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異世界転生 6日目
第126話 わたし、ずっと待ってますから……
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「ただいまー!」
トラヴィス家の馬車でアウド村まで送ってもらった俺は、まっすぐサクライ家へと帰宅した。
すぐにウヅキとハヅキの美少女姉妹が出迎えてくれたので、
「昨日は帰らなくて悪かったな。でも、はい、これを見てくれ! どうよどうよ!?」
俺は意気揚々と500万円分の金貨が入った、ずっしりと重い皮袋をウヅキへと手渡した。
ラブコメ系A級チート『誰にもできなかったビッグプロジェクトを成し遂げた夫』が発動し、男らしさに花を添えてくる。
いやまぁ結婚はしてないんだけどね。
「セーヤさん、これってまさか……!!」
中身を確認した途端、ウヅキの顔が驚愕の色に染まった。
「ああ、多分そのまさかさ――!」
驚いた顔のままでウヅキは皮袋から視線を上げると、今度は俺の瞳をじっとのぞき込んでくる。
おいおい、いくら感激したからってそんなに情熱的に見つめられたら照れるじゃないか……。
「ははっ、そりゃびっくりする気持ちは分かるけど、そこまで驚いてくれるなんてウヅキは相変わらず可愛いやつだなぁ」
文句なしにガッツリ稼いできたってこともあって、いつにもまして俺の口は軽やかに動く。
なんせ昨日まで冴えないヒモだったのが、一気に500万だぞ500万!
口も心もたんぽぽの綿毛みたいに軽くなるってなもんだ。
それもこれも、全チートフル装備のおかげである。
聡明で優しく、何より俺のことを信頼しきっているウヅキだ。
細かい説明なんてしなくとも、何があったのか察するには十分だろう。
以心伝心。
俺とウヅキが築き上げた高度に昇華された愛という名の絆の前には、もはやありきたりの言葉など不要なのだ――!
「セーヤさん、わたし、ずっと待ってますから……」
「そうそう俺が稼いでくるのを、ずっと待っててくれたんだよな。……って、え? もう待たなくていいんだよ? ……ん?」
俺が金を稼いでくるのを待っててくれた、のではなく?
これから待つの?
いったい何を?
「わたし、ずっと待ってますから……セーヤさんが出所するのを」
「……はい?」
しゅっしょ?
「ウヅキ、なにを……」
「だから、これは返しに行きましょう。わたしも一緒についていきますから。大丈夫です、素直に謝ればきっと死罪はまぬかれるはずですから……」
ウヅキは何らかの激情を堪えながら、必死に優しい顔を作って俺に語りかけてくるのだ。
「おねぇ、まなしー、どっかいっちゃうの?」
「そうね……でも大丈夫。ちょっと遠くにお勤めしてくるだけだから」
「ぅ……おわかれ……?」
「そんな顏しないの。笑顔でお姉ちゃんと一緒に、セーヤさんが帰ってくるのを待ちましょうね」
「……ぅん、わかった……まつ……いっしょにまつ……!」
「うん。ハヅキは偉い子ね、ほらおいで、いいこいいこ」
「……ぁぅ」
優しくなでなでする姉と、嬉しそうになでなでされる妹、そして完全に放置された俺。
しんみりした空気が場を覆う中、実に尊い姉妹愛は俺の心のメモリーに永久保存な一幕なんだけれど、
「いやあの、これは俺が稼いできたお金だから……」
「セーヤさん、蔵破りは稼ぐとは言わないんですよ……」
「クラヤブリ……? ブリの一種? なぜに魚? ……ってああ! 蔵を破るってことか! つまり侵入窃盗――って、いやいや違うから! これは本当に俺が稼いできたお金でだな」
「だってこんな大金……ざっと見積もって数百万はあるじゃないですか……たった一日でどうやってこんなお金を稼ぐって言うんですか……」
涙をいっぱいに溜めながら、しかし決してこぼしはしないウヅキは本当に強い子だよ――ではなく!
「わかった、最初から全部説明しよう! まずはだな――」
俺はウヅキと別れてからの一連のアレコレを、一から全て説明したのだった。
……ナイアとミリアちゃんのことは、必要ないから端折ったけどね。
お金を稼いだことと直接は関係ない枝葉末節だからね、うん。
だから決して、決して意図的に隠蔽したわけではないんです。
ほんとなんです刑事さん、信じてください!
俺は無実なんです!
……ってなわけで。
親しき仲にも礼儀あり――ならぬ、親しき仲にもやはり言葉は必要だと、そう身につまされた俺なのだった。
トラヴィス家の馬車でアウド村まで送ってもらった俺は、まっすぐサクライ家へと帰宅した。
すぐにウヅキとハヅキの美少女姉妹が出迎えてくれたので、
「昨日は帰らなくて悪かったな。でも、はい、これを見てくれ! どうよどうよ!?」
俺は意気揚々と500万円分の金貨が入った、ずっしりと重い皮袋をウヅキへと手渡した。
ラブコメ系A級チート『誰にもできなかったビッグプロジェクトを成し遂げた夫』が発動し、男らしさに花を添えてくる。
いやまぁ結婚はしてないんだけどね。
「セーヤさん、これってまさか……!!」
中身を確認した途端、ウヅキの顔が驚愕の色に染まった。
「ああ、多分そのまさかさ――!」
驚いた顔のままでウヅキは皮袋から視線を上げると、今度は俺の瞳をじっとのぞき込んでくる。
おいおい、いくら感激したからってそんなに情熱的に見つめられたら照れるじゃないか……。
「ははっ、そりゃびっくりする気持ちは分かるけど、そこまで驚いてくれるなんてウヅキは相変わらず可愛いやつだなぁ」
文句なしにガッツリ稼いできたってこともあって、いつにもまして俺の口は軽やかに動く。
なんせ昨日まで冴えないヒモだったのが、一気に500万だぞ500万!
口も心もたんぽぽの綿毛みたいに軽くなるってなもんだ。
それもこれも、全チートフル装備のおかげである。
聡明で優しく、何より俺のことを信頼しきっているウヅキだ。
細かい説明なんてしなくとも、何があったのか察するには十分だろう。
以心伝心。
俺とウヅキが築き上げた高度に昇華された愛という名の絆の前には、もはやありきたりの言葉など不要なのだ――!
「セーヤさん、わたし、ずっと待ってますから……」
「そうそう俺が稼いでくるのを、ずっと待っててくれたんだよな。……って、え? もう待たなくていいんだよ? ……ん?」
俺が金を稼いでくるのを待っててくれた、のではなく?
これから待つの?
いったい何を?
「わたし、ずっと待ってますから……セーヤさんが出所するのを」
「……はい?」
しゅっしょ?
「ウヅキ、なにを……」
「だから、これは返しに行きましょう。わたしも一緒についていきますから。大丈夫です、素直に謝ればきっと死罪はまぬかれるはずですから……」
ウヅキは何らかの激情を堪えながら、必死に優しい顔を作って俺に語りかけてくるのだ。
「おねぇ、まなしー、どっかいっちゃうの?」
「そうね……でも大丈夫。ちょっと遠くにお勤めしてくるだけだから」
「ぅ……おわかれ……?」
「そんな顏しないの。笑顔でお姉ちゃんと一緒に、セーヤさんが帰ってくるのを待ちましょうね」
「……ぅん、わかった……まつ……いっしょにまつ……!」
「うん。ハヅキは偉い子ね、ほらおいで、いいこいいこ」
「……ぁぅ」
優しくなでなでする姉と、嬉しそうになでなでされる妹、そして完全に放置された俺。
しんみりした空気が場を覆う中、実に尊い姉妹愛は俺の心のメモリーに永久保存な一幕なんだけれど、
「いやあの、これは俺が稼いできたお金だから……」
「セーヤさん、蔵破りは稼ぐとは言わないんですよ……」
「クラヤブリ……? ブリの一種? なぜに魚? ……ってああ! 蔵を破るってことか! つまり侵入窃盗――って、いやいや違うから! これは本当に俺が稼いできたお金でだな」
「だってこんな大金……ざっと見積もって数百万はあるじゃないですか……たった一日でどうやってこんなお金を稼ぐって言うんですか……」
涙をいっぱいに溜めながら、しかし決してこぼしはしないウヅキは本当に強い子だよ――ではなく!
「わかった、最初から全部説明しよう! まずはだな――」
俺はウヅキと別れてからの一連のアレコレを、一から全て説明したのだった。
……ナイアとミリアちゃんのことは、必要ないから端折ったけどね。
お金を稼いだことと直接は関係ない枝葉末節だからね、うん。
だから決して、決して意図的に隠蔽したわけではないんです。
ほんとなんです刑事さん、信じてください!
俺は無実なんです!
……ってなわけで。
親しき仲にも礼儀あり――ならぬ、親しき仲にもやはり言葉は必要だと、そう身につまされた俺なのだった。
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