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ドレスの下の秘密
ハワード公爵邸の北側に位置する一室は、日当たりが悪く、昼間でもどこか冷ややかで重苦しい空気が漂っている。そこはエリザベスの「教育室」であり、彼女にとっての監獄だった。
「……やり直しです、エリザベス様」
低く、粘りつくような声が静寂を切り裂く。
教育係のカトリーヌ・シシリー子爵夫人は、手にした細い皮の鞭で、自身の掌を軽く叩いた。ペチ、ペチという乾いた音が、エリザベスの鼓動を激しく打ち鳴らす。
「ハワード公爵家の令嬢ともあろう方が、先程の歩法……わずかに右足が外側に流れていましたわ。それは『成金』の歩き方です。私が教えたのは、雲の上を歩くような高貴な所作のはずですが?」
「……申し訳ございません、カトリーヌ先生。もう一度、お願いいたします」
エリザベスは感情を押し殺して頭を下げた。
彼女の脚は、すでに限界を迎えていた。ふくらはぎには、数日前に受けた指導の「名残」が赤黒い筋となって残っている。歩くたびに、硬い靴の縁がその傷に当たり、火で炙られるような痛みが走るのだ。
「口答えだけは一人前ですこと。……その弛んだ根性を叩き直さなければ、将来、ハリントン公爵家に恥をかかせることになりますわ。さあ、壁に向かって立ちなさい」
エリザベスは、言われるがままに冷たい石壁へと向いた。
カトリーヌが背後のファスナーに手をかける。高級なシルクのドレスが、はらりと肩から滑り落ちた。下着姿になったエリザベスの白い背中には、まるで地図の等高線のように、無数の新しい傷と古い傷跡が重なり合っていた。
ハワード公爵家の人間は、誰もこの光景を知らない。
カトリーヌは巧妙だった。傷は常に、ドレスで隠れる背中や太もも、ふくらはぎに集中させていたからだ。顔や腕といった「見える場所」には、決して手を出さない。
「エドワード様が、最近は男爵令嬢とお会いになっているとか。……可哀想に。お嬢様がそんなに木石のように冷たく、魅力がないから、あの方は外に癒やしを求めていらっしゃるのです。すべては貴女の至らなさが招いた結果なのですよ」
ヒュッ、と空気を切り裂く音がした。
直後、背中に灼熱の衝撃が走る。
「……っ!!」
エリザベスは奥歯を噛み締め、声を殺した。声を上げれば「淑女の品位に欠ける」として、倍の制裁が待っている。
痛みよりも、カトリーヌが吐き出す言葉の刃の方が、エリザベスの心を深く抉った。
(わたくしのせい……。わたくしが完璧でないから、エドワード様はわたくしを嫌い、お父様もお母様も、わたくしに笑いかけてくださらないの?)
幼い頃、あんなに大好きだった家族。
嫡男である兄のリチャードは、今は公爵家の次期当主として多忙を極め、たまに顔を合わせても「体調はどうだ」という形式的な言葉しか交わさない。
両親もまた、完璧に公務をこなし、非の打ち所のない「淑女の鑑」へと成長した娘に満足し、それ以上の関心を持とうとはしなかった。
「できて当然」。ハワード家に流れるその暗黙の了解が、エリザベスから助けを求める権利を奪っていた。もし、ここで自分が泣き言を言えば、両親を失望させ、兄の足を引っ張ることになる。
何より、カトリーヌは常にこう囁くのだ。
「これは、貴女を愛しているからこその厳しさなのです。ハワードの誇りを守るためなのですよ」
鞭が何度もしなり、エリザベスの意識は遠のいていく。
痛みはやがて麻痺し、ただ熱い感覚だけが支配する。彼女は、壁に描かれた紋章の模様を数えることで、現実から心を切り離した。
「……今日はこれくらいにしておきましょう。さあ、服を整えて。これからお母様とお茶の時間でしょう? 汚い顔を見せてはいけませんよ」
カトリーヌは何事もなかったかのように、冷たい指先でエリザベスの髪を整えた。
エリザベスは震える手でドレスを纏う。傷口に布地が触れるたび、意識が飛びそうになるが、彼女はそれを「完璧な微笑」の仮面の下に隠した。
数十分後、サロンに現れたエリザベスは、まさに「高潔な令嬢」そのものだった。
「お母様。本日も素晴らしいお天気ですわね」
向かいに座る公爵夫人は、娘の完璧な仕草を見て、満足げに頷いた。
「ええ、エリザベス。カトリーヌ夫人から、貴女の成績は素晴らしいと聞いているわ。ハワード家の娘として誇らしいこと。……少し痩せたかしら?」
「いいえ。教育が身について参りましたので、身が引き締まっただけですわ」
嘘だ。
痛みで食事が喉を通らないだけ。
夜、傷口が疼いて眠れないだけ。
そんな娘の悲鳴に、母は気づかない。
「そう。ハリントン公爵家との結婚も来年に迫っています。エドワード様をしっかり支えられるよう、より一層励みなさいね」
「……はい、お母様」
エリザベスは、カップを口に運んだ。温かいはずの紅茶が、今の彼女には酷く冷たく感じられた。
ドレスの下。そこには、誰にも見せることのできない絶望と、生々しい「教育」の痕跡が隠されている。
エリザベス・ハワードは、もう何年も自分のために笑ったことがなかった。
彼女はただ、家族の期待という名の重圧と、カトリーヌが植え付けた罪悪感の鎖に繋がれたまま、静かに壊れていくのを待っている。
その日の夜。
エリザベスは自室の鏡の前で、震える手で薬の瓶を握りしめていた。
ドレスを脱ぎ捨て、薄いシュミーズ一枚になった彼女の背中には、熱を持った腫れが幾筋も走っている。自分で薬を塗ろうと必死に手を回すが、どうしても届かない場所があった。指先が傷に触れるたび、火に焼かれるような激痛に視界が火花を散らす。
「……っ、……助けて……」
漏れ出た声はあまりに小さく、夜の静寂に吸い込まれて消えた。
本来、公爵令嬢である彼女には、身の回りを世話する専属の侍女が数名ついている。入浴や着替えの介助は彼女たちの仕事だ。普通ならば、最初のひと振りが背中に刻まれた時点で、異変は公爵夫妻の耳に届いていたはずだった。
しかし、今、エリザベスの入浴は浴室にて一人で行う。着替えの際も、侍女たちには「自分で行うから下がっていなさい」と冷たく言い放つ。エリザベスは、「侍女を遠ざける」という選択をとった。
侍女たちは、急に心を閉ざし、自分たちを拒絶するようになったエリザベスを悲しげな目で見つめていたが、それが彼女の必死の守りであるとは露ほども知らなかった。
孤独な暗闇の中で、傷だらけの体を抱きしめる。
鏡の中に映るのは、青い瞳から光を失った、美しいだけの亡霊だ。
彼女を救う光が、すぐ近くまで迫っていることなど、今のエリザベスには想像もできなかった。
___________
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「……やり直しです、エリザベス様」
低く、粘りつくような声が静寂を切り裂く。
教育係のカトリーヌ・シシリー子爵夫人は、手にした細い皮の鞭で、自身の掌を軽く叩いた。ペチ、ペチという乾いた音が、エリザベスの鼓動を激しく打ち鳴らす。
「ハワード公爵家の令嬢ともあろう方が、先程の歩法……わずかに右足が外側に流れていましたわ。それは『成金』の歩き方です。私が教えたのは、雲の上を歩くような高貴な所作のはずですが?」
「……申し訳ございません、カトリーヌ先生。もう一度、お願いいたします」
エリザベスは感情を押し殺して頭を下げた。
彼女の脚は、すでに限界を迎えていた。ふくらはぎには、数日前に受けた指導の「名残」が赤黒い筋となって残っている。歩くたびに、硬い靴の縁がその傷に当たり、火で炙られるような痛みが走るのだ。
「口答えだけは一人前ですこと。……その弛んだ根性を叩き直さなければ、将来、ハリントン公爵家に恥をかかせることになりますわ。さあ、壁に向かって立ちなさい」
エリザベスは、言われるがままに冷たい石壁へと向いた。
カトリーヌが背後のファスナーに手をかける。高級なシルクのドレスが、はらりと肩から滑り落ちた。下着姿になったエリザベスの白い背中には、まるで地図の等高線のように、無数の新しい傷と古い傷跡が重なり合っていた。
ハワード公爵家の人間は、誰もこの光景を知らない。
カトリーヌは巧妙だった。傷は常に、ドレスで隠れる背中や太もも、ふくらはぎに集中させていたからだ。顔や腕といった「見える場所」には、決して手を出さない。
「エドワード様が、最近は男爵令嬢とお会いになっているとか。……可哀想に。お嬢様がそんなに木石のように冷たく、魅力がないから、あの方は外に癒やしを求めていらっしゃるのです。すべては貴女の至らなさが招いた結果なのですよ」
ヒュッ、と空気を切り裂く音がした。
直後、背中に灼熱の衝撃が走る。
「……っ!!」
エリザベスは奥歯を噛み締め、声を殺した。声を上げれば「淑女の品位に欠ける」として、倍の制裁が待っている。
痛みよりも、カトリーヌが吐き出す言葉の刃の方が、エリザベスの心を深く抉った。
(わたくしのせい……。わたくしが完璧でないから、エドワード様はわたくしを嫌い、お父様もお母様も、わたくしに笑いかけてくださらないの?)
幼い頃、あんなに大好きだった家族。
嫡男である兄のリチャードは、今は公爵家の次期当主として多忙を極め、たまに顔を合わせても「体調はどうだ」という形式的な言葉しか交わさない。
両親もまた、完璧に公務をこなし、非の打ち所のない「淑女の鑑」へと成長した娘に満足し、それ以上の関心を持とうとはしなかった。
「できて当然」。ハワード家に流れるその暗黙の了解が、エリザベスから助けを求める権利を奪っていた。もし、ここで自分が泣き言を言えば、両親を失望させ、兄の足を引っ張ることになる。
何より、カトリーヌは常にこう囁くのだ。
「これは、貴女を愛しているからこその厳しさなのです。ハワードの誇りを守るためなのですよ」
鞭が何度もしなり、エリザベスの意識は遠のいていく。
痛みはやがて麻痺し、ただ熱い感覚だけが支配する。彼女は、壁に描かれた紋章の模様を数えることで、現実から心を切り離した。
「……今日はこれくらいにしておきましょう。さあ、服を整えて。これからお母様とお茶の時間でしょう? 汚い顔を見せてはいけませんよ」
カトリーヌは何事もなかったかのように、冷たい指先でエリザベスの髪を整えた。
エリザベスは震える手でドレスを纏う。傷口に布地が触れるたび、意識が飛びそうになるが、彼女はそれを「完璧な微笑」の仮面の下に隠した。
数十分後、サロンに現れたエリザベスは、まさに「高潔な令嬢」そのものだった。
「お母様。本日も素晴らしいお天気ですわね」
向かいに座る公爵夫人は、娘の完璧な仕草を見て、満足げに頷いた。
「ええ、エリザベス。カトリーヌ夫人から、貴女の成績は素晴らしいと聞いているわ。ハワード家の娘として誇らしいこと。……少し痩せたかしら?」
「いいえ。教育が身について参りましたので、身が引き締まっただけですわ」
嘘だ。
痛みで食事が喉を通らないだけ。
夜、傷口が疼いて眠れないだけ。
そんな娘の悲鳴に、母は気づかない。
「そう。ハリントン公爵家との結婚も来年に迫っています。エドワード様をしっかり支えられるよう、より一層励みなさいね」
「……はい、お母様」
エリザベスは、カップを口に運んだ。温かいはずの紅茶が、今の彼女には酷く冷たく感じられた。
ドレスの下。そこには、誰にも見せることのできない絶望と、生々しい「教育」の痕跡が隠されている。
エリザベス・ハワードは、もう何年も自分のために笑ったことがなかった。
彼女はただ、家族の期待という名の重圧と、カトリーヌが植え付けた罪悪感の鎖に繋がれたまま、静かに壊れていくのを待っている。
その日の夜。
エリザベスは自室の鏡の前で、震える手で薬の瓶を握りしめていた。
ドレスを脱ぎ捨て、薄いシュミーズ一枚になった彼女の背中には、熱を持った腫れが幾筋も走っている。自分で薬を塗ろうと必死に手を回すが、どうしても届かない場所があった。指先が傷に触れるたび、火に焼かれるような激痛に視界が火花を散らす。
「……っ、……助けて……」
漏れ出た声はあまりに小さく、夜の静寂に吸い込まれて消えた。
本来、公爵令嬢である彼女には、身の回りを世話する専属の侍女が数名ついている。入浴や着替えの介助は彼女たちの仕事だ。普通ならば、最初のひと振りが背中に刻まれた時点で、異変は公爵夫妻の耳に届いていたはずだった。
しかし、今、エリザベスの入浴は浴室にて一人で行う。着替えの際も、侍女たちには「自分で行うから下がっていなさい」と冷たく言い放つ。エリザベスは、「侍女を遠ざける」という選択をとった。
侍女たちは、急に心を閉ざし、自分たちを拒絶するようになったエリザベスを悲しげな目で見つめていたが、それが彼女の必死の守りであるとは露ほども知らなかった。
孤独な暗闇の中で、傷だらけの体を抱きしめる。
鏡の中に映るのは、青い瞳から光を失った、美しいだけの亡霊だ。
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