180 / 566
異世界転生 9日目
第159話 幸運系S級チート『情けは人の為ならず』
しおりを挟む
「それにしてもすごかったな、ナイア。すっげー痛快だった」
「まぁ、すごいのはアタイじゃなくて皇帝陛下のご威光なんだけどね」
「それそれ! ナイアが皇帝――っと、皇帝陛下と謁見するくらいに偉い人なんだって、改めて実感したっていうか」
「皇帝」と呼び捨てにしかけて、慌てて俺は「皇帝陛下」と言いなおした。
まぁほら?
不敬を働いたとかで無駄に敵を作ったり、せっかく好いてくれてる女の子たちの心証を悪くしたりする必要はないっていうか?
べ、別に皇帝陛下のご威光に日和ったわけじゃないんだからねっ!
「こう見えて、アタイは皇帝陛下直属の《聖処女騎士団》を預かる騎士団長だからさ。まぁ多少はね」
言って、ナイアは茶目っ気を含んだウインクをしてみせた。
チートも使ってないのに、まるで映画スターのように絵になっちゃうのがすごいです。
「そうだ、さっき言ってたけどさ。結局スコット=マシソン商会はお取り潰しになるのか?」
「いいや? ならないだろうね」
「ならんのかい!」
思わずツッコんだわ。
「へぇ、酷い目にあわされたってのに、セーヤは彼の行く末が気になるのかな?」
「いや、全然別に全然そういう訳じゃないんだけど――」
この後どうなるのか単純に気になっただけで、俺としては偉そうなイケメン野郎がこの先どうなろうが特に興味はなかった――んだけど、
「さすが主様、あの憐れな小童にも心を配るとは、天の空のごとき広大な心をもっておるのじゃ」
「さすがです、セーヤさん!」
「まなしー、やさしいから、すき」
「そうやって謙遜するところも、また素敵だね」
幸運系S級チート『情けは人の為ならず』が発動し、かけてもいない「情け」が、女の子から褒められるという「幸運」となって、俺のもとへと帰ってきたのだ。
「すげーチートだなおい……。だって今の俺、本気で何もしてなかったぞ……?」
でもまぁ、女の子たちに褒めそやかされて悪い気はしないよね。
ということで、当然ここは黙まったままでちやほやされておく俺だった。
今回ちょっと頑張ったし、これくらいのご褒美があってもいいと思います!
ちなみに強引に因果を繋ぐということで、因果を断絶するディスペル系S級チート『え? なんだって?』とは、対になるチートのようだ。
「マナシロ様。お嬢さまを危険にさらした愚か者に情けなど無用です。ここは一族郎党、果ては未来永劫・末代にわたるまで二度と刃向おうなどと思わないように、とことんまで追い込むべきかと」
なんか怖いセリフも聞こえたけど、俺は聞かなかったことにした。
「こいつそんなこと思ってないのだ……ぜったい嘘なのだ……」
シロガネもなんか言ってるが気にしない。
俺は果てなき大空のごとき広い心を持っているからね。
「ま、アタイが皇帝裁判を進言すれば実際にそうなるかもしれないけど。落ち目とは言え帝都三大商会の一つがつぶれたら、事後処理がやっかいってもんじゃないからね」
「そりゃそうか……」
日本もリーマンショックのときに大変なことになったもんな……。
「通常の裁判だったら経済的影響も考慮して、せいぜいがトップの首のすげ替えってところでお茶を濁すだろうね。スティール・スコット=マシソンは個人資産没収の上、都払い10年ってとこじゃないかな」
「都払い? ――ってなんだ?」
聞きなれない刑罰の名前だ。
「帝都、及び衛星都市での全ての権利が剥奪される刑罰です。商売ができないどころか、住むことすらできなくなっちゃいます」
物知りウヅキさんが、おバカな俺のために分かりやすく教えてくれた。
もはやこの世界で、俺はウヅキなしでは生きていられないのである……。
「つまり商人としては事実上、再起不能ってことか……じゃあこれでもうトラヴィス商会に嫌がらせをしてくることもなくなるんだな」
「はいですの。この度の一件、セーヤ様には本当にお世話になりました。心よりの感謝を申し上げます。本当にありがとうございました」
なんて、急にかしこまった態度でサーシャが頭を下げてくる。
「よせやい……だって俺たちは仲間だろ?」
「はい、婚約者ですの!」
サーシャが「新婚さんいらっしゃい!」の出演者みたいに、幸せいっぱいの笑顔で笑った。
その笑顔が見れただけで、俺も頑張った甲斐があったってなもんよ。
「本当にお疲れさまでした、セーヤさん!」
「ウヅキもありがとう。ハヅキと一緒にシロガネの面倒を見てくれて助かった」
「うにゅ、がんばった」
「ハヅキも偉かったな。ほら、おいで」
そう言って優しく頭を撫でてあげると、へにゃーっと嬉しそうに頬を緩めるハヅキ。
「主様、主様!」
突入からこっち、ずっとやる気無さそうに最後尾をついてくるだけだった《神焉竜》が、
「妾もなのじゃ!」
我が意を得たりとばかりに撫でてほしそうに近寄ってきたので、一緒に撫でてあげる。
右手でハヅキ、左手で《神焉竜》の、奥義ダブルなでなでである。
「うむうむ、主様のなでなでは気持ちいいのじゃ……」
こうやってる気持ちよさそうに目を細めていると、ちょっと子供っぽいところのある可愛いお姉さんって感じで、これがまさか伝説のSS級『幻想種』《神焉竜》アレキサンドライトだとは、誰も思わないだろうなぁ……。
そしてなでなでした女の子が幸せそうな顔をしてくれると、俺もすごく幸せな気分になれるのだ。
これが、これこそが俺の提唱する「高速増殖モテ循環サイクル」なのだった。
しばらくの間、ハツキ&《神焉竜》へのなでなでを堪能する俺だった。
「まぁ、すごいのはアタイじゃなくて皇帝陛下のご威光なんだけどね」
「それそれ! ナイアが皇帝――っと、皇帝陛下と謁見するくらいに偉い人なんだって、改めて実感したっていうか」
「皇帝」と呼び捨てにしかけて、慌てて俺は「皇帝陛下」と言いなおした。
まぁほら?
不敬を働いたとかで無駄に敵を作ったり、せっかく好いてくれてる女の子たちの心証を悪くしたりする必要はないっていうか?
べ、別に皇帝陛下のご威光に日和ったわけじゃないんだからねっ!
「こう見えて、アタイは皇帝陛下直属の《聖処女騎士団》を預かる騎士団長だからさ。まぁ多少はね」
言って、ナイアは茶目っ気を含んだウインクをしてみせた。
チートも使ってないのに、まるで映画スターのように絵になっちゃうのがすごいです。
「そうだ、さっき言ってたけどさ。結局スコット=マシソン商会はお取り潰しになるのか?」
「いいや? ならないだろうね」
「ならんのかい!」
思わずツッコんだわ。
「へぇ、酷い目にあわされたってのに、セーヤは彼の行く末が気になるのかな?」
「いや、全然別に全然そういう訳じゃないんだけど――」
この後どうなるのか単純に気になっただけで、俺としては偉そうなイケメン野郎がこの先どうなろうが特に興味はなかった――んだけど、
「さすが主様、あの憐れな小童にも心を配るとは、天の空のごとき広大な心をもっておるのじゃ」
「さすがです、セーヤさん!」
「まなしー、やさしいから、すき」
「そうやって謙遜するところも、また素敵だね」
幸運系S級チート『情けは人の為ならず』が発動し、かけてもいない「情け」が、女の子から褒められるという「幸運」となって、俺のもとへと帰ってきたのだ。
「すげーチートだなおい……。だって今の俺、本気で何もしてなかったぞ……?」
でもまぁ、女の子たちに褒めそやかされて悪い気はしないよね。
ということで、当然ここは黙まったままでちやほやされておく俺だった。
今回ちょっと頑張ったし、これくらいのご褒美があってもいいと思います!
ちなみに強引に因果を繋ぐということで、因果を断絶するディスペル系S級チート『え? なんだって?』とは、対になるチートのようだ。
「マナシロ様。お嬢さまを危険にさらした愚か者に情けなど無用です。ここは一族郎党、果ては未来永劫・末代にわたるまで二度と刃向おうなどと思わないように、とことんまで追い込むべきかと」
なんか怖いセリフも聞こえたけど、俺は聞かなかったことにした。
「こいつそんなこと思ってないのだ……ぜったい嘘なのだ……」
シロガネもなんか言ってるが気にしない。
俺は果てなき大空のごとき広い心を持っているからね。
「ま、アタイが皇帝裁判を進言すれば実際にそうなるかもしれないけど。落ち目とは言え帝都三大商会の一つがつぶれたら、事後処理がやっかいってもんじゃないからね」
「そりゃそうか……」
日本もリーマンショックのときに大変なことになったもんな……。
「通常の裁判だったら経済的影響も考慮して、せいぜいがトップの首のすげ替えってところでお茶を濁すだろうね。スティール・スコット=マシソンは個人資産没収の上、都払い10年ってとこじゃないかな」
「都払い? ――ってなんだ?」
聞きなれない刑罰の名前だ。
「帝都、及び衛星都市での全ての権利が剥奪される刑罰です。商売ができないどころか、住むことすらできなくなっちゃいます」
物知りウヅキさんが、おバカな俺のために分かりやすく教えてくれた。
もはやこの世界で、俺はウヅキなしでは生きていられないのである……。
「つまり商人としては事実上、再起不能ってことか……じゃあこれでもうトラヴィス商会に嫌がらせをしてくることもなくなるんだな」
「はいですの。この度の一件、セーヤ様には本当にお世話になりました。心よりの感謝を申し上げます。本当にありがとうございました」
なんて、急にかしこまった態度でサーシャが頭を下げてくる。
「よせやい……だって俺たちは仲間だろ?」
「はい、婚約者ですの!」
サーシャが「新婚さんいらっしゃい!」の出演者みたいに、幸せいっぱいの笑顔で笑った。
その笑顔が見れただけで、俺も頑張った甲斐があったってなもんよ。
「本当にお疲れさまでした、セーヤさん!」
「ウヅキもありがとう。ハヅキと一緒にシロガネの面倒を見てくれて助かった」
「うにゅ、がんばった」
「ハヅキも偉かったな。ほら、おいで」
そう言って優しく頭を撫でてあげると、へにゃーっと嬉しそうに頬を緩めるハヅキ。
「主様、主様!」
突入からこっち、ずっとやる気無さそうに最後尾をついてくるだけだった《神焉竜》が、
「妾もなのじゃ!」
我が意を得たりとばかりに撫でてほしそうに近寄ってきたので、一緒に撫でてあげる。
右手でハヅキ、左手で《神焉竜》の、奥義ダブルなでなでである。
「うむうむ、主様のなでなでは気持ちいいのじゃ……」
こうやってる気持ちよさそうに目を細めていると、ちょっと子供っぽいところのある可愛いお姉さんって感じで、これがまさか伝説のSS級『幻想種』《神焉竜》アレキサンドライトだとは、誰も思わないだろうなぁ……。
そしてなでなでした女の子が幸せそうな顔をしてくれると、俺もすごく幸せな気分になれるのだ。
これが、これこそが俺の提唱する「高速増殖モテ循環サイクル」なのだった。
しばらくの間、ハツキ&《神焉竜》へのなでなでを堪能する俺だった。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
初期スキルが便利すぎて異世界生活が楽しすぎる!
霜月雹花
ファンタジー
神の悪戯により死んでしまった主人公は、別の神の手により3つの便利なスキルを貰い異世界に転生する事になった。転生し、普通の人生を歩む筈が、又しても神の悪戯によってトラブルが起こり目が覚めると異世界で10歳の〝家無し名無し〟の状態になっていた。転生を勧めてくれた神からの手紙に代償として、希少な力を受け取った。
神によって人生を狂わされた主人公は、異世界で便利なスキルを使って生きて行くそんな物語。
書籍8巻11月24日発売します。
漫画版2巻まで発売中。
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
『スローライフどこ行った?!』追放された最強凡人は望まぬハーレムに困惑する?!
たらふくごん
ファンタジー
最強の凡人――追放され、転生した蘇我頼人。
新たな世界で、彼は『ライト・ガルデス』として再び生を受ける。
※※※※※
1億年の試練。
そして、神をもしのぐ力。
それでも俺の望みは――ただのスローライフだった。
すべての試練を終え、創世神にすら認められた俺。
だが、もはや生きることに飽きていた。
『違う選択肢もあるぞ?』
創世神の言葉に乗り気でなかった俺は、
その“策略”にまんまと引っかかる。
――『神しか飲めぬ最高級のお茶』。
確かに神は嘘をついていない。
けれど、あの流れは勘違いするだろうがっ!!
そして俺は、あまりにも非道な仕打ちの末、
神の娘ティアリーナが治める世界へと“追放転生”させられた。
記憶を失い、『ライト・ガルデス』として迎えた新しい日々。
それは、久しく感じたことのない“安心”と“愛”に満ちていた。
だが――5歳の洗礼の儀式を境に、運命は動き出す。
くどいようだが、俺の望みはスローライフ。
……のはずだったのに。
呪いのような“女難の相”が炸裂し、
気づけば婚約者たちに囲まれる毎日。
どうしてこうなった!?
最強無敗の少年は影を従え全てを制す
ユースケ
ファンタジー
不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。
産まれ落ちた家は田舎に位置する辺境伯。
カズトもといリュートはその家系の長男として、日々貴族としての教養と常識を身に付けていく。
しかし彼の力は生まれながらにして最強。
そんな彼が巻き起こす騒動は、常識を越えたものばかりで……。
天才女薬学者 聖徳晴子の異世界転生
西洋司
ファンタジー
妙齢の薬学者 聖徳晴子(せいとく・はるこ)は、絶世の美貌の持ち主だ。
彼女は思考の並列化作業を得意とする、いわゆる天才。
精力的にフィールドワークをこなし、ついにエリクサーの開発間際というところで、放火で殺されてしまった。
晴子は、権力者達から、その地位を脅かす存在、「敵」と見做されてしまったのだ。
死後、晴子は天界で女神様からこう提案された。
「あなたは生前7人分の活躍をしましたので、異世界行きのチケットが7枚もあるんですよ。もしよろしければ、一度に使い切ってみては如何ですか?」
晴子はその提案を受け容れ、異世界へと旅立った。
ギルドの片隅で飲んだくれてるおっさん冒険者
哀上
ファンタジー
チートを貰い転生した。
何も成し遂げることなく35年……
ついに前世の年齢を超えた。
※ 第5回次世代ファンタジーカップにて“超個性的キャラクター賞”を受賞。
※この小説は他サイトにも投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる