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異世界転生 14日目
第321話 襲撃
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「それにしてもセーヤとティモテが知り合いだったとはね」
「知り合いっていうか、今日たまたま教会を見に行ったらそこで会ってさ――」
「つまり速攻ナンパしたというわけですね」
これまでずっと黙っていたクリスさんから、狙いすましたような強烈な横やりが入った。
「いやあの別にナンパしたわけでは……」
「では違うと? ナンパではないと? では一体どういった目的で、見知らぬ女の子に声をかけたのでしょうか?」
「それはその、ティモテのなんだか儚げな雰囲気がですね、ちょっとこう、気になって思わずご飯に誘ってしまったというか……」
「つまりナンパですね」
「あ、はい。そうです」
哀れ、クリスさんに一瞬で攻め落とされたマナシロ城に、
「あの、どちらかというと私の方からお誘いしたような形ででして――」
援軍を送ってくれたのはティモテだった。
「ううっ、ティモテは本当にいい子だよ……さすがは聖母マリアの再来だ……」
とまぁそんな感じで。
もうしばらく女の子に囲まれて楽しくお話をする雰囲気――そう思っていた時だった。
「――っ!」
俺の右目が妖しく煌めくとともに、知覚系S級チート『龍眼』発動したのは――!
さらには激しくアラートする『龍眼』と連動して、最強S級チート『剣聖』が待機モードをすっとばしていきなり戦闘モードで発動する。
それもそのはず――。
「なんだこの異様な気配……!」
それは街のすぐ外まで近づいていて――シロガネの警戒網をかいくぐってきたのか!
『みんな、ここにいて絶対に動くんじゃないぞ――』
俺はそう指示を出そうとして、ふと俺の近くの方が安全かもということに思いいたる。
少なくとも目に見える範囲にいてくれたら、いくらだって守ってあげられるし、今のメンバーはティモテを除けば戦闘に長けたナイアやクリスさん、SS級の精霊さんもいる。
「セーヤ?」
「マナシロさん?」
「マナシロ様、急にどうされたのですか?」
今は悩んでいる暇はないか。
「どうも招かれざる客がやってきたみたいだ。街の入り口のすぐ傍まで来てる。カタギじゃないっぽいし、街に入る前にお引き取り願わないとな。ってことで、みんな俺についてきてくれないか?」
そうして俺たちが入り口まで行くと、そこには真っ黒のマントと、同じく真っ黒のフードを目深にかぶった怪しげなヤツが一人、突っ立つっていた。
背丈は俺と同じか、やや高いくらいだろうか?
どうやら向こうも、俺の存在に気が付いてこうやって待ち構えていたみたいだな。
「えーっと、そこの不審人物さん。この街に何か用でも?」
声をかけてみたものの、しかしまったく反応はない。
「とりあえずフードを上げてくれないかな? 現状どう見てもお巡りさんに通報案件なんだけど」
ようやっとフードをあげた不審人物は、しかし――、
「フッ――」
そのままマントを脱ぎ捨て、腰の剣を抜刀すると、俺のもとへと瞬時に距離を詰めて斬りこんできたのだ――!
「問答無用かよ――! このっ!」
空気を切り裂くような鋭い初撃を、
ギン――ッ!
鈍い音とともに、俺は居合抜きした日本刀でギリッギリのところで受け止めた――!
「くぅ――っっ!」
「ほぅ、今のをあっさりと受け止めるか。やりおるな、人族の若者よ」
そう言った不審人物は――浅黒い肌をした老人――いやそんなことよりもなによりも、著しく目を引いたのは――、
「ツノ――?」
その額には小さな、しかしはっきりとソレとわかる一本のツノが生えていたのだ――!
「知り合いっていうか、今日たまたま教会を見に行ったらそこで会ってさ――」
「つまり速攻ナンパしたというわけですね」
これまでずっと黙っていたクリスさんから、狙いすましたような強烈な横やりが入った。
「いやあの別にナンパしたわけでは……」
「では違うと? ナンパではないと? では一体どういった目的で、見知らぬ女の子に声をかけたのでしょうか?」
「それはその、ティモテのなんだか儚げな雰囲気がですね、ちょっとこう、気になって思わずご飯に誘ってしまったというか……」
「つまりナンパですね」
「あ、はい。そうです」
哀れ、クリスさんに一瞬で攻め落とされたマナシロ城に、
「あの、どちらかというと私の方からお誘いしたような形ででして――」
援軍を送ってくれたのはティモテだった。
「ううっ、ティモテは本当にいい子だよ……さすがは聖母マリアの再来だ……」
とまぁそんな感じで。
もうしばらく女の子に囲まれて楽しくお話をする雰囲気――そう思っていた時だった。
「――っ!」
俺の右目が妖しく煌めくとともに、知覚系S級チート『龍眼』発動したのは――!
さらには激しくアラートする『龍眼』と連動して、最強S級チート『剣聖』が待機モードをすっとばしていきなり戦闘モードで発動する。
それもそのはず――。
「なんだこの異様な気配……!」
それは街のすぐ外まで近づいていて――シロガネの警戒網をかいくぐってきたのか!
『みんな、ここにいて絶対に動くんじゃないぞ――』
俺はそう指示を出そうとして、ふと俺の近くの方が安全かもということに思いいたる。
少なくとも目に見える範囲にいてくれたら、いくらだって守ってあげられるし、今のメンバーはティモテを除けば戦闘に長けたナイアやクリスさん、SS級の精霊さんもいる。
「セーヤ?」
「マナシロさん?」
「マナシロ様、急にどうされたのですか?」
今は悩んでいる暇はないか。
「どうも招かれざる客がやってきたみたいだ。街の入り口のすぐ傍まで来てる。カタギじゃないっぽいし、街に入る前にお引き取り願わないとな。ってことで、みんな俺についてきてくれないか?」
そうして俺たちが入り口まで行くと、そこには真っ黒のマントと、同じく真っ黒のフードを目深にかぶった怪しげなヤツが一人、突っ立つっていた。
背丈は俺と同じか、やや高いくらいだろうか?
どうやら向こうも、俺の存在に気が付いてこうやって待ち構えていたみたいだな。
「えーっと、そこの不審人物さん。この街に何か用でも?」
声をかけてみたものの、しかしまったく反応はない。
「とりあえずフードを上げてくれないかな? 現状どう見てもお巡りさんに通報案件なんだけど」
ようやっとフードをあげた不審人物は、しかし――、
「フッ――」
そのままマントを脱ぎ捨て、腰の剣を抜刀すると、俺のもとへと瞬時に距離を詰めて斬りこんできたのだ――!
「問答無用かよ――! このっ!」
空気を切り裂くような鋭い初撃を、
ギン――ッ!
鈍い音とともに、俺は居合抜きした日本刀でギリッギリのところで受け止めた――!
「くぅ――っっ!」
「ほぅ、今のをあっさりと受け止めるか。やりおるな、人族の若者よ」
そう言った不審人物は――浅黒い肌をした老人――いやそんなことよりもなによりも、著しく目を引いたのは――、
「ツノ――?」
その額には小さな、しかしはっきりとソレとわかる一本のツノが生えていたのだ――!
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