37 / 132
第2章 ブレイビア学園
第36話 夜這い?アリエッタ
しおりを挟む
◇
その日の夜。
授業や戦闘訓練といった一日のカリキュラムを完ぺきにこなし。
アリエッタと同棲――俺は共同生活ではなく同棲と言い続けるぞ!――している部屋でシャワーも済ませた後。
ハーフパンツとTシャツに着替えた俺は、日中、俺が学園にいる間に自室に運び込まれていたベッドに、身を投げ出した。
「おおっ、ふかふかだ。昨日アリエッタと一緒に寝た時も思ったけど、いいベッドだよなぁ。さすが姫騎士を育てる学園だ。衣食住に関する費用は惜しんでないよ」
これもソシャゲの画面と会話パートを見ているだけじゃ実感しきれない、リアルな生活から来る生の感覚だ。
「ふわぁ……。なんかもうこのまま気持ちよく眠ってしまいそうだ……」
スマホ1つでエンドレスに時間を潰せる元の世界と違って、この世界は娯楽過多ってわけでもない。
そもそも着の身着のままこの世界に来たから私物もなくて、当然することもないし、できることもない。
「たしか設定だと学園内に大きな図書館があったはずだから、本でも借りてきたらよかったな」
起きてる理由もないし、もうこのまま寝ちゃおうかな……?
なんて思っていると、
コンコン。
俺の部屋のドアが軽やかにノックがされた。
「空いてるよ」
俺が声をかけるとドアが開いて、パジャマ姿のアリエッタがヒョコっと顔を出した。
すっかり寝る準備が完了といった様子だ。
「そろそろ寝ようかなって思っているの」
「そっか、俺もだよ。わざわざ伝えてくれてありがとな。でもルームメイトだからって、律義に報告なんてしてくれなくていいんだぞ?」
俺は、今から寝ますと毎日報告させるような、前時代的な悪しき価値観――亭主関白って言うんだっけ?――は持ち合わせてはいない。
というかアリエッタとはそもそも夫婦でもないしな。
「報告しにきたんじゃないもん」
「え? じゃあ何をしに来たんだ? 話でもしに来たのか? でもそろそろ寝ようって思ってるんだよな?」
アリエッタの行動の意図が掴めずに俺が首をかしげていると、アリエッタが言った。
「だから一緒に寝るために来たの」
と。
その言葉の意味を数秒、俺は頭の中で考えて、
「…………いや、もう俺用のベッドを用意してもらったから、一緒に寝る必要はないぞ?」
そういや『お世話係だから一緒に寝る』みたいな話を昨日していたのを思い出す。
「なんでよ」
「なんでって、普通は男女は一緒には寝ないだろ?」
「私はユータのお世話係なのよ。だから昨日だって一緒に寝たわけでしょ?」
「昨日はベッドがなかったからあくまで緊急避難的な行動であって、俺はアリエッタに迷惑をかけるつもりはないからさ」
推しに迷惑をかけるなんてとんでもない!
むしろ厄介オタは一番の害悪!
俺の推し活は、清く正しくがモットーだ!
「迷惑でもなんでも、私はユータのお世話係なんだもん。やるべきことは最後までやり通すわ。ローゼンベルクの家名にかけてね」
アリエッタはそう言うと、俺の部屋の明かりを消して、有無を言わさず俺のベッドに上がり込んできた。
「お、おい。アリエッタ――」
俺は戸惑いつつも、ベッド半分のスペースを空けた。
俺が空けたスペースに、アリエッタがゴロンと寝転がる。
まぁ、その?
実を言うとね?
俺としては別にそこまで断固として拒否する理由はないというか?
推しと一緒に寝られるとか、ご褒美でしかないわけで?
推しのアリエッタが今日も一緒に寝てくれることに喜びを感じちゃうし、抗議する声も小さくなっちゃうし、強引に迫られたらオーケーしちゃうよね?
ぶっちゃけ表向き、世間一般に求められるであろう常識的な態度を取っただけで、内心では小躍りしちゃいそうな俺だった。
もちろん、だからといってアリエッタに不埒な真似を働くつもりはないからな。
推しの嫌がることはしない。
その大原則を破るつもりはない。
俺はこの世界で『正しい推し活』をやりとげる!
そんなことを内心で思っていると、
「今日は戦闘訓練に付き合ってくれてありがとね」
アリエッタが小さな声でポツリと呟いた。
その日の夜。
授業や戦闘訓練といった一日のカリキュラムを完ぺきにこなし。
アリエッタと同棲――俺は共同生活ではなく同棲と言い続けるぞ!――している部屋でシャワーも済ませた後。
ハーフパンツとTシャツに着替えた俺は、日中、俺が学園にいる間に自室に運び込まれていたベッドに、身を投げ出した。
「おおっ、ふかふかだ。昨日アリエッタと一緒に寝た時も思ったけど、いいベッドだよなぁ。さすが姫騎士を育てる学園だ。衣食住に関する費用は惜しんでないよ」
これもソシャゲの画面と会話パートを見ているだけじゃ実感しきれない、リアルな生活から来る生の感覚だ。
「ふわぁ……。なんかもうこのまま気持ちよく眠ってしまいそうだ……」
スマホ1つでエンドレスに時間を潰せる元の世界と違って、この世界は娯楽過多ってわけでもない。
そもそも着の身着のままこの世界に来たから私物もなくて、当然することもないし、できることもない。
「たしか設定だと学園内に大きな図書館があったはずだから、本でも借りてきたらよかったな」
起きてる理由もないし、もうこのまま寝ちゃおうかな……?
なんて思っていると、
コンコン。
俺の部屋のドアが軽やかにノックがされた。
「空いてるよ」
俺が声をかけるとドアが開いて、パジャマ姿のアリエッタがヒョコっと顔を出した。
すっかり寝る準備が完了といった様子だ。
「そろそろ寝ようかなって思っているの」
「そっか、俺もだよ。わざわざ伝えてくれてありがとな。でもルームメイトだからって、律義に報告なんてしてくれなくていいんだぞ?」
俺は、今から寝ますと毎日報告させるような、前時代的な悪しき価値観――亭主関白って言うんだっけ?――は持ち合わせてはいない。
というかアリエッタとはそもそも夫婦でもないしな。
「報告しにきたんじゃないもん」
「え? じゃあ何をしに来たんだ? 話でもしに来たのか? でもそろそろ寝ようって思ってるんだよな?」
アリエッタの行動の意図が掴めずに俺が首をかしげていると、アリエッタが言った。
「だから一緒に寝るために来たの」
と。
その言葉の意味を数秒、俺は頭の中で考えて、
「…………いや、もう俺用のベッドを用意してもらったから、一緒に寝る必要はないぞ?」
そういや『お世話係だから一緒に寝る』みたいな話を昨日していたのを思い出す。
「なんでよ」
「なんでって、普通は男女は一緒には寝ないだろ?」
「私はユータのお世話係なのよ。だから昨日だって一緒に寝たわけでしょ?」
「昨日はベッドがなかったからあくまで緊急避難的な行動であって、俺はアリエッタに迷惑をかけるつもりはないからさ」
推しに迷惑をかけるなんてとんでもない!
むしろ厄介オタは一番の害悪!
俺の推し活は、清く正しくがモットーだ!
「迷惑でもなんでも、私はユータのお世話係なんだもん。やるべきことは最後までやり通すわ。ローゼンベルクの家名にかけてね」
アリエッタはそう言うと、俺の部屋の明かりを消して、有無を言わさず俺のベッドに上がり込んできた。
「お、おい。アリエッタ――」
俺は戸惑いつつも、ベッド半分のスペースを空けた。
俺が空けたスペースに、アリエッタがゴロンと寝転がる。
まぁ、その?
実を言うとね?
俺としては別にそこまで断固として拒否する理由はないというか?
推しと一緒に寝られるとか、ご褒美でしかないわけで?
推しのアリエッタが今日も一緒に寝てくれることに喜びを感じちゃうし、抗議する声も小さくなっちゃうし、強引に迫られたらオーケーしちゃうよね?
ぶっちゃけ表向き、世間一般に求められるであろう常識的な態度を取っただけで、内心では小躍りしちゃいそうな俺だった。
もちろん、だからといってアリエッタに不埒な真似を働くつもりはないからな。
推しの嫌がることはしない。
その大原則を破るつもりはない。
俺はこの世界で『正しい推し活』をやりとげる!
そんなことを内心で思っていると、
「今日は戦闘訓練に付き合ってくれてありがとね」
アリエッタが小さな声でポツリと呟いた。
20
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話
桜井正宗
青春
――結婚しています!
それは二人だけの秘密。
高校二年の遙と遥は結婚した。
近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。
キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。
ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。
*結婚要素あり
*ヤンデレ要素あり
中1でEカップって巨乳だから熱く甘く生きたいと思う真理(マリー)と小説家を目指す男子、光(みつ)のラブな日常物語
jun( ̄▽ ̄)ノ
大衆娯楽
中1でバスト92cmのブラはEカップというマリーと小説家を目指す男子、光の日常ラブ
★作品はマリーの語り、一人称で進行します。
むっつり金持ち高校生、巨乳美少女たちに囲まれて学園ハーレム
ピコサイクス
青春
顔は普通、性格も地味。
けれど実は金持ちな高校一年生――俺、朝倉健斗。
学校では埋もれキャラのはずなのに、なぜか周りは巨乳美女ばかり!?
大学生の家庭教師、年上メイド、同級生ギャルに清楚系美少女……。
真面目な御曹司を演じつつ、内心はむっつりスケベ。
天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】
田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。
俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。
「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」
そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。
「あの...相手の人の名前は?」
「...汐崎真凛様...という方ですね」
その名前には心当たりがあった。
天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。
こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。
クラスのマドンナがなぜか俺のメイドになっていた件について
沢田美
恋愛
名家の御曹司として何不自由ない生活を送りながらも、内気で陰気な性格のせいで孤独に生きてきた裕貴真一郎(ゆうき しんいちろう)。
かつてのいじめが原因で、彼は1年間も学校から遠ざかっていた。
しかし、久しぶりに登校したその日――彼は運命の出会いを果たす。
現れたのは、まるで絵から飛び出してきたかのような美少女。
その瞳にはどこかミステリアスな輝きが宿り、真一郎の心をかき乱していく。
「今日から私、あなたのメイドになります!」
なんと彼女は、突然メイドとして彼の家で働くことに!?
謎めいた美少女と陰キャ御曹司の、予測不能な主従ラブコメが幕を開ける!
カクヨム、小説家になろうの方でも連載しています!
旧校舎の地下室
守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。
キャバ嬢(ハイスペック)との同棲が、僕の高校生活を色々と変えていく。
たかなしポン太
青春
僕のアパートの前で、巨乳美人のお姉さんが倒れていた。
助けたそのお姉さんは一流大卒だが内定取り消しとなり、就職浪人中のキャバ嬢だった。
でもまさかそのお姉さんと、同棲することになるとは…。
「今日のパンツってどんなんだっけ? ああ、これか。」
「ちょっと、確認しなくていいですから!」
「これ、可愛いでしょ? 色違いでピンクもあるんだけどね。綿なんだけど生地がサラサラで、この上の部分のリボンが」
「もういいです! いいですから、パンツの説明は!」
天然高学歴キャバ嬢と、心優しいDT高校生。
異色の2人が繰り広げる、水色パンツから始まる日常系ラブコメディー!
※小説家になろうとカクヨムにも同時掲載中です。
※本作品はフィクションであり、実在の人物や団体、製品とは一切関係ありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる