美少女だらけの姫騎士学園に、俺だけ男。~神騎士LV99から始める強くてニューゲーム~

マナシロカナタ✨ねこたま✨GCN文庫

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第1章 突然のゲーム内転移

第13話「ここは俺に任せろ!」

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「ちょ、ちょっとアンタ! これは私の問題であって、アンタに関係はないわ」

 アリエッタがその誇り高き性格ゆえに、余計なことはするなと言ってくるが、

「俺は決闘の当事者だろ。当然、関係はあるさ」

 俺は有無を言わせないように強めに言ってから――だけど安心させるように優しく微笑んだ。

 そうさ!
 推しの子が目の前で窮地に陥っているのに、黙って見ているだけでいられるかよ!
 大丈夫だ、ここは俺に任せろ!

 普段の俺なら、他人の話に口出しなんてしない。

 偉い人には絶対に逆らわない。
 怒られたら自分に非がなくても、ごめんなさいと謝る。
 へらへら愛想笑いしてやり過ごす。

 それがカースト底辺でボッチ陰キャをしていた俺の生き方だった。

 だがしかし!
 推しのピンチという場面が、俺に尋常ならざるモチベーションを与えてくれていた。

「あなたは?」
「ユウタ・カガヤと申します」

「ユウタ・カガヤ……不思議な響きのお名前ですね?」
「ええ、まぁ」
 としか言えないけど、言いたい気持ちは分かる。

 なにせアリエッタ・ローゼンベルク、リューネ・フリージアといった名前の中で、ユウタ・カガヤだからな。
 どう考えても異質だ。
 
「カガヤさんとお呼びしてもよろしいですか?」

「カガヤでも、カガヤくんでもカガヤさんでも、好きに呼んでいただいて構いません。特にこだわりはないので」
「では親しみを込めてユウタさんとお呼びしますね」

 なっ、まさかの名前呼びだと!?
 そりゃ好きに呼んでいいとは言ったけど、美人から名前を呼んでもらうことは人生初めての経験だから、なんかすげー気恥ずかしい――って今はそれはおいといて。

「それで決闘についてなんですが、先ほども言いましたように、俺が最初にアリエッタに無礼を働いたことが、そもそもの発端ほったんなんです。だからアリエッタは責めないでやってください」

 俺はもう一度深々と頭を下げた。

「なるほど。決闘については分かりました。お互いに譲れないものがあったのでしょう。とりあえずのところは不問と致します」

「お心遣い、ありがとうございます」
 頭を上げて感謝の言葉を伝えた俺の隣で、アリエッタがホッとしたように小さく息をはいた。

「ただしアリエッタは当面の間、決闘は挑むのも受けるのも禁止します」
「ええ~!?」

「ええ~、じゃありません。こうして話す限りユウタさんはとても常識的な人です。そんなユウタさんに、話も聞かずに一方的にカッとなって決闘を挑んだのでしょう? しばらくは頭を冷やして静かにしてなさい」

「は、はい」
 アリエッタがシュンとうなだれた。

「決闘については分かりました。ですがこの学園はそもそも男子禁制です。なぜ男子であるユウタさんが学園内にいるのでしょうか? この件に関しては、事と次第によってはただではすみませんよ?」

 俺を見るエレナ会長の顔から笑みが消え、目がスッと鋭くなる。

 当然だな。
 男子禁制、女の園であるブレイビア学園を預かる生徒会長として、男という存在は何よりも警戒すべき対象だ。

「実は、俺もなんで自分がここにいるのか分からないんです。気付いたら学園の大浴場にいて。その辺りの記憶が曖昧で、記憶喪失に近いのかな?」

 とりあえず「そういうこと」にしてみた。
 まさか異世界から来たと言うわけにはいかないが、この世界には俺の知り合いはいないし、俺の存在を証明してくれる人もいない。

 身分も戸籍もない。
 そもそも戸籍というシステムがあるかどうか知らないけど。
 ソシャゲじゃ国家が人口をどうやって把握しているのかとか、そういう面倒くさい要素は出てこないしな。

 それはさておき。
 俺はついさっきまでこの世界にいなかったんだから「この世界の記憶がない」のは間違いないし、よって記憶喪失と主張しても差し支えはないだろう。

 それに記憶喪失はソシャゲのプレイヤーキャラが入学するのと同じ設定だから、ゲームの展開を再現しようとする「世界の運命強制力」のようなものが働いて、きっと信じてくれるはず……だと思う。

 俺は強引に自分を納得させた。

「記憶喪失……ですか。話した感じでは受け答えもしっかりしていますし、自分の事や現状に関する記憶だけがすっぽりと抜け落ちている、という認識でよろしいでしょうか?」

「まぁうん、多分そんな感じかな」
「なるほど……」

 エレナ会長がわずかに眉を寄せた。
 考え込むように軽く握った右手を口元に当てる。

「なにせ自分の名前と、男なのに姫騎士であること以外は、何も分からなくてさ」
「男の姫騎士……」

 そう小さく呟いたエレナ会長が、俺の顔をじっと見つめてきた。
 絶世の美女たるエレナ会長に見つめられて、心がふわふわっとしてしまうのを感じていると、

「む~~!」
 横にいるアリエッタから、ガン!と割と痛めの肘打ちをくらった。
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