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第1章 突然のゲーム内転移
第25話 アリエッタのベッドで……
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ベッドに入るとすぐに、甘くて優しい女の子の匂いが俺を包みこんでくる。
アリエッタの匂いだ。
すー、はー。
深呼吸をすると肺の中がアリエッタな空気で満たされていく。
おおう!?
俺は今、アリエッタに包まれ、アリエッタを受け入れ、まさにアリエッタと一体化しているのでは!?
推しの呼吸・一の型「添い寝」!
推しと1つになる。
その望外の喜びに、俺の心はこれ以上ない幸せを感じていた。
しかし本番はむしろここからだった。
部屋の照明が消えると、すぐにギシッと音がしてアリエッタが続いてベッドに入ってくる。
「もうちょっとそっちに詰めてよ」
「ん、了解」
俺は身体を少し端に寄せた。
右腕がベッドの下に落ちてしまうが、それがどうした?
明らかにアリエッタの方がベッド占有面積が多いが、推しを優先するのはもはや世界の真理!
そもそもこのベッドはアリエッタの好意で使わせてもらっているんだしな。
家主に遠慮をするのは、推しの子が相手でなくとも人として当然のことだろう。
アリエッタが俺の方に寄ってきて、ベッドの中で俺の身体の左側と、アリエッタの身体の右側が触れあう。
「ん――っ」
アリエッタのくぐもった声が聞こえた。
お風呂上がりだからか、清潔感を感じる石鹸のいい香りがする。
アリエッタの匂いがさらに濃くなったことで、俺の下半身はなんともそわそわとしてしまう。
落ち着け、落ち着くんだ。
俺は最強存在たるLV99の神騎士。
これくらいで心を乱されることなどあるものか!
「もうちょい端に寄ろうか?」
「ううん、もういい。十分」
「そっか」
「さっきも言ったけど、絶対に裸にならないでよね。妊娠しちゃうから。約束」
「ああ、約束したからな。裸にはならないよ」
もちろん、服を脱がなくてもヤることをヤれば妊娠する可能性はあるのだが、そこは俺が自重すればいいだけの事。
……自重できるだろうか?
いやする!
してみせる!!
――と、そこで会話がプツリと途切れた。
もう寝たのかと思ったけど、なんとなく起きているような気配を感じる。
そのまましばらく無言でいると、
「今日はありがとね」
アリエッタが小さな声でささやくように呟いた。
「急にどうしたんだよ?」
「決闘で負けたら何でも言うこと聞くって約束だったのに、お世話係で済ませてくれたでしょ。だからありがと」
「ははっ。何でもって言われたからって、何でも際限なくは要求しないよ。一応俺は善人のつもりだし。人の嫌がることはしたくないからさ」
「ユータが悪い人間じゃないのは分かるわ。でも――」
「なんだよ?」
「ちょっと変な人かも?」
「変とか言うなよな。傷つくだろ」
「え、褒めてるのに」
「褒めてるか……?」
「褒めてるでしょ」
どうやら本気で言っているらしい。
そっか、俺はアリエッタに褒められてしまったか。
「アリエッタに褒められると嬉しいな」
「ふーんだ。お世辞言っても何も出ないんだらかね」
「お世辞じゃないっての。それに故意じゃなかったとはいえ、俺が最初にアリエッタに非礼を働いたのは事実だからさ。それとこれでノーカンってことにしないか?」
ロミオとジュリエットみたいに対立した家同士の揉め事じゃないんだし、落としどころとしては悪くないと思うんだ。
「ほんとユータって変な人よね」
「だから変とか言うなっての」
「だから褒めてるんだってば」
「ははっ、そうだったな」
「ま、監視は必要だけどね、ユータは男だから」
「へいへい、分かってますよ」
「常に私に見張られていると肝に銘じて、せいぜい退学にならないように気を付けなさいよね。お世話係として、私はありのままを報告するからね」
「それも了解だ」
監視とか見張るとか言いながらも、アリエッタの声には親しみとか優しさが感じられる。
今のもちょっとお茶目に冗談を言ったような感じだった。
少なくとも、決闘を挑まれた時のような刺々しい敵意は、今のアリエッタからは感じられない。
うーむ。
アリエッタが俺に対してデレている気がするぞ?
でもどう考えても早すぎるんだよな。
でもソシャゲでも突然デレたし、「きっかけ」さえあればありえなくはないのか?
となると、「きっかけ」は俺にボロ負けしたことの可能性が高いが、それを面と向かってアリエッタに尋ねても否定されるだけだろう。
そしてその場合、アリエッタとの物語が本来のソシャゲの展開よりもはるかに進んでしまっていることになる。
既に物語の中盤以降の精神状態ってことだからな。
これがアリエッタとの関係だけにとどまるのか、それとも世界の流れまでもが速まっているのか、果たして……などとついつい考えてしまっていると、
「……はふ。なんだか今日は疲れちゃった」
言うことだけ言って気が緩んだのか、アリエッタが小さくあくびをした。
そのまま静かになったと思ったら、しばらくすると、スースーと可愛らしい寝息が聞こえてくる。
どうやら寝入ってしまったらしい。
「……俺も寝るか」
まだ初日。
物語の展開が想定よりも早いかどうかなんて、考えても仕方ないことだしな。
一応、明日以降もそのことは、頭の片隅に留め置いておこう。
ってわけで、おやすみなさい。
……………………
…………
……
――って、そんな簡単に推しと同じベッドで寝られるかよ!
アリエッタの匂いだ。
すー、はー。
深呼吸をすると肺の中がアリエッタな空気で満たされていく。
おおう!?
俺は今、アリエッタに包まれ、アリエッタを受け入れ、まさにアリエッタと一体化しているのでは!?
推しの呼吸・一の型「添い寝」!
推しと1つになる。
その望外の喜びに、俺の心はこれ以上ない幸せを感じていた。
しかし本番はむしろここからだった。
部屋の照明が消えると、すぐにギシッと音がしてアリエッタが続いてベッドに入ってくる。
「もうちょっとそっちに詰めてよ」
「ん、了解」
俺は身体を少し端に寄せた。
右腕がベッドの下に落ちてしまうが、それがどうした?
明らかにアリエッタの方がベッド占有面積が多いが、推しを優先するのはもはや世界の真理!
そもそもこのベッドはアリエッタの好意で使わせてもらっているんだしな。
家主に遠慮をするのは、推しの子が相手でなくとも人として当然のことだろう。
アリエッタが俺の方に寄ってきて、ベッドの中で俺の身体の左側と、アリエッタの身体の右側が触れあう。
「ん――っ」
アリエッタのくぐもった声が聞こえた。
お風呂上がりだからか、清潔感を感じる石鹸のいい香りがする。
アリエッタの匂いがさらに濃くなったことで、俺の下半身はなんともそわそわとしてしまう。
落ち着け、落ち着くんだ。
俺は最強存在たるLV99の神騎士。
これくらいで心を乱されることなどあるものか!
「もうちょい端に寄ろうか?」
「ううん、もういい。十分」
「そっか」
「さっきも言ったけど、絶対に裸にならないでよね。妊娠しちゃうから。約束」
「ああ、約束したからな。裸にはならないよ」
もちろん、服を脱がなくてもヤることをヤれば妊娠する可能性はあるのだが、そこは俺が自重すればいいだけの事。
……自重できるだろうか?
いやする!
してみせる!!
――と、そこで会話がプツリと途切れた。
もう寝たのかと思ったけど、なんとなく起きているような気配を感じる。
そのまましばらく無言でいると、
「今日はありがとね」
アリエッタが小さな声でささやくように呟いた。
「急にどうしたんだよ?」
「決闘で負けたら何でも言うこと聞くって約束だったのに、お世話係で済ませてくれたでしょ。だからありがと」
「ははっ。何でもって言われたからって、何でも際限なくは要求しないよ。一応俺は善人のつもりだし。人の嫌がることはしたくないからさ」
「ユータが悪い人間じゃないのは分かるわ。でも――」
「なんだよ?」
「ちょっと変な人かも?」
「変とか言うなよな。傷つくだろ」
「え、褒めてるのに」
「褒めてるか……?」
「褒めてるでしょ」
どうやら本気で言っているらしい。
そっか、俺はアリエッタに褒められてしまったか。
「アリエッタに褒められると嬉しいな」
「ふーんだ。お世辞言っても何も出ないんだらかね」
「お世辞じゃないっての。それに故意じゃなかったとはいえ、俺が最初にアリエッタに非礼を働いたのは事実だからさ。それとこれでノーカンってことにしないか?」
ロミオとジュリエットみたいに対立した家同士の揉め事じゃないんだし、落としどころとしては悪くないと思うんだ。
「ほんとユータって変な人よね」
「だから変とか言うなっての」
「だから褒めてるんだってば」
「ははっ、そうだったな」
「ま、監視は必要だけどね、ユータは男だから」
「へいへい、分かってますよ」
「常に私に見張られていると肝に銘じて、せいぜい退学にならないように気を付けなさいよね。お世話係として、私はありのままを報告するからね」
「それも了解だ」
監視とか見張るとか言いながらも、アリエッタの声には親しみとか優しさが感じられる。
今のもちょっとお茶目に冗談を言ったような感じだった。
少なくとも、決闘を挑まれた時のような刺々しい敵意は、今のアリエッタからは感じられない。
うーむ。
アリエッタが俺に対してデレている気がするぞ?
でもどう考えても早すぎるんだよな。
でもソシャゲでも突然デレたし、「きっかけ」さえあればありえなくはないのか?
となると、「きっかけ」は俺にボロ負けしたことの可能性が高いが、それを面と向かってアリエッタに尋ねても否定されるだけだろう。
そしてその場合、アリエッタとの物語が本来のソシャゲの展開よりもはるかに進んでしまっていることになる。
既に物語の中盤以降の精神状態ってことだからな。
これがアリエッタとの関係だけにとどまるのか、それとも世界の流れまでもが速まっているのか、果たして……などとついつい考えてしまっていると、
「……はふ。なんだか今日は疲れちゃった」
言うことだけ言って気が緩んだのか、アリエッタが小さくあくびをした。
そのまま静かになったと思ったら、しばらくすると、スースーと可愛らしい寝息が聞こえてくる。
どうやら寝入ってしまったらしい。
「……俺も寝るか」
まだ初日。
物語の展開が想定よりも早いかどうかなんて、考えても仕方ないことだしな。
一応、明日以降もそのことは、頭の片隅に留め置いておこう。
ってわけで、おやすみなさい。
……………………
…………
……
――って、そんな簡単に推しと同じベッドで寝られるかよ!
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