ブラック社畜の俺、部屋でアニメを見ていたら説明もなしにドラゴンの跋扈する異世界に強制転移される。でも今は≪盾の聖女≫と元気に勇者やってます!
マナシロカナタ✨ねこたま✨GCN文庫
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第32話 怒涛の展開
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ドラゴン四天王・ゲンブドラゴンとの戦いの数日後。
俺はリュスターナの部屋でお茶とお菓子を楽しみつつ、最新の戦況を教えてもらっていた。
「勇者様が10000のドラゴンの大軍勢を全滅させてくれたおかげで、ドラゴンたちは壊滅的なダメージを受けました。同時に各地で反抗作戦が開始されており、我々人類はドラゴンを一気に北の大地――ドラゴンたちの本拠地『ドラゴンズ・ハイランド』へと押し返しつつあります」
「じゃあもうすぐドラゴンに勝てるんだな。次はどれくらいの規模で攻めてきそうなんだ? 軍師メイリンは当然その辺りも予測してるんだよな?」
「いえ、もはや組織的な行動は不可能だろうと軍師メイリンは言っていました。今後はおそらく、特に強大な個体が単体で襲ってくるだろうと」
「ってことはこれからは1対1とかそういう感じの戦いになるわけか。残る強敵は四天王が3体に、そして大魔竜ドラグバーン。こいつらを倒すことができれば俺たちの勝利ってわけだな」
ここにきて戦いの終わりが明確に見えてきたぞ。
「そうなりますね。それもこれも勇者様の活躍のおかげです」
「ほんと良かった」
リュスターナの戦況報告に、俺は今までに味わったことのない満足感を覚えていた。
ブラック社畜時代は貶されることはあっても褒められることはなかったから。
どれだけがんばって働いても、苦労して積み上げても。
感謝の言葉もお褒めの言葉も何もなく、最後の美味しいところだけ上司や社長にごっそり持っていかれたブラック社畜時代。
そんな日本のブラック会社と比べたら、この世界の勇者は本当にホワイトだ。
勇者として認めてくれて、勝つたびに褒められて、戦果を上げるたびにちゃんと報奨金もくれるし、リュスターナという恋人までできた。
この世界に来て本当に良かった。
俺は心の底からそう思っていた。
「ですが四天王の1体であるゲンブドラゴンは恐ろしい強敵でした。残る3体も恐らくは同等か、それ以上の強さを持っていると思います」
「だよなぁ。しかもその上には大魔竜ドラグバーンがいるんだよな」
大魔竜ドラグバーンは四天王ゲンブドラゴンよりも当然強いはずだ。
俺は大魔竜ドラグバーンに勝てるだろうか?
「……やはり不安ですか?」
「不安がないと言えば嘘になるかな。ゲンブドラゴンとの戦いも、リュスターナとメイリンの予見がなきゃ勝てなかったからさ」
「でしたらまた力を合わせて勝ちましょうね!」
リュスターナがにっこりと笑いながら、両手でグッとこぶしを握った。
その素敵な笑顔と可愛らしいガッツポーズを見ていると、なんとなく不安が和らいで勝てそうな気がしてくるから不思議だ。
そうだよな、ここまで来たらもう勝つしかない。
四天王にも勝って、大魔竜ドラグバーンにも勝つ。
それができるのは勇者であるこの俺だけなんだから――!
そうさ、リュスターナのためにも俺は大魔竜ドラグバーンに勝ってみせる!
そして平和になった世界でリュスターナと楽しく暮らすんだ!
俺は改めて勇者としての自覚を胸に刻み込んだ。
とまぁ、リュスターナとそんな話をしていたんだけど。
「た、大変です勇者様! リュスターナ様!」
そこへ伝令の兵士が息せき切って駆けつけてきた。
「何がありましたか?」
さっきまでのプライベートな顔から一転、キリリとした凛々しい聖女の顔で尋ねるリュスターナ。
「それが、大魔竜ドラグバーンの娘にして、四天王の一人であると名乗る者がやってきたのです! しかも正門より堂々と現れ、勇者と戦わせろと言って居座っております!」
「な、なんですって!?」
報告の内容に驚愕するリュスターナだが、それは俺も同じだった。
大魔竜ドラグバーンの娘で四天王の1人が乗り込んできただと!?
なんだよそれ!?
それもう怒涛の展開ってレベルじゃないだろ!?
「とりあえず行ってみよう。もし四天王の一人ってのが本当なら、暴れられでもしたら大変だからな」
「ですね!」
俺とリュスターナは慌ててお城の正門へと向かった。
俺はリュスターナの部屋でお茶とお菓子を楽しみつつ、最新の戦況を教えてもらっていた。
「勇者様が10000のドラゴンの大軍勢を全滅させてくれたおかげで、ドラゴンたちは壊滅的なダメージを受けました。同時に各地で反抗作戦が開始されており、我々人類はドラゴンを一気に北の大地――ドラゴンたちの本拠地『ドラゴンズ・ハイランド』へと押し返しつつあります」
「じゃあもうすぐドラゴンに勝てるんだな。次はどれくらいの規模で攻めてきそうなんだ? 軍師メイリンは当然その辺りも予測してるんだよな?」
「いえ、もはや組織的な行動は不可能だろうと軍師メイリンは言っていました。今後はおそらく、特に強大な個体が単体で襲ってくるだろうと」
「ってことはこれからは1対1とかそういう感じの戦いになるわけか。残る強敵は四天王が3体に、そして大魔竜ドラグバーン。こいつらを倒すことができれば俺たちの勝利ってわけだな」
ここにきて戦いの終わりが明確に見えてきたぞ。
「そうなりますね。それもこれも勇者様の活躍のおかげです」
「ほんと良かった」
リュスターナの戦況報告に、俺は今までに味わったことのない満足感を覚えていた。
ブラック社畜時代は貶されることはあっても褒められることはなかったから。
どれだけがんばって働いても、苦労して積み上げても。
感謝の言葉もお褒めの言葉も何もなく、最後の美味しいところだけ上司や社長にごっそり持っていかれたブラック社畜時代。
そんな日本のブラック会社と比べたら、この世界の勇者は本当にホワイトだ。
勇者として認めてくれて、勝つたびに褒められて、戦果を上げるたびにちゃんと報奨金もくれるし、リュスターナという恋人までできた。
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俺は心の底からそう思っていた。
「ですが四天王の1体であるゲンブドラゴンは恐ろしい強敵でした。残る3体も恐らくは同等か、それ以上の強さを持っていると思います」
「だよなぁ。しかもその上には大魔竜ドラグバーンがいるんだよな」
大魔竜ドラグバーンは四天王ゲンブドラゴンよりも当然強いはずだ。
俺は大魔竜ドラグバーンに勝てるだろうか?
「……やはり不安ですか?」
「不安がないと言えば嘘になるかな。ゲンブドラゴンとの戦いも、リュスターナとメイリンの予見がなきゃ勝てなかったからさ」
「でしたらまた力を合わせて勝ちましょうね!」
リュスターナがにっこりと笑いながら、両手でグッとこぶしを握った。
その素敵な笑顔と可愛らしいガッツポーズを見ていると、なんとなく不安が和らいで勝てそうな気がしてくるから不思議だ。
そうだよな、ここまで来たらもう勝つしかない。
四天王にも勝って、大魔竜ドラグバーンにも勝つ。
それができるのは勇者であるこの俺だけなんだから――!
そうさ、リュスターナのためにも俺は大魔竜ドラグバーンに勝ってみせる!
そして平和になった世界でリュスターナと楽しく暮らすんだ!
俺は改めて勇者としての自覚を胸に刻み込んだ。
とまぁ、リュスターナとそんな話をしていたんだけど。
「た、大変です勇者様! リュスターナ様!」
そこへ伝令の兵士が息せき切って駆けつけてきた。
「何がありましたか?」
さっきまでのプライベートな顔から一転、キリリとした凛々しい聖女の顔で尋ねるリュスターナ。
「それが、大魔竜ドラグバーンの娘にして、四天王の一人であると名乗る者がやってきたのです! しかも正門より堂々と現れ、勇者と戦わせろと言って居座っております!」
「な、なんですって!?」
報告の内容に驚愕するリュスターナだが、それは俺も同じだった。
大魔竜ドラグバーンの娘で四天王の1人が乗り込んできただと!?
なんだよそれ!?
それもう怒涛の展開ってレベルじゃないだろ!?
「とりあえず行ってみよう。もし四天王の一人ってのが本当なら、暴れられでもしたら大変だからな」
「ですね!」
俺とリュスターナは慌ててお城の正門へと向かった。
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