191 / 566
第三部 先史の調べ ―パーティクル・カノン―
第169話 かいてきな、そらのたびを、おとどけ
しおりを挟む
ナイア、クリスさん、シロガネと別れ、《神焉竜》の背中に乗って飛び立った俺、ウヅキ、サーシャ、ハヅキの4人は。
今、広大な空の上にいた。
「おー、これは凄いな! 絶景だし、こんなに速いスピードなのに、まるで室内にいるみたいに風の流れを全く感じない」
「ふふん、空は妾の庭なのじゃ。妾ほどになれば、これくらい造作もなきこと。でも主様が褒めてくれるのはとても嬉しいのじゃ。もっと褒めてたもれ」
すごいすごいと、俺は《神焉竜》の首元を撫でてやる。
「なにせ戦闘に関しては互いに全力を出し合うのが好みの《神滅覇王》ですら、《神焉竜》には空を飛ばせようとはしなかったもんな……でも、これなら納得だ」
自由自在に空を飛ぶ《神焉竜》は、間違いなく手が付けられないほどの難敵になったことだろう。
「うにゅ、かいてきな、そらのたびを、おとどけ」
「お、難しい言葉を知ってるな」
っていうか飛行機もない世界で、どこでこの言葉を使っているんだろうか?
ふと、俺の右腕を抱きかかえながら座っていたウヅキが、ぷるぷるしていることに気が付いた。
「ウヅキ?」
ウヅキははるか下の大地を見ながら、
「ひ、ひひひ、人があんなに小さく……」
ガクガクと震えていたのだ。
「どうじゃ奥方殿、まるで人がゴミのようじゃろうて?」
「いやその表現はいろいろとまずいぞ、色々と……っていうかウヅキは来るときも空を飛んできたんじゃないのか? よく大丈夫だったな」
「来るときは夜で真っ暗だったので、下はよく見えなかったんですよぉ……でも明るいところで改めて見たら、はぅ……」
怖ければ見なければいいだろうに、しかしウヅキはもし落ちたら……と気になって気になって仕方ないのだろう。
どうしても下を見てしまうようだった。
「ウヅキ、気をしっかりもって! 怖いんだったら俺のほうにもっとくっついてくれていいからさ。ほら、こっちにおいで」
「で、では……お言葉に甘えて……」
怖くてたまらないからか、ウヅキはいつものように遠慮することもなく、とても素直に、そしていつもよりもぎゅうっと身体を寄せてきた。
今までむにゅって感じだったおっぱいが、むぎゅぎゅぎゅっ!と大変やわらかけしからん感じで押し付けられて……くっ、右上腕が全方位おっぱいに包まれてしまっているぞ……!
「なんという圧倒的な存在感……っ!」
もちろんそういうことを狙って下心から提案したわけではなくて、あくまでこれはウヅキを安心させるためのものであってですね?
ほんと、こうなってはじめて気づいたんだよ?
ウソ偽りなく本当だよ?
「ウヅキ、大丈夫だよ。別に落ちやしないからさ。ほらサーシャを見てみろよ。さっきから静かなもんだぞ。なぁサーシャ、これくらいなんてことないよな――サーシャ? おい、サーシャ? おーい?」
すぐ左隣にいるのに返事がない――と思ったら、
「うにゅ、サシャねぇ、きぜつ、してる」
サーシャは俺の左手をぎゅっと両手で抱きしめたまま、完全に意識を失っていたのだった。
誇り高きトラヴィスの跡取り娘としてのプライドなのか、悲鳴を上げないように真一文字に口をつぐんだままの顔で……。
「サーシャ……無茶しやがって……」
恐怖に負けないようにと、必死にがんばってたんだな。
「安心して寝ていろよ……ついたら何も知らない風を装って起こしてやるからな……」
今、広大な空の上にいた。
「おー、これは凄いな! 絶景だし、こんなに速いスピードなのに、まるで室内にいるみたいに風の流れを全く感じない」
「ふふん、空は妾の庭なのじゃ。妾ほどになれば、これくらい造作もなきこと。でも主様が褒めてくれるのはとても嬉しいのじゃ。もっと褒めてたもれ」
すごいすごいと、俺は《神焉竜》の首元を撫でてやる。
「なにせ戦闘に関しては互いに全力を出し合うのが好みの《神滅覇王》ですら、《神焉竜》には空を飛ばせようとはしなかったもんな……でも、これなら納得だ」
自由自在に空を飛ぶ《神焉竜》は、間違いなく手が付けられないほどの難敵になったことだろう。
「うにゅ、かいてきな、そらのたびを、おとどけ」
「お、難しい言葉を知ってるな」
っていうか飛行機もない世界で、どこでこの言葉を使っているんだろうか?
ふと、俺の右腕を抱きかかえながら座っていたウヅキが、ぷるぷるしていることに気が付いた。
「ウヅキ?」
ウヅキははるか下の大地を見ながら、
「ひ、ひひひ、人があんなに小さく……」
ガクガクと震えていたのだ。
「どうじゃ奥方殿、まるで人がゴミのようじゃろうて?」
「いやその表現はいろいろとまずいぞ、色々と……っていうかウヅキは来るときも空を飛んできたんじゃないのか? よく大丈夫だったな」
「来るときは夜で真っ暗だったので、下はよく見えなかったんですよぉ……でも明るいところで改めて見たら、はぅ……」
怖ければ見なければいいだろうに、しかしウヅキはもし落ちたら……と気になって気になって仕方ないのだろう。
どうしても下を見てしまうようだった。
「ウヅキ、気をしっかりもって! 怖いんだったら俺のほうにもっとくっついてくれていいからさ。ほら、こっちにおいで」
「で、では……お言葉に甘えて……」
怖くてたまらないからか、ウヅキはいつものように遠慮することもなく、とても素直に、そしていつもよりもぎゅうっと身体を寄せてきた。
今までむにゅって感じだったおっぱいが、むぎゅぎゅぎゅっ!と大変やわらかけしからん感じで押し付けられて……くっ、右上腕が全方位おっぱいに包まれてしまっているぞ……!
「なんという圧倒的な存在感……っ!」
もちろんそういうことを狙って下心から提案したわけではなくて、あくまでこれはウヅキを安心させるためのものであってですね?
ほんと、こうなってはじめて気づいたんだよ?
ウソ偽りなく本当だよ?
「ウヅキ、大丈夫だよ。別に落ちやしないからさ。ほらサーシャを見てみろよ。さっきから静かなもんだぞ。なぁサーシャ、これくらいなんてことないよな――サーシャ? おい、サーシャ? おーい?」
すぐ左隣にいるのに返事がない――と思ったら、
「うにゅ、サシャねぇ、きぜつ、してる」
サーシャは俺の左手をぎゅっと両手で抱きしめたまま、完全に意識を失っていたのだった。
誇り高きトラヴィスの跡取り娘としてのプライドなのか、悲鳴を上げないように真一文字に口をつぐんだままの顔で……。
「サーシャ……無茶しやがって……」
恐怖に負けないようにと、必死にがんばってたんだな。
「安心して寝ていろよ……ついたら何も知らない風を装って起こしてやるからな……」
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
初期スキルが便利すぎて異世界生活が楽しすぎる!
霜月雹花
ファンタジー
神の悪戯により死んでしまった主人公は、別の神の手により3つの便利なスキルを貰い異世界に転生する事になった。転生し、普通の人生を歩む筈が、又しても神の悪戯によってトラブルが起こり目が覚めると異世界で10歳の〝家無し名無し〟の状態になっていた。転生を勧めてくれた神からの手紙に代償として、希少な力を受け取った。
神によって人生を狂わされた主人公は、異世界で便利なスキルを使って生きて行くそんな物語。
書籍8巻11月24日発売します。
漫画版2巻まで発売中。
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
『スローライフどこ行った?!』追放された最強凡人は望まぬハーレムに困惑する?!
たらふくごん
ファンタジー
最強の凡人――追放され、転生した蘇我頼人。
新たな世界で、彼は『ライト・ガルデス』として再び生を受ける。
※※※※※
1億年の試練。
そして、神をもしのぐ力。
それでも俺の望みは――ただのスローライフだった。
すべての試練を終え、創世神にすら認められた俺。
だが、もはや生きることに飽きていた。
『違う選択肢もあるぞ?』
創世神の言葉に乗り気でなかった俺は、
その“策略”にまんまと引っかかる。
――『神しか飲めぬ最高級のお茶』。
確かに神は嘘をついていない。
けれど、あの流れは勘違いするだろうがっ!!
そして俺は、あまりにも非道な仕打ちの末、
神の娘ティアリーナが治める世界へと“追放転生”させられた。
記憶を失い、『ライト・ガルデス』として迎えた新しい日々。
それは、久しく感じたことのない“安心”と“愛”に満ちていた。
だが――5歳の洗礼の儀式を境に、運命は動き出す。
くどいようだが、俺の望みはスローライフ。
……のはずだったのに。
呪いのような“女難の相”が炸裂し、
気づけば婚約者たちに囲まれる毎日。
どうしてこうなった!?
最強無敗の少年は影を従え全てを制す
ユースケ
ファンタジー
不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。
産まれ落ちた家は田舎に位置する辺境伯。
カズトもといリュートはその家系の長男として、日々貴族としての教養と常識を身に付けていく。
しかし彼の力は生まれながらにして最強。
そんな彼が巻き起こす騒動は、常識を越えたものばかりで……。
天才女薬学者 聖徳晴子の異世界転生
西洋司
ファンタジー
妙齢の薬学者 聖徳晴子(せいとく・はるこ)は、絶世の美貌の持ち主だ。
彼女は思考の並列化作業を得意とする、いわゆる天才。
精力的にフィールドワークをこなし、ついにエリクサーの開発間際というところで、放火で殺されてしまった。
晴子は、権力者達から、その地位を脅かす存在、「敵」と見做されてしまったのだ。
死後、晴子は天界で女神様からこう提案された。
「あなたは生前7人分の活躍をしましたので、異世界行きのチケットが7枚もあるんですよ。もしよろしければ、一度に使い切ってみては如何ですか?」
晴子はその提案を受け容れ、異世界へと旅立った。
ギルドの片隅で飲んだくれてるおっさん冒険者
哀上
ファンタジー
チートを貰い転生した。
何も成し遂げることなく35年……
ついに前世の年齢を超えた。
※ 第5回次世代ファンタジーカップにて“超個性的キャラクター賞”を受賞。
※この小説は他サイトにも投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる