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異世界転生 16日目

第362話 三度目の正直 vs《剣の魔将》グレン

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「まぁなんだ。これでアンタとも3戦目だろ? そろそろいい加減、どっちが上か白黒つけようぜ――ッ!」

 完敗した初戦。

 あと一歩で逃げられた2戦目。

 そしてこれが三度めの正直だ――!

「しかしまさか空からの攻撃とはの――ハッ!」

 精霊剣クサナギと魔剣グリムヴェルを激しく打ち合いながら、

「なかなかいい作戦だっただろ? アンタだって危険を承知で単独行動しているんだ。当然、拠点の周りには罠くらい用意してるだろうと思ってさ。不意打ちも兼ねて一石二鳥ってわけだ――ッッ!!」

 合間合間に俺とグレンは言葉を交わしてゆく。

「なるほど、こちらが単独行動していることまでも、全て把握されていたというわけか――チィッ」

 突如、グレンがその場を飛びのいた。

 その直後。
 一条の黒い光線――黒粒子砲=漆黒のドラゴン・ブレスがグレンの立っていたあたりを文字通り薙ぎ払ってゆく。

 放ったのはもちろん――、

「む……外してしまったのじゃ」

 切り結んでいた俺とグレンからは少し離れた位置へと降りてきた、SS級にして伝説の暴竜、《神焉竜しんえんりゅう》だった。

「なんとすさまじい威力か……」
 さしものグレンも、その破壊力を前に驚きを隠せないでいる。

「援護サンキュー、《神焉竜しんえんりゅう》! にしても相変わらず半端ない威力だな。これでも発動を早めるために、力を抑えてるんだろ?」

 漆黒のドラゴン・ブレスが通った跡は、まるでスプーンでゼリーをすくったあとみたいに、綺麗に地面がえぐれてしまっている。

 鬼族の防御力がどれほどのものかはわからないけど、さすがにこれが当たったらグレンも死ぬんじゃないかな?

「ふふん、わらわを誰だと思うておるのじゃ! かつて暴虐の王竜と呼ばれ、神の時代を――神話を終焉わらせた《神焉竜しんえんりゅう》アレキサンドライトぞ! これくらいお茶の子さいさいなのじゃ――ハァッッッ!!!」

 再び放たれた漆黒のドラゴン・ブレスを――、

「ちっ、ほんに猪口才ちょこざいな鬼なのじゃ」
「さすがにこの距離では当たらんよ」

 ――しかしまたもやグレンはかわしてみせた。

 でもまぁ、こればっかりは仕方ない。

 《神焉竜しんえんりゅう》の背中にはウヅキと巫女エルフちゃん、そしてティモテが乗っている。
 みんなの安全のために敢えて大きく距離をとっている分だけ、どうしてもかわされてしまうのだった。

「しかし《神滅覇王しんめつはおう》だけでなく、創世神話の《神焉竜しんえんりゅう》までいるとなると……そうか、人族は竜族と手を結んだのか」

 そんなグレンの推理は、

「老鬼よ、愚かな考え違いをするでないのじゃ。わらわは神をも喰らいし竜の王。こうべを垂れるのは、主様ぬしさまと奥方殿だけじゃ――!」

 若干キレ気味の《神焉竜しんえんりゅう》が、ドラゴン・ブレスをぶっぱなしながら一刀両断に否定した。

 しかしこのドラゴン・ブレスも、グレンはしっかりと見定めて回避してのける。

「さすがだな、《剣の魔将》って呼ばれるだけはある――」

「なに、こうやってただ外から撃たれるだけならば、まだ対処の仕様もあるというもの。それよりも、警護対象たる少女を連れてきたのは愚策が過ぎるぞ? これはこちらから向かう手間が省けたというもの。血迷ったかマナシロ・セーヤ」

 グレンの目が視線だけで射殺せるような、強烈な殺気を帯びはじめる。

「あんたこそ俺たちに勝つ気でいるのかよ? この前やって俺の方が上だってわかったはずだぜ? しかも今回は《神焉竜しんえんりゅう》までいるんだ。このまま押していけば、この決戦、最後に勝つのは俺たちだ――!」

 この状況で勝てるもんなら勝ってみやがれ――!

「いい機会だ。《神滅覇王しんめつはおう》マナシロ・セーヤ、なぜ鬼族が妖魔で最強と言われるか、今から貴様に教えてやろう――」
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