76 / 566
異世界転生 4日目(後編)
第73話 《神滅覇王》
しおりを挟む
「『その名、尊き、《神滅覇王》――!』」
S級チート『剣聖』に、一部上書きされるようにして顕現したそれは――、
「これは、すごいな……!」
一言で表すならば。
それは絶大なる「力そのもの」だった。
際限なくあふれ出る黄金の力の源泉は、《神滅覇王》の持つ『固有神聖』――《天照》。
超ド級の攻撃力の源になるだけでなく、吹き上がる黄金の粒子はS級程度の攻撃ならば触れた傍から無効化してしまう、超出力のエネルギー炉だ。
神に比肩するSS級だけが備える特殊能力――『固有神聖』。
その中でも《天照》は、群を抜いた力を持つ攻防一体のユニークスキルなのだ――!
さらに心が研ぎ澄まされた『剣聖』とは正反対の、唯々、未来だけを見据えて燃え盛る焦熱紅蓮の激しい情動。
「これが神話級・戦闘系SS級チート《神滅覇王》――!」
けた違いなほどに圧倒的な力の暴流は、しかし、
「まるでずっと使ってたお気に入りの枕って感じで、すっげーしっくりくる……」
《愚者の聖句》の完成によって、今や完全に俺の制御下へと置かれていたのだった。
心に宿った黄金の焔に突き動かされるように、俺は何気なく一歩を踏み出した。
――すると《神焉竜》が怯えたように一歩を後ずさる。
「おいおいどうした? でかい図体のくせして、まさかびびってるのか?」
言った直後、俺は前方上方へと大きく跳躍した。
黄金の粒子を残滓と残し、目にもとまらぬ速さで中空へと、《神焉竜》あごの下にある逆鱗の真下まで飛び上がると、
「おらぁぁぁ――っ!」
逆鱗にヤクザキックを――ただの前蹴りをぶち当てた。
たったそれだけで二階建て家屋のごとき《神焉竜》の巨体が浮き上がり、10メートルの距離を吹き飛んでゆく。
さっきの背負い投げに続いて、またもや背中から地面に落ちた《神焉竜》は、よたよたと身体を起こしながら、両手で逆鱗を抑えて苦悶の表情を浮かべていた。
「うん、軽く蹴っただけでこれとか馬力は文句なしに凄いな……今のですら『剣聖』最強奥義の《紫電一閃》の数十倍は威力があるぞ……」
ほんと、今までの必死の戦いは何だったんだ?
もちろんその戦いの末に《神滅覇王》があったと考えれば、結果的に意味はあったわけだけれども。
「それと逆鱗ってのは、やっぱ弱点で間違いないみたいだな」
初めて見せたあの痛がりようだけで、論拠を示すには十分だった。
ただ、一つだけ言わせてもらうならば、
「このレベルで攻撃してやっと痛がってくれるとか、もうそれ弱点って言わないだろ、常識的に考えて……」
弱点(ただしS級以下に対しては無敵)である。
もはやなにを言ってるか分からない。
「でもこれだけじゃあ、ちょっと決定力に欠けるか」
《神焉竜》の防御力と耐久力も、これまたSS級に相応しいものだった。
このままでも多分やってやれないことはない。
だけどSS級同士が悠長に戦うともなれば、周囲が焦土と化すのは間違いない。
このままちんたら街中で戦ってしまえば、被害が大きくなりすぎる。
であれば――、
「ちょうど手元にいいものがあるわけだしな。使わない手はないか。おい、いつまでそのままでいるつもりだ? いい加減仕事をしろ、この不良神剣が」
言って、俺は手近な瓦礫に、折れた日本刀の腹の部分をガツンとぶつけた。
すると、
ブォン――!
ぶつけられたことに抗議するように――しかしどこか嬉しそうに――日本刀がブルッと震えたのだ。
そう、日本刀は今、喜んでいるのだ。
SS級の神剣たる己に相応しい使い手と巡り合えた望外の喜びに、うち震えているのだ――!
《神滅覇王》の持つ武器理解効果が、この神なる剣にまつわる全てを教えてくれる――!
「お前の力が必要だ、力を貸せ。竜より生まれし神なる剣、SS級神剣! 《草薙の剣》よ――!」
S級チート『剣聖』に、一部上書きされるようにして顕現したそれは――、
「これは、すごいな……!」
一言で表すならば。
それは絶大なる「力そのもの」だった。
際限なくあふれ出る黄金の力の源泉は、《神滅覇王》の持つ『固有神聖』――《天照》。
超ド級の攻撃力の源になるだけでなく、吹き上がる黄金の粒子はS級程度の攻撃ならば触れた傍から無効化してしまう、超出力のエネルギー炉だ。
神に比肩するSS級だけが備える特殊能力――『固有神聖』。
その中でも《天照》は、群を抜いた力を持つ攻防一体のユニークスキルなのだ――!
さらに心が研ぎ澄まされた『剣聖』とは正反対の、唯々、未来だけを見据えて燃え盛る焦熱紅蓮の激しい情動。
「これが神話級・戦闘系SS級チート《神滅覇王》――!」
けた違いなほどに圧倒的な力の暴流は、しかし、
「まるでずっと使ってたお気に入りの枕って感じで、すっげーしっくりくる……」
《愚者の聖句》の完成によって、今や完全に俺の制御下へと置かれていたのだった。
心に宿った黄金の焔に突き動かされるように、俺は何気なく一歩を踏み出した。
――すると《神焉竜》が怯えたように一歩を後ずさる。
「おいおいどうした? でかい図体のくせして、まさかびびってるのか?」
言った直後、俺は前方上方へと大きく跳躍した。
黄金の粒子を残滓と残し、目にもとまらぬ速さで中空へと、《神焉竜》あごの下にある逆鱗の真下まで飛び上がると、
「おらぁぁぁ――っ!」
逆鱗にヤクザキックを――ただの前蹴りをぶち当てた。
たったそれだけで二階建て家屋のごとき《神焉竜》の巨体が浮き上がり、10メートルの距離を吹き飛んでゆく。
さっきの背負い投げに続いて、またもや背中から地面に落ちた《神焉竜》は、よたよたと身体を起こしながら、両手で逆鱗を抑えて苦悶の表情を浮かべていた。
「うん、軽く蹴っただけでこれとか馬力は文句なしに凄いな……今のですら『剣聖』最強奥義の《紫電一閃》の数十倍は威力があるぞ……」
ほんと、今までの必死の戦いは何だったんだ?
もちろんその戦いの末に《神滅覇王》があったと考えれば、結果的に意味はあったわけだけれども。
「それと逆鱗ってのは、やっぱ弱点で間違いないみたいだな」
初めて見せたあの痛がりようだけで、論拠を示すには十分だった。
ただ、一つだけ言わせてもらうならば、
「このレベルで攻撃してやっと痛がってくれるとか、もうそれ弱点って言わないだろ、常識的に考えて……」
弱点(ただしS級以下に対しては無敵)である。
もはやなにを言ってるか分からない。
「でもこれだけじゃあ、ちょっと決定力に欠けるか」
《神焉竜》の防御力と耐久力も、これまたSS級に相応しいものだった。
このままでも多分やってやれないことはない。
だけどSS級同士が悠長に戦うともなれば、周囲が焦土と化すのは間違いない。
このままちんたら街中で戦ってしまえば、被害が大きくなりすぎる。
であれば――、
「ちょうど手元にいいものがあるわけだしな。使わない手はないか。おい、いつまでそのままでいるつもりだ? いい加減仕事をしろ、この不良神剣が」
言って、俺は手近な瓦礫に、折れた日本刀の腹の部分をガツンとぶつけた。
すると、
ブォン――!
ぶつけられたことに抗議するように――しかしどこか嬉しそうに――日本刀がブルッと震えたのだ。
そう、日本刀は今、喜んでいるのだ。
SS級の神剣たる己に相応しい使い手と巡り合えた望外の喜びに、うち震えているのだ――!
《神滅覇王》の持つ武器理解効果が、この神なる剣にまつわる全てを教えてくれる――!
「お前の力が必要だ、力を貸せ。竜より生まれし神なる剣、SS級神剣! 《草薙の剣》よ――!」
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
初期スキルが便利すぎて異世界生活が楽しすぎる!
霜月雹花
ファンタジー
神の悪戯により死んでしまった主人公は、別の神の手により3つの便利なスキルを貰い異世界に転生する事になった。転生し、普通の人生を歩む筈が、又しても神の悪戯によってトラブルが起こり目が覚めると異世界で10歳の〝家無し名無し〟の状態になっていた。転生を勧めてくれた神からの手紙に代償として、希少な力を受け取った。
神によって人生を狂わされた主人公は、異世界で便利なスキルを使って生きて行くそんな物語。
書籍8巻11月24日発売します。
漫画版2巻まで発売中。
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
『スローライフどこ行った?!』追放された最強凡人は望まぬハーレムに困惑する?!
たらふくごん
ファンタジー
最強の凡人――追放され、転生した蘇我頼人。
新たな世界で、彼は『ライト・ガルデス』として再び生を受ける。
※※※※※
1億年の試練。
そして、神をもしのぐ力。
それでも俺の望みは――ただのスローライフだった。
すべての試練を終え、創世神にすら認められた俺。
だが、もはや生きることに飽きていた。
『違う選択肢もあるぞ?』
創世神の言葉に乗り気でなかった俺は、
その“策略”にまんまと引っかかる。
――『神しか飲めぬ最高級のお茶』。
確かに神は嘘をついていない。
けれど、あの流れは勘違いするだろうがっ!!
そして俺は、あまりにも非道な仕打ちの末、
神の娘ティアリーナが治める世界へと“追放転生”させられた。
記憶を失い、『ライト・ガルデス』として迎えた新しい日々。
それは、久しく感じたことのない“安心”と“愛”に満ちていた。
だが――5歳の洗礼の儀式を境に、運命は動き出す。
くどいようだが、俺の望みはスローライフ。
……のはずだったのに。
呪いのような“女難の相”が炸裂し、
気づけば婚約者たちに囲まれる毎日。
どうしてこうなった!?
最強無敗の少年は影を従え全てを制す
ユースケ
ファンタジー
不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。
産まれ落ちた家は田舎に位置する辺境伯。
カズトもといリュートはその家系の長男として、日々貴族としての教養と常識を身に付けていく。
しかし彼の力は生まれながらにして最強。
そんな彼が巻き起こす騒動は、常識を越えたものばかりで……。
天才女薬学者 聖徳晴子の異世界転生
西洋司
ファンタジー
妙齢の薬学者 聖徳晴子(せいとく・はるこ)は、絶世の美貌の持ち主だ。
彼女は思考の並列化作業を得意とする、いわゆる天才。
精力的にフィールドワークをこなし、ついにエリクサーの開発間際というところで、放火で殺されてしまった。
晴子は、権力者達から、その地位を脅かす存在、「敵」と見做されてしまったのだ。
死後、晴子は天界で女神様からこう提案された。
「あなたは生前7人分の活躍をしましたので、異世界行きのチケットが7枚もあるんですよ。もしよろしければ、一度に使い切ってみては如何ですか?」
晴子はその提案を受け容れ、異世界へと旅立った。
ギルドの片隅で飲んだくれてるおっさん冒険者
哀上
ファンタジー
チートを貰い転生した。
何も成し遂げることなく35年……
ついに前世の年齢を超えた。
※ 第5回次世代ファンタジーカップにて“超個性的キャラクター賞”を受賞。
※この小説は他サイトにも投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる