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異世界転生 16日目
第381話 重なる力
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完全にヘバりきる前に、なにがなんでも打開の糸口を見つける――見つけてみせる!
――そう、俺が強く決意を固めた時だった。
「主様、少々苦戦しているようじゃの?」
背後から《神焉竜》の温かく、そして力強いセリフが聞こえてきたのは――!
「この声は《神焉竜》! もしかしてなにか策でもあるのか!?」
藁にもすがる思いで即反応してしまった俺に、
「なーに、策などと深く考える必要はあるまいて。ここに妾たちがおるじゃろう、妾たちが!」
《神焉竜》は謎かけみたいな答えを返してくる。
「《神焉竜》たちが……? どういうことだ……?」
「もう、相変わらず察しが悪いわね! つまりは融合するってことよ!」
会話に割り込むようにして、精霊さんの元気な声が聞こえてきた。
「融合って、俺と精霊さんとでか? でも《精霊融合》は《天照》が熱すぎて無理なんじゃ――」
「アタシだってSS級だし、ティモテとは友達なんだもん! 為せば成る! 熱さなんてなんぼのもんじゃーい! ファイトー、いっぱーつ! おらおらー、どんとこーい!」
「ま、まさかの根性論……!」
だがしかし!
精霊さんに尋常ならざるやる気がみなぎっているのが、手に取るように伝わってくる――!
「これなら――今の精霊さんなら、きっと可能だ!」
どんな障害も、根性で乗り越えてくれる――!
「きヒひッ、まだ何かあるの? いいよ、このまま終わってもつまんないし、ほら、もうちょっとあがいてみなよ?」
「にやけた上から目線で慢心かましてチョーシこきやがって――」
でもわざわざ待ってくれるってんなら、ありがたくその慢心、有効活用させてもらうぜ――!
「よし、行こう精霊さん! エレメンタル――」
キリッとした漢のキメ顔で宣言しようとした俺を――、
「待つのじゃ主様! それだけではないのじゃ! 妾の黒粒子も使わねば、SSS級には届かぬじゃろうて!」
《神焉竜》の言葉が押しとどめた。
「《神焉竜》の黒粒子を――?」
「《精霊神竜》と戦った時に妾の力を使用したであろう? それの応用なのじゃ。《神滅覇王》の状態で、妾の黒粒子と――」
「アタシの《精霊融合》でブーストすれば!」
「「SSS級の《魔神》にも届くはず――!」」
《神焉竜》と精霊さんの声が、打ちあわせでもしていたかのように見事に重なった――!
「それは確かにすごいパワーになるだろうけど。でもそんなこと、できるのか? SS級の力を3つ、いや4つ融合させるなんていくら巫女エルフちゃんでも――」
《神滅覇王》、《神焉竜》、《精霊神竜》だけじゃない。
《天地開闢セシ神竜ヨリ産マレシ黄金神剣》だってSS級だからな。
「これだけの強大な力を一つに束ねるなんて、さすがに――」
「そこはそれ、クレアがちゃんと再調整してくれたから、短い間なら大丈夫!」
クレア……?
あ、巫女エルフちゃんのことか。
「この子ほんとに優秀なんだから」
「いやほんと、マジですごいな巫女エルフちゃん、もう何でもありだね!」
「巫女エルフですからー」
おおっ!
おなじみのフレーズが、今日はいつにもまして心強いぞ……!!
「そういうわけなら、悩む必要はないよな――!」
俺はみんなとアイコンタクトをして呼吸を合わせると、声を高らかに宣言する――!
「「「「《最終融合》――ファイナル・フュージョン!」」」」
4人の声が重なって――、
「……4人?」
《天地開闢セシ神竜ヨリ産マレシ黄金神剣》はしゃべらないから3人じゃあ――、
「なに、SS級というのならワシの力も使えないかと思ってな」
「おまえ、グレン――!」
そこには、さっきまで俺と戦っていた《剣の魔将》グレンがいたのだった――。
――そう、俺が強く決意を固めた時だった。
「主様、少々苦戦しているようじゃの?」
背後から《神焉竜》の温かく、そして力強いセリフが聞こえてきたのは――!
「この声は《神焉竜》! もしかしてなにか策でもあるのか!?」
藁にもすがる思いで即反応してしまった俺に、
「なーに、策などと深く考える必要はあるまいて。ここに妾たちがおるじゃろう、妾たちが!」
《神焉竜》は謎かけみたいな答えを返してくる。
「《神焉竜》たちが……? どういうことだ……?」
「もう、相変わらず察しが悪いわね! つまりは融合するってことよ!」
会話に割り込むようにして、精霊さんの元気な声が聞こえてきた。
「融合って、俺と精霊さんとでか? でも《精霊融合》は《天照》が熱すぎて無理なんじゃ――」
「アタシだってSS級だし、ティモテとは友達なんだもん! 為せば成る! 熱さなんてなんぼのもんじゃーい! ファイトー、いっぱーつ! おらおらー、どんとこーい!」
「ま、まさかの根性論……!」
だがしかし!
精霊さんに尋常ならざるやる気がみなぎっているのが、手に取るように伝わってくる――!
「これなら――今の精霊さんなら、きっと可能だ!」
どんな障害も、根性で乗り越えてくれる――!
「きヒひッ、まだ何かあるの? いいよ、このまま終わってもつまんないし、ほら、もうちょっとあがいてみなよ?」
「にやけた上から目線で慢心かましてチョーシこきやがって――」
でもわざわざ待ってくれるってんなら、ありがたくその慢心、有効活用させてもらうぜ――!
「よし、行こう精霊さん! エレメンタル――」
キリッとした漢のキメ顔で宣言しようとした俺を――、
「待つのじゃ主様! それだけではないのじゃ! 妾の黒粒子も使わねば、SSS級には届かぬじゃろうて!」
《神焉竜》の言葉が押しとどめた。
「《神焉竜》の黒粒子を――?」
「《精霊神竜》と戦った時に妾の力を使用したであろう? それの応用なのじゃ。《神滅覇王》の状態で、妾の黒粒子と――」
「アタシの《精霊融合》でブーストすれば!」
「「SSS級の《魔神》にも届くはず――!」」
《神焉竜》と精霊さんの声が、打ちあわせでもしていたかのように見事に重なった――!
「それは確かにすごいパワーになるだろうけど。でもそんなこと、できるのか? SS級の力を3つ、いや4つ融合させるなんていくら巫女エルフちゃんでも――」
《神滅覇王》、《神焉竜》、《精霊神竜》だけじゃない。
《天地開闢セシ神竜ヨリ産マレシ黄金神剣》だってSS級だからな。
「これだけの強大な力を一つに束ねるなんて、さすがに――」
「そこはそれ、クレアがちゃんと再調整してくれたから、短い間なら大丈夫!」
クレア……?
あ、巫女エルフちゃんのことか。
「この子ほんとに優秀なんだから」
「いやほんと、マジですごいな巫女エルフちゃん、もう何でもありだね!」
「巫女エルフですからー」
おおっ!
おなじみのフレーズが、今日はいつにもまして心強いぞ……!!
「そういうわけなら、悩む必要はないよな――!」
俺はみんなとアイコンタクトをして呼吸を合わせると、声を高らかに宣言する――!
「「「「《最終融合》――ファイナル・フュージョン!」」」」
4人の声が重なって――、
「……4人?」
《天地開闢セシ神竜ヨリ産マレシ黄金神剣》はしゃべらないから3人じゃあ――、
「なに、SS級というのならワシの力も使えないかと思ってな」
「おまえ、グレン――!」
そこには、さっきまで俺と戦っていた《剣の魔将》グレンがいたのだった――。
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