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異世界転生 8日目
第149.5話 なでなで。 パタパタ。
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「おぅ……歯形が、歯型がこんなにくっきり……なんてことすんだよ、もう!」
「フン、軽く甘噛みしただけで大げさな……この惰弱な軟弱者が」
「おまえな……人がせっかく話し合いで解決しようって提案してんのに――」
「誰もそんなこと頼んでおらんわ」
「この犬……! 文字通り負け犬の分際でなんという生意気な……!」
「我ら誇り高き《シュプリームウルフ》はオオカミよ。同胞とはいえ、人に従属する道を選んだイヌと違えることは許さんぞ」
「へいへいそうっすね、すんませんでした。あぁもうほんと痛い……」
目に涙をためて愚痴っていると、サーシャが優しく左手を取ってさすりさすりしてくれた。
柔らかい女の子の手に、やさしくいたわるようにさすってもらえて、これはこれで悪くないね、うん。
全然悪くない。
「でも、ま。やっと会話らしい会話をしてくれたな。これでやっとスタートラインくらいには立てたってことでいいのかな?」
「フン……好きに解釈すればいいわ。……で?」
「で、とは?」
「力になってくれるのだろう。ならとっとと力を貸さんか、この痴れ者め」
ブチ……っ!
「おいこらてめぇ、さっきから下手にでてりゃ調子にのりやがって! それが人にものを頼む態度か? 上等だ! もっかい、いてこますぞこの野郎!」
「我はメスよ、野郎ではないわ」
「むきー! ああいえばこう言う!」
「セーヤ様、落ち着いてくださいですの」
「これが落ち着いていられるか!」
「多分ですけど、この子はふてくされているだけですの。わたくしにはその気持ちがよく分かりますわ。ウヅキに嫉妬して、負け続ける自分が嫌になって、やり場のない心の情動を誰かにぶつけてしまう気持ちが――」
「サーシャ……」
「でもオオカミさんも、そういうものの言い方は良くないですの。セーヤ様は本当に頼りになる男の人なのですわ。あなたのことも悪いやつじゃないってずっとおっしゃっていましたし」
「フン……」
「実際わたくしも今こうして話してみて、それが良くわかりましたの。ねぇオオカミさん、わたくしたちにあなたのお話を聞かせていただけませんか? なぜトラヴィス商会の荷馬車を襲ったのか、わたくしたちはそれを知りたいのです。なにか止むに止まれぬ事情があるのでしたら、セーヤ様とわたくしがあなたの力になりますわ」
説得力があってとても勉強になりました。
これがコミュ力ってやつか……。
「な、仲良くしようぜ?」
言って、懲りない俺は再びそろそろと《シュプリームウルフ》へと手を伸ばしていく。
「フン……」
しかし今度は噛みつかれることもなく――その頭を、俺は優しく撫でてあげることに成功したのだった。
女の子を胸キュンさせるラブコメ系A級チート『頭ぽんぽん』が発動し、撫でられて気持ちいいのか《シュプリームウルフ》の耳がパタッパタッと動いている。
なんとはなしにその耳も撫でてあげた。
ふと獣人族のココが、耳を撫でるのは求愛の証みたいなことを言ってたのを思い出した。
「ま、《シュプリームウルフ》は獣人族とは違うSS級『幻想種』だから、何がどうってことはないだろ……」
なでなで。
パタパタ。
なでなでなで。
パタパタパタ。
なでなでなでなで。
パタパタパタパタ。
「ふふふ、可愛いじゃないか。ほらほら、ここか? ここがええのんか?」
「調子にのるな――ガブリ」
「ぐぉぉぉぉおおおっ! だから噛むなって! ちょ、痛いって! あ、牙でぐりぐりしちゃダメ! お願い離して! 頼む、サーシャからも何か言ってやってくれ!」
「ふぅ、良かったですわ。すっかり打ち解けて仲良しになられましたのね」
「一体どこ見て言ったの!? 俺が一方的に痛い思いをさせられているだけだよね!?」
とまぁ、そんな感じでじゃれ合いながら親睦を深めた(?)おかげか。
「妹たちが、さらわれたんだ――」
ポツリと、《シュプリームウルフ》は口を開いたのだった――。
「フン、軽く甘噛みしただけで大げさな……この惰弱な軟弱者が」
「おまえな……人がせっかく話し合いで解決しようって提案してんのに――」
「誰もそんなこと頼んでおらんわ」
「この犬……! 文字通り負け犬の分際でなんという生意気な……!」
「我ら誇り高き《シュプリームウルフ》はオオカミよ。同胞とはいえ、人に従属する道を選んだイヌと違えることは許さんぞ」
「へいへいそうっすね、すんませんでした。あぁもうほんと痛い……」
目に涙をためて愚痴っていると、サーシャが優しく左手を取ってさすりさすりしてくれた。
柔らかい女の子の手に、やさしくいたわるようにさすってもらえて、これはこれで悪くないね、うん。
全然悪くない。
「でも、ま。やっと会話らしい会話をしてくれたな。これでやっとスタートラインくらいには立てたってことでいいのかな?」
「フン……好きに解釈すればいいわ。……で?」
「で、とは?」
「力になってくれるのだろう。ならとっとと力を貸さんか、この痴れ者め」
ブチ……っ!
「おいこらてめぇ、さっきから下手にでてりゃ調子にのりやがって! それが人にものを頼む態度か? 上等だ! もっかい、いてこますぞこの野郎!」
「我はメスよ、野郎ではないわ」
「むきー! ああいえばこう言う!」
「セーヤ様、落ち着いてくださいですの」
「これが落ち着いていられるか!」
「多分ですけど、この子はふてくされているだけですの。わたくしにはその気持ちがよく分かりますわ。ウヅキに嫉妬して、負け続ける自分が嫌になって、やり場のない心の情動を誰かにぶつけてしまう気持ちが――」
「サーシャ……」
「でもオオカミさんも、そういうものの言い方は良くないですの。セーヤ様は本当に頼りになる男の人なのですわ。あなたのことも悪いやつじゃないってずっとおっしゃっていましたし」
「フン……」
「実際わたくしも今こうして話してみて、それが良くわかりましたの。ねぇオオカミさん、わたくしたちにあなたのお話を聞かせていただけませんか? なぜトラヴィス商会の荷馬車を襲ったのか、わたくしたちはそれを知りたいのです。なにか止むに止まれぬ事情があるのでしたら、セーヤ様とわたくしがあなたの力になりますわ」
説得力があってとても勉強になりました。
これがコミュ力ってやつか……。
「な、仲良くしようぜ?」
言って、懲りない俺は再びそろそろと《シュプリームウルフ》へと手を伸ばしていく。
「フン……」
しかし今度は噛みつかれることもなく――その頭を、俺は優しく撫でてあげることに成功したのだった。
女の子を胸キュンさせるラブコメ系A級チート『頭ぽんぽん』が発動し、撫でられて気持ちいいのか《シュプリームウルフ》の耳がパタッパタッと動いている。
なんとはなしにその耳も撫でてあげた。
ふと獣人族のココが、耳を撫でるのは求愛の証みたいなことを言ってたのを思い出した。
「ま、《シュプリームウルフ》は獣人族とは違うSS級『幻想種』だから、何がどうってことはないだろ……」
なでなで。
パタパタ。
なでなでなで。
パタパタパタ。
なでなでなでなで。
パタパタパタパタ。
「ふふふ、可愛いじゃないか。ほらほら、ここか? ここがええのんか?」
「調子にのるな――ガブリ」
「ぐぉぉぉぉおおおっ! だから噛むなって! ちょ、痛いって! あ、牙でぐりぐりしちゃダメ! お願い離して! 頼む、サーシャからも何か言ってやってくれ!」
「ふぅ、良かったですわ。すっかり打ち解けて仲良しになられましたのね」
「一体どこ見て言ったの!? 俺が一方的に痛い思いをさせられているだけだよね!?」
とまぁ、そんな感じでじゃれ合いながら親睦を深めた(?)おかげか。
「妹たちが、さらわれたんだ――」
ポツリと、《シュプリームウルフ》は口を開いたのだった――。
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