彼女の未来は、もう二度と、何者にも汚されることはない。
ハッピーエンド
__________
エール📣いいね❤️お気に入り⭐️応援よろしくお願いします🙇♀️
📢新連載🌹【夜の庭園で出会った毒舌暴君は、昼下がりの隠れ家カフェの店主でした】
あなたにおすすめの小説
離婚する両親のどちらと暮らすか……娘が選んだのは夫の方だった。
しゃーりん
恋愛
夫の愛人に子供ができた。夫は私と離婚して愛人と再婚したいという。
私たち夫婦には娘が1人。
愛人との再婚に娘は邪魔になるかもしれないと思い、自分と一緒に連れ出すつもりだった。
だけど娘が選んだのは夫の方だった。
失意のまま実家に戻り、再婚した私が数年後に耳にしたのは、娘が冷遇されているのではないかという話。
事実ならば娘を引き取りたいと思い、元夫の家を訪れた。
再び娘が選ぶのは父か母か?というお話です。
妹だけいれば、婚約者の私の事なんてどうでもいいと言われました
睡蓮
恋愛
フォルトガ第一王子はサテラとの婚約関係を有していながら、何をするにも自身の妹であるセララの事ばかりを優先していた。ある日の事、セララによってそそのかされたフォルトガはセララの頼みを聞くがままにサテラの事を婚約破棄、追放してしまう。しかし実はセララはフォルトガの事は何とも思っておらず、王宮騎士であるノーグの事が好きで、彼に近づくために婚約破棄を演出したに過ぎなかった。しかし当のノーグが好きなのはセララではなくサテラの方であり…。
七年目の裏切り 〜赴任先の夫から届く愛の手紙は、愛人の代筆でした〜
恋せよ恋
恋愛
「君は僕の最愛だ。もう二度と、君を危険に晒したくない」
命懸けの出産後、涙を流して私を抱きしめた夫ジュリアン。
その言葉通り、彼は「私を大切にするため」に夜の営みを断った。
私は、女としての寂しさを「愛されている誇り」に変え、
隣国へ赴任した夫を信じて二人の子供と家を守り続けていた。
毎週届く、情熱的な愛の手紙。タイプライターで綴られた
その愛の言葉を、私は宝物のように抱きしめていた。
……しかし、その手紙は「裏切り」だった。
夫が異国の地で、愛人と肌を重ねながら綴らせていた「偽りの愛」。
身分を隠して夫の赴任先の隣国へと向かった私が見たのは……。
果たして、貞淑な妻・メラニアが選んだ結論は……。
子供たちのため結婚生活の継続か、それとも……。
🔶登場人物・設定は筆者の創作によるものです。
🔶不快に感じられる表現がありましたらお詫び申し上げます。
🔶誤字脱字・文の調整は、投稿後にも随時行います。
🔶今後もこの世界観で物語を続けてまいります。
🔶 『エール📣』『いいね❤️』励みになります!
「君は有能すぎて可愛げがない」と婚約破棄されたので、一晩で全ての魔法結界を撤去して隣国へ行きます。あ、維持マニュアルは燃やしました。
しょくぱん
恋愛
「君の完璧主義には反吐が出る」――婚約者の第一王子にそう告げられ、国外追放を命じられた聖女エルゼ。彼女は微笑み、一晩で国中の魔法結界を撤去。さらに「素人でも直せる」と嘘を吐かれた維持マニュアルを全て焼却処分した。守護を失いパニックに陥る母国を背に、彼女は隣国の軍事帝国へ。そこでは、彼女の「可愛くない」技術を渇望する皇帝が待っていた。
私を裏切った不倫夫に「どなたですか?」と微笑むまで 〜没落令嬢の復讐劇〜
恋せよ恋
恋愛
「早くあんな女と別れて、可愛い子と一緒になりたいよ」
不倫中の夫が笑う声を聞き、絶望の中で事故に遭うジェシカ。
結婚五年目に授かったお腹の子を失った彼女は、
「記憶を失ったフリ」で夫と地獄の婚家を捨てることを決意。
元男爵令嬢の薄幸ヒロインは、修道院で静かに時を過ごす。
独り身領主の三歳の男の子に懐かれ、なぜか領主まで登場!
無実の罪をなすりつけ、私を使い潰した報いを受けなさい。
記憶喪失を装った没落令嬢による、「ざまぁ」が幕を開ける!
※本作品には、馬車事故による流産の描写が含まれます。
苦手な方はご注意ください。主人公が絶対に幸せになる
物語ですので、安心してお読みいただければ幸いです。
🔶登場人物・設定は筆者の創作によるものです。
🔶不快に感じられる表現がありましたらお詫び申し上げます。
🔶誤字脱字・文の調整は、投稿後にも随時行います。
🔶今後もこの世界観で物語を続けてまいります。
🔶 『エール📣』『いいね❤️』励みになります!
あなたが見放されたのは私のせいではありませんよ?
しゃーりん
恋愛
アヴリルは2年前、王太子殿下から婚約破棄を命じられた。
そして今日、第一王子殿下から離婚を命じられた。
第一王子殿下は、2年前に婚約破棄を命じた男でもある。そしてアヴリルの夫ではない。
周りは呆れて失笑。理由を聞いて爆笑。巻き込まれたアヴリルはため息といったお話です。
片思いの貴方に何度も告白したけど断られ続けてきた
アリス
恋愛
幼馴染で学生の頃から、ずっと好きだった人。
高校生くらいから何十回も告白した。
全て「好きなの」
「ごめん、断る」
その繰り返しだった。
だけど彼は優しいから、時々、ご飯を食べに行ったり、デートはしてくれる。
紛らわしいと思う。
彼に好きな人がいるわけではない。
まだそれなら諦めがつく。
彼はカイル=クレシア23歳
イケメンでモテる。
私はアリア=ナターシャ20歳
普通で人には可愛い方だと言われた。
そんなある日
私が20歳になった時だった。
両親が見合い話を持ってきた。
最後の告白をしようと思った。
ダメなら見合いをすると言った。
その見合い相手に溺愛される。
結婚初夜、「何故彼女が死んでお前が生きているんだ」と夫に言われました
ましゅぺちーの
恋愛
侯爵令嬢のアリサは婚約者だった王太子テオドールと結婚した。
ちょうどその半年前、アリサの腹違いの妹のシアは不慮の事故で帰らぬ人となっていた。
王太子が婚約者の妹のシアを愛していたのは周知の事実だった。
そんな彼は、結婚初夜、アリサに冷たく言い放った。
「何故彼女が死んでお前が生きているんだ」と。