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異世界転生 2日目

第35話 勝利の宴、ウヅキ

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「セーヤさん、どうぞ、もう一杯」
「ありがとウヅキ……くー、美味い!」
「言い飲みっぷりですね! ではでは、もう一杯お注ぎしますね」

 左隣に座るウヅキが、杯が空になるたびに手際よくとくとくとお酒を注いでくれる。

「さっきからずっとお酌してもらって悪いな、あとありがとな」
「いえいえどうしたしまして。セーヤさんのお酌ができて、むしろ嬉しいくらいですから、えへへ」
「お、おう……そうか」

 ウヅキの笑顔は、営業トークとかおべっかじゃなくて全部、本心から言ってるっていうのがこれでもかってくらいに伝わってきて、なんかこうむず痒くなってくるよな。

「でもウヅキもちゃんと食べてくれよ? さっきからずっと俺の世話ばっかしてあまり食べてないじゃないか」
「お世話くらい、いくらだって焼きますよ。なんと言ってもセーヤさんは今日の主役なんですから」
 言って、ウヅキは向日葵ひまわりのようににっこりと笑うのだった。

 最強S級チート『剣聖』でもって妖魔の群れを殲滅せんめつした日の夜。
 ウヅキの家では村人全員が集まっての盛大な宴会が開催されていた。
 祝勝会、アンド俺の歓迎会である。

 普段は使われていない大広間が開放され、食事やお酒、果実ジュースなどが大きな机の上いっぱいに、それはもう所狭しと並べられていた。
 しかしながら宴会をするには当然、お金がかかる。
 日々の生活で精いっぱいの中、これだけの食材もろもろの費用がいったいどこから出たのかというと、

「あの後ナイアさんがお礼だって言って、それはもう大量の食材を届けてくれたんです。日持ちのする燻製くんせい肉なんかは、村のみんなで分けてから取り置きしてあるので、また後日食べましょうね」
 ってなわけだった。

「これ全部ナイアが用意してくれたんだろ? いくらしたんだ? あいつマジで太っ腹だな」
「もう、セーヤさんったら女性に太っ腹なんて言ったらだめなんですからね?」

 ウヅキがわざとらしく怒った顔をしてみせる。
 全然怒ってないのが丸わかりで、むしろ茶目っ気と言うか、ほっぺを膨らませてるのが小動物みたいで可愛らしい。

「でも、そうか……確かにそうだな。言われて見れば女性に太っ腹ってのはよくないな」
 元の世界ならワンチャン、セクハラの可能性まである。

 それにナイアに限っては超が付くほどスタイル抜群で、お腹は太っ腹どころかキュッとくびれてるし、おへそも綺麗だし、そこからお尻にかけての腰のラインがエロエロだったもんな……

「じゃあこうだな――ナイアはすごくいいやつだ」
「はい、その言い方のほうがいいと思います。さすがです、セーヤさん!」

 ふぅ、また褒められてしまったぜ……ウヅキはすぐに嬉しそうに褒めてくれるから、話しているとほんと楽しいなぁ……

「にしても本当に豪勢だな。どれもこれも見るからに高そうなうえに、なんせ種類が豊富で目移りしそうだ」
「はい。わたし、こんな豪勢な料理は生まれて初めてです」
「うにゅ、ハヅキも……」

「だったら二人ともしっかり食べないとね。ほら、ウヅキもハヅキもどんどん食べて食べて。これは主役の俺からのお願いだからね? ちゃんと聞かないとダメだからね?」

「で、ではお言葉に甘えていただきますね」
 ここまで言われては、さすがのウヅキも断れはしない。
 ウヅキは俺のお酌をやめて座りなおすと、やっとこさ落ち着いて食べ始めてくれたのだった。

「はうー、どれもこれもおいしーです……これがA5ランクの地鶏なんですね……わたし初めて食べました……おいしくてほっぺが落ちそうです……」

 感激しながらパクパク食べ始めたので、実は食べたいのを我慢していたのかもしれないな……。
 可愛い女の子におだてられながらお酌されるのが正直とっても楽しくて、ついつい心行くまで満喫しちゃったんだけど、

「すごくしっかりしてて、しかも俺を甘やかしてくれるからついつい忘れそうになるんだけど、ウヅキだってまだ10代の女の子なんだよな……」

 普段は食べられない贅沢な料理を目の前にして、食べたいと思わないはずがないじゃないか。
「うん、もっと早く言ってあげればよかったな……」

 ウヅキの好意にのっかって自分だけ楽しんで、ウヅキへの心づかいが全くできていなかったのは、ちょいと要反省である。
 だって俺のモテモテハーレムには、女の子の笑顔が必要不可欠なのだから。
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