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第4章 ヒロインズ・バトル
第81話 図書館のリューネ・フリージア(2)
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「まぁいいや。それで、よかったら何を調べてるか聞いてもいいか? って言っても、もちろん強制じゃないし、できる範囲でいいんだけど」
「全然、隠すようなことじゃないからいいですよ。単純に、もっと強くなるにはどうしたらいいかなと思って、参考になる文献を調べに来たんです」
「リューネは魔力回復っていう、超レアな魔法が使えるAランク姫騎士だろ? それだけでも十分じゃないか?」
「回復魔法にはもちろん自信はありますけど。でもどうしても戦闘力では、みんなに劣っちゃうじゃないですか。だからそこを少しでも伸ばせればなって、思っているんです」
さすがはブレイビア学園生。
意識が高い。
わりとおっとりした性格のリューネだが、現状には決して満足することはないご様子だ。
「でも最近のリューネは、戦闘力も格段に上がっていると思うぞ? Bランクの姫騎士相手でも、ある程度戦えるくらいにはなっているはずだ」
というのもだ。
俺がアリエッタと模擬戦闘訓練をする時、リューネもよく付き合ってくれる。
リューネの主なお仕事はアリエッタの回復なんだけど、訓練の合間に俺やアリエッタがリューネと軽く手合わせをしていることもあって、ここ最近リューネの戦闘力は目を見張るほどに向上していた。
「どうしても決定打に欠けるんですよね。いい勝負にはなっても、勝ちには繋がらないって言うんでしょうか」
「そこはまぁ、回復魔法が多い水魔法の難しいところだよな」
「アリエッタのライオネル・ストライクみたいな、勝負を決める魔法があればいいんですけど」
「そこまで求めなくても、魔力回復は本当に激レアかつ有効性の高い魔法だし――ふむ。そうか。もしかしたらそういうのもありなのか?」
俺はふと名案を閃いた。
名案というかただの思い付きなんだけど。
できる確証はないし。
「なにか名案でもあるんですか? ぜひ聞かせてください」
「前提として単なる思い付きだから、そんなに真剣に聞かないで欲しいんだけどさ」
「それで構いません」
「なら言うけど。魔力回復を攻撃に応用できないかって思ってさ」
「魔力回復を攻撃に応用……ですか?」
リューネが不思議そうに小首をかしげた。
「魔力を回復するってことは、つまり増加させている訳だろ?」
「そうですけど、それがどうしたんですか?」
「だったら理論的には、反転させて使ったら、相手の魔力を減らせるんじゃないかなって思ったんだ」
「魔力の反転……えっと、魔力の反転ってどうやるんですか?」
「ごめん、本当に適当に言った。根拠もへったくれもないんだ。変な期待をさせちゃって、ごめん。今のは忘れてくれ」
ゲームとか漫画でありそうなことを思いついたまま言ってしまった俺は、大いに反省し、心からリューネに謝罪した。
「魔力の反転……反転……」
「いやもうほんと、忘れてくれ。マジで根拠なしだから」
「……反転……反転……」
◇
しかしこの会話からだいぶ経ってから、リューネは本当に新魔法『マナスチール(魔力簒奪)』を開発することになる。
魔力回復の魔法式を術式反転させることで、相手の防御加護を無視して触れた相手の魔力を減少させ、時には一撃でガードアウトさせてしまうという、それはもう凶悪な一撃必殺の魔法だ。
魔法式を弄るのが得意なアリエッタが全面協力し、二人三脚で作り上げたそうな。
ただし使用者は魔力回復を使えるごく少数の水魔法の姫騎士に限られ。
しかもその中でもリューネと同じレベルで完璧に使いこなせなくてはならないため、魔法としての普遍性・汎用性は限りなくゼロだった。
しかしリューネにとっては、懸案だった決定力を補って余りある最強の魔法であり。
この先アリエッタの学年主席の座をおびやかす強力なライバルになってしまうのだが、それはまた別の話である。
「全然、隠すようなことじゃないからいいですよ。単純に、もっと強くなるにはどうしたらいいかなと思って、参考になる文献を調べに来たんです」
「リューネは魔力回復っていう、超レアな魔法が使えるAランク姫騎士だろ? それだけでも十分じゃないか?」
「回復魔法にはもちろん自信はありますけど。でもどうしても戦闘力では、みんなに劣っちゃうじゃないですか。だからそこを少しでも伸ばせればなって、思っているんです」
さすがはブレイビア学園生。
意識が高い。
わりとおっとりした性格のリューネだが、現状には決して満足することはないご様子だ。
「でも最近のリューネは、戦闘力も格段に上がっていると思うぞ? Bランクの姫騎士相手でも、ある程度戦えるくらいにはなっているはずだ」
というのもだ。
俺がアリエッタと模擬戦闘訓練をする時、リューネもよく付き合ってくれる。
リューネの主なお仕事はアリエッタの回復なんだけど、訓練の合間に俺やアリエッタがリューネと軽く手合わせをしていることもあって、ここ最近リューネの戦闘力は目を見張るほどに向上していた。
「どうしても決定打に欠けるんですよね。いい勝負にはなっても、勝ちには繋がらないって言うんでしょうか」
「そこはまぁ、回復魔法が多い水魔法の難しいところだよな」
「アリエッタのライオネル・ストライクみたいな、勝負を決める魔法があればいいんですけど」
「そこまで求めなくても、魔力回復は本当に激レアかつ有効性の高い魔法だし――ふむ。そうか。もしかしたらそういうのもありなのか?」
俺はふと名案を閃いた。
名案というかただの思い付きなんだけど。
できる確証はないし。
「なにか名案でもあるんですか? ぜひ聞かせてください」
「前提として単なる思い付きだから、そんなに真剣に聞かないで欲しいんだけどさ」
「それで構いません」
「なら言うけど。魔力回復を攻撃に応用できないかって思ってさ」
「魔力回復を攻撃に応用……ですか?」
リューネが不思議そうに小首をかしげた。
「魔力を回復するってことは、つまり増加させている訳だろ?」
「そうですけど、それがどうしたんですか?」
「だったら理論的には、反転させて使ったら、相手の魔力を減らせるんじゃないかなって思ったんだ」
「魔力の反転……えっと、魔力の反転ってどうやるんですか?」
「ごめん、本当に適当に言った。根拠もへったくれもないんだ。変な期待をさせちゃって、ごめん。今のは忘れてくれ」
ゲームとか漫画でありそうなことを思いついたまま言ってしまった俺は、大いに反省し、心からリューネに謝罪した。
「魔力の反転……反転……」
「いやもうほんと、忘れてくれ。マジで根拠なしだから」
「……反転……反転……」
◇
しかしこの会話からだいぶ経ってから、リューネは本当に新魔法『マナスチール(魔力簒奪)』を開発することになる。
魔力回復の魔法式を術式反転させることで、相手の防御加護を無視して触れた相手の魔力を減少させ、時には一撃でガードアウトさせてしまうという、それはもう凶悪な一撃必殺の魔法だ。
魔法式を弄るのが得意なアリエッタが全面協力し、二人三脚で作り上げたそうな。
ただし使用者は魔力回復を使えるごく少数の水魔法の姫騎士に限られ。
しかもその中でもリューネと同じレベルで完璧に使いこなせなくてはならないため、魔法としての普遍性・汎用性は限りなくゼロだった。
しかしリューネにとっては、懸案だった決定力を補って余りある最強の魔法であり。
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