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異世界転生 12日目(後編)
第277話 1000年後にリベンジよ! 今度は負けないかんね!
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「え、精霊さん……?」
それは見間違えるはずもない、すっかり元の20cmサイズに戻った精霊さんだった。
生前(?)と変わらず、ふわふわと浮いている。
「うー、死ぬかと思った! っていうか死んだ! 間違いなく今アタシ死んでたよ!? そしてそこから復活してみせたアタシってばマジ有能……! 戦いには負けたけど、でも実質アタシの勝ち、みたいな!?」
相も変わらずのハイテンションな精霊さんが、そこにはいたのだった――!
もちろんここまでのダメージはかなりのものだったようで、
「精霊原子がすっからかんだよ……」
その言葉通り、精霊さんは身体が一部透けたり明滅したりしちゃっていた。
そんなリニューアルしたニュー精霊さんを見て、
「チッ――」
《神焉竜》が露骨に舌打ちをかましながら口を開いた。
その口腔内には、膨大な量の漆黒の粒子が集まりはじめて――、
「待て! まてまてまてまてまて、待てぇぇぇぇぇぇいっ!!」
俺は、もう一度殺る気満々の《神焉竜》を全力で止めた。
必死に止めた。
それはもうあらん限りの声を振り絞って止めたのだった。
「いちおう確認するんだけど、今お前なにしようとした!?」
「それはもちろん《神焉の黒き炎》でもって、今一度消し炭にしてやろうとしたのじゃが?」
さも当たり前なことのように言う《神焉竜》。
「残念ながらそれはノー! ノーサンキュー! もう戦いは終わったんだ、だから暴力ももう終わりだ! な! ほら、子供も見てるから、な!? ここからは平和裏に対話で解決しようじゃあないか! 話せばわかる、人類みなきょうだい!」
「妾は人ではなくドラゴンなのじゃ? そしてそやつも精霊じゃぞ?」
「うぐっ、確かに……いや、言葉は種族の壁だって越えられる! 精霊さんもそれでいいよな!?」
「まー、アタシは負けたしねー。言うこと聞かざるを得ないっていうか? それでもいろいろ発散できたから、わりかし気分はスッキリしてるかも? ってことで、また1000年後にリベンジよ! 今度は負けないかんね!」
「1000年後にリベンジマッチ……ほんとポジティブだよね、精霊さん……」
「頭のネジが完全に緩んでおるのじゃ……」
とかなんとかわいわいやりとりをしつつ、俺たちは巫女エルフちゃんたちのところへと戻っていった。
…………
……
「さすがです、セーヤさん!」
戻った俺をまず迎えてくれたのは、ウヅキの満開の笑顔&お決まりのフレーズだ。
さらには、
「はおー様、おつとめご苦労さまですー」
「うにゅ、しんわざ、すごかった」
「相反する両極を束ねた幻想の黄金漆黒剣――さすがは《神滅覇王》なのです」
巫女エルフちゃん、ハヅキ、トワと、女の子たちから次々と賛辞の声が飛んできて――。
「ははっ、それでもないさ(きらりーん!」
モテモテハーレムの主を満喫してまんざらでもない――ごめんなさい、今俺は嘘をつきました。
ラブコメ系S級チート『ただしイケメンに限る』をここぞとばかりにガツンと使い、女の子たちからはさらなる賞賛を受けて――心底ご満悦な俺だった。
精霊さんこと《精霊神竜》との戦いは、こうして幕を閉じた――。
それは見間違えるはずもない、すっかり元の20cmサイズに戻った精霊さんだった。
生前(?)と変わらず、ふわふわと浮いている。
「うー、死ぬかと思った! っていうか死んだ! 間違いなく今アタシ死んでたよ!? そしてそこから復活してみせたアタシってばマジ有能……! 戦いには負けたけど、でも実質アタシの勝ち、みたいな!?」
相も変わらずのハイテンションな精霊さんが、そこにはいたのだった――!
もちろんここまでのダメージはかなりのものだったようで、
「精霊原子がすっからかんだよ……」
その言葉通り、精霊さんは身体が一部透けたり明滅したりしちゃっていた。
そんなリニューアルしたニュー精霊さんを見て、
「チッ――」
《神焉竜》が露骨に舌打ちをかましながら口を開いた。
その口腔内には、膨大な量の漆黒の粒子が集まりはじめて――、
「待て! まてまてまてまてまて、待てぇぇぇぇぇぇいっ!!」
俺は、もう一度殺る気満々の《神焉竜》を全力で止めた。
必死に止めた。
それはもうあらん限りの声を振り絞って止めたのだった。
「いちおう確認するんだけど、今お前なにしようとした!?」
「それはもちろん《神焉の黒き炎》でもって、今一度消し炭にしてやろうとしたのじゃが?」
さも当たり前なことのように言う《神焉竜》。
「残念ながらそれはノー! ノーサンキュー! もう戦いは終わったんだ、だから暴力ももう終わりだ! な! ほら、子供も見てるから、な!? ここからは平和裏に対話で解決しようじゃあないか! 話せばわかる、人類みなきょうだい!」
「妾は人ではなくドラゴンなのじゃ? そしてそやつも精霊じゃぞ?」
「うぐっ、確かに……いや、言葉は種族の壁だって越えられる! 精霊さんもそれでいいよな!?」
「まー、アタシは負けたしねー。言うこと聞かざるを得ないっていうか? それでもいろいろ発散できたから、わりかし気分はスッキリしてるかも? ってことで、また1000年後にリベンジよ! 今度は負けないかんね!」
「1000年後にリベンジマッチ……ほんとポジティブだよね、精霊さん……」
「頭のネジが完全に緩んでおるのじゃ……」
とかなんとかわいわいやりとりをしつつ、俺たちは巫女エルフちゃんたちのところへと戻っていった。
…………
……
「さすがです、セーヤさん!」
戻った俺をまず迎えてくれたのは、ウヅキの満開の笑顔&お決まりのフレーズだ。
さらには、
「はおー様、おつとめご苦労さまですー」
「うにゅ、しんわざ、すごかった」
「相反する両極を束ねた幻想の黄金漆黒剣――さすがは《神滅覇王》なのです」
巫女エルフちゃん、ハヅキ、トワと、女の子たちから次々と賛辞の声が飛んできて――。
「ははっ、それでもないさ(きらりーん!」
モテモテハーレムの主を満喫してまんざらでもない――ごめんなさい、今俺は嘘をつきました。
ラブコメ系S級チート『ただしイケメンに限る』をここぞとばかりにガツンと使い、女の子たちからはさらなる賞賛を受けて――心底ご満悦な俺だった。
精霊さんこと《精霊神竜》との戦いは、こうして幕を閉じた――。
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