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異世界転生 12日目(後編)

第268話 そんな、あたしのカミカゼ・アタックが――!?

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 真っ向からぶつかり合った最強の矛と最強の盾はしかし。
 「矛盾」することなく――、

 ゴリゴリ――ッ!!
 ギャリギャリギャリギャリ――――ッッ!!!!

 黄金の粒子をまき散らしながら力強く輝き燃え盛る《ゴルディオン・ランスくさなぎのつるぎ》が、

「おおおおおおおおおおおっっっっっっっっっ!!!!!!」

 『断罪の真空壁ヘヴンズ・ウォール』を強引に捻じ伏せ、力づくで粉砕し、そして打ち貫いた――!

「そんな、あたしのカミカゼ・アタックが――!? 『断罪の真空壁ヘヴンズ・ウォール』は、1枚1枚が大きな山を支える分厚い岩盤のような硬さを持った、108層からなる多重多層複合シールドなのに――!」

「いちいち説明的なセリフだな……分かりやすくていいけど……」

 ずっと思ってたんだけどさ。
 かなりの説明したがり屋さんだよね、《精霊神竜》って……。

 それはさておき。

 その、触れるもの全てを打ち砕く破魔の黄金槍は――、
穿うがて、《ゴルディオン・ランスくさなぎのつるぎ》――!!」

 『断罪の真空壁ヘヴンズ・ウォール』をぶち抜いた勢いそのままに《精霊神竜》へ達すると、その極光に輝く身体を容赦なく打ち叩いた――!
 
「うわーーーーっ!!」

 《精霊神竜》がその美しくカッコいい姿からは想像もできない、やたらとへっぽこで情けない叫び声をあげる。

「むぎゅぅ~~~~!!」

 そして独楽こまのように激しく錐もみしながら跳ね飛ばされると、地面に向かって一直線に落下していった。

 そのまま墜落するのかと思いきや――、

「がんばれアタシ……! 諦めたらそこで試合終了だから……! つらく苦しい時間を積み重ねた者にのみ、勝利の女神は微笑むんだから……!」

 《精霊神竜》はまたもやハイパー根性論を見せると、再び空へと舞いあがってきたのだった。

「あの謎のド根性はさすがのわらわも認めざるを得ないのじゃ……」
「正直俺も、今のは直撃させたと思ったんだけどな……? もしかして精霊とかのエネルギー体って、痛みを感じなかったりするのかな?」

「むしろ逆なのじゃ。身体という器を通さずじかで外界とやりとりをするエネルギー体は、ダメージもダイレクトに感じるはずなのじゃが……」
「マジか……」

「ふふん、《精霊神竜》たるこのアタシをあまり舐めないことね……!」

 俺たちの会話を聞いて――やられたのはそっちの方だってのに――なぜか大きく胸を張ってまるで勝った風に語っちゃう《精霊神竜》。

「相変わらずメンタルも凄いのじゃ……鋼メンタルなのじゃ……」
「どこまでも限りなくポジティブに振り切ってるよなぁ……」

 思わず感心させられてしまった、俺と《神焉竜しんえんりゅう》だった。

「褒められて悪い気はしないわね! さすがアタシ! ま、そっちの黄金槍もなかなかやるじゃないの! 見直したわ! ――ってことは接近戦は、これは良くないわね……ってことで、アタシダーーッシュっ!!」

 言うが早いか、《精霊神竜》は回れ右するとぴゅーっと逃げ出した。
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