4 / 13
義妹の宣戦布告
父と兄が動き出した数日後、私は再びライト侯爵邸へと招かれた。名目は「新しく入荷した茶葉を試す会」だったが、案内された東屋にいたのは、婚約者であるジェームズ様だけではなかった。
「あ、サブリナ様! いらっしゃいませ」
リリアン様が、ジェームズ様の隣で弾んだ声を出す。
今日の彼女は、十四歳にしては少々、いや、かなり露出の多いドレスを着ていた。鎖骨が大きく開き、薄い生地が体のラインを強調している。彼女は当然のようにジェームズ様の腕にしがみつき、その細い指を彼の掌に這わせていた。
「サブリナ、遅かったね。リリアンが待ちくたびれて、僕にずっと甘えていたんだよ」
ジェームズ様は困ったような、それでいて鼻の下を伸ばした締まりのない笑顔で私を迎えた。彼の指は、リリアン様のふくよかな頬を何度も何度も、慈しむように撫で回している。
「……お待たせいたしました、ジェームズ様。少々、馬車が混み合っておりまして」
私は努めて冷静に、淑女の微笑みを貼り付けた。
視界に入る二人の密着ぶりは、もはや「不適切」という言葉すら生ぬるい。リリアン様はジェームズ様の耳元で何事か囁き、クスクスと笑いながら彼の耳たぶに軽く触れた。ジェームズ様もそれを拒むことなく、むしろ自分から顔を寄せ、彼女の髪の香りを嗅いでいる。
——気持ち悪い。気持ち悪い。気持ち悪い……。
その五文字が、私の脳内を埋め尽くす。
そこへ、ライト侯爵家の当主であるマイケル様が通りかかった。私は救いを求めるような思いで彼に一礼したが、返ってきた言葉は絶望的なものだった。
「おお、やっているな。ジェームズ、リリアン。相変わらず仲睦まじいことで、見ていて微笑ましいよ。サブリナ嬢、彼らは本当の兄妹のように気が合うのだ。ライト侯爵家が温かい家庭であることを、君も喜んでくれるだろう?」
マイケル侯爵は、息子が婚約者の前で別の女、たとえ義妹でも……と、抱き合っている光景を、あろうことか「家庭の円満」として全肯定したのだ。この親にしてこの子あり。私の背筋に冷たいものが走った。
一方で、後妻であるパトリシア様だけは、複雑そうな表情で二人を見ていた。
「……リリアン。あまりお義兄様にベタベタしてはいけません。サブリナ様がお困りでしょう?」
「あら、お母様。お義兄様は『いいよ』って言ってくださっていますわ。ねえ、お義兄様?」
「ああ、パトリシア義母上。僕は一向に構いませんよ。リリアンは可愛い義妹ですからね」
ジェームズ様の言葉に、パトリシア様は深いため息をついた。
「……ジェームズ様、あなたは優しすぎますわ。ですが、節度というものが……」
「お母様ったら、古臭いですわ! 今は『新しい家族の形』が流行りなんですもの」
リリアン様は母親の言葉を鼻で笑い、さらにジェームズ様の胸元へ深く顔を埋めた。その様子を見ていたマイケル侯爵は「ははは、若いというのは良いことだ」と笑い飛ばし、パトリシア様を連れて邸内へ戻ってしまった。
この家は、芯から腐っている。
当主がこれを良しとしている以上、もはや外側からの注意など何の意味もなさない。
しばらくして、ジェームズ様が「あ、忘れていた。サブリナへのプレゼントを部屋に置いてきたんだ。リリアン、取ってきてくれないか?」と言い出した。
「ええ、喜んで! お義兄様のためですもの」
リリアン様は席を立ち、邸内へ戻るふりをして、庭の木陰で本を読んでいたヘンリー様に歩み寄った。
「ヘンリー、あなたもこっちへ来ればいいのに。一人で難しい顔をして、損をしているわよ」
リリアン様はヘンリー様の肩に手を置き、その顔を覗き込む。彼女の「全方位への媚び」は、血の繋がらないもう一人の義兄に対しても例外ではないらしい。
しかし、ヘンリー様はピクリとも表情を変えず、冷徹な声で言い放った。
「その汚い手で僕に触るな。……お前の甘ったるい匂いが移ると、反吐が出る」
「……! 相変わらず可愛くないわねっ!」
リリアン様は鼻を鳴らし、今度こそ邸内へ消えていった。ヘンリー様は不機嫌そうに本の頁をめくり、私と視線が合うと、わずかに申し訳なさそうな、痛ましいものを見るような目をしてから、深く会釈した。
戻って来たリリアンの手には小さな小箱が握られていた。
「昨日、リリアンと買い物に出たんだけど、彼女が君とお揃いの物を持ちたいと言ってね。義姉になる君と親しくなりたんだそうだ。可愛い義妹だろう」
ジェームズ様から渡された小箱の中には、小ぶりのガラス細工のイヤリングが入っていた。
( 金色のイヤリングなんて、金髪の私には似合わないでしょうにね……はあ)
「サブリナ様、少しお話しよろしいかしら?」
ジェームズ様が席を外した隙を突き、戻ってきたリリアン様が私を呼び出した。人気のない回廊の陰。先ほどまでの「無邪気な義妹」の仮面は、そこにはなかった。
「単刀直入に言うわ。お義兄様が本当に愛しているのは私よ。あなたはただの、ライト侯爵家という看板を維持するための『家格の飾り』に過ぎないの」
リリアン様は、翠色の瞳を傲慢に輝かせ、私を嘲笑った。
「見ての通り、お義兄様の心も体も私のもの。あなたが結婚したところで、お義兄様が夜を過ごすのは私の部屋だわ。嫌なら今のうちに逃げたらどうかしら? 伯爵家のお嬢様」
彼女は、私が怒り狂うか、泣き崩れるのを期待していたのだろう。
しかし、私の口から出たのは、自分でも驚くほど穏やかな溜息だった。
「……ハア。そうなのですね。お教えいただきありがとうございます、リリアン様」
「えっ……?」
「どうぞ、差し上げますわ。ジェームズ様も、ライト侯爵夫人の座も。あなたによくお似合いです」
怒り? 悲しみ? いいえ、そんなものは欠片もない。
あるのは、泥沼の中にいた自分が、ようやく清潔な場所へ這い上がれるという、圧倒的な清々しさだった。
「強がりはやめなさいよ! 悔しいんでしょう!」
「いいえ、リリアン様。心から感謝しているのです。あなたがそこまで彼に執着してくださるおかげで、私は何の未練もなく、この『気持ち悪い』関係を断ち切る決心がつきましたから」
リリアン様の顔が、驚愕と屈辱で赤く染まる。
私は彼女に背を向け、一歩踏み出した。証拠は十分に揃った。当主の黙認、義妹の増長、そして婚約者の壊滅的な倫理観。
これから始まるのは、私の絶望ではない。この不潔な楽園に住まう者たちへの、フォックス家による徹底的な「清掃」だ。
「さようなら、リリアン様。あなたの望み通り、お義兄様と末永く、その閉ざされた世界でお幸せに」
背後でリリアン様が何かを叫んでいたが、私の耳にはもう届かなかった。
私の心はすでに、この屋敷の重苦しい空気から解き放たれ、自由な空へと飛び立っていたのだから。
_________
エール📣いいね❤️お気に入り⭐️応援よろしくお願いします🙇♀️
📢✨新連載【いつか捨てられる日のために――浮気者の婚約者に、さよならの準備をしています】
「あ、サブリナ様! いらっしゃいませ」
リリアン様が、ジェームズ様の隣で弾んだ声を出す。
今日の彼女は、十四歳にしては少々、いや、かなり露出の多いドレスを着ていた。鎖骨が大きく開き、薄い生地が体のラインを強調している。彼女は当然のようにジェームズ様の腕にしがみつき、その細い指を彼の掌に這わせていた。
「サブリナ、遅かったね。リリアンが待ちくたびれて、僕にずっと甘えていたんだよ」
ジェームズ様は困ったような、それでいて鼻の下を伸ばした締まりのない笑顔で私を迎えた。彼の指は、リリアン様のふくよかな頬を何度も何度も、慈しむように撫で回している。
「……お待たせいたしました、ジェームズ様。少々、馬車が混み合っておりまして」
私は努めて冷静に、淑女の微笑みを貼り付けた。
視界に入る二人の密着ぶりは、もはや「不適切」という言葉すら生ぬるい。リリアン様はジェームズ様の耳元で何事か囁き、クスクスと笑いながら彼の耳たぶに軽く触れた。ジェームズ様もそれを拒むことなく、むしろ自分から顔を寄せ、彼女の髪の香りを嗅いでいる。
——気持ち悪い。気持ち悪い。気持ち悪い……。
その五文字が、私の脳内を埋め尽くす。
そこへ、ライト侯爵家の当主であるマイケル様が通りかかった。私は救いを求めるような思いで彼に一礼したが、返ってきた言葉は絶望的なものだった。
「おお、やっているな。ジェームズ、リリアン。相変わらず仲睦まじいことで、見ていて微笑ましいよ。サブリナ嬢、彼らは本当の兄妹のように気が合うのだ。ライト侯爵家が温かい家庭であることを、君も喜んでくれるだろう?」
マイケル侯爵は、息子が婚約者の前で別の女、たとえ義妹でも……と、抱き合っている光景を、あろうことか「家庭の円満」として全肯定したのだ。この親にしてこの子あり。私の背筋に冷たいものが走った。
一方で、後妻であるパトリシア様だけは、複雑そうな表情で二人を見ていた。
「……リリアン。あまりお義兄様にベタベタしてはいけません。サブリナ様がお困りでしょう?」
「あら、お母様。お義兄様は『いいよ』って言ってくださっていますわ。ねえ、お義兄様?」
「ああ、パトリシア義母上。僕は一向に構いませんよ。リリアンは可愛い義妹ですからね」
ジェームズ様の言葉に、パトリシア様は深いため息をついた。
「……ジェームズ様、あなたは優しすぎますわ。ですが、節度というものが……」
「お母様ったら、古臭いですわ! 今は『新しい家族の形』が流行りなんですもの」
リリアン様は母親の言葉を鼻で笑い、さらにジェームズ様の胸元へ深く顔を埋めた。その様子を見ていたマイケル侯爵は「ははは、若いというのは良いことだ」と笑い飛ばし、パトリシア様を連れて邸内へ戻ってしまった。
この家は、芯から腐っている。
当主がこれを良しとしている以上、もはや外側からの注意など何の意味もなさない。
しばらくして、ジェームズ様が「あ、忘れていた。サブリナへのプレゼントを部屋に置いてきたんだ。リリアン、取ってきてくれないか?」と言い出した。
「ええ、喜んで! お義兄様のためですもの」
リリアン様は席を立ち、邸内へ戻るふりをして、庭の木陰で本を読んでいたヘンリー様に歩み寄った。
「ヘンリー、あなたもこっちへ来ればいいのに。一人で難しい顔をして、損をしているわよ」
リリアン様はヘンリー様の肩に手を置き、その顔を覗き込む。彼女の「全方位への媚び」は、血の繋がらないもう一人の義兄に対しても例外ではないらしい。
しかし、ヘンリー様はピクリとも表情を変えず、冷徹な声で言い放った。
「その汚い手で僕に触るな。……お前の甘ったるい匂いが移ると、反吐が出る」
「……! 相変わらず可愛くないわねっ!」
リリアン様は鼻を鳴らし、今度こそ邸内へ消えていった。ヘンリー様は不機嫌そうに本の頁をめくり、私と視線が合うと、わずかに申し訳なさそうな、痛ましいものを見るような目をしてから、深く会釈した。
戻って来たリリアンの手には小さな小箱が握られていた。
「昨日、リリアンと買い物に出たんだけど、彼女が君とお揃いの物を持ちたいと言ってね。義姉になる君と親しくなりたんだそうだ。可愛い義妹だろう」
ジェームズ様から渡された小箱の中には、小ぶりのガラス細工のイヤリングが入っていた。
( 金色のイヤリングなんて、金髪の私には似合わないでしょうにね……はあ)
「サブリナ様、少しお話しよろしいかしら?」
ジェームズ様が席を外した隙を突き、戻ってきたリリアン様が私を呼び出した。人気のない回廊の陰。先ほどまでの「無邪気な義妹」の仮面は、そこにはなかった。
「単刀直入に言うわ。お義兄様が本当に愛しているのは私よ。あなたはただの、ライト侯爵家という看板を維持するための『家格の飾り』に過ぎないの」
リリアン様は、翠色の瞳を傲慢に輝かせ、私を嘲笑った。
「見ての通り、お義兄様の心も体も私のもの。あなたが結婚したところで、お義兄様が夜を過ごすのは私の部屋だわ。嫌なら今のうちに逃げたらどうかしら? 伯爵家のお嬢様」
彼女は、私が怒り狂うか、泣き崩れるのを期待していたのだろう。
しかし、私の口から出たのは、自分でも驚くほど穏やかな溜息だった。
「……ハア。そうなのですね。お教えいただきありがとうございます、リリアン様」
「えっ……?」
「どうぞ、差し上げますわ。ジェームズ様も、ライト侯爵夫人の座も。あなたによくお似合いです」
怒り? 悲しみ? いいえ、そんなものは欠片もない。
あるのは、泥沼の中にいた自分が、ようやく清潔な場所へ這い上がれるという、圧倒的な清々しさだった。
「強がりはやめなさいよ! 悔しいんでしょう!」
「いいえ、リリアン様。心から感謝しているのです。あなたがそこまで彼に執着してくださるおかげで、私は何の未練もなく、この『気持ち悪い』関係を断ち切る決心がつきましたから」
リリアン様の顔が、驚愕と屈辱で赤く染まる。
私は彼女に背を向け、一歩踏み出した。証拠は十分に揃った。当主の黙認、義妹の増長、そして婚約者の壊滅的な倫理観。
これから始まるのは、私の絶望ではない。この不潔な楽園に住まう者たちへの、フォックス家による徹底的な「清掃」だ。
「さようなら、リリアン様。あなたの望み通り、お義兄様と末永く、その閉ざされた世界でお幸せに」
背後でリリアン様が何かを叫んでいたが、私の耳にはもう届かなかった。
私の心はすでに、この屋敷の重苦しい空気から解き放たれ、自由な空へと飛び立っていたのだから。
_________
エール📣いいね❤️お気に入り⭐️応援よろしくお願いします🙇♀️
📢✨新連載【いつか捨てられる日のために――浮気者の婚約者に、さよならの準備をしています】
あなたにおすすめの小説
【完結】婚約者の義妹と恋に落ちたので婚約破棄した処、「妃教育の修了」を条件に結婚が許されたが結果が芳しくない。何故だ?同じ高位貴族だろう?
つくも茄子
恋愛
国王唯一の王子エドワード。
彼は婚約者の公爵令嬢であるキャサリンを公の場所で婚約破棄を宣言した。
次の婚約者は恋人であるアリス。
アリスはキャサリンの義妹。
愛するアリスと結婚するには「妃教育を修了させること」だった。
同じ高位貴族。
少し頑張ればアリスは直ぐに妃教育を終了させると踏んでいたが散々な結果で終わる。
八番目の教育係も辞めていく。
王妃腹でないエドワードは立太子が遠のく事に困ってしまう。
だが、エドワードは知らなかった事がある。
彼が事実を知るのは何時になるのか……それは誰も知らない。
他サイトにも公開中。
幼馴染が最優先な婚約者など、私の人生には不要です。
たると
恋愛
シュタイン伯爵家の長女エルゼは、公爵子息フィリップに恋をしていた。
彼の婚約者として選ばれた時は涙を流して喜んだが、その喜びもいまは遠い。
『君は一人でも大丈夫だろう。この埋め合わせは必ずする。愛している』
「……『愛している』、ですか」
いつも幼馴染を優先するアルベルトに、恋心はすっかり冷めてしまった。
愛される女と利用される女 ~すぐ怪我する義妹と心配する王子、私はお見合いで何を見せられているのでしょうか~
夢窓(ゆめまど)
恋愛
スミッシィ公爵家のひとり娘ハーミヤは、王太子のお見合い相手に選ばれた。
しかし何度会っても、会話は天気と花だけ。毎回、王子の義妹が怪我をして乱入してお見合いは、途中で終わる。
断ったはずのプロポーズ。サインしていない婚約書類。気づけば結婚式の準備だけが、勝手に進んでいた。
これは、思い込みの激しい王子と、巻き込まれた公爵令嬢の話。
【完結】出逢ったのはいつですか? えっ? それは幼馴染とは言いません。
との
恋愛
「リリアーナさーん、読み終わりましたぁ?」
今日も元気良く教室に駆け込んでくるお花畑ヒロインに溜息を吐く仲良し四人組。
ただの婚約破棄騒動かと思いきや・・。
「リリアーナ、だからごめんってば」
「マカロンとアップルパイで手を打ちますわ」
ーーーーーー
ゆるふわの中世ヨーロッパ、幻の国の設定です。
完結迄予約投稿済みです。
R15は念の為・・
幼馴染しか見えない婚約者と白い結婚したので、夜明け前にさよならしました
ゆぷしろん
恋愛
公爵令嬢レティシアは、家同士の都合で伯爵アルフレッドに嫁ぐ。
けれど夫は結婚後もずっと幼馴染のシルヴィばかりを優先し、婚礼の夜から夫婦として触れ合おうともしなかった。名ばかりの妻として伯爵家を支え、領地経営まで立て直しても、彼にとってレティシアは“都合のいい伯爵夫人”でしかない。
やがて結婚一周年の夜、アルフレッドが自分を手放す気はない一方で、幼馴染を屋敷に迎え入れようとしている会話を聞いてしまったレティシアは、ついに決意する。
――もう、この結婚には見切りをつけよう。
夜明け前、彼女は離縁の準備を整え、伯爵邸を出奔。
身を寄せた北の港町で薬舗を手伝いながら、自分の力で生きる穏やかな日々を手に入れていく。そこで出会ったのは、身分ではなく一人の女性として彼女を尊重してくれる青年医師ノアだった。
一方、都合よく尽くしてくれる妻を失ったアルフレッドは、ようやく自分が何を失ったのかを思い知ることになる。
幼馴染ばかりを優先する婚約者との白い結婚に終止符を打ち、傷ついた公爵令嬢が新天地で本当の幸せを掴む、離縁から始まる逆転ラブストーリー。
夫は私を愛していないそうなので、遠慮なく離婚します。今さら引き止められても遅いです
藤原遊
恋愛
王妃付き護衛騎士である夫に、「お前を愛したことはない」と告げられた。
理由は単純。
愛などなくても、仕事に支障はないからだという。
──そうですか。
それなら、こちらも遠慮する必要はありませんね。
王妃の機嫌、侍女たちとの関係、贈り物の選定。
夫が「当然のように」こなしていたそれらは、すべて私が整えていたもの。
離婚後、少しずつ歯車は狂い始める。
気づいたときにはもう遅い。
積み上げてきた信用は、静かに崩れていく。
一方で私は、王妃のもとへ。
今さら引き止められても、遅いのです。
氷の令嬢は愛を請わない - 捨て子の『義妹』に愛も家族も奪われたマリーローズの逆襲
恋せよ恋
恋愛
銀髪紫眼の美貌の侯爵令嬢、マリーローズ。
完璧な淑女に育った彼女だったが、母は捨て子ジュリエットを寵愛。
婚約者の公爵家嫡男アレックスも、友人も、次々に奪われる――。
家族に裏切られ、すべてを失った彼女が下した決断は、
家族を見かぎり、国を捨て、自らの人生を取り戻すこと。
理不尽な悲恋を力に変え、運命をひっくり返す令嬢の逆転劇!
🔶登場人物・設定は筆者の創作によるものです。
🔶不快に感じられる表現がありましたらお詫び申し上げます。
🔶誤字脱字・文の調整は、投稿後にも随時行います。
🔶今後もこの世界観で物語を続けてまいります。
🔶 『エール📣』『いいね❤️』励みになります!
私から略奪婚した妹が泣いて帰って来たけど全力で無視します。大公様との結婚準備で忙しい~忙しいぃ~♪
百谷シカ
恋愛
身勝手な理由で泣いて帰ってきた妹エセル。
でも、この子、私から婚約者を奪っておいて、どの面下げて帰ってきたのだろう。
誰も構ってくれない、慰めてくれないと泣き喚くエセル。
両親はひたすらに妹をスルー。
「お黙りなさい、エセル。今はヘレンの結婚準備で忙しいの!」
「お姉様なんかほっとけばいいじゃない!!」
無理よ。
だって私、大公様の妻になるんだもの。
大忙しよ。