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第五部 《全チートフル装備》 続 異世界転生 13日目
第305話 これはただの全裸でありません、芸術的全裸なのですわ
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「というわけでご安心くださいな、セーヤ様」
「……肖像画の意味はわかったよ。100歩譲って俺の絵を飾るのも認めよう。でもそもそも論というかそれ以前の問題というか、自分の全裸肖像画が額縁に入れられて飾られているのを前に、なにをどう安心しろと!?」
「それなのですが、先ほどからセーヤ様は少々勘違いしておられますの。これはただの全裸でありません、芸術的全裸なのですわ」
「げいじゅつてき……ぜんら……?」
サーシャ、君は急に何を言っているんだい?
なんかお気に入りのおもちゃを自慢する子供みたいに、目が生き生きキラキラしちゃってるし。
「先日、この絵を鑑定に出しましたところ」
「あ、ほんとに鑑定に出してたんだ……」
さすがにそればっかりは冗談だと思ってたのに……。
「美術の専門家や芸術家を集め、あらゆる知見から複合的な鑑定を依頼したところ――」
「ううっ、自分の全裸の絵をたくさんの人に鑑定されるとか、なんかもう恥ずかしくてお外歩けないよ……」
「――市場価値にして数百万はくだらないと口をそろえて評しておりましたわ」
「……はい?」
「うにゅ?」
衝撃すぎる結果に、そろってぽかーんとする俺たち。
「え? 数百万? この絵が? マジで!?」
「あくまで少なく見積もって、ですわ」
「マジか……抜群に上手だとは思ったが、そこまでか……」
「やはり、やはりわたくしの見立てに間違いはありませんでしたの! 特に見る者の感情を粟立てさせる精細なタッチは――」
まるで自分のことのように、この絵の芸術的価値がいかに高いか、あーだこーだ熱弁してくれるサーシャ。
基本的に100%の善意なんだよな。
ただちょっと、いやかなり方向性が斜め上なだけで……。
それでもきっと、サーシャは俺が強くお願いすれば自分の意見を引っ込めてくれるだろう。
でもここまで入れ込んでいろいろやってくれたサーシャに、一方的に譲歩を迫るのはなんか違うっていうか。
「……しゃーないか。じゃあこうしよう! まずこの絵はなし! いい絵だけど飾るのはノー!」
「そんな! ですの……」
サーシャが目に見えてしょんぼりした。
鑑定やらなんやら頑張ってくれたのはわかるから心苦しいんだけれど、だがしかし、これだけは譲れない。
「フルチンのマナシロ・セーヤ」とか陰で言われたくはないもんな。
だから俺は、サーシャも俺も納得する妥協案を提案した。
「ハヅキ、新たにミッションを与える! 可及的速やかに俺のカッコいい肖像画を描いてくれ! ASAP! As soon as possibleだ!」
「うにゅ、がってん、しょうちのすけ」
「セーヤ様……?」
しょんぼりサーシャが上目遣いで俺を見つめてくる。
「要は全裸じゃなければいいんだよ、ぶっちゃけ問題はそこだけなんだよ。つまりハヅキ画伯が新しい肖像画を描けば無問題ってことだ!」
「セーヤ様!」
ぱぁっと、サーシャの顔がほころんだ。
うんうん、やっぱり女の子はしょんぼりしてるより、可愛く笑っている方が素敵だよね。
――こうして。
「完全裸肖像画でお客様をお出迎え」する事案は、未然のうちに防がれたのだった。
「それにしても、普通に描いた絵が数百万の価値があるのか……そういえば精霊さんとの知恵比べでも、高難度の暗号を芸術的センスで一目で看破してたっけ……新人類、これがニュータイプってやつか……」
類まれなる才能をいかんなく発揮するようじょ画伯ハヅキが、末恐ろしい俺だった。
そしていそいそと完全裸肖像画を取り外したサーシャが、その絵をこっそり持ち帰って自室に飾っていたことが後日ばれ、ドッタンバッタン大騒ぎになるのだが、それはまた別の話である。
「……肖像画の意味はわかったよ。100歩譲って俺の絵を飾るのも認めよう。でもそもそも論というかそれ以前の問題というか、自分の全裸肖像画が額縁に入れられて飾られているのを前に、なにをどう安心しろと!?」
「それなのですが、先ほどからセーヤ様は少々勘違いしておられますの。これはただの全裸でありません、芸術的全裸なのですわ」
「げいじゅつてき……ぜんら……?」
サーシャ、君は急に何を言っているんだい?
なんかお気に入りのおもちゃを自慢する子供みたいに、目が生き生きキラキラしちゃってるし。
「先日、この絵を鑑定に出しましたところ」
「あ、ほんとに鑑定に出してたんだ……」
さすがにそればっかりは冗談だと思ってたのに……。
「美術の専門家や芸術家を集め、あらゆる知見から複合的な鑑定を依頼したところ――」
「ううっ、自分の全裸の絵をたくさんの人に鑑定されるとか、なんかもう恥ずかしくてお外歩けないよ……」
「――市場価値にして数百万はくだらないと口をそろえて評しておりましたわ」
「……はい?」
「うにゅ?」
衝撃すぎる結果に、そろってぽかーんとする俺たち。
「え? 数百万? この絵が? マジで!?」
「あくまで少なく見積もって、ですわ」
「マジか……抜群に上手だとは思ったが、そこまでか……」
「やはり、やはりわたくしの見立てに間違いはありませんでしたの! 特に見る者の感情を粟立てさせる精細なタッチは――」
まるで自分のことのように、この絵の芸術的価値がいかに高いか、あーだこーだ熱弁してくれるサーシャ。
基本的に100%の善意なんだよな。
ただちょっと、いやかなり方向性が斜め上なだけで……。
それでもきっと、サーシャは俺が強くお願いすれば自分の意見を引っ込めてくれるだろう。
でもここまで入れ込んでいろいろやってくれたサーシャに、一方的に譲歩を迫るのはなんか違うっていうか。
「……しゃーないか。じゃあこうしよう! まずこの絵はなし! いい絵だけど飾るのはノー!」
「そんな! ですの……」
サーシャが目に見えてしょんぼりした。
鑑定やらなんやら頑張ってくれたのはわかるから心苦しいんだけれど、だがしかし、これだけは譲れない。
「フルチンのマナシロ・セーヤ」とか陰で言われたくはないもんな。
だから俺は、サーシャも俺も納得する妥協案を提案した。
「ハヅキ、新たにミッションを与える! 可及的速やかに俺のカッコいい肖像画を描いてくれ! ASAP! As soon as possibleだ!」
「うにゅ、がってん、しょうちのすけ」
「セーヤ様……?」
しょんぼりサーシャが上目遣いで俺を見つめてくる。
「要は全裸じゃなければいいんだよ、ぶっちゃけ問題はそこだけなんだよ。つまりハヅキ画伯が新しい肖像画を描けば無問題ってことだ!」
「セーヤ様!」
ぱぁっと、サーシャの顔がほころんだ。
うんうん、やっぱり女の子はしょんぼりしてるより、可愛く笑っている方が素敵だよね。
――こうして。
「完全裸肖像画でお客様をお出迎え」する事案は、未然のうちに防がれたのだった。
「それにしても、普通に描いた絵が数百万の価値があるのか……そういえば精霊さんとの知恵比べでも、高難度の暗号を芸術的センスで一目で看破してたっけ……新人類、これがニュータイプってやつか……」
類まれなる才能をいかんなく発揮するようじょ画伯ハヅキが、末恐ろしい俺だった。
そしていそいそと完全裸肖像画を取り外したサーシャが、その絵をこっそり持ち帰って自室に飾っていたことが後日ばれ、ドッタンバッタン大騒ぎになるのだが、それはまた別の話である。
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