11 / 88
第11話 めしまず
しおりを挟む
吾輩はネコである。
名前はちび太。
ご主人様は今日も出来合いの総菜を買ってきて晩御飯にしていた。
「料理をするならその時間を小説を書くのに使いたい」
などと意識高いことを言っているものの、長い付き合いの吾輩は、単にご主人様が料理がへたくそなだけだと知っている。
先日も何を思ったのか半年ぶりに料理を始めたと思ったら、いきなり玉子焼きを真っ黒のパリッパリに焦がしてしまって、
「うん、メシマズ――料理がヘタクソなヒロインの気持ちが分かったね。つまりこれは料理ではなく純然たる創作活動といえる」
悔し紛れにそんなことを言っていた。
そして、
「せっかくだ、メシマズヒロインのまずい飯を食べて『おいしいよ』と言ってみせる主人公の気持ちにもなってみようじゃないか。食べ物を粗末にするのはもったいないしな」
真っ黒な玉子焼きをもそもそ完食するご主人様だった。
名前はちび太。
ご主人様は今日も出来合いの総菜を買ってきて晩御飯にしていた。
「料理をするならその時間を小説を書くのに使いたい」
などと意識高いことを言っているものの、長い付き合いの吾輩は、単にご主人様が料理がへたくそなだけだと知っている。
先日も何を思ったのか半年ぶりに料理を始めたと思ったら、いきなり玉子焼きを真っ黒のパリッパリに焦がしてしまって、
「うん、メシマズ――料理がヘタクソなヒロインの気持ちが分かったね。つまりこれは料理ではなく純然たる創作活動といえる」
悔し紛れにそんなことを言っていた。
そして、
「せっかくだ、メシマズヒロインのまずい飯を食べて『おいしいよ』と言ってみせる主人公の気持ちにもなってみようじゃないか。食べ物を粗末にするのはもったいないしな」
真っ黒な玉子焼きをもそもそ完食するご主人様だった。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
11
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる