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蜜月の日々と宴の支度

蜜月の日々【1】*

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 初夜から五日経った。ダガンとルナルシオンの寝室は、今宵も淫靡な音で満たされている。
 ルナルシオンは今宵も、薄絹で出来た淫らな衣装を着ている。デザインは毎日違っていて、今日の衣装は胸元が大きく開いている。もちろん、薄絹に覆われているところも透けていて情欲を誘った。

(俺のために着てくれた……)

 大いにそそられたダガンは、首筋に、鎖骨に、胸に唇を落とし指を這わせていった。肌は滑らかで、ダガンの固く太い指や唇に吸い付くようだった。

「はぁ……ん……あっ……んっ」

 甘ったるい声に煽られ、強く吸い付き歯を当てる。ルナルシオンの汗に濡れた肌に、ダガンの鋭い八重歯は容易く赤い所有印を散らした。実に征服欲やら独占欲が満たされる有様だが、発達した八重歯で怪我をさせ無いよう加減するのは難しい。初夜以来、理性はあまり仕事をしていない。
 このしなやかな身体を齧ってむしゃぶりつくしたい。滴る汗すら甘く感じるのだ。きっと血も甘かろう。凶暴な欲に腹を焼かれながら、傷つけぬよう愛撫を続ける。

「あっ……ダガン……!」

 まだ反応していない胸の頂きを口に含むと、ルナルシオンは甘く鳴いて身を捩った。ダガンは舌と指で固くなり始めた頂きを転がしつつ囁く。

「嫌か?」

「や、じゃな……あ、んっ!へん、へんだからっ!むずむずするっ」

 ダガンはあまりに初心い反応に意識を飛ばしかけた。
 どうやら、ルナルシオンはここで感じることすら知らなかったらしい。それはそうだろう。知識はあるらしいが、ねやの手解きすら受けたことは無かったのだから。

「変じゃない。気持ち良くなっているだけだ。ほら、もうこんなに……」

「あっ!あぁっ!ダガン!あぁっ!」

 口付けと乳首への愛撫だけで、ルナルシオンの陰茎はゆるく立ち上がっていた。ダガンが手で軽く扱くとどんどん固く勃ち上がっていく。ダガンは甘く自分を呼ぶ声に煽られて強く吸った。

「ひああっ!」

 ルナルシオンはびしゃびしゃと薄い精液を散らした。ダガンはもう片方の乳首もしゃぶって善がらせてやろうとしたが、ルナルシオンに止められる。

「そこも、いいけど……おしり、して?……わっ!」

 あまりに卑猥な誘い。ダガンはほぼ無意識でルナルシオンの身体から衣装を剥ぎ取り四つん這いにし、尻を割り開いて剛直を擦り付けた。

「ダガ……ン!はげしっ……!」

 剛直からの先走りとルナルシオンの汗でにちゃにちゃといやらしい音が立った。窄まりも赤らみ、誘うようにひくついている。そう間をおかずダガンは射精した。ルナルシオンと共に、この五日間毎日出しているというのに、比較にならないほど多く、白く、どろりと濃かった。

「すまん……いきなり……」

「いいよ……あっ……ぅあ……あっ……!」

 謝りながらもダガンの手は止まらない。指に精液をたっぷりとまとわせ、窄まりの中に入れて肉壁に擦り込む。ルナルシオンの固く慎ましかった窄まりも、この五日間でだいぶ解れた。あっという間に、ダガンの太い指を根本まで三本も受け入れていた。

「ひぁ……!あ、あぁんっ……そこ、きもちぃ……!」

 ルナルシオンは、すっかり窄まりと肉壁で感じることを覚えたのか身をくねらせて甘い声を上げる。ダガンは生唾を飲む。これなら、亀頭を入れるぐらいならいいだろうか?いや、それで自分が我慢できるかあやしい。ダガンがためらっていると、ルナルシオンが体勢を変えた。自ら脚を開き、正面からダガンを招く体勢に。

「ルナルシオン……」

「ダガン……の、挿れて……君だけじゃなくて……私も欲しい……」
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