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異世界転生 12日目(後編)

第270話 案の定っていうか?

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 最初に《ゴルディオン・ランスくさなぎのつるぎ》の直撃を受け。
 その後も不可視の斬撃やドラゴン・ブレスを被弾して、ぼろぼろになりながら。

 それでも、それでも《精霊神竜》は、ずっと反撃のチャンスをうかがっていたのだ――!

 完全に不意を打った――かに見えたその速射攻撃は――、

「いい加減、貴様のそのやり口にも慣れてきたのじゃ、のう主様ぬしさま
「案の定っていうか? ま、さすがに読めてきたかな」

「うぇっ!? めっちゃあっさりかわされた!?」

 俺と《神焉竜しんえんりゅう》にとっては、ぶっちゃけ織り込み済みだった。

 5本のイカヅチの柱がイバラのように絡み合いながら向かってくる、迫力満点の雷系最強精霊術『精霊滅殺雷振破メガデス・ブラスト』。

 しかし《神焉竜しんえんりゅう》はそれを、

 ひょい!
 っとなんなくかわしてみせる。

「その技、既に3度目なのじゃ。竜の王たるわらわに、同じ技が――しかも来ると予測できていたものが――3度も通じるなどと。よもやそのように思うておるわけではあるまいな?」

「く――っ! 偉そうに! なによ!」

 得意の不意打ちが不発に終わって、《精霊神竜》がものごっつい悔しそうな表情を浮かべた――んだけれど。

 それを見た俺の背中を、何とも言えないもやもやとした違和感が駆け抜けた。

「ん……?」
 ……なんだ?

 確かに悔しそうな表情なんだけれど――、

「全体的に嘘くささが無きにしも非ずというか。どこか演技っぽいわざとらしさがするようなしないような――」

 気のせいか……?

 そんな俺の独り言を拾ったのは――、

「ふむ、これは……どうやら誘い込まれたようじゃの」
「え……?」

「いやはや、なかなかどうして。つまりはここまでの全てが伏線だったという訳か。あいかわらず欺くということにかけては、超一流じゃの。ほんに一筋縄ではいかん小精霊なのじゃ」

「ふっふーん、よく気付いたわね! でもでも、ちょーっとばかし、遅かったみたいね!」

 なんとはなしに眼下を見下ろすと、ちょうど俺たちの真下あたりに巨大な神殿が立っていて――、

「アンタもようやっと気づいたみたいね! ここはね、精霊殿の最奥、精霊神殿よ!」

「精霊神殿……!」
 だって!?

「ここはね、アストラル界でも精霊原子マナが最も濃い『精なる場所ピクシー・ホロウ』! つまりは精霊が一番力を発揮できる場所だってことっ!!」

「精なる場所、ピクシー・ホロウだと!?」

「そしてここでなら! アタシは深淵なる究極潜在奥義を使うことができるのだ……!」

「なっ、深淵なる究極潜在奥義――だって!?」
 まだそんな奥の手を隠していたのか……!

「アタシもいい加減バテてきたのよね! 封印されし《精霊神竜》が、まさかホームのアストラル界でここまで苦戦させられるなんて、思いもよらなかったし! アンタたちが無慈悲に攻撃してくるから身体中が痛いし!」

 そう言う《精霊神竜》の身体は、煌めく虹色の身体はあちこちがすすけ、オーラのごとく立ち昇っていた極光も、今は力なく明滅していた。

「ってわけで! 今からここでガッツリと決着をつけてあげるから、覚悟することね!」
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