268 / 566
異世界転生 12日目(後編)
第245話 精霊さんってよほど暇なんだな……
しおりを挟む
「最後の知恵比べは『迷いの森』よ!」
またもや華麗な復活を遂げた精霊さんが言った。
それでも復活するのにさっきより時間を要したところを見ると、せこーく勝とうとしたのに真正面から正攻法で完全試合を喰らわされたのは、精霊さん的にもかなりショックだったっぽい。
「それでも何ごともなかったかのように立ち直っちゃう、その鋼メンタル。そこに痺れて憧れちゃうよ……」
精霊さんが続ける。
「ほら、あそこに塔が見えるでしょ? 森の木々によって作られた迷路を攻略しつつ、途中で待ち受けるトラップや謎かけをクリアして、あの塔までたどり着いてみなさい!」
ということらしかった。
「オリエンテーリングみたいなもんか」
これまた懐かしいな。
巫女エルフちゃんたちとのパワー回復プログラムといい、歴史資料集といい、なんか童心に帰った気分だな……。
「いいところに目を付けたわね! これはね、座学のお勉強だけじゃなくサバイバルの知識とか機転とか応用とか、そういう実践的な知識や思考能力が試される勝負ってわけ!」
「ふむふむなるほど」
「この『迷いの森』はね、アタシが100年かけて作り上げた自慢の逸品なんだから、心してかかってくることね!」
「いや100年はさすがにかけすぎだろ……」
思わずツッコミを入れた俺に、
「いや~、アタシってばこだわりはじめると、とことんこだわっちゃうタイプなんだよね~」
やたらと自慢げに自分を語っちゃう精霊さん。
……ま、確かに。
精霊さんは「知恵比べ」に関してはかなり作り込んでるよな。
そりゃ自分を有利にするためのせこい揚げ足取りみたいなのもやってくるけど、色んな「知恵比べ」を用意してたし。
この『迷いの森』も100年かけて作り上げてるし、ガーゴイル(故)1つとっても10年もかけて丁寧に作ってた。
「精霊さんってよっぽど暇なんだな……」
正直な感想をぶっちゃけてみました。
「でも暇……暇か……。暇ね……暇……」
そもそも、なんで精霊さんは暇なんだろう?
暇ならどこか遊びに行けばいいのに、どうもこの辺りにずっととどまっているらしい。
なんでだ?
動かない――いや動けないのか?
どちらにせよこの場所にずっといる理由があるはずだよな?
精霊さんが暇な理由……エルフ村の精霊契約は何千年続いてるんだっけ。
そういや自然すぎる流れだったから気にしてなかったけど、なんで精霊さんが「知恵比べ」をやってるんだ?
だってもともと俺たちが「知恵比べ」する相手は、《精霊神竜》のはずだろ?
精霊さんは俺たちの様子を偵察に来た、ただの使いっぱしりのはずで。
あれ、もしかして精霊さんって――。
俺がとある結論にたどりついた時だった。
「じゃ、アタシは先にあの塔に行ってアンタたちがクリアするのを待ってるから。ま、せいぜいがんばりなさい!」
言い残して、精霊さんはぴゅーっと高高度まで飛び上がると、
「じゃーねー!」
そのまま空から一直線に塔まで飛んで行っちゃったのだった。
ま、その件は後でもいっか。
それよりまずは、この『迷いの森』の攻略だ。
「さて、どうしよっか? とりあえず塔まで直線距離で5キロくらいかな?」
「はい、結構ありますね」
運動が苦手だからだろう、ウヅキはちょっと不安そうに眺めていた。
「迷路にもなってるって言ってたし、トラップや謎解きも配置された広大な森を攻略しながらとなると、むやみやたらの行き当たりばったりじゃクリアは難しそうだぞ……」
「かなり戦略的にいかないとですねー」
巫女エルフちゃんはいつも通りだ。
一緒に楽しくお遊戯をしたからわかるんだけど、運動能力も割と高スペックっぽい。
お遊戯楽しかったなぁ……またしたいなぁ……。
巫女エルフちゃんが飛んだり跳ねたりすると、けしからんお胸がゆっさりゆさゆさ揺れるんだよなぁ……。
「時に主様」
「ん?」
「妾に一つ、考えがあるのじゃが」
またもや華麗な復活を遂げた精霊さんが言った。
それでも復活するのにさっきより時間を要したところを見ると、せこーく勝とうとしたのに真正面から正攻法で完全試合を喰らわされたのは、精霊さん的にもかなりショックだったっぽい。
「それでも何ごともなかったかのように立ち直っちゃう、その鋼メンタル。そこに痺れて憧れちゃうよ……」
精霊さんが続ける。
「ほら、あそこに塔が見えるでしょ? 森の木々によって作られた迷路を攻略しつつ、途中で待ち受けるトラップや謎かけをクリアして、あの塔までたどり着いてみなさい!」
ということらしかった。
「オリエンテーリングみたいなもんか」
これまた懐かしいな。
巫女エルフちゃんたちとのパワー回復プログラムといい、歴史資料集といい、なんか童心に帰った気分だな……。
「いいところに目を付けたわね! これはね、座学のお勉強だけじゃなくサバイバルの知識とか機転とか応用とか、そういう実践的な知識や思考能力が試される勝負ってわけ!」
「ふむふむなるほど」
「この『迷いの森』はね、アタシが100年かけて作り上げた自慢の逸品なんだから、心してかかってくることね!」
「いや100年はさすがにかけすぎだろ……」
思わずツッコミを入れた俺に、
「いや~、アタシってばこだわりはじめると、とことんこだわっちゃうタイプなんだよね~」
やたらと自慢げに自分を語っちゃう精霊さん。
……ま、確かに。
精霊さんは「知恵比べ」に関してはかなり作り込んでるよな。
そりゃ自分を有利にするためのせこい揚げ足取りみたいなのもやってくるけど、色んな「知恵比べ」を用意してたし。
この『迷いの森』も100年かけて作り上げてるし、ガーゴイル(故)1つとっても10年もかけて丁寧に作ってた。
「精霊さんってよっぽど暇なんだな……」
正直な感想をぶっちゃけてみました。
「でも暇……暇か……。暇ね……暇……」
そもそも、なんで精霊さんは暇なんだろう?
暇ならどこか遊びに行けばいいのに、どうもこの辺りにずっととどまっているらしい。
なんでだ?
動かない――いや動けないのか?
どちらにせよこの場所にずっといる理由があるはずだよな?
精霊さんが暇な理由……エルフ村の精霊契約は何千年続いてるんだっけ。
そういや自然すぎる流れだったから気にしてなかったけど、なんで精霊さんが「知恵比べ」をやってるんだ?
だってもともと俺たちが「知恵比べ」する相手は、《精霊神竜》のはずだろ?
精霊さんは俺たちの様子を偵察に来た、ただの使いっぱしりのはずで。
あれ、もしかして精霊さんって――。
俺がとある結論にたどりついた時だった。
「じゃ、アタシは先にあの塔に行ってアンタたちがクリアするのを待ってるから。ま、せいぜいがんばりなさい!」
言い残して、精霊さんはぴゅーっと高高度まで飛び上がると、
「じゃーねー!」
そのまま空から一直線に塔まで飛んで行っちゃったのだった。
ま、その件は後でもいっか。
それよりまずは、この『迷いの森』の攻略だ。
「さて、どうしよっか? とりあえず塔まで直線距離で5キロくらいかな?」
「はい、結構ありますね」
運動が苦手だからだろう、ウヅキはちょっと不安そうに眺めていた。
「迷路にもなってるって言ってたし、トラップや謎解きも配置された広大な森を攻略しながらとなると、むやみやたらの行き当たりばったりじゃクリアは難しそうだぞ……」
「かなり戦略的にいかないとですねー」
巫女エルフちゃんはいつも通りだ。
一緒に楽しくお遊戯をしたからわかるんだけど、運動能力も割と高スペックっぽい。
お遊戯楽しかったなぁ……またしたいなぁ……。
巫女エルフちゃんが飛んだり跳ねたりすると、けしからんお胸がゆっさりゆさゆさ揺れるんだよなぁ……。
「時に主様」
「ん?」
「妾に一つ、考えがあるのじゃが」
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
初期スキルが便利すぎて異世界生活が楽しすぎる!
霜月雹花
ファンタジー
神の悪戯により死んでしまった主人公は、別の神の手により3つの便利なスキルを貰い異世界に転生する事になった。転生し、普通の人生を歩む筈が、又しても神の悪戯によってトラブルが起こり目が覚めると異世界で10歳の〝家無し名無し〟の状態になっていた。転生を勧めてくれた神からの手紙に代償として、希少な力を受け取った。
神によって人生を狂わされた主人公は、異世界で便利なスキルを使って生きて行くそんな物語。
書籍8巻11月24日発売します。
漫画版2巻まで発売中。
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
『スローライフどこ行った?!』追放された最強凡人は望まぬハーレムに困惑する?!
たらふくごん
ファンタジー
最強の凡人――追放され、転生した蘇我頼人。
新たな世界で、彼は『ライト・ガルデス』として再び生を受ける。
※※※※※
1億年の試練。
そして、神をもしのぐ力。
それでも俺の望みは――ただのスローライフだった。
すべての試練を終え、創世神にすら認められた俺。
だが、もはや生きることに飽きていた。
『違う選択肢もあるぞ?』
創世神の言葉に乗り気でなかった俺は、
その“策略”にまんまと引っかかる。
――『神しか飲めぬ最高級のお茶』。
確かに神は嘘をついていない。
けれど、あの流れは勘違いするだろうがっ!!
そして俺は、あまりにも非道な仕打ちの末、
神の娘ティアリーナが治める世界へと“追放転生”させられた。
記憶を失い、『ライト・ガルデス』として迎えた新しい日々。
それは、久しく感じたことのない“安心”と“愛”に満ちていた。
だが――5歳の洗礼の儀式を境に、運命は動き出す。
くどいようだが、俺の望みはスローライフ。
……のはずだったのに。
呪いのような“女難の相”が炸裂し、
気づけば婚約者たちに囲まれる毎日。
どうしてこうなった!?
最強無敗の少年は影を従え全てを制す
ユースケ
ファンタジー
不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。
産まれ落ちた家は田舎に位置する辺境伯。
カズトもといリュートはその家系の長男として、日々貴族としての教養と常識を身に付けていく。
しかし彼の力は生まれながらにして最強。
そんな彼が巻き起こす騒動は、常識を越えたものばかりで……。
天才女薬学者 聖徳晴子の異世界転生
西洋司
ファンタジー
妙齢の薬学者 聖徳晴子(せいとく・はるこ)は、絶世の美貌の持ち主だ。
彼女は思考の並列化作業を得意とする、いわゆる天才。
精力的にフィールドワークをこなし、ついにエリクサーの開発間際というところで、放火で殺されてしまった。
晴子は、権力者達から、その地位を脅かす存在、「敵」と見做されてしまったのだ。
死後、晴子は天界で女神様からこう提案された。
「あなたは生前7人分の活躍をしましたので、異世界行きのチケットが7枚もあるんですよ。もしよろしければ、一度に使い切ってみては如何ですか?」
晴子はその提案を受け容れ、異世界へと旅立った。
ギルドの片隅で飲んだくれてるおっさん冒険者
哀上
ファンタジー
チートを貰い転生した。
何も成し遂げることなく35年……
ついに前世の年齢を超えた。
※ 第5回次世代ファンタジーカップにて“超個性的キャラクター賞”を受賞。
※この小説は他サイトにも投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる