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異世界転生 14日目
第315話 節穴なのはアンタの頭よこのスカポンタン!
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ティモテと一緒に教会の外に出ると、
「ただいま~」
屋根の上の十字架で遊んでいた精霊さんが、タイミングよく降りてきたところだった。
それを見たティモテが――、
「最高位の精霊様!? こんな町中にどうして――!?」
驚愕の表情を浮かべてた。
「あら、アンタ。アタシの事を知覚できるのね、やるじゃない」
「それにすごく友好的です。それにしてもこれほどの精霊原子を保有しているなんて……!」
褒められたことがよほど嬉しかったのか、
「あ、わかる~? でへへへ~。わかる人にはわかっちゃうんだよね~~、むふっ」
精霊さんが気持ち悪い――あ、いや、だらしない――これもアレだな――まぁそういう感じの笑みを浮かべた。
っていうか、
「よほどの節穴でもなければ、普通に見えるだろ?」
なに言ってんの? って思ったら、
「節穴なのはアンタの頭よこのスカポンタン! んなわけないじゃない! こんな神クラスの精霊が普通に飛んでたら町中が大騒ぎになっちゃうでしょ!」
心底呆れたわーって顔をする精霊さん。
「そっか。やっぱそうだったんだな……おかしいとは思ったんだよ。歩いていても誰も精霊さんのことを気にしないからさ。もしかして精霊って割とその辺にいるのかなーなんて」
「いるのかなー……じゃないわよ。まったく、せっかく『気付き』を得たのに、疑問をそのままにする癖をつけると、何も考えない流されるだけのダメな大人になっちゃうんだかんねっ! ぼーっと生きてんじゃないわ!」
「あ、はい……」
まったくもってそのような大人でございました……耳が痛いです……。
そうだよな。
精霊さんってば俺と同じ昼間からぷらぷらしてるフレンズのくせして、
「俺と同じニートのくせに、やたらと意識だけは高いもんな……」
「アンタほんと失礼ね! アタシは世の中を見て回るって言ったでしょ!」
俺の率直な感想に、プリプリする精霊さんだった。
「ま、いいわ。アンタに特別に説明してあげると、一定以上の縁を結んだ相手以外はせいぜい『あれ? なんかあるかも……? 気のせいか』くらいにしか思わないような認知阻害する精霊術を使ってるのよ」
「便利だな、精霊術……」
俺がもらった全チートフル装備ほどではないけれど、攻撃とか防御だけでなく割と何でもできちゃえる感じだ。
「精霊契約で縛られてるあいだほんと暇だったから、いろいろ開発したんだよね~、って言わせんな!」
「いや俺は何も言っていないんだけど……」
ここまでくると、もはや一人自爆ノリツッコミである。
もちろん、楽しくないといえば嘘になります。
「つまりね、この子は――えっとアンタ名前は?」
「マリア=セレシア教会から派遣されましたティモテ=ニューリバーと申します。偉大なる精霊様、以後お見知りおきを」
「オゥ、グレイト! ほんと道理が分かった子ね! つまりティモテはアタシの精霊術を無効化して、アタシの存在を認識したってわけ!」
「はぁ……そいつは凄いな」
「だからそう言ってんでしょ」
「ふふっ、マナシロさんと精霊様は仲がよろしいのですね」
そう言って、口元に手をやりくすくすと柔和に笑うティモテは『ザ・美少女』って感じでとても可愛いかったのだった。
「ただいま~」
屋根の上の十字架で遊んでいた精霊さんが、タイミングよく降りてきたところだった。
それを見たティモテが――、
「最高位の精霊様!? こんな町中にどうして――!?」
驚愕の表情を浮かべてた。
「あら、アンタ。アタシの事を知覚できるのね、やるじゃない」
「それにすごく友好的です。それにしてもこれほどの精霊原子を保有しているなんて……!」
褒められたことがよほど嬉しかったのか、
「あ、わかる~? でへへへ~。わかる人にはわかっちゃうんだよね~~、むふっ」
精霊さんが気持ち悪い――あ、いや、だらしない――これもアレだな――まぁそういう感じの笑みを浮かべた。
っていうか、
「よほどの節穴でもなければ、普通に見えるだろ?」
なに言ってんの? って思ったら、
「節穴なのはアンタの頭よこのスカポンタン! んなわけないじゃない! こんな神クラスの精霊が普通に飛んでたら町中が大騒ぎになっちゃうでしょ!」
心底呆れたわーって顔をする精霊さん。
「そっか。やっぱそうだったんだな……おかしいとは思ったんだよ。歩いていても誰も精霊さんのことを気にしないからさ。もしかして精霊って割とその辺にいるのかなーなんて」
「いるのかなー……じゃないわよ。まったく、せっかく『気付き』を得たのに、疑問をそのままにする癖をつけると、何も考えない流されるだけのダメな大人になっちゃうんだかんねっ! ぼーっと生きてんじゃないわ!」
「あ、はい……」
まったくもってそのような大人でございました……耳が痛いです……。
そうだよな。
精霊さんってば俺と同じ昼間からぷらぷらしてるフレンズのくせして、
「俺と同じニートのくせに、やたらと意識だけは高いもんな……」
「アンタほんと失礼ね! アタシは世の中を見て回るって言ったでしょ!」
俺の率直な感想に、プリプリする精霊さんだった。
「ま、いいわ。アンタに特別に説明してあげると、一定以上の縁を結んだ相手以外はせいぜい『あれ? なんかあるかも……? 気のせいか』くらいにしか思わないような認知阻害する精霊術を使ってるのよ」
「便利だな、精霊術……」
俺がもらった全チートフル装備ほどではないけれど、攻撃とか防御だけでなく割と何でもできちゃえる感じだ。
「精霊契約で縛られてるあいだほんと暇だったから、いろいろ開発したんだよね~、って言わせんな!」
「いや俺は何も言っていないんだけど……」
ここまでくると、もはや一人自爆ノリツッコミである。
もちろん、楽しくないといえば嘘になります。
「つまりね、この子は――えっとアンタ名前は?」
「マリア=セレシア教会から派遣されましたティモテ=ニューリバーと申します。偉大なる精霊様、以後お見知りおきを」
「オゥ、グレイト! ほんと道理が分かった子ね! つまりティモテはアタシの精霊術を無効化して、アタシの存在を認識したってわけ!」
「はぁ……そいつは凄いな」
「だからそう言ってんでしょ」
「ふふっ、マナシロさんと精霊様は仲がよろしいのですね」
そう言って、口元に手をやりくすくすと柔和に笑うティモテは『ザ・美少女』って感じでとても可愛いかったのだった。
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