238 / 566
第四部 古の盟約(いにしえのめいやく) 異世界転生 12日目(前編)
第215話 神様、もう少しだけ……
しおりを挟む
「うん、巫女エルフー」
「――ってなに?」
「エルフ村ではおーさまのお世話をする女の子なんだー」
「エルフ村……つまり君はエルフ! うわすごい、初めて見た! さすがエルフ、尋常じゃなく可愛いな!」
「ありがとー、はおーさまー。それでね、巫女エルフは昔のはおーさまが作ったしきたりなんだよー」
「『はおーさま』って《神滅覇王》のこと、だよな?」
「そーだよー。はおーさまが、今のはおーさまだよねー? クレアははおーさまの巫女エルフだから力の余韻? みたいなのがバッチシわかるんだー」
「それは実に素晴らしいしきたりだな、恐れ入ったよ……っていやいやだからその前に確認しないといけないことがあるだろ俺!」
人間、魅力的すぎる条件を出されると一周回って引いてしまうからか。
俺はビッグバンおっぱいフリーパスチケットの誘惑をさらりと断ち切ってみせると、
「実は全然覚えてないんだけどさ。多分、俺のことを助けてくれたんだよな?」
「そーだよー。はおーさまの巫女エルフだからねー」
「その時にさ、近くに幼女が2人いなかったかな? ハヅキとトワって名前なんだけど。すごく大事な子たちでさ」
「んーと、その子たちならさっきお外でお花を見てたよー? そこの窓から見えるんじゃないかなー」
その言葉を聞いた俺は、右手で抱きかかえちゃってたビッグバンおっぱいな巫女エルフちゃんからこれ幸いと離れると、窓へと駆け寄った。
「ほっ、無事だったか……元気そうだし良かった……」
窓から見える2人は、並んでしゃがみこんで花壇のお花を愛でていた。
お姉さん風を吹かせるハヅキがなにやら指差して、それにトワがふんふん頷いている。
「尊いな、うん、尊いよ。仲睦まじい幼女たちの姿に、俺の心もきれいさっぱり洗われるようだ……」
俺は何年にもわたる赤貧を乗り越えて信奉する神の奇跡を目にした敬虔な信者のように、胸が熱い想いに満たされるのを感じていた。
「じゃあ続きしよっかー」
「続き?」
直後、
ぴとっ!
背中に柔らかいものが押し付けられる。
「っ!? な、なにを――」
「おっぱい触るんでしょー、はおーさまならいいよー」
巫女エルフちゃんからそんな言葉がですね、かけられたわけですよ?
「……ご、ごくり」
俺は3学期の席替えで学園のアイドルの隣席になって義理チョコを貰った冴えない男子のように、股間が熱い想いに満たされるのを感じていた。
な、なんだよこのいきなりの展開。
素敵すぎるだろ……常識的に考えて!
しかもハヅキとトワの無事を確認してホッとした途端に、この背中に押し当てられた激しく自己主張する逸品にですね、意識がぐいぐい引っ張られてしまうわけですよ……!
「くっ、だめだ、ちゃんと2人に俺が目覚めたことを伝えてあげないと……!」
「それならだいじょーぶだよー。疲れて寝てるだけだってちゃんと言ってあるしー」
「そ、そうか……そうなのか……ならいいかな? うん……いいよね!」
そういうことなら話は早い!
この素敵すぎるおっぱいを、押し付けられた背中の感触だけで済ますという選択がありえようか?
もはやそれは巫女エルフちゃんのご奉仕精神&このような芸術の極致っぱいを創造なされた神に対する冒涜ではないだろうか?
事ここに至っては、漢・麻奈志漏誠也、ビッグバンの謎に正面から立ち向かう所存であります――!
いくぞ――と振り返りかけたまさにその瞬間だった。
「あ、2人がこっちに気付いたみたい! おーい! やっほー!」
「ぇ……?」
間抜けな声を上げた俺を尻目に、巫女エルフちゃんの声につられるようにして、2人の幼女が一目散に俺の方へと走り寄ってきて――、
「まなしー! おきた! よかった!」
「元気そうでなによりです」
とても2人らしい言い方で、俺の目覚めを喜んでくれたのだった。
それはとってもとっても嬉しかったんだけれど――、
「くっ、神様、もう少しだけ……もう少しだけこの至福の時間を過ごさせてほしかった……」
俺は全員無事だったことに大きな喜びを感じるとともに、据え膳が手を付ける前に下げられたことに、心の中でほろりと一筋、涙したのだった……。
「――ってなに?」
「エルフ村ではおーさまのお世話をする女の子なんだー」
「エルフ村……つまり君はエルフ! うわすごい、初めて見た! さすがエルフ、尋常じゃなく可愛いな!」
「ありがとー、はおーさまー。それでね、巫女エルフは昔のはおーさまが作ったしきたりなんだよー」
「『はおーさま』って《神滅覇王》のこと、だよな?」
「そーだよー。はおーさまが、今のはおーさまだよねー? クレアははおーさまの巫女エルフだから力の余韻? みたいなのがバッチシわかるんだー」
「それは実に素晴らしいしきたりだな、恐れ入ったよ……っていやいやだからその前に確認しないといけないことがあるだろ俺!」
人間、魅力的すぎる条件を出されると一周回って引いてしまうからか。
俺はビッグバンおっぱいフリーパスチケットの誘惑をさらりと断ち切ってみせると、
「実は全然覚えてないんだけどさ。多分、俺のことを助けてくれたんだよな?」
「そーだよー。はおーさまの巫女エルフだからねー」
「その時にさ、近くに幼女が2人いなかったかな? ハヅキとトワって名前なんだけど。すごく大事な子たちでさ」
「んーと、その子たちならさっきお外でお花を見てたよー? そこの窓から見えるんじゃないかなー」
その言葉を聞いた俺は、右手で抱きかかえちゃってたビッグバンおっぱいな巫女エルフちゃんからこれ幸いと離れると、窓へと駆け寄った。
「ほっ、無事だったか……元気そうだし良かった……」
窓から見える2人は、並んでしゃがみこんで花壇のお花を愛でていた。
お姉さん風を吹かせるハヅキがなにやら指差して、それにトワがふんふん頷いている。
「尊いな、うん、尊いよ。仲睦まじい幼女たちの姿に、俺の心もきれいさっぱり洗われるようだ……」
俺は何年にもわたる赤貧を乗り越えて信奉する神の奇跡を目にした敬虔な信者のように、胸が熱い想いに満たされるのを感じていた。
「じゃあ続きしよっかー」
「続き?」
直後、
ぴとっ!
背中に柔らかいものが押し付けられる。
「っ!? な、なにを――」
「おっぱい触るんでしょー、はおーさまならいいよー」
巫女エルフちゃんからそんな言葉がですね、かけられたわけですよ?
「……ご、ごくり」
俺は3学期の席替えで学園のアイドルの隣席になって義理チョコを貰った冴えない男子のように、股間が熱い想いに満たされるのを感じていた。
な、なんだよこのいきなりの展開。
素敵すぎるだろ……常識的に考えて!
しかもハヅキとトワの無事を確認してホッとした途端に、この背中に押し当てられた激しく自己主張する逸品にですね、意識がぐいぐい引っ張られてしまうわけですよ……!
「くっ、だめだ、ちゃんと2人に俺が目覚めたことを伝えてあげないと……!」
「それならだいじょーぶだよー。疲れて寝てるだけだってちゃんと言ってあるしー」
「そ、そうか……そうなのか……ならいいかな? うん……いいよね!」
そういうことなら話は早い!
この素敵すぎるおっぱいを、押し付けられた背中の感触だけで済ますという選択がありえようか?
もはやそれは巫女エルフちゃんのご奉仕精神&このような芸術の極致っぱいを創造なされた神に対する冒涜ではないだろうか?
事ここに至っては、漢・麻奈志漏誠也、ビッグバンの謎に正面から立ち向かう所存であります――!
いくぞ――と振り返りかけたまさにその瞬間だった。
「あ、2人がこっちに気付いたみたい! おーい! やっほー!」
「ぇ……?」
間抜けな声を上げた俺を尻目に、巫女エルフちゃんの声につられるようにして、2人の幼女が一目散に俺の方へと走り寄ってきて――、
「まなしー! おきた! よかった!」
「元気そうでなによりです」
とても2人らしい言い方で、俺の目覚めを喜んでくれたのだった。
それはとってもとっても嬉しかったんだけれど――、
「くっ、神様、もう少しだけ……もう少しだけこの至福の時間を過ごさせてほしかった……」
俺は全員無事だったことに大きな喜びを感じるとともに、据え膳が手を付ける前に下げられたことに、心の中でほろりと一筋、涙したのだった……。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
初期スキルが便利すぎて異世界生活が楽しすぎる!
霜月雹花
ファンタジー
神の悪戯により死んでしまった主人公は、別の神の手により3つの便利なスキルを貰い異世界に転生する事になった。転生し、普通の人生を歩む筈が、又しても神の悪戯によってトラブルが起こり目が覚めると異世界で10歳の〝家無し名無し〟の状態になっていた。転生を勧めてくれた神からの手紙に代償として、希少な力を受け取った。
神によって人生を狂わされた主人公は、異世界で便利なスキルを使って生きて行くそんな物語。
書籍8巻11月24日発売します。
漫画版2巻まで発売中。
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
『スローライフどこ行った?!』追放された最強凡人は望まぬハーレムに困惑する?!
たらふくごん
ファンタジー
最強の凡人――追放され、転生した蘇我頼人。
新たな世界で、彼は『ライト・ガルデス』として再び生を受ける。
※※※※※
1億年の試練。
そして、神をもしのぐ力。
それでも俺の望みは――ただのスローライフだった。
すべての試練を終え、創世神にすら認められた俺。
だが、もはや生きることに飽きていた。
『違う選択肢もあるぞ?』
創世神の言葉に乗り気でなかった俺は、
その“策略”にまんまと引っかかる。
――『神しか飲めぬ最高級のお茶』。
確かに神は嘘をついていない。
けれど、あの流れは勘違いするだろうがっ!!
そして俺は、あまりにも非道な仕打ちの末、
神の娘ティアリーナが治める世界へと“追放転生”させられた。
記憶を失い、『ライト・ガルデス』として迎えた新しい日々。
それは、久しく感じたことのない“安心”と“愛”に満ちていた。
だが――5歳の洗礼の儀式を境に、運命は動き出す。
くどいようだが、俺の望みはスローライフ。
……のはずだったのに。
呪いのような“女難の相”が炸裂し、
気づけば婚約者たちに囲まれる毎日。
どうしてこうなった!?
最強無敗の少年は影を従え全てを制す
ユースケ
ファンタジー
不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。
産まれ落ちた家は田舎に位置する辺境伯。
カズトもといリュートはその家系の長男として、日々貴族としての教養と常識を身に付けていく。
しかし彼の力は生まれながらにして最強。
そんな彼が巻き起こす騒動は、常識を越えたものばかりで……。
天才女薬学者 聖徳晴子の異世界転生
西洋司
ファンタジー
妙齢の薬学者 聖徳晴子(せいとく・はるこ)は、絶世の美貌の持ち主だ。
彼女は思考の並列化作業を得意とする、いわゆる天才。
精力的にフィールドワークをこなし、ついにエリクサーの開発間際というところで、放火で殺されてしまった。
晴子は、権力者達から、その地位を脅かす存在、「敵」と見做されてしまったのだ。
死後、晴子は天界で女神様からこう提案された。
「あなたは生前7人分の活躍をしましたので、異世界行きのチケットが7枚もあるんですよ。もしよろしければ、一度に使い切ってみては如何ですか?」
晴子はその提案を受け容れ、異世界へと旅立った。
ギルドの片隅で飲んだくれてるおっさん冒険者
哀上
ファンタジー
チートを貰い転生した。
何も成し遂げることなく35年……
ついに前世の年齢を超えた。
※ 第5回次世代ファンタジーカップにて“超個性的キャラクター賞”を受賞。
※この小説は他サイトにも投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる